池村千秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近、スキマ時間にAudibleを使ってながら聴きをしていて、ChatGPTに最近聴いた書籍の傾向をもとにお勧め尋ねたら本書を勧められたので聴いてみました。
本書のメッセージとしては長寿化により今まで目の当たりにしていたライフステージの考え方では長寿化に対応できず、マルチステージの考え方で無形資産(活力や変身)、有形資産(カネ、モノ)をバランスよく形成していく事が大切と理解しました。
趣旨としてはとても興味深いのですが、ちょっと説明的な部分が多く冗長的に感じて結構、大切なポイントを右から左に聴き流してしまってるかも。
もう少しエッセンス凝縮してもいいかも。 -
Posted by ブクログ
著者は人生100年と言われるような長寿化=人生の長期化によって生じる課題=人生計画やキャリアプランの立て方、医療制度や経済と金融制度の在り方、高齢者であること、老いることの文化や思想を根本的に考えることの重要性をAIや環境問題と同様に考える時代になったと主張する。
そしてエバーグリーン型=あらゆる局面で新鮮さを失わない状態を保つ老い方をできる可能性を最大限高めるために、今できることをするべきと説く。
それには健康、お金、人間関係、生きがいやスキルが失われないことが重要。
今有効なことを実践し、情報収集を絶やさない(医療の進歩に注意を払う)。
人生終盤の時期が持つ可能性を過小評価しない。
未来のために行動し、その恩恵は今受ける選択肢もある事を忘れない。
結論的にはエバーグリーン的な発想が必要なことは同意するが、個人差はあり社会全体として制度や文化がどう変化していくのか注視していくべきだろう。
また個人レベルのアプローチがイギリスでも日本と変わらないことに人間社会の普遍性を感じた。
結論自体は想定できるシンプルさだが、それに至る著者の思考プロセス(元々は著者は経済学専攻だが、本書のための研究データや該博な知識に基ずく)は興味深いものがあった。 -
Posted by ブクログ
日本は2008年の人口ピーク以降、徐々に人口減少が始まっている。それからはや15年以上経過し、時間に抗う事なく人口は減り続けている。人口減少は国民が亡くなる数が出生人数を上回る事である。第一次ベビーブームの1947年から1949年の間に産まれ爆発的に人口を増やした世代、所謂、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、更にその世代がブームの反動で短期間に鬼籍に入っている。その一方で出生率は低下の一途を辿り、減少率に拍車をかけているのがここ数年の人口動態である。2024年の人口は1億2,380万2,000人と、前の年より55万人減少した。外国人を除く日本人の人口は前の年から89万人減り、減り幅0.44%も過去最大となっている。またその一方で人口に含まれる外国人の数は350万人を超え、前年から34万人以上増加した。
本書の頭ではこのままいけば、日本という国がいつか消滅するという記載がある。先ほどの数字を見れば、確かに日本から日本人が居なくなり、その埋め合わせを海外からの移住者がするという流れからは否定はできない。何もしなければ何も変わらなければ、いつか純粋な日本人はこの世から消えるかもしれない。但し、日本人とは一体何かと問われれば、遥か古代から大陸より海を渡って入ってきた民族もいるし、そもそも日本は巨大なユーラシア大陸の一部であったから、現在のロシアや大陸の様々な血が流れていると言っても言い過ぎではない。とはいえ大陸から分離され島国として鎖国もしてきた日本は独特のアイデンティティと民族性を養ってきたのも間違いない。技術の進化が海も空も移動可能とし、どこからでも他民族が来る事を可能にしたが、中国人や韓国人でさえも「違う民族=日本人ではない」というのはすぐに理解できるし、見た目の違いにもある程度気づける。
本書は日本人の減少について、主に出生率の低さの原因を辿る事で、これからの日本が何をすべきかについて言及する。その中で出生率が高いスウェーデンや日本ほど低くはないアメリカとの比較を行うだけでなく、過去の日本人へのインタビューと(同じ人に対する時間経過後のインタビュー)直近のインタビューの比較も行っており、時間の経過とともに国家の政策や社会に変化があったかについても調査している。
