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Posted by ブクログ 2023年04月16日
「学習する組織」に続けて読むべき本。免疫機能という表現を使っているが、なぜ変われないかを良くえぐっていると思う。ここに書かれていることは理解できるが、実践するのは相当の覚悟と努力が必要。
Posted by ブクログ 2023年03月20日
当該観点については非常に思うところがあり、手に取った本。
知性の話に始まり、とても幅広く研究解釈されている名著
自己変容型知性と仕事能力との相関関係性は強く共感
深い洞察が多く盛り込まれている。
組織と人の変革に関するバイブル的名著
メモ
・自分を変えられない人は7人に6人
・人は何歳になっても世...続きを読む界を認識する方法を変えられる可能性
・月並みなリーダーと傑出したリーダーの違い、それはチーム全体の能力を高められるかどうか
・大人の知性の三段階
環境順応型知性 周囲に合わせる、忠実、順応する
自己主導型知性 環境を客観把握し内的判断基準に基づき、判断選択する。自身の価値観に基づく自我。
自己変容型知性 自身の価値基準の限界を検討できる。システム秩序の不完全性を理解。矛盾や反対を受け入れられる。複数システムの保持を考えられる。矛盾を統合しつつ自我を形成する
・変革を実現できないのは二つの相反する目標の両方を本気で達成したいから。人間は矛盾が服を着て歩いているようなもの
強力な阻害行動の裏の目標を明らかにする必要がある
・問題は同じでも本当の動機は人それぞれ
・裏の目標に加え、強力な固定観念の存在
この真偽を試す行動をとれれば、固定観念修正の道が大きく開ける
・権限移譲できない人の例
裏の目標 他人に依存せず万能でありたい、自己犠牲の持ち主でありたい、問題の解決策を見出したい
固定観念 頼って上手くできなければ自尊心を失う、自分を最優先させると薄っぺらで自分が嫌いなタイプに、課題できないと価値がなくなってしまう 給料泥棒になりたくない
・変わるために必要な三つの要素
心の底 変革を起こすやる気の源
頭脳とハート 思考と感情の両方に働きかける
手 思考と行動を同時に変える
・自己変革成功者の共通要因
思考様式と行動の両方を変えることに成功
思考と感情を鋭く観察し、結果を情報として活用したこと
明確な意図を持って行動し、データに基づいた基本認識をつくり新たな力と評価基準を獲得したこと
・免疫マップ
一枠 改善目標
自分にとって重要なものであること
周りの誰かにとっても重要であること
目標達成のために自分自身の努力が必要だと認識できていること
二枠 阻害行動
目標達成の足を引っ張るもの
要素多く、率直なほど免疫マップの診断効果高まる
三枠 裏の目標
二枠の反対行動を取った際の不安を考える。
不愉快な感情が生まれないか?感情を引っ張り出す。不安ボックスに書き込んでみる
第一枠と衝突する裏の目標の候補を明らかにする
自己防衛という目的との関わりが明確なものであるはず。裏の目標達成のために阻害行動が重要な役割を果たしているもの。
四枠 強力な固定観念
裏の目標の根底にありそうな固定観念。
事実だと確信しているもの
裏の目標の少なくとも一つを必然的な生み出すもの
・序盤 舞台を作る
免疫マップを練り上げる
事前調査を行う 周りに意見を聞く
中盤 掘り下げる
目標への道のりを作成する
自己観察をおこなう いつ固定観念は猛威をふるうか。覆す機会はないか
固定観念の履歴書をつくる、検証する
終盤 学習の成果を定着させる
事後調査をおこなう まわりにきく
落とし穴と脱出ルートを発見する
・発達思考の姿勢
大人になっても成長できるという前提にたつ
組織学習を業務と完全に切り離したものとしない
自分を成長させる良い問題に取り組んでいるか
感情が重要な役割になっていることを理解する
考え方と行動のどちらも変えるべきと理解する
メンバーにとって安全な場を用意する
Posted by ブクログ 2021年10月06日
