あらすじ
日本人はなぜ「三」という霊数が好きなのか。ベストセラー歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』別巻シリーズ第3弾!
日本人ほど「三大――」が好きな民族は珍しい。古代から「三」という数字は、一種の調和を表わす「霊数」であるとされてきた。
たとえば平安時代の書物には、三大建築は「雲太、和二、京三」と記されている。それぞれ出雲太郎、大和二郎、京三郎の意味で、出雲大社、東大寺大仏殿、京都御所を指しているが、実はこの順番は、聖徳太子が制定した憲法十七条の条文にも通底している。これらが示唆する日本人の根本原理とは……!?
ベストセラー歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』別巻シリーズ第3弾「ニッポン[三大]紀行」では、「日本三景」「日本三名山」から「日本三名瀑」「日本三名城」「日本三大霊場」まで、調和を表わす霊数「三」にちなんだ全国津々浦々の聖地を逆説史観で読み解きます。
松尾芭蕉が松島で使った「禁じ手」、かぐや姫が焼いた「不老不死の薬」と富士山の由来、日本城郭史上画期的な秀吉の大坂城、世界最古の木造建築・法隆寺の秘密、佐渡に流された「三大流罪人」、宇佐神宮に祀られる比売大神の正体、……これまでにない新たなアプローチでニッポンの原風景を味わい直す逆説ファン必読の書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今までにない(と思う)三大○○に着目した本です。もうちょっと数を減らして、突っ込んだ内容でも良かったかとも思うけど、このレベルの読みやすい内容でもありかと。
Posted by ブクログ
★日本三景・・・雲太・和二・京三→日本の古建築で高い建造物ベスト3
しかし、日本三景という呼称は明治時代に入ってからのこと。
★日本三名山・・・富士山・白山・立山
・山は座と数える。昔は妻のことを「山の神」と呼んだ。
コノハナサクヤヒメが住む。
★日本三大松原・・・三保の松原・虹の松原・気比の松原
・松はめでたさの象徴。
★日本三大河・・・利根川・筑後川・吉野川
「河」は架空のもの「天の河」などに使われた。
★日本三大美林・・・木曽ヒノキ・秋田スギ・津軽ヒバ
スギもヒノキもスサノオの毛から生まれた。日本は「鎮守の森」という森を神の領域と考えていた。一方で西洋文明の根底には森を切り拓く神「ギルガメッシュ」がいる。法隆寺は総ヒノキ造り。
★日本三名瀑・・・那智の滝(熊野)
雲消ゆる 那智の高嶺に 月たけて 光をぬける 滝の白糸(西行法師)
★日本三大霊場・・・恐山・比叡山・高野山
・地蔵は仏の中で特別な存在
・釈迦によって始められた初期の仏教は個人の救済を目指すもの。(小乗仏教=1人乗りの乗り物=上座部仏教)
・大乗仏教=戒律を緩くして大衆化させた。
・最澄は桓武天皇に期待されて官費留学し新しい仏教を求めた。
・空海は自らの仏教への疑問から留学した、私費留学生。
・真言=仏の本当の言葉。密教ゆえに本当の教えは師から学ぶ以外に知る方法はない。
★東北三大祭り・・・青森ねぶた祭り・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり
・祭りとはつまり神への接待。特に農業において重要視される。
・祖霊信仰・・・死者の魂は不滅で「どこか遠いところにいる」
・ねぶたの灯篭は精霊流しの灯篭が巨大化したもの。ねぶた=眠たい。
・七夕は中国の故事に基づく。アルタイルとベガ
★日本三大稲荷・・・伏見稲荷(京都)・笠間稲荷(茨城)・豊川稲荷(愛知)
・稲荷=キツネ 八幡神=宇佐八幡 稲荷=伏見=稲作の神=秦氏の神
★日本三大仏・・・奈良大仏・鎌倉大仏・高岡大仏
・仏舎利・・・お釈迦様の遺骨 仏教も元は偶像崇拝を禁じていた。
・奈良の大仏はブロンズで仏像を制作するという破天荒な計画・日本の技術力の表れだった。
★日本三大天神・・・太宰府天満宮・北野天満宮・防府天満宮
・天神様=菅原道真公
三は調和の基本数。日本人の基本原理は話し合い。
・日本サッカー協会のエンブレム「八咫烏(やたがらす)」神武天皇を導いた神鳥。