あらすじ
烏賊川市警(いかがわしけい)の失態で持ち逃げされた拳銃が、次々と事件を引き起こす。ホームレス射殺事件、そして名門・十乗寺(じゅうじょうじ)家の屋敷では、娘・さくらの花婿(はなむこ)候補の一人が銃弾に倒れたのだ。花婿候補3人の調査を行っていた《名探偵》鵜飼(うかい)は、弟子の流平(りゅうへい)とともに、密室殺人の謎に挑む。ふんだんのギャグに織り込まれた周到な伏線。「お笑い本格ミステリー」の最高峰!
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怒涛の伏線!凄いフーダニットとハウダニット!
重厚感のある本格も好きだけどこんな緩い(?)推理も好きだと思いました。
ユーモア・ミステリに興味が沸いたので解説で紹介のあった霞流一さんにも手を出そうかと思ってます。
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2年以上振りに東川篤哉の本を読んだ。烏賊川市シリーズを初めて読み、本作は2作目であることを読みながら知ったがとても面白かった。東川篤哉はライトな作品のイメージで、読みながら警察や探偵などの登場人物も威厳があるというよりはふざけた感じであり、あまり期待はしていなかった。ただ散りばめられたギャグがくすっと笑えて面白いだけでなく、それがトリックの伏線になっていたり、ふざけてばかりいると思っていた探偵もしっかりと推理して名探偵振りを披露していたりと、しっかりと物語を楽しめた。
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シリーズ第2作。前作を読んでから随分間が空いてしまったが、前作より面白かったと思う。本格としてもコメディとしても楽しめる。トリックの実現性は疑問だが、面白いので問題なし。むしろシンプルなのに盲点を突くという点でかなり好み。満足の一冊。
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長編ですね。
推理好きな人には 犯人は すぐにわかるでしょう。
問題は アリバイですね。
銃弾。
私は 解けませんでした。
ここで 大家さんに 出会うのですね。
最近の 烏賊川市モノを 先に 読んでしまったので
ちょっと 懐かしく 初対面 面白かったです。
先日 ドラマのほうも 見ました。
イロイロ 多面的に 見られて 面白かったです。
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冒頭からまさかの金蔵で胸が痛みました...。
もっとこれから出てくると思っていたのに。
刑事たちは相変わらずのコント祭り。
今回もギャグ多めで面白かったです。
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ユーモアのなかにしっかり伏線も入れてくる技巧は、流石です。
冗談にならない序盤の失態と、いくら実験とはいえ簡単に発砲する刑事ふたりはちょっとリアリティが無さすぎました。
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デビュー作に続けて連続で読みました。
前作で割とパッと出扱いだった人達も今作では活躍してて個人的には嬉しかったです。
ただ流平くんの今後が心配になりました(笑)
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烏賊川市警失態で持ち逃げされた拳銃が引き起こす密室殺人事件や弾数の問題、そして謎の肉塊の存在という事件の謎に加えて二組の漫才コンビのような二人組に美人の大家、お金持ちのお嬢様などキャラの一人一人が立っていて掛け合いがコミカルなのが面白かった。
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東川篤哉の長篇ミステリ作品『密室に向かって撃て!』を読みました。
『密室の鍵貸します』に続き、東川篤哉の作品です。
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烏賊川市警の失態で持ち逃げされた拳銃が、次々と事件を引き起こす。
ホームレス射殺事件、そして名門・十乗寺家の屋敷では、娘・さくらの花婿候補の一人が銃弾に倒れたのだ。
花婿候補三人の調査を行っていた《名探偵》鵜飼は、弟子の流平とともに、密室殺人の謎に挑む。
ふんだんのギャグに織り込まれた周到な伏線。「お笑い本格ミステリー」の最高峰!