読み込むのは少し難しいですが、原理も分かりやすく、事例も多く、とても実用的な内容です。私はこれをベースに約200人に対して1on1コーチングを実践しました。今も進行中です。1人で考えても不安を避けようとするので、深い固定観念に到達するにはコーチの伴走が必要です。アレンジも必要ですが、とても効果を感じ...続きを読むています。この本に感謝してます。A4サイズで履歴を残せるあたりも企業向けとしてもちょうどよいです。
Posted by ブクログ 2020年08月30日
自分の変えたいのに変えられない行動に目を向けられる良書。適応を要する課題を少し時間をかけて解決する方法と効果が書かれている。
改善目標、阻害行動、裏の目標、強力な固定観念を考え、固定観念と裏の目標を和らげていく。ある意味、認知行動療法のような取り組み。
Posted by ブクログ 2020年03月23日
ロバート・キーガンの名著。免疫マップと称しているマップを作成し、改善目標を妨げる自身の固定観念は何かをあぶりだし、理解することが重要だと述べている、1.改善目標(まずは改善したい大きな目標を立てる)、2.阻害行動(それを阻害する行動は何か)、3.裏の目標(2.で述べた阻害行動には、どういった不安、別...続きを読むの自信の目標があるのか)、4.強力な固定観念(3.の目標にとらわれる自身の固定観念は何なのか)
Posted by ブクログ 2019年12月31日
変わる必要性を理解していて、変わりたいという想いもある。どうすれば変わるのかも分かっている。なのに、なぜ人は変われないのか?を解き明かしています。
Posted by ブクログ 2019年01月05日
目標を達成出来ないことを、意志力の欠如や能力不足と捉えずに、対立する別の目標達成のために合理的な行動であると主張した。このうえで、目標を達成するためには、別の目標を支える固定観念を洗い出し、それを検証して必要に応じて修正していく必要があるとした。
この行動は主体的な固定観念を客体的に扱う事に繋がり、...続きを読むこれによって目標達成のみならず、知性の向上のきっかけが得られる。
読んだあとにいかに実践出来るかがポイントになる本に感じた。
Posted by ブクログ 2018年11月21日
自分がどんなレンズを通して物事を見ているか、を客観視することで知性は向上する。
私が心掛けている、感情で話すのではなく感情を話す、に通ずるものがある。
知性の段階は3段階あるらしい。私が意識してるのは自己変容だが、対立を恐れるあまり環境順応に伏してる気もする。あまり自分の知の段階を理解できてないな...続きを読むー。
人が変わらないのは、変わりたい欲求と変わりたくない欲求が無意識でぶつかってるから。変わりたくない欲求を顕在化させることで、表面的で単発的な打ち手に止まらず、行動と思考を一緒に変容していく方法論はすごく良いと思う。大学生ぐらいに自分なりの同じようなアプローチを理解していたが、自己認識が苦手で全然手をつけてなかった部分。
免疫マップはさっそく自分で試してみた。が、改善目標からすでにあやふやで覚束ない(笑)
とりあえず、SPIとストレングスファインダーも並行してやって自己認識を高めつつ、改善目標は周りからヘルプをもらって作り上げていこう。
最後に、自己変革やチーム変革は、自分の免疫を作り変える作業なのでプロセスは辛いものだ。その中でも自分の成長や縛られている固定観念から解放されることを喜びと感じられる自分がいそうなら完走できる可能性が高いと思うので、ぜひやってみる価値はある。
そうじゃない人も、自分が本当に変わりたいのか自問するために取り組んでみると良い。あまりベネフィットを感じれず完走できなくてもよいと思う。それも一つ自己認識の結果なのだから。
Posted by ブクログ 2018年01月08日
素晴らしい。技術課題と適応課題。行動を阻む免疫という概念。もやもやと考えいたことの謎が解けるような納得感があっ。
組織開発に関わる人には必読と言える
Posted by ブクログ 2024年04月21日
人が変わりたくても変われないのはなぜか?
