東川篤哉のレビュー一覧
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名探偵にはなれそうもないけど、読者への挑戦がはさまれた作品は大好き。
推理に必要なものが全て提示されてからの真相の開示。
うん、楽しい。
東川篤哉と麻耶雄嵩や法月林太郎を1冊で読めるのはアンソロジーならではの贅沢さ。この、ある意味真逆ともいえる作品を立て続けに楽しませてもらった。
麻耶さんの作品は、ミステリはミステリでも、推理小説でない方のミステリっぽくてぞくぞくしたし、法月作品は親子で軽口たたいてるようでいて、なかなかに重いし。
市川憂人さんは、たぶん、初読み。雪の密室で、ちょっと切ないラストがよかった。米澤穂信さんのは、たぶん、小市民シリーズかな。名前だけは知ってても未読だのこのシリーズ、 -
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ネタバレ昨年刊行された、東川篤哉さんの鯉ケ窪学園シリーズ最新刊である。このシリーズ、舞台が同じ学園という以外に共通点はなく、本作から読んでも特に支障はない。
毎回コンビが変わるが、今回は学園理事長の娘・朝比奈麗華と、探偵部員の石橋君という組み合わせ。要するに石橋君が麗華に振り回されるのだが、いつもは頼りない石橋君が、あるきっかけで鋭い推理力を発揮し始める。
第一話「名探偵、密室に現る」。ミステリ研の部室から原稿が盗まれたという。現場の状況は密室らしいのだが…。密室トリックとしてはクラシックというか初歩的というか、逆に新鮮かもしれない。石橋君初登場がこれでいいのか?
第二話「殺人が未遂だっ -
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鯉ヶ窪学園高等部の探偵部に所属する3人、そのうちの後輩である赤坂の目線でめぐるミステリー。
野球部の練習試合を観戦するために、訪れた対戦相手の球場で、試合をしていた1人の選手が死体を発見する。その傍には、鯉ヶ窪の野球場で先週盗まれたと噂されていた野球のベースが置いてある。その関連で容疑者に選ばれたり、ほかの容疑者とも関わっていたりと、事件に首を突っ込んでいく流れ。
自分でもいろいろ考えてみたけどことごとく外れてしまった…登場人物の掛け合いが面白く、また最後の謎解きもスッキリ。よく思いつくなって思わされた。正直1ページに上下2段で書かれてるし、割かし分厚いしで、読む前はちょっと……とも思ってた -
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ネタバレ『新 謎解きはディナーのあとで』シリーズの3年ぶりの第2作である。9月に刊行されていたのを今頃手に取った。良くも悪くも変わっていない。
国立署に勤務する主人公の宝生麗子と後輩の若宮愛里、上司の風祭警部、宝生家の執事、影山。再開第2作に至り、道化役は道化役、探偵役は探偵役、それぞれは与えられた役割をきっちりこなしている印象を受ける。安心感はあるだろう。
第一話「笠原邸の殺人」。離れで死んでいた当主。現場の状況は…。あのジャンルのようでもあり、このジャンルのようでもあるが、誤認させる手段がコロンブスの卵的な発想で、なかなか感心させられた。偉そうですみません。
第二話「灰色の血文字」。 -
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東川篤哉の連作ミステリ作品集『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』を読みました。
東川篤哉の作品は、先月読んだ『純喫茶「一服堂」の四季』以来ですね。
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ゆるすぎる名探偵&迷推理女子による、猫とユーモアたっぷりの本格ミステリ
下町情緒あふれる東京の谷根千(谷中・根津・千駄木) の路地裏にある、隠れ家的雑貨屋「怪運堂」。
明るさだけが取り柄の女子大生・岩篠つみれは、ミステリアスな店主・竹田津優介の秘められた探偵の素質に気付く。
部屋中の物が逆さまになった謎などの怪事件を持ち込むと、竹田津は猫をかまったり寄り道ばかりしながらも、鮮やかに真相を解