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2002年(平成14年)に刊行された、架空の地方都市・烏賊川市を舞台に繰り広げられる本格ユーモア・ミステリ・烏賊川市シリーズの第2作です。
■第一章 刑事たちのプロローグ
■第二章 馬ノ背海岸の殺人
■第三章 鵜飼杜夫探偵事務所
■第四章 さくらとするめ
■第五章 島ノ岬の十乗寺邸
■第六章 美女と探偵
■第七章 銃声いまだ響かず
■第八章 飛魚亭の殺人
■第九章 崖っぷちの刑事
■第十章 乱暴な朝
■第十一章 病院にて
■第十二章 仮説は仮設
■第十三章 密室と銃声
■第十四章 掘り返された挑戦状
■第十五章 ファイナルアンサー
■第十六章 銃声のカウントダウン
■第十七章 最後の謎解き
■第十八章 彼らと彼女たちのエピローグ
■解説 千街晶之
烏賊川市の外れ、鳥ノ岬にある十条寺食品社長宅に銃声が轟いた… 撃たれたのは、偶然居合わせた「名探偵」鵜飼杜夫、、、
失われた銃声の謎と「衆人環視の密室」に、鵜飼とその弟子・戸川流平が挑む……。
鵜飼杜夫と戸川流平のコンビに、前作で目撃者として登場した二宮朱美が探偵事務所の入居する黎明ビルのオーナーとして登場し、てんやわんやの賑やかさがパワーアップした感じ、、、
もちろん、烏賊川市警察署の砂川警部と志木刑事のコンビも登場… 捜査中に犯人の密造拳銃を何者かに持ち去られ、その拳銃で殺人事件が発生するという大失態を演じて、らしさを十分に発揮していましたね。
今回は、銃声の数と、その銃弾がどのように使われたかを特定する中で、あるトリックを解き明かすというもの… トリックについては、砂川警部と志木刑事の頓珍漢な銃声に関する実験がヒントとなり鵜飼が解き明かし、その動機は戸川が解き明かすので、二人の協力があっての解決という展開でしたね、、、
衆人環境の密室での事件なので、犯人は想定できたのですが… そのトリックや動機は全くわかりませんでしたね。
すっとぼけた登場人物たちが織り成すユーモア溢れるトリッキーな本格ミステリは健在… コミカルな展開とミステリとしてのクオリティを両立させる抜群のバランス感覚が優れたシリーズです、、、
次も烏賊川市シリーズを読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
久しぶりに烏賊川市シリーズを読む。砂川、志木両刑事の犯人取り逃しが、その後の改造拳銃殺人事件の引き金になってしまった。前作『密室の鍵貸します』はすっかり忘れている……が、著者の親切な状況説明のおかげで読み進めるのには支障なし。ところどころに散りばめられたギャグに吹き出しながら、謎解き場面へ。カバーの、分厚い本を戸村君の脳天に、笑顔で振り下ろすお嬢様(笑)が味わい深い。
Posted by ブクログ
今回もユーモアたっぷりのシリーズ第2弾。探偵事務所のメンバーが1人増え、朱美さん流平くんという2人の弟子を連れて真実を暴く鵜飼探偵。探偵と刑事との関係もいがみ合いではなく協力といった感じだった。想像出来ないようなトリックもなかなか面白かった。
Posted by ブクログ
相変わらず見た感じはふざけていますが、中身はしっかりとしたミステリーで面白かったです。烏賊川市と言う架空の都市が物語で、変な刑事や怪しい探偵が登場して殺人事件の謎を解いていきます。犯人当てはそんなに難しくありませんが、出てきたミステリーパーツの役割を最後まで探し尽くすのはちょっと大変でした。