という原因を、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるという表現で表されたのが「免疫機能」というもの。
何かを変えるという時に、「変えたくない」という心理状態がある。
個人だけではなく、組織となると、組織は複数人の集合体であるため、一人一人それぞれの免疫機能があ...続きを読むり、その存在を自認する必要が謳われている。
それとともに、「組織としての目標はなにか?」に対する全員の免疫マップを作るワークショップと一人一人の免疫マップを公表する営みから、信頼関係が構築され、組織変革につながっていく…
という事例を複数取り扱っていた。
Posted by ブクログ 2022年01月05日
ロバートキーガン先生の発達の5段階の知識はあったけれど、それがアップデートされていてより理解しやすくなっていた。
今回は大人の知性の発達は3段階で、
環境順応型知性
自己主導型知性
自己変容型知性
となっている。
3段階目はいわゆる構造主義を受け入れられていることとも捉えられる気がした。
結局一...続きを読む人ひとりがそこに辿り着かないと組織は変わることができないが、その具体的方法について本書では詳細に書かれていた。
ただ、実践するにはなかなか難しく、覚悟と時間が必要で、最後には認知行動療法や精神分析療法のようなことまでやっており、なかなか簡単には導入できないと感じた。
とはいえ、まなびはたくさんあった。
やはり組織を変えられるのはリーダーなのだ。
Posted by ブクログ 2021年10月30日
変わりたい、変わろうと努力している。なのに全然改善できない。そんな思いを抱いたことはないでしょうか。
痩せたいけど、甘いもの・脂っこいものを食べちゃう。勉強しなければいけないけど、携帯見ちゃう。話を聞けるよい父親になりたいのに、また怒鳴ってしまった等々。
本書はそうした変わりたいけど変われない人の...続きを読む心理に潜む構造を明らかにし、人は幾つになっても変わることができる、と主張する作品です。
・・・
では変革を阻む原因とは何か。それは、自己に潜む「強力な固定概念」です。
人は矛盾を抱える生き物です。向上したい・自分を変えたいという気持ちに偽りはないものの、その裏には自分の変革を阻む固定概念が巣食っていることを認知せよ、と説きます。
例えば、とある若き部長の目標。彼は自分がやるべきことに集中し、権限移譲をすすめる目標があった。でもそうできなかった。すぐに新しいことに手を出し仕事を増やし、大量の仕事を抱え込み、他人に助けを求めない旧来のスタイルから抜け出れない。そこで自らを振り返り、自己の底に潜んでいる、「他人に依存せず万能でありたい」「自己犠牲の精神の持ち主でありたい」「課題をやり遂げる方法を見出せなければ、価値ある人材でなくなる」等の当初目標とは相反する想いを抱いていたことを発見する。
本書ではこのような状況を「ブレーキを踏みながらアクセルを踏む」と呼んでいました。
確かに、人は往々にしてそうした潜在的な自己保存的欲求に気づかないことが多いと思います。
その点本書が促すのは、問題に対するテクニカルな(ある意味表面的な)ソリューションではなく、むしろ一段深層の自分の欲求に気づくよう省察することです。
本書では、筆者が提唱する「免疫マップ」という手法を駆使して深層の欲求を認知し変化のきっかけをつかむ事例がこれほどかというほど載っています(読んでいて途中でだるくなるくらい載っています)。
・・・
なお組織の変革についても書かれています。こちらはあくまでリーダーやトップが出張らないと組織は変わらないというのが結論。やり方は個人のものと同じで個々人の持つ変革目標とそれを阻む固定概念を組織ぐるみで作成し回し読みするような感じ。
因みに、私「この腐った会社をどうにか変えてやりたい」という思いを胸に本書(タイトルに注目!)を買いましたが、この点では肩透かしでした。窓際平社員のボトムアップによる組織変革は流石に無理っぽいです笑 まあ地道に自己の能力向上を目指します。
・・・