その比較評価方法は国の政策だけでなく、国民性に多く触れる事で、まずは日本人の考え方や働き方が変わらなければ、出生率が上がらない事を鋭く突いている。なお、世界最高レベルのスウェーデンと比較しても、日本は育児休暇などの付与数は圧倒的に多い。しかしながら、社会とのつながりの低さ(人口の多い都市部)は日本人は「家を大切にする」という民族性とは異なる点も指摘している。アメリカの様に近隣住民との深いつながりの中で子育てできる環境とは異なり、日本の育児環境は孤独だ。それは父親の育児への関与が少ないだけでなく、父親含めた日本社会の考え方に根本的な原因があるという。本書は制度を整備する前に考え方を改める必要性について一貫して述べており、頷ける点も多い。とは言え、働き方の一つの違いであるメンバーシップ制からジョブ制への移行などは、これまでの日本企業を支えた働き方や考え方とは大きく異なり、変えていくインパクトは相当なものになるだろう。島国で助け合いながら協調しながら生活してきた日本人の気質にも果たしてマッチするかはわからない。
だが、何かをしなければ人口減少は止まらず、出生率を増加させる事はできない。後半は筆者の考える今後の施策を掲載する。育児休暇の義務化や父親の休暇取得を促進する(期限付きで父親の休暇日数を決めて期限までに使用しなければ消失する などの)クォータ制の導入、更には待機児童に対する保育施設の充実化、それに従事する人の教育や報酬アップなど、どこから手をつけて良いか分からないくらいやる事は多岐にわたる。子育ての負担を軽減し、子育て自体を楽しく幸せなものにするために打てる手はいくらでもある。私が亡くなる頃には、少しはその辺りの施策が始まり、そして進展、結果が出ている事を祈りながら本書を閉じた。 -
Posted by ブクログ
巨匠ミンツバーグ教授による組織論。今まで組織構造の解説書籍を数多く読んできたが、これが原点だったか。
そういう意味では、基本的なところが書かれているし、本書から派生していく数々の組織理論を他の書籍で先に読んでいたためか、「どこかで見た理論だな」という既視感があった。
私もすでに50代後半に突入し、長年会社員を勤めてきた間に染み付いたものがあるのだろう。
「理解したつもり」という思考が、実は一番良くないのは分かっている。
しかし、それを自覚するのは、本当に難しい。
どこかで見た組織論だと評するのもおこがましい限りだが、「原点」故に目新しさが感じられなかったのは事実。
ただし、ここは基本のキに立ち返り、自らの社会人人生で経験した各組織を振り返りながら見つめ直してみようと思った。
改めて思い返してみると、自分が所属した数々のチームもバラエティに富んでいたものだ。
自分がメンバー側の時代もあるし、もちろんリーダーやマネジャーを経験したこともある。
大きな成果を出せて自信に繋がった組織もあれば、メンバーは優秀にも関わらず、仲たがいして空中分解に近い形の組織もあった。
組織論という切り口で、成果を出せたかどうかの基準で振り返ってみるのも、非常に面白い。
過去の若い時代に、これら理論を理解していて、実践してみたら上手くいったのだろうか。
そんなことを想像してみるだけで、これは結構学びになるものだ。
本書では、組織の形態について、大きく4種に分けられると解説をしているのだが、これは実体験と照らしてみても違和感はない。
①パーソナル型、②プログラム型、③プロフェッショナル型、④プロジェクト型
私はバックオフィス部門の経歴が長かったため、②の組織に馴染みがあるが、私の所属する会社の業界自体は③④で機能している部分が大きいため、そこに対してもアレルギーは感じない。
本書でも、明確に4種に分かれる訳ではなく、実際はそれぞれが重なり合ったり、交互に行き来したりもする訳なので、ここまで単純な話ではないだろうと思う。
これらは機能で特徴を分類しているが、いずれにしても「文化の土台」があるのだという。
①パーソナル型は分かりやすい。
文化も何も、カリスマ経営者がいて、その社長が独裁者のごとく全てを決めていく。
社長の考えによって、部下は振り回される訳であるが、その「社長の考え」こそが、ズバリ企業の文化そのものだ。
こだわりの料理を提供している飲食店などは分かりやすい例であるが、それに留まらない。
大企業であったとしても、カリスマ経営者が一代で築いた会社であれば、その社長の生き様そのものが企業文化として蓄積されていることが多いと思う。
当然、その良し悪しはある訳であるが、創業時の理念も含めて、受け継がれる大事な文化は確実に存在する。
人間が集まって形成される「組織」という形態は、非常に奥深い。
人間1人1人の意志が、その組織に対してどのように影響を与えているのか。
組織全体が一つの意識のようにまとまる時もあるが、それは一体どういうことなのか。
今まで上手く機能していた集団が、たった1人メンバーが入れ替わっただけで機能不全に陥る場合もある。それはなぜなのか?
