森博嗣のレビュー一覧
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ネタバレ無意識に起こったように見えたものが意図的なもので、
意図的に見えたものが無意識に起こったことだった。
そう紅子が説明した時、犀川先生を思い出した。
犯人の意図に興味はないと言う犀川先生の謎解き方法
はやっぱり正しいんじゃないかと。
(へっ君が挨拶以外にお話ししてた!「お母様」だって)
平均的な人の何倍もの速さと正確さで様々な可能性と
シナリオを紅子は頭の中で処理してるんでしょうか。
七夏が紅子のことを面白く思わないのは理解できるけ
ど、林が紅子を頼る限り、紅子と同等までとはいわず
とも近いくらいに事件を解明できるようにならないと
ダメじゃないかな。(へっ君を見た後、泣きたくなった
気持ちは何と -
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WWシリーズ第6弾
「リアルの私はどこにいる?」
このストーリーを考えられる森博嗣さんがすごい。
作者さんの頭の中がヤバい。
絶対星5なんだけど、消化しきれず今は星4
あらすじ的には、仮想空間にログインした女性から、現実世界の自分が行方不明だと相談を受ける。
この設定だけでもすごいのに、実際には仮想空間内で作られた人格が現実世界にログインしていたとか、発想がヤバい。
人工知能が自分を国だと自覚するネットワークができつつあったり、「人間を作ってしまう」という発想があったり。
そうだよね。
リアルではなく最初からヴァーチャルなのだから、知性を持つ者がヒトである必要はないもんね。
世界観 -
Posted by ブクログ
孤島のハイテク研究所を舞台におきた殺人事件の話。約30年前(1990年代半)の作品だが、全く陳腐化していない。むしろ、時代が追いついて読者層が広がったと思う。トリックを理解するのに情報工学の知識がいる(高校程度)。今の時代でも、こういった知識やアイデアを持ち合わせた作家は少ないと思う。
時代を感じることもある。主役級の登場人物が愛煙家で、喫煙シーンが多い。それから、アメリカのギフテッド教育と課題。こういう話題を一時期よく見かけたことがある。
筆者のwikipediaをみたら、作品がシリーズ仕立てになっている。本作品の主役はもちろん、それ以外の登場人物たちがあちこちのシリーズで登場している。 -
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ネタバレ理系ミステリの金字塔として語られることの多い本作。
ミステリというジャンルとは裏腹に登場人物たちは厨二チックな設定モリモリのキャラばかり。
そんな天才たちが本シリーズ通してのキーパーソン「真賀田四季」に迫っていく物語。
正直オチの部分より印象に残っているのは「睡眠」について語られる部分。
「生物は意識のない状態」つまりは「眠っている状態」「死んでいる状態」こそがベースであり、だからこそ人間は目醒めるときに不快感を感じるのだ、という話。
生物学の世界で「生物とは寝ている状態こそが標準の姿であり、起きている状態がイレギュラーな姿の可能性がある」という議論がされ始めたのは2020年代に入ってからだっ -
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ネタバレスカイクロラシリーズを初めて読みました。アニメは見ていません。
主人公のカンナミは何に対してもあまり執着というものがなく、先入観もなく、かなり達観した考え方をしているのが印象的でした。そんな主人公でありながら、森博嗣さんの描写力もあって、不思議と感情移入してしまうような魅力的な主人公でした。
そんな主人公と女主人公の草薙とのやりとりは、独特の空気感がありました。エンディングは驚きましたが、それと同時にやはりそうなってしまったかという気持ちもあり、形容し難い感情でした。二人は互いに恋愛感情は無かったけれども、最後のカンナミの行動はある種愛情の様なものを感じました。(アニメ版のあらすじは恋愛感情と -
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・コンテストや競技、あるいは競争というイベントの時だけに「やった!」という達成感がある。
とりもなおさず、それは自由を獲得したというよりかは、不自由から解放されただけで、単に自由の出発点に立ったにすぎない。
・目指すものは、自分で決めなければ意味がない。
本当の自由がそこから始まる。
目指すものに向けて、少しずつ近づいていく自分、それを体感する楽しさ、そして、おそらくはたどり着けないかも知れないそのゴールを思う時の仄かな虚しさ、でも、とにかく、その前向きさが、自由の本当の価値だと思う。
・考える。行動することは生きていることにほかならない。
・その人が見た夢より素晴らしい現実はない。