もともと教育系学部で教鞭をとる筆者の研究のメインは、人の行動の可塑性、のような話。その点で「人は幾つになっても変われる」という結論は、本人だけではなく、私のような中年のおっさんにも福音のようなメッセージでありました。
自分を変えたいという真摯な方が自己省察を行うのにはとても良い本かと思います。私も自分でも試してみて、自分の底に潜む強い固定概念を知ることができました。
ただ、自分を変えるという意味では今私が並行して読んでいるレイ・ダリオ「プリンシプル」の方が包括的なように感じております笑。極端に行きたい方は「プリンシプル」の方がお勧めです。
Posted by ブクログ 2021年05月16日
読むのはなかなか苦労したが、中身はなるほどーと思うものだった。
変革をはばむ免疫機能に焦点を当てて、自分の裏に潜む行動要因を深掘りしていく思考法。
改善目標、阻害行動、裏の目標、強力な固定観念を免疫マップというツールを用いて明らかにしていく、真の自分を見つめる面白い考え方だと思った。
改善目標を...続きを読むはばむ裏の目標が隠れていて、それが相反することで改善目標が達成されないでいるという考え方。
何かを成し遂げたいと思う反面、、、ということは確かにある。
この裏の目標をあぶり出して、自分が震えるほど納得して、初めて改善のスタート地点に立てる。
自分に正直に、自分のことを深く深く見つめていかないといけない、非常に苦しい作業であるが、面に炙り出された時の納得感は心に刺さるものが出てきそうだと感じた。
強力な固定観念が裏の目標を生み出し、裏の目標が阻害行動を突き動かし、阻害行動が改善目標を妨げている、という図式が明らかになるのなら、自分を変える大きな力になるに違いない。
Posted by ブクログ 2020年10月11日
成人発達理論の概要や実践方法について様々なケースを用いて解説された本。
「人間はいくつになっても発達し続ける」という前提に立ち、スキルアップではなくアップデートの必要性を説きその方法論を教えてくれる。
大人の知性発達段階には三段階ある。「環境順応型知性」(指示待ちであり、周囲に期待されていることに...続きを読むよって自分がなすべきことを判断する)、「自己主導型知性」(自分の視点で問題解決を行う)、「自己変容型知性」(複数の視点を有して問題発見を行う、相互依存)だ。上位の段階に到達するにはスキルや知識を身につけるだけではなくて、精神性の発達が求められる。
私たちがなかなか変われないのは意志が弱いからではなく、変容を妨げる行動を取ることで達成される“裏の目標”を持っているからだというのは目から鱗。“裏の目標”を支える“強力な固定観念”を自覚し本当に正しく必要な固定観念であるかを確かめる実験を繰り返すことで、本来の目標達成に向けた行動がとれるようになる。これが、精神性の発達に必要なことだ。
例示されていたのはダイエット。
「絶対に痩せる。食べ過ぎない」という目標を掲げているのについ食べ過ぎてしまう人々。紐解いていくと、ある人は「大切な人たちへの親しみを表すためには食べ物を残すべきではない」という固定観念を有していたし、またある人は「痩せたら性的対象に見られ過ぎてしまう」という恐れを抱いていた。決して「痩せたい」気持ちは嘘ではないし「食べ過ぎない」決意も弱いものではないが、無意識的に“裏の目標”を持っているせいで片足でアクセルを片足でブレーキを踏んだ状態になってしまう。
職場での仕事ぶりにしてもそう。
「仕事を部下に振る」という目標を立てたにも関わらず、「自分で何でもやらない上司は口先人間で無能だ」という強力な固定観念が知らず知らずのうちに拮抗している人がいる。
「自分の意見を主張する」という目標を立てたにも関わらず、「一度でも間違った意見を言えばバカの烙印を押される」という固定観念が邪魔をしているケースもある。これらの固定観念は意識的にせよ無意識的にせよ自身の“原点”とも言えるほど揺るがし難いものだ。
大切なのは、
・本来の目標設定…本当に達成したい「ワン・ビッグ・シング」なのか?
・目標達成を阻害する行動は何か?