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズ第二弾。長編なのだがそれを感じさせないぐらいのスピード感があった。冒頭から全開なユーモアさもこれぐらいが好みかな。銃弾を巡っての鵜飼探偵の推理が気持ちよかった。
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズ第2段
市警のミスで紛失した拳銃が
2つの殺人事件を引き起こす
刑事2人組と、探偵たちは見事に謎をとくことができるのか
あいかわらず軽快にギャグを飛ばし
だけどミステリはしっかり。
どこかズレたお嬢様「さくら」も
これから準レギュラーで出てくればいいのになぁ
Posted by ブクログ
烏賊川市警の失態で持ち逃げされた拳銃が、次々と事件を引き起こす。ホームレス射殺事件、そして名門・十乗寺家の屋敷では、娘・さくらの花婿候補の一人が銃弾に倒れたのだ。花婿候補三人の調査を行っていた“名探偵”鵜飼は、弟子の流平とともに、密室殺人の謎に挑む。ふんだんのギャグに織り込まれた周到な伏線。
Posted by ブクログ
相変わらずウィットに富んだというか、細かいところにネタを織り込んでくる。キャラクター設定も前作とはちょっと違ってて、それも良い感じだった。そういう楽しみ方ができるのも、シリーズ物の良さだろうな。
解説者のいう伏線、読み返してみてもよくわからないのがなんとも悔しい。
Posted by ブクログ
第ニ弾!鵜飼探偵事務所にホームレス殺人事件の容疑者の疑いで砂川、志木両警部訪れた。その殺害方法には警察の失態で失われた拳銃が使用されていた。
一方で十乗寺家の娘さくらの婿候補3人の身辺調査を事務所のオーナー朱美が首を突っ込む。しかし婿候補の一人が殺害される
事件解決を解明するのは警察?朱美?弟子の流平?そして鵜飼?
犯人は誰だ?その動機は?ホームレス殺害事件との関係は?
広能昌三(菅原文太)の名台詞も!
Posted by ブクログ
犯人と動機がほぉ〜なるほどなぁ〜という感じで納得と結末だった。
個人的に烏賊川市シリーズの1作目と比べると途中テンポ感が読むのが大変なところも感じた気がしたけれど、前作にも登場していたキャラクターの個性が可愛くてやはり東川篤哉さんの作品は読みやすくて面白い^.ˬ.^
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズの2作品目。初作にて事件を解決した登場した2人が探偵と助手のコンビになって館で起こる密室事件をコミカルに解いてゆく。今作より準レギュラーのヒロインが追加される、かわいい。
前作に登場した人物がさらっと亡くなって、さらっと片づけられる辺りがこの作品の重苦しくないユーモラスな路線をたらしめているように思えます。
Posted by ブクログ
★犯人逮捕の基本、それは《形》だ!(p.10)
■感想■
・東川篤哉さんの作風にかなり馴染んできて読書の楽しみを存分に得られます。
・ギャグってのは最も難しい技術のひとつなんでそれをミステリと同居させられるってのは豪腕やなあと思います。
■内容■
・今回は一丁の拳銃が主役、だそうです。あの二人組刑事のミスで誰かに持ち去られた改造拳銃。
・馬ノ背海岸でホームレスが射殺された。
・馬ノ背海岸で流平がさくら&十乗寺十三と出会う。
・鵜飼が二宮朱美と再会。
・さくらの花婿候補のひとりが断崖にある飛魚亭で殺された。
■一行目■
関東某県に存在するとかしないとか、あるいはかつてそんな街もあったとかいわれている烏賊川市のことを、読者の皆さんはご記憶のことだろう。
