東川篤哉のレビュー一覧
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魔法使いシリーズ2作目。
論理的であるはずのミステリー小説に、魔法などという非現実的なものを持ち出してはいけない
……という不文律を打ち砕く、革新的なミステリ。
事件があって→魔法の力で誰が犯人かを暴いて→犯行の確固たる証拠・論理を導きだす→逮捕
というのが大体の流れ。
短編だし、犯人が割とすぐ分かっちゃうし、長編ミステリで色々散りばめられた情報から「自分で謎解きしたい!」というミステリ上級者には物足りないかも。
裏を返せば、「推理小説は難しくて苦手……」とか、「読書に没頭できるまとまった時間は無いけど、ミステリは好き」とか言う層にはお手軽に楽しめるはず。
あとは、殺人事件が起きてるの -
Posted by ブクログ
【第一話】春の十字架
【第二話】もっとも猟奇的な夏
【第三話】切りとられた死体の秋
【最終話】バラバラ死体と密室の冬
アームチェア・ディテクティブスタイルの短編探偵小説が四編。
と思いきや、まるごと一冊でひとつの仕掛けがあって、思わず前の方のページを振り返っちゃいました。完全に、作者の手のひらを転がされてましたね。
事件それぞれについては、表現があっさりしてるからグロさを感じにくいんだけど、ちょっと猟奇的が過ぎるかな……
ドS刑事の影響かな?感覚マヒしそう
まあ、現実でニュースで流れてるのと同じぐらいの感覚だけれど。
各話分けて見ると、読者に謎を解かせるタイプじゃないから、ヨリ子さんの謎 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5.
内容(BOOKデーターベースより)
都会で夢破れ、故郷・平塚に帰ってきた元OLの川島美伽は、高校時代の旧友・生野エルザと再会する。“雌ライオン”の異名を持つエルザは、地元の刑事も一目置く名(?)探偵に成長していた…!強引に助手にされた美伽はエルザと共に、厄介な依頼人が持ち込む奇妙な事件の調査を始める。海と祭りの街を舞台に、最強の美女探偵コンビの名推理が炸裂する本格ミステリー誕生!
ライトノベルだったか?と思ったが、イヤイヤ読み進めているウチにどれぞれの個性が浮き出てきてそれなりに楽しめた。おいしいとこ取りだけどその実27歳探偵コンビを温かく見守る刑事がなかなか良い。 -
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Posted by ブクログ
毎度毎度東川篤哉にはやられてしまいます。どうしてもベタなギャグと軽い文章のため誤解されがちなのですが、東川作品はガチガチの本格ミステリなんですよね。
使い古されたネタをこのように展開させるのか! と驚きと喜びに満ちた読後感なのでした。
鎌倉にひっそりと佇む時間が止まったかのような喫茶店。そこの店主ヨリ子は極度の人見知りだが、猟奇事件の推理を始めた途端に態度が豹変する。この設定もあれこれの寄せ集めのような感じもあるのですが、そんなことは些末なことなのです。そこには十字架磔死体や頭部と手首が切り落とされた死体など猟奇に彩られた事件と、何故どうやって誰がという魅力的な謎があるのです。それがテンポよい -
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東川氏の新しい探偵シリーズもの。
神奈川県平塚を舞台に、女探偵とその助手が
次々と謎を解明していくというお話し。
随所にギャグをちりばめた「東川節」は健在(^ ^
登場人物みなキャラが立ってるし、
文章は相変わらずテンポが良いし、
謎解き部分はきちっとミステリしてるし、
安心して読めて、決して裏切られない(^ ^
いや、これは人気出るわね > 東川氏
文庫版は、巻末に平塚の書店員さんのあとがきがあり、
これがまた平塚ネイティブの「自虐たっぷり」で
とってもラブリー(^ ^
烏賊川市シリーズよりリアリティがあって、
私はこちらの方が好きかも(^ ^
テレビドラマ化しやすい作品だと思 -
Posted by ブクログ
東川作品はシリーズによってミステリの核となるパターンを変えているのですが、今シリーズでは「倒叙もの」です。しかもそこに「魔法使い」を加えるという変化球。もちろん本格ミステリとしてロジックで勝負しているので、魔法で解決はしません。倒叙ものではコロンボにしろ古畑にしろ、この人が犯人だと決めた上で犯人のミスを探すようなところがあり、その直感力が魔法じみて感じることがあります。(理由が説明されているとしても)そこでその魔法じみた部分を本当に魔法でやっているんですよね。魔法で犯人を確定してから、証拠やミスを探す。なるほどその手があったかと膝を打ちました。
本格ミステリとしてのネタは使い古されたものでも、