・阻害行動によって満たされる欲求は何か?目標達成のための行動を取るとどんな怖いことが起こりそうか?(裏の目標)
・裏の目標を作っている無意識の価値観は何だろう?(強力な固定観念)
を丁寧に炙り出すこと。自覚的になること。
そして、“実験的に” 阻害行動をやめてみて、自分の感情の動きや周りの反応を観察すること。ここから、自覚的になった“強力な固定観念”が本当に正しいのか、自分にとって必要なのかを意識的に判断する。
何より重要なのは、技術的に手っ取り早く解決しようとしないこと。“裏の目標”が明らかになった時点で分かった気になって、直接的に阻害行動を改善しようとテクニックを駆使し出すと上手くいかない(そうか、意見を主張して否定されることが怖いのね、でも怖がらずに進言すべきだよね、次のチーム会議から最低1つは主張してみよう)。その前提にある固定観念を払拭し、思考を変えなければ私たちのOSはアップデートしない。
そのためには、なぜ恐れているのか、どのようなことが起こることを避けようとしているのかをとことん深掘りし、強力な固定観念を明らかにしたうえで、何度か実験(普段と違う行動をとる)を繰り返して固定観念の妥当性を検証する必要がある(否定されることが怖いのは、知識や経験がない無能な人間だとレッテルを貼られ、リベンジできないと思っているから。一度意見を言ってみる→否定された時の気持ちは?否定した人の私への評価は?本当に無能だと思われた?→固定観念の見直し)。実験の結果を収集し、固定観念が妥当ではないと頭とハートで納得して初めて、何の恐れもなく行動改善に進める。
私自身のことに立ち返ると、
・職場での権限移譲(部下や同僚に仕事を振るのが苦手)
・上司への進言(やるべきことだけど自分に負荷がかかりそうなことは避けがち、上位に反対されそうなことは強く言わない)
・家族への不機嫌(特に父親、旦那)
これらについては明らかにワン・ビッグ・シングだと思う。改善することで起こるかもしれない望ましくないことや不安に思っていること、強力な固定観念について深掘りし、「自尊心と自己に肯定的な感情を失わず、自分の原点に忠実にあり続け、同時に、行動改善を行うことは可能なのか?」を明らかにするよう実験を重ねたい。
ほかに心に残ったこと。
組織内で他人の信頼関係を築くために必要な4要素。
①組織が大きな成果を上げるためにその人物の役割が重要だと理解し、その人を尊重すること。
②その人物が責任を果たせるだけの能力と技量をもっていると信じること。
③同僚として、そして一人の人間として、その人物を気づかうこと。
④自分の発言と矛盾した行動を取らないこと。
また、上述のようなワークを会社で推進する場合、階層別などではなく実際のチーム単位で行うべき。個人のワン・ビッグ・シングの解決が、チームの成長に繋がるのだと理解し、相互支援をすることが重要だから。私的な感情を仕事の世界に持ち込むための共通言語をもち、互いに当然に覚悟を持って感情と向き合い、精神性のアップデートを後押しし合う。職場はそのための安全な場であるべきだ。
Posted by ブクログ 2020年04月09日
個人や組織が変わるためには、表面的な阻害行動へアプローチするのではなく、裏の目標、強力な固定観念を認識し、そこに対処する必要がある。
それには、自己開示が必要と考えるが日本社会ではとてもハードルが高いと感じた。
免疫マップを作成することは、裏の目標や固定観念を自分自身で理解するのに有用。
Posted by ブクログ 2020年04月08日
【書評】
「変わるためにこんな工夫をしましょう!」などという、一般的な啓蒙本・How to本ではなく、科学的に変わり方を説明しているのが面白かった。
話の流れとしては、洋書的で、「結論」→「事例」→「結論」→「具体的手法」という形になっているため大変読みやすい。さらに、事例の範囲も広く、結論と強くリ...続きを読むンクしているため読解でのストレスはない。
なにより、結論にあたる免疫マップの作成方法・実行が大変興味深い。第9〜11章にあたるところだが、ぜひ読むことをお勧めする。
自分のためだけでなく、後輩や同期などとの課題解決としても有用そうに感じた。
ただ、今の僕に適用できなそうだった。というのも、「心から変わりたいと思い、さらに今もなお達成できていない目標」が必要で、今後その状況になった時にお世話になろうと思う。
(今はまだ技能的課題として解決できている部分が多いだけで優れているわけではない。)
蛇足だが、本書の読書理由は「政府や古い大企業などの大きな組織は変わるべきだと自ら認識しているはずなのに、なぜ変わることができないのだろう?それが知りたい。」というモチベーションだったため、少しずれてしまった。一部、児童福祉省を取り上げていたが、このモチベーションからは外れていた。
【要約】
心の底から変わりたいと思える「大きな一つのこと」を持ちながら変われない人と組織に向けて書かれた本。
本書では、変わるという課題には2パターンあるという。「意識する」「邪魔なものを排除する」などによって解決する「技術的な課題」と変化を無意識的に拒んでしまう人の本音を変化させること(=知性のレベルアップ)で解決する「適応を要する課題」だ。一般的には「技能的な課題」のみが扱われるが、著者は「適応を要する課題」こそが大事だと言う。