■設定■
基本的にはおかしなキャラクタたちのおかしなセリフや行動(と地の文)をおもしろがるギャグ小説だがちゃんとミステリしておりしっちゃかめっちゃかにはならないので安心して心地よく楽しめる。著者は楽しそうでないシーンは省略する方針のようでストレスもあまりない。読書の楽しみを得やすい作品。
■キーワード■
【烏賊川市】千葉の東、神奈川の西にあるそうだ。異次元? かつては年に数回海面が盛り上がるほど烏賊がやってきていて烏賊御殿とかあったようだ。烏賊の運搬に使っていた川が現在一級河川の烏賊川だった。探偵鵜飼杜夫やビルオーナー二宮朱美や探偵助手戸村流平たちがいる。烏賊川市警察の砂川警部は日々クラゲを眺めて天気予報をしているくらいヒマ。映画館は一軒もない。大学には映画学科がある。《大したことない事件には事欠かないのが烏賊川市なのである。》撃て!p.26
【鵜飼杜夫/うかい・もりお】探偵。中肉中背で目立たない顔。ルノー・ルーテシアに乗る。なんか似合わないイメージ。金がないくせに仕事を選り好みする。タウンページに記載されているキャッチコピーは「Welcome trouble」。《なんだ、刑事さんか。ちぇ、敬語で話して損したな》密室の鍵p.160。「猫は」では報酬の金額に逆らえず(朱美に逆らえず)豪徳寺さんちの三毛猫探しに乗り出すことになった。ちなみに猫に好かれやすいタイプのようだ。《まあ、この探偵の行動は、どれをとってもあまり理解しやすいものではない。》猫p.368
【二宮朱美/にのみや・あけみ】黎明ビルの若きオーナー。修羅場をくぐった根っからの大家。四階に住む。客観的に美女。愛車はベンツ。家賃滞納しがちな鵜飼は朱美に頭が上がらない。嫌味はちょっと言ったりするが。意外なことに鵜飼とは互いに憎からず思っているフシがある(「猫は」あたりでは)。戦闘能力は高い。「密室の鍵」では白波荘のオーナーだった(白波荘は後になくなった)。まだ鵜飼たちと知り合いではなく故障中のオートバイの整備(破壊?)にせいをだしていた。《ただいじり回しているのが楽しいからいいの。》密室の鍵p.151。同アパートの住人茂呂とも知り合いだった。死体を見ていちおう悲鳴を上げた。
【黎明ビル】二宮朱美がオーナーで彼女自身四階に住んでいる。鵜飼杜夫の探偵事務所が三階にある。歓楽街の外れにある。
【戸村流平/とむら・りゅうへい】鵜飼杜夫探偵事務所の探偵助手(弟子)。また、鵜飼は流平の姉の元夫らしいので元義兄(赤の他人ともいう)。事務所のキャッチコピー「Welcome trouble」は流平が考えた。烏賊川市大映画学科中退。かつてホームシアターを舞台にした密室殺人事件に巻き込まれ鵜飼に救われ弟子になった。ミステリ映画は好きだが原作は読まない。両親は夢を諦めさせるために大学に入れたようだ。しかし探偵助手にもなってほしくはなかっただろう。烏賊川市でもっともアロハシャツが似合う男かもしれない。虎キチ。酔っぱらうと何を言い出すかわからない恐ろしい男。
【烏賊川市署】砂川や志木がヒマをもてあましている。
【砂川/すながわ】烏賊川市署の自称エースで警部。素直ではなく右を向けと言えば左を向く扱いにくい性格。アホっぽいがたまにシャープなところも見せる。特技は運河を流れるクラゲを見て天気予報できること。ミステリ好きだが探偵は嫌い。《モテる男にはとりあえず反感を覚えるのが砂川警部の特徴的なメンタリティーであることを、志木はよく理解していた。》密室の鍵p.162。「猫」の十年前は刑事。彼が高林警部にしたアドバイスのせいで? 事件は迷宮入りした。