「組織」と聞いて、すぐにイメージしやすいのは、軍隊かもしれない。
1人1人高度に訓練して実力を付けたとしても、結局戦争に勝たなければ意味がない。
集団として最強になるために、どういう組織を構築し、機能させなければいけないのか。
人類史において、戦争の歴史は非常に長いため、ノウハウが多く蓄積されている。
会社などの組織も、ベースは軍隊から来ているかもしれないが、それも時代とともに、少しずつ変化しているのを感じてしまう。
端的に言えば、④のプロジェクト型が今後は主流になりそうな気がしている。
DAOなどは正にプロジェクト型の典型例だが、ブロックチェーン技術の発展によって、これら組織形態を作り易くなったのは事実だ。
ファンコミュニティ。オンラインサロン。
名称は様々ではあるが、かつてのような上意下達の軍隊組織とはどうも異なる。
それぞれが自主的に、自分の価値観と共感する心地よい仲間たちとチームを組んで、目的達成に向けて協力していく。
大昔の芸能人を応援するファンクラブと、今のアーティストを推すファンコミュニティは、だいぶ様相が異なると思う。(ファンクラブの形態が進化しているとも言える)
「好きだから応援する」というだけに留まらず、そのアーティストの将来の夢に共感し、その実現を、自分の夢のように重ねて支えていく。
「共犯」という言葉がよく利用されるが、まさに「共に」という意味が強いことが現代的らしい。
今後は様々な組織形態が「共に」の要素がより強化されていくはずだ。
「この組織に所属していて大丈夫だろうか」
「この人たちと一緒にいて、働けるだろうか」
この感覚を優先することは、今では当たり前の感覚であるが、組織を運営する経営側が意識する必要があるだろう。
だからストーリーを語らなければいけないし、ビジョン・パーパスを掲げる重要性があることも辻褄が合う。
大昔は結婚すら親や血縁が決めていたし、就職先だって他人に決められたところに入社していた。
そして一度そこに入れば「郷に従え」で、滅私奉公のごとく尽くしに尽くした。
その要素は今ではほとんどなくなっているが、今後もより変化が強化されていくことは間違いない。
組織の形態を、「クラフト(技)」「アート」「サイエンス」の三軸で分析する手法は面白いと感じた。
これは自己分析にも応用できる。
自分なりの解釈であるが、「クラフト」が「行動」寄り、「アート」が「感情」寄り、「サイエンス」が「理論」寄り、と見てみると理解が深まった。
人間なので、どこかに偏るのもバランスは悪いが、その人の特徴は非常に出やすい。
会社の部門によっても、クラフト・アート・サイエンスという3軸のバランスを意識するのは必要かもしれないと感じる。
その部署、その仕事に向いた3軸の交差点は必ずあるはずだからだ。
原点とも言える組織論であるが、基本だからこそ、応用に展開しやすい。
組織形態に唯一の正解はないのだが、大いに参考にできる。
(2025/2/24月) -
Posted by ブクログ
教授である著者が自身が研究する先延ばしについて起こるメカニズムと解消する方法を解説した一冊。
先延ばしについてさまざまな生理現象と先延ばしの関係や脳のメカニズムからみる先延ばしについても学ぶことができました。
そして、現代社会にあるゲームとテレビが先延ばしにどう影響するかやその誘惑のメカニズムについても知ることもできました。
また、先延ばしによって人生や国家に与える負の影響も知ることができました。
自分の可能性を狭めて考えるタイプ、課題に価値を感じないタイプ、目の前の誘惑に勝てないタイプの3つのパターンに分けてどのように対策するかを学ぶこともできました。
その中では楽観主義と現実主義のバランスが大事なこと、回避目標より接近目標を立てること、小さなゴールを設定してそれを達成することを重ねること、目的に価値を持たせること、誘惑に負けて先延ばししないようにキューとなるものを取り除くようにすることや時間を意識して目的を達成するようにすることなどが大事であると感じました。
本書を読んで現代社会において文明の発達と共に先延ばしとなる要因が多くあることを感じると共にその対処法を学ぶことができました。ただ、先延ばしを完全に無くすのも良くないともあるので本書での学びを活かして上手く付き合っていくための助けとなる一冊だと感じました。