(例)一般「体重を5キロ減らすために、運動をして、食事を減らすようにしよう!」=体重を減らすことを技能的な課題として捉えている。
なぜなら、本心から変化を望みながらも変化できない人は、それを「適応を要する課題」として取り組む必要があると考えるためだ。
変化、もしくは、目標を達成できない理由は、まさに「アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる」から。彼らは目標に対して、「阻害行動」を起こしてしまうが、それらのベースには「固定観念」が存在するのだ。
アクセルが「変化を達成したいという本心」でブレーキが「固定観念によって想起される不安や不愉快を回避するための阻害行動」である。
本書は、上記であげた「変化/目標」の設定方法、「阻害行動」「固定観念」の把握方法だけにとどまらず、それらから脱却して「変化/目標」を達成するための理論・事例を展開している。
「大人になっても成長は続く」ーこの前提を持っている著者らだからこそ紡げる内容。
Posted by ブクログ 2018年11月23日
一言で表すなら、リーダーシップ開発の本。
スポーツ界で言えば選手と監督に違うスキルが求められるように、IT業界で言えばプログラマとプロジェクトマネージャーに違うスキルが求められるように、プレーヤーからリーダーへのロールチェンジする際に必要な変化を行うための考えとやり方を示しています。
リーダーにあり...続きを読むがちなのは、メンバーに任せられずに自分でやった方が速いし品質も高いアウトプットが出せる、だから任せられないというもの。でも、本当はメンバーに任せていかないと、残業が減らないし、現場が回っていかないことは、リーダー自身が気付いているはず。ただ、この問題は、やせた方がいいとわかっていてもなかなかダイエット出来ないのと同じで、すぐには解決できなかったりします。(本書では、適応を要する課題と呼ばれている)
適応を要する課題を解決するために、免疫マップというフレームワークを紹介しています。変えたい自分と、変えないように防衛する(免疫する)自分を分析するためのフレームワークです。
1.改善目標
権限移譲を行う
小さな失敗を学習の機会として受け入れる
・・・
2.阻害行動
大量の仕事を抱え込んでしまう
力を貸してほしいと頼めない
・・・
3.裏の目標
他人に依存せず、万能でありたい
自己犠牲の精神の持ち主でありたい
・・・
4.強力な固定観念
ほかの人に頼ったりすると、自尊心を失う
自分を最優先して行動すれば、とるに足らない人になってしまう
・・・
2.阻害行動に対策を打つのではなく、3.裏の目標、4.強力な固定観念まで分析したうえで、ここに対して対策を打っていきます。
1.目標
ほかの人に任せる仕事を増やす
2.最初のステップ
チームメンバーに、自分のどういう点を変えるつもりかを話す
どういう仕事や権限を割り振るかを決める
・・・
3.際立った進歩
チームのメンバーが変化に気づく
メンバーが信頼されていると思うようになる
・・・
4.成功の目標
自分でやるか委譲するかが明確に判断できるようになる
部下の責任範囲が広がる
・・・
思考様式と行動の両方を変えていく必要があるということです。
対象は個人、または、組織で、それぞれのやり方が書かれています。上の例はチームメンバーを巻き込んでやる例ですが、一人でやってもよいです。
具体例がいくつも出てくるので、実践する際には本書を読んでやるとよいです。
あらましは以上で、以下自分の感想です。
チームリーダーという立場から、チームリーダー兼他チームのリーダーを見る立場へと変化しているところで、この本の内容は結構刺さるものがあったように思います。
特に、デーヴィッドの免疫マップは、まるで自分を見ているような気がして、しかも、裏の目標や強力な固定観念とかみると、自分の嫌な部分を見るようで辛い気持ちにさせられます。ただ、そうした山を越えて人は成長=変化していくのかなとも思います。
以下気になった個所のメモ。
No.249
月並みなリーダーと傑出したリーダーは、どこが違うのか? それは、自分自身の、自分が率いるチームのメンバーの、そしてチーム全体の能力を高められるかどうかだ。
No.985
人間の知性を高めるために必要なのは「適度な葛藤」ということになる。
No.2134
マネジャー向けの書籍を読むと、上手に仕事を任せられるようになるために必要なのは、よき案内図と前向きな精神だけという印象を受けるかもしれない。
No.2394
私があらゆる仕事を自分で処理したがるのは、スーパースターでありたいという願望のせいなのでしょう。
No.3844
変革への強い情熱は、どうすればかき立てられるのか? その主たる源になりうるもの、それは、変革を成し遂げなければ自分の愛する人や大切なものが危険にさらされるという危機感だ。
No.5775
試練と支援―この二つはセットで取り入れることが必要だ。あなたは、チームの全員が不安を感じずに試練に向き合うために、どの面でもっと安全性を高めるべきかわかっているだろうか?