【志木/しき】刑事。烏賊川市署の自称ホープ。同乗すると命を大事にしたくなるような運転技術の持ち主。昔はワルでブイブイ言わせてた。どんな罪状であれ、犯人逮捕に喜びを感じる。《僕は、拳銃を撃ちたくて撃ちたくてたまらない、どこにでもいる目立たない普通の刑事です。》撃て!p.239
▼烏賊川市についての枝葉末節(適当にメモしてっただけですが、後から見てみると結果的にネタバレなってたかも)
【IKA映画社】教育映画をつくる地味~な映画制作会社。地元のテレビ局の系列会社。茂呂耕作が勤めている。ほぼブラック。
【烏賊川市】舞台どうやらシリーズになってるようですね。「猫は何匹」から読みはじめてしまいました。
【烏賊川斎場】収容人数の多いところが取り柄。要人が死んだときはここを使う。
【烏賊川大学】若者の減少に危機感を抱いた市長ががんばって設立した。理系学部はない。まあ、そこそこの大学。最近では映画学科が注目されている。烏賊川市には映画館はないが。
【依頼人】《一説によると、探偵というものは、依頼人を殺されてはじめて半人前なのだそうだ。》猫p.175
【岩村敬一/いわむら・けいいち】通称なんでも屋の岩村。
【馬ノ背海岸】烏賊川市の外れにある複雑な海岸線の一帯で観光地化の話もあったが地形が険しすぎてボツ。
【魚丸武司/うおまる・たけし】漁師。
【エルザ】野良猫だったが桂木がエサをやったりしているうちに豪徳寺家によく来るようになった。三毛猫だが小柄でミケ子とは似ても似つかない。
【外注】《無闇な外注は自殺行為! よーく覚えておきなさい》撃て!p.110
【桂木】豪徳寺家の使用人。執事であり、料理人であり、庭師でもある便利な男。達磨さんのような丸っこい身体。
【加藤信夫/かとう・のぶお】交番勤務の警察官。
【河内龍太郎】映画監督。「殺戮の館」「戦慄の島」「復讐の村」などB級の巨匠。この著者の他の話でも名前を見かけたことがある。特に「殺戮の館」の題名はよく出てくるかも。映画好きとしてはイヤな予感はしつつ怖いもの見たさの一本。
【神崎隆二/かんざき・りゅうじ】さくらの花婿候補のひとり。二十五歳。市会議員神崎隆太郎の次男でコネにより現在烏賊川信用金庫勤務。フォードに乗っている。右手の甲に烏賊川市の地図に似た古傷(火傷のあと?)がある。鳥ノ岬の飛魚亭で射殺された。
【教養猫】烏賊川市大教養部の喫茶室の周辺で暮らす数匹の猫のこと。
【キンゾー/金蔵】松金正蔵。通称「金蔵」。鵜飼の知り合いのホームレス。鵜飼を「兄貴」と呼ぶ。烏賊川の西幸橋の下の段ボールハウスで暮らしている。何の誇張もなく頭がいいらしい。拳銃で撃たれ死亡。
【桑田一樹/くわた・かずき】流平の同級生で映画好き。ビデオ屋「アトム」でバイトしている。「殺戮の館」は駄作だと言う。紺野由紀の最後の恋人。
【剣崎京史郎/けんざき・きょうしろう】豪徳寺家の居候。招き猫狂。暮らしている土蔵の中には招き猫がぎっしり。異常によくしゃべるが会話という言葉のキャッチボールはほぼできない。
【豪徳寺真一】豊蔵の長男。前の妻との間にできた子ども。二十八歳。
【豪徳寺豊蔵/ごうとくじ・とよぞう】回転寿司チェーン「招き寿司」の創業社長。無類の猫好き(というより招き猫狂)で自宅の玄関に人間サイズの招き猫が二体置いてある。経営する回転寿司店にもある。豪徳寺さんやもんね。養子なのでもしかして豪徳寺という名前が欲しくて昌代と結婚した? また自宅にビニールハウスがある。いかつい顔に紳士らしい服装と物腰。十条寺十三の知人。自宅のビニールハウスで殺人事件があった十年後鵜飼に猫探しを依頼してきた。その後ビニールハウスで死体となって発見された。
