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Posted by ブクログ
当該観点については非常に思うところがあり、手に取った本。
知性の話に始まり、とても幅広く研究解釈されている名著
自己変容型知性と仕事能力との相関関係性は強く共感
深い洞察が多く盛り込まれている。
組織と人の変革に関するバイブル的名著
メモ
・自分を変えられない人は7人に6人
・人は何歳になっても世界を認識する方法を変えられる可能性
・月並みなリーダーと傑出したリーダーの違い、それはチーム全体の能力を高められるかどうか
・大人の知性の三段階
環境順応型知性 周囲に合わせる、忠実、順応する
自己主導型知性 環境を客観把握し内的判断基準に基づき、判断選択する。自身の価値観に基づく自我。
自己変容型知性 自身の価値基準の限界を検討できる。システム秩序の不完全性を理解。矛盾や反対を受け入れられる。複数システムの保持を考えられる。矛盾を統合しつつ自我を形成する
・変革を実現できないのは二つの相反する目標の両方を本気で達成したいから。人間は矛盾が服を着て歩いているようなもの
強力な阻害行動の裏の目標を明らかにする必要がある
・問題は同じでも本当の動機は人それぞれ
・裏の目標に加え、強力な固定観念の存在
この真偽を試す行動をとれれば、固定観念修正の道が大きく開ける
・権限移譲できない人の例
裏の目標 他人に依存せず万能でありたい、自己犠牲の持ち主でありたい、問題の解決策を見出したい
固定観念 頼って上手くできなければ自尊心を失う、自分を最優先させると薄っぺらで自分が嫌いなタイプに、課題できないと価値がなくなってしまう 給料泥棒になりたくない
・変わるために必要な三つの要素
心の底 変革を起こすやる気の源
頭脳とハート 思考と感情の両方に働きかける
手 思考と行動を同時に変える
・自己変革成功者の共通要因
思考様式と行動の両方を変えることに成功
思考と感情を鋭く観察し、結果を情報として活用したこと
明確な意図を持って行動し、データに基づいた基本認識をつくり新たな力と評価基準を獲得したこと
・免疫マップ
一枠 改善目標
自分にとって重要なものであること
周りの誰かにとっても重要であること
目標達成のために自分自身の努力が必要だと認識できていること
二枠 阻害行動
目標達成の足を引っ張るもの
要素多く、率直なほど免疫マップの診断効果高まる
三枠 裏の目標
二枠の反対行動を取った際の不安を考える。
不愉快な感情が生まれないか?感情を引っ張り出す。不安ボックスに書き込んでみる
第一枠と衝突する裏の目標の候補を明らかにする
自己防衛という目的との関わりが明確なものであるはず。裏の目標達成のために阻害行動が重要な役割を果たしているもの。
四枠 強力な固定観念
裏の目標の根底にありそうな固定観念。
事実だと確信しているもの
裏の目標の少なくとも一つを必然的な生み出すもの
・序盤 舞台を作る
免疫マップを練り上げる
事前調査を行う 周りに意見を聞く
中盤 掘り下げる
目標への道のりを作成する
自己観察をおこなう いつ固定観念は猛威をふるうか。覆す機会はないか
固定観念の履歴書をつくる、検証する
終盤 学習の成果を定着させる
事後調査をおこなう まわりにきく
落とし穴と脱出ルートを発見する
・発達思考の姿勢
大人になっても成長できるという前提にたつ
組織学習を業務と完全に切り離したものとしない
自分を成長させる良い問題に取り組んでいるか
感情が重要な役割になっていることを理解する
考え方と行動のどちらも変えるべきと理解する
メンバーにとって安全な場を用意する
Posted by ブクログ
目標を達成出来ないことを、意志力の欠如や能力不足と捉えずに、対立する別の目標達成のために合理的な行動であると主張した。このうえで、目標を達成するためには、別の目標を支える固定観念を洗い出し、それを検証して必要に応じて修正していく必要があるとした。
この行動は主体的な固定観念を客体的に扱う事に繋がり、これによって目標達成のみならず、知性の向上のきっかけが得られる。
読んだあとにいかに実践出来るかがポイントになる本に感じた。
Posted by ブクログ
変わりたい、変わろうと努力している。なのに全然改善できない。そんな思いを抱いたことはないでしょうか。
痩せたいけど、甘いもの・脂っこいものを食べちゃう。勉強しなければいけないけど、携帯見ちゃう。話を聞けるよい父親になりたいのに、また怒鳴ってしまった等々。
本書はそうした変わりたいけど変われない人の心理に潜む構造を明らかにし、人は幾つになっても変わることができる、と主張する作品です。
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では変革を阻む原因とは何か。それは、自己に潜む「強力な固定概念」です。
人は矛盾を抱える生き物です。向上したい・自分を変えたいという気持ちに偽りはないものの、その裏には自分の変革を阻む固定概念が巣食っていることを認知せよ、と説きます。
例えば、とある若き部長の目標。彼は自分がやるべきことに集中し、権限移譲をすすめる目標があった。でもそうできなかった。すぐに新しいことに手を出し仕事を増やし、大量の仕事を抱え込み、他人に助けを求めない旧来のスタイルから抜け出れない。そこで自らを振り返り、自己の底に潜んでいる、「他人に依存せず万能でありたい」「自己犠牲の精神の持ち主でありたい」「課題をやり遂げる方法を見出せなければ、価値ある人材でなくなる」等の当初目標とは相反する想いを抱いていたことを発見する。
本書ではこのような状況を「ブレーキを踏みながらアクセルを踏む」と呼んでいました。
確かに、人は往々にしてそうした潜在的な自己保存的欲求に気づかないことが多いと思います。
その点本書が促すのは、問題に対するテクニカルな(ある意味表面的な)ソリューションではなく、むしろ一段深層の自分の欲求に気づくよう省察することです。
本書では、筆者が提唱する「免疫マップ」という手法を駆使して深層の欲求を認知し変化のきっかけをつかむ事例がこれほどかというほど載っています(読んでいて途中でだるくなるくらい載っています)。
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なお組織の変革についても書かれています。こちらはあくまでリーダーやトップが出張らないと組織は変わらないというのが結論。やり方は個人のものと同じで個々人の持つ変革目標とそれを阻む固定概念を組織ぐるみで作成し回し読みするような感じ。
因みに、私「この腐った会社をどうにか変えてやりたい」という思いを胸に本書(タイトルに注目!)を買いましたが、この点では肩透かしでした。窓際平社員のボトムアップによる組織変革は流石に無理っぽいです笑 まあ地道に自己の能力向上を目指します。
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もともと教育系学部で教鞭をとる筆者の研究のメインは、人の行動の可塑性、のような話。その点で「人は幾つになっても変われる」という結論は、本人だけではなく、私のような中年のおっさんにも福音のようなメッセージでありました。
自分を変えたいという真摯な方が自己省察を行うのにはとても良い本かと思います。私も自分でも試してみて、自分の底に潜む強い固定概念を知ることができました。
ただ、自分を変えるという意味では今私が並行して読んでいるレイ・ダリオ「プリンシプル」の方が包括的なように感じております笑。極端に行きたい方は「プリンシプル」の方がお勧めです。