Posted by ブクログ 2018年11月12日
免疫マップを武器に、変われない人と組織の原因に切り込み変えていく本。第1部で変わるための視点を提供してくれ、第2部で実際に変わるための方法を実例を交えて解説。さらに第3部で習った方法をケーススタディ的に実践して学んでいくという構成を取っている。分厚い本だが、これでもかと解説してくれる。免疫マップが書...続きを読むければ、問題解決まであと一歩のところに到達していると思う。
Posted by ブクログ 2018年08月30日
技術で解決できる課題ではなく、適応を要する課題への取り組み方。「変革に対する免疫機能」という考え方にもとづき、個人や組織が変わるためのアプローチを教えてくれる。良書です。
Posted by ブクログ 2018年05月08日
面白かった。変わりたいけど変われない人はいっぱいいると思うが、なぜ変われないのか?を丁寧に説明している。
自分の組織でもやってみる場合はこれを教科書のようにして実践してみるのはありだと思う。
ただ本にはこれをやったら上手く行ったという事例が多く書かれているが、本当にそんなに上手くいくものか?と若干の...続きを読む疑問はあった。
Posted by ブクログ 2018年02月08日
わかってるのにできない問題。スキル以外で、阻害してる意識的要因がある場合のアプローチとなる。構造的に変わらない要因を捉えるという観点にも使える。ただ、これを分かったとして、できるかどうかはまたやりきる気持ちの問題がある。
Posted by ブクログ 2017年08月20日
2023年の感想
・大人の知性は発達する。高度な知性とは、自分の価値観の限界を知り、他の価値観を受け入れて仕事を成功させ、生活を幸せにしていくこと。
・免疫マップの手法は、引き寄せの法則のロジカル版。ありたい姿に向かう時、自分自身がブレーキをかけている状態から、なんとかしてブレーキ解除をする必要...続きを読む。
・組織がブレーキを外す方法論を確立・実践して、ここまでの本に仕上げている点に敬意。
・コッターのリーダーシップ論で述べられている8つの企業変革ステップは、この本でいうところの「知性」の高い人たち、かつ変革に必要な専門領域を持った人を集める可能性が必要なのであろう。
・私自身の免疫マップ
1、改善目標
事業を成長させるという確固たる意志をもってリーダーシップを発揮する
2、阻害行動
どうせだめだ、どうせ無理だと思う。
安定が良い。下り坂を平定するだけで十分大変。
静かに目立たずにいたい。
3、裏の目標(不安ボックス)
身の程を知った行動が重要。私は小さい人間なのだから、小さく地味に生きるべき。
でしゃばらない方が人に受け入れられる。
4、強力な固定観念
大したことない人間である私が大志を抱いたところで、どんな努力をしても、大したことにはならない。
世の中には頭のいい人、人を惹きつけられる人がたくさんいて、わたしにはその資質はない。
無理をして失敗の中にみんなを巻き込むよりは、なにもせずに目立たずに生きて、みんなに迷惑をかけない方が良い。
5, 落とし穴
仕事と生活、人生のあらゆる場面でその固定観念は間違っている。
6, 脱出ルート
・あなたはできる
・このチームにもできる
・あなたが必要だ、あなたが重要だ
・主要なチームメンバーも必要だし重要
———-
2017年の感想 星3つ
免疫マップ、
1、改善目標
2、阻害行動
3、裏の目標(不安ボックス)
4、強力な固定観念
組織を変革させる手法としては「企業変革力」の方がbetter
Posted by ブクログ 2022年12月08日
職場の上司に勧められた1冊。
この手の本は、自分自身の人生を振り返りつつ、読むのが大切だと考えます。
個人的な解釈を交えつつ、内容紹介に移ります。
〇「知性」とは?