【豪徳寺真紀/まき】豊蔵の娘。十九歳の美人女子大生。豪徳寺豊蔵の殺された夜ビニールハウスに呼び出されうかつにも誘いに乗って捕まり豊蔵殺害現場を見てしまった。と証言している。
【豪徳寺昌代】豊蔵の奥さん。三十代に見えるが四十三歳。
【豪徳寺美樹夫/みきお】豊蔵の次男。二十二歳。映画好きで矢島達也とときどき映画鑑賞会をやってる。
【紺野由紀/こんの・ゆき】流平の学生のときの彼女。流平がIKA映画社に内定したとき失望して別れ話を切り出した。
【さくら】お嬢さま。高校生くらいに見えるが二十歳。ちょっと天然系のふしぎなタイプ。三人の花婿候補を持つ。なぜか流平に惚れる。《このお嬢様は冗談をいうタイプではない。存在そのものが冗談みたいな――》撃て!p.275。『現代用語の基礎知識・最新版』や『烏賊川市近郊職業別電話帳』やフランスパンを武器に使う。
【佐野/さの】十乗寺家の執事兼ボディーガード。流平は十乗寺家のオッドジョッブと思った。
【執事】名前こそよく聞くが実際に出会ったものはあまりいないという希少な職種だがいるところにはいる。
【収支】《殺人にだって収支という概念はあるだろうに》撃て!p.251
【十乗寺家の屋敷】馬ノ背海岸の鳥ノ岬にある。重厚ではなく軽快で開放的。
【十乗寺さくら】→さくら
【十乗寺十一/じゅうじょうじ・じゅういち】さくらの父。十三の息子。十乗寺食品の社長。
【十乗寺十三/じゅうじょうじ・じゅうぞう】七十歳、物心ついてから六十年、いまだ自分の名前がいいにくい。十乗寺食品の会長。かつて自らの屋敷を舞台にした拳銃乱射事件の謎を鵜飼に解決してもらった。
【十乗寺道子】十一の妻。さくらの母。
【白波荘】茂呂耕作が住んでいたボロアパート。もう維持管理する気もないようで建物を壊さなければかなり部屋の改造をしてもOK。ちなみにオーナーは二宮朱美。
【真実】《そもそも掛け値なしの真実など世の中にそうはない。》撃て!p.94
【鈴木のマー坊】荷台がちょっと大きめでわりとカッコいい車でした。昔はよく見かけてたけど。吉岡宗助の愛車。
【スルメ】本名はサクラスルメオー。十乗寺さくらの飼い犬。ゴールデンレトリバー。
【逮捕】犯人逮捕の基本、それは《形》だ!(撃て!p.10)
【高梨孝太郎/たかなし・こうたろう】女が落ちてきた事件の目撃者。
【高林】凄腕警部。今は現場からは離れているようだ。
【田野上秀樹/たのうえ・ひでき】さくらの花婿候補のひとり。二十七歳。烏賊川市立大学経済学部教授で次期学長候補の田野上秀彦の三男。現在烏賊川市立大学経済学部講師。赤いフォルクスワーゲンに乗る。
【椿ビル】オンボロ雑居ビル。岩村敬一が暮らしていた。オーナーの老人はなかなか楽しい。
【田園】豪徳寺真一の行きつけのバー。友人の田代俊之がマスター。
【友子】佐野の妻。十乗寺家の料理はすべて彼女がまかなっている。
【鳥ノ岬】馬ノ背海岸にある。鳥のように嘴状に突き出している部分がある。そこには十乗寺家の離れ(飛魚亭)が建っている。本当は屋敷を建てたかったらしいが嘴の強度の問題で不可能だった。
【内出血密室】凶器によって即死や動けないわけでない場合被害者自身が密室を作ってしまうことということのようだ。
【中山章二/なかやま・しょうじ】四十一歳独身。金属パイプ等を加工する町工場経営者。腕はいい。酒癖はわるくあるときチンピラ二人を殴り倒したら被害届を出されてしまった。偶然、拳銃密造をしていた。
【ニャーネルニャンダース】「招き寿司」の入り口に置かれている招き猫の人形。ほぼ人間サイズ。地元の子どもたちは「ニャーネルニャンダース」と呼ぶ。
【猫】ミユキには漁師がエサをやっていた。教養猫は大学教養学部の喫茶室におり猫舌は壊れている。黎明猫は黎明ビルの近くに最近来た。ニャーネルニャンダースは招き寿司チェーンと豪徳寺さんちの玄関を飾っている。猫のお面の誰かは豪徳寺豊蔵を殺した。ミケ子は豪徳寺豊蔵の死体のあったビニールハウスにいた(かもしれない)。剣崎京四郎が暮らしている豪徳寺家の土蔵には招き猫がぎっしり。エルザは桂木がエサをやってるうちに豪徳寺家によく来るようになった。十年前矢島医院に怪我で死にかけた三毛猫が来て洋一郎が手当てして生き延び「マオ」と名付けられた。
【恥】相手に恥をかかせるのは紳士のおこなうことではないらしい。流平はそれを「勝利の方程式」だと思っていたが。
【ビニールハウス】豪徳寺さんちの庭にある蒲鉾型のビニールハウス。農家のものよりは小ぶりな感じだがけっこう大きい。頑丈な作りで少し揺すったくらいではびくともしない。すりガラスのように半透明なビニールが張られており中はほぼ見えない。特に何も栽培されていない。なんのために庭に建てたのだろう。よからぬことに使うのが目的? 殺人事件の被害者と思われる死体が二度発見された。単純なつくりなのでトリックには使いやすそう。
【本陣殺人事件】ATG製作の映画。ミステリ映画ブームの火付け役かとこの小説(密室の鍵貸します)では書いてあった。原作横溝正史。ぼく的にはけっこう好きです。
【牧田裕二/まきた・ゆうじ】戸村流平の大学時代の友人。
【升村光二郎/ますむら・こうじろう】さくらの花婿候補のひとり。二十六歳。居酒屋チェーン「升むら」を経営する升村家の次男。商才はあるが長男もそうなので立場は微妙。黄色いポルシェに乗る。
【松金正蔵/まつかね・しょうぞう】→金蔵
【招き寿司】豪徳寺豊蔵さんが創業し経営している回転寿司チェーン。
【ミケ子】豪徳寺さんちの三毛猫。可愛げがなく大きい。脱走したミケ子をなぜ豊蔵さんは金に糸目もつけず探すのか。家族にもさわらせず猫部屋に「保管」していたようだし。その辺になにかありそうだとは思う。財宝の隠し場所がどっかに描かれてるとか。それはま、冗談ですけど。
【三毛猫】この話(猫は何匹)には多くの三毛猫が登場する。招き猫も登場するが招き猫が三毛猫なのかどうかはよく知らない。三毛猫は遺伝子かなにかのせいで基本的にメスなのだとはよく知られていることだがオス三毛猫もまれに誕生するらしい。その場合の価値がどれくらいになるのかも知らないけど豪徳寺豊蔵さんが金に糸目をつけず探しているのはそのせいかもしれない?
【ミステリ作家】午前三時に散歩しているときあるものを見た。《なんだミステリ作家か。それじゃ深夜の散歩も無理ないな》猫p.114。そういや『深夜の散歩』という福永武彦、中村眞一郎、丸谷才一著のミステリエッセイ集を持ってます。
【ミユキ】魚丸が三毛猫につけた名前。別れた女房の面影を見て。
【茂呂耕作/もろ・こうさく】流平の映画学科地代の三年先輩。二十五歳。ボロアパート「白波荘」で暮らしている。改築ほぼ自由なので茂呂は一室を完全防音に改造しホームシアターとして使うためにあえてこのアパートで暮らしている。聴く音楽はエアロスミスか藤あや子。志木刑事の高校時代の友人。
【矢島達也】洋一郎の息子。父の死んだ十年後、三十一歳のときには豪徳寺家の主治医になっている。豪徳寺真紀に気があるようにも見える。傷を見たら縫いたくなる。
【矢島弓子/やじま・ゆみこ】洋一郎の妻。車椅子を使っているいう設定にわざわざしてるってことは視点の低さになにかあるのかもしれない?