⇒自分自身の価値基準の限界を理解しつつ、複数のシステムを場面毎に使い分け、批判を受け入れる能力
〇不安管理システム(裏の目標)を理解...続きを読む
⇒人は不安を避ける生き物であり、自身の不安管理システムを緩やかにする
〇人間の「知性」を高めるために必要なのは「適度の葛藤」
⇒挫折を味わうこと且つ適度な支援を受けることが重要
総括すると、①人の話をよく聞き、②日々振り返り、③3歩進んで2歩下がる・・かな?
当たり前の大切さに気付く(体系的に理解する)ために、この手の本は需要がある気がしました!
Posted by ブクログ 2022年01月30日
免疫マップは、なかなか目的を達成できない人にはドキっとするフレームワークだと思う。
本にはたくさんの免疫マップ例が紹介されている。大切なのは、一番最後に書かれた7つの「リーダーはどのように道を示すべきか」。人が変われないのにイライラするのではなくて、時間がかかることも変われない悔しさも受け入れられる...続きを読むと一緒に歩いていけそう。
Posted by ブクログ 2021年01月09日
◾️概要
リーダーシップ能力の開発を実現するため、読みました。
印象に残ったのは、以下3点です。
① 自己変容型知性へ発達するには、フィルターの奴隷にならないこと。現在の計画や思考様式が完璧でないことを心得て、限界を教えてくれる情報を得ようとする。
② 発達志向になる秘訣の1つは、大人になっても成長...続きを読むできるという前提に立つこと。
③ 学術研究では、最初にアプローチを誤ると、あとでいくら素晴らしい分析を行ってもうまくいかない。
◾️意見
組織の変革を阻むのは、変化に対する免疫システムが原因であるとのこと。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態、という表現は分かりやすかった。
Posted by ブクログ 2020年12月17日
なにかを「変える」実効的なアプローチと実例が丁寧に記された本。実例のボリュームがありすぎてちょっと退屈してしまったのですが、本当にこのプロセスで変革を起こそうとするときには、きっと参考になると思います。
強力な固定観念を見つけ出す、という視点を持ち続けたいです。
Posted by ブクログ 2020年10月24日
変化するための目標と阻害要因の分析をする免疫マップの作成が重要である。「改善目標」「阻害行動」「裏の目標」「強力な固定観念」を設置したりあぶり出す作業が必要だ。
特に「裏の目標」は個人のプライドなどに起因する阻害要因、「強力な固定観念」は自己認識と世界認識をあたかも真実のように信じている事がらをあ...続きを読むぶり出す必要がある。
やはりファシリテータをつけてグループワーク等でトレーニングしたいな。
Posted by ブクログ 2018年09月20日
免疫マップにおける、改善目標、阻害要因、裏の目標、強力な固定観念のうち、裏の目標、強力な固定観念は凄く同感。改善目標、阻害要因が表面的である一方、裏の目標、強力な固定観念に人間の真因が隠れていると感じた。特に勇気を持って裏の目標をさらけ出すことによって、本音で語れるのではないだろうか。
Posted by ブクログ 2018年07月18日
メタ認知による裏の目標の把握と、自己開示とストーリーテリングによる心理的安全性の構築の2点がこの本のキーだと認識しました。
1つの主張をひたすら説明しているような本なので冗長な感じは否めませんが、確かにこれの通りのことをしたら組織が良くなるのは納得感があります。
ただ自己開示が苦手な日本人がありのま...続きを読むまをさらけ出せるのか、そしてそれを周りは受け入れるのかが実践する上でボトルネックになりそうです。