【矢島洋一郎/やじま・よういちろう】開業医。豪徳寺家の主治医。十年前豪徳寺家のビニールハウスで腹部を刺されて殺された。死亡時四十八歳。妻の弓子と二人暮らし。息子の達也は某有名大学の医学部の学生で東京暮らしだったが、十年後には豪徳寺家の主治医になっている。
【安木理絵/やすき・りえ】豪徳寺豊蔵が殺された夜恋人とともに招き猫を目撃した一人。どうやら画像として記憶を保持できる能力を持っているようだ。
【山村良二/やまむら・りょうじ】剣崎京四郎の麻雀仲間。
【吉岡宗助/よしおか・そうすけ】椿ビルに暮らすプロのカメラマン。岩村敬一の呑み友だち。愛車は鈴木のマー坊。
【黎明猫(仮称)】黎明ビルの近くにいる三毛猫。名前は特にないが体形からデブと呼ばれたことあり。
【ルノー・ルーテシア】鵜飼の愛車で精一杯の見栄。《見かけは国産のハッチバックと大して変わらないのだが、その実、価格も装備もやはり国産と大して変わらないという、すこぶる個性的なフランス車である。》撃て!p.59
【連続殺人】《実際、連続殺人を描くミステリに人間ドラマが本当に必要なのだろうか、という疑問は以前から流平のなかにあった。》密室の鍵p.67
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズ第2弾。
前回よりは犯人探しの妙はあったが、その犯行が行われる過程は偶然が重なり過ぎている気がする。
犯人の動機などを推理するための伏線は自然であったので犯行に至るまでの過程にもう少し必然性が欲しかった。
Posted by ブクログ
この作者の癖になりそうなところは、とりあえず「くだらない」。
その「くだらない」小さなネタがたくさん書きまくられていることです。
今回は第二弾なので、第一弾を読んでから読むことをオススメします。
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズ2作目。
ついにさくらが登場。
レギュラーメンバーに朱美も加わる。
「ほぼ1年~」のくだりが好き。
トリックもユーモアもしっかりしていました。
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズ。
1作目の次に3作目を読んでしまい、戻って2作目です。
砕けたノリながらミステリとしての骨格がしっかりしてるところがこの作家さんの良さだと思ってるけど、前後作と比較して本作品はイマイチでした。
もちろんしっかりした作品ではあったけど。
多分、犯人当てじゃなくて密室トリック当てを試みた作品で、状況からして犯人は早い段階で何となく佐野だと分かる。
トリックは、分からなかったけど、分かったところで特に驚きがなかった。分からなかったけど。
あと、今回は警部が最後まで後手後手だったのが個人的に残念だった。
警察もなかなか冴えてるところが本シリーズの魅力だと思ってるので。
結局、金蔵さんが殺されたのは単に試し撃ちのためなのか。
なぜ彼が選ばれてしまったのだろう。理不尽な。その辺もモヤッとした。
ていうか、私に金蔵さんの記憶がなかったわ。ごめん。
警察の不手際で密造銃が行方不明になり、その銃を用いた犯罪事件が起こる。殺されたのは鵜飼探偵と親しかったホームレス。それは十乗寺家の岬の離れでの密室銃殺事件へと発展した。込められた弾を全て撃ち終えた犯人は岬から海に飛び込み自殺をしたように思われたが…みたいな。
Posted by ブクログ
架空の地方都市、烏賊川市(いかがわし)を舞台とした、シリーズの二作目です。
前作よりもやや地味な印象かもしれませんが、その分本格的な謎解きが堪能出来ます。
作品としてのまとまりも、こちらの方が良いのではないでしょうか。
また、それぞれのキャラクターの個性も確立され、コミカルなやりとりの楽しさも、パワーアップされているように感じました。
謎解きとユーモアのバランスも良く、シリーズ三作目も読むのが楽しみですし、他の作品も読んでみたくなります。
なので、解説で書かれていた「続けて読むうちに癖になるタイプの作家」という言葉にも、素直に納得しました。
Posted by ブクログ
烏賊川市シリーズ2作目。
事件の鍵は一丁の拳銃。映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を連想。
1作目と比べると、十乗寺さくらと二宮朱美の参入で、ギャグの質が向上!(単なる好みかな?)
このシリーズは順番通りに読んでいないが、あとの作品ほど楽しめている印象。