佐藤賢一のレビュー一覧

  • 歴史小説のウソ

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    ネタバレ

    タイトルから想像していたのと少し違うが、著者が小説を書くまでの経過はおもしろい、歴史好き・興味がある人には「どう読むか」の視点を得られるかもしれない、具体的な事例を期待したが一般論、司馬史観(戦国は良く、江戸は悪く、幕末維新は良い)というような物語構造)が生まれる迄の経過・環境の話が面白い
    また「はじめにイデオロギーありき」で歴史を都合よく拡大・縮小・改竄・捏造する態度に対する著者の警鐘は興味深い、歴史学者に当てはめると自説を誘導する見苦しさを想像する、また政治活動かが自己正当化の目的で現代の歴史叙述全般——政治的な「物語化」や選択的な強調——にもつながる問題?昨今の政治家や論客の議論で、事実より「メッセージ性」や「感情の共有」を優先する姿勢を見ると、まさに本書が批判する「ウソ」の構造と言えるのではないだろうか・・・違うかw

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    2026年06月07日
  • 釣り侍

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    久しぶりの佐藤賢一作品。面白かった。登場人物は個性があって良いので、万千代様の藩主ぶりや新婚夫婦など後日談も読んでみたい。ただ、方言の部分が多くて読みにくさを感じた。

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    2026年04月15日
  • 歴史小説のウソ

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    ネタバレ

    169頁の講演調のほとんど自明の論ではあるが、最後の「史観」論のみ秀逸。
    ・歴史小説家(歴史小説)は人を書き、歴史学者(歴史学)は歴史的事実を書く。
    ・戦後日本の歴史学が皇国史観や唯物史観の反省から、専門分化の実証主義に陥ると、歴史の発展の体系的な見方を求められうようになる。その様な時代に司馬史観が生まれた。
    ・歴史小説家はウソにより感動を与えるので、その史観には危ういものがある。百田尚樹。
    ・しかし、史観は個人の価値観を離れて存在しえない。史観を打ち出すのは歴史家であり、それは歴史学者、歴史小説家、素人を問わない。
    ・歴史小説は一種のSF小説。サイエンスとアートの融合。

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    2026年04月08日
  • 王の綽名

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    ミュージカルに関わらず舞台や本を読んでいると、とにかく同じ名前の王様や貴族が沢山出てきて、
    あなたはどこの誰なの?
    と混乱なる人は多いハズ
    だったら綽名で覚えちゃおう!
    と言ってもやっぱり数が多すぎて混乱
    年代別に並んでいるので気になる王様だけでも確認する使い方がいいかもです

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    2026年01月20日
  • 歴史小説のウソ

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    書店で気にはなったけど、いったん見送り。でもその後、書評でも見かけるにつけ、やはり読んどかんとってことで。歴史小説と歴史研究の差異を軸に、小説の読み方に焦点を当てて当事者から語られると、ちょっとした読み巧者になれる気がしてしまう。指南書として楽しめました。さっそく歴史小説にあたってみないと。

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    2026年01月19日
  • 最終飛行

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    なんだかしっくりこない。
    サン・テグジュペリの話だが、
    主人公に共感できる部分があまりにも少なすぎる。

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    2025年12月15日
  • 英仏百年戦争

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    ネタバレ

    英仏の百年戦争が単純にイギリスとフランスの戦争ではないというのは面白かったですね。フランスという「国」自体がまだ未完成で内乱のような形で戦争が進んでいき戦争の結果国家としてのフランスが完成していくのが興味深い(笑)有名なジャンヌ・ダルクに関する解釈や黒太子、デュ・ゲクランの話をもっと読みたかった気もする(笑)色んな知らない話がたくさん読めて良かった(笑)

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    2025年11月24日
  • 王の綽名

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    二人のガスコンの作者ということで、歴史物大作の口になってたら、本当に王の渾名一覧でござった。
    気を取り直して読んでみるとまあまあ面白い。確かに向こうの王様同名多すぎ。三銃士で鍛えたのでフランスのルイ後半三人はなんとかなるけど。
    欲を言うならば、説明にもできればあだ名書いといて欲しい。前に出てきた王様、渾名は何となく覚えたけど名前は相変わらず覚えてないんだ。
    アリスの侯爵夫人のモデルになったという記述でおお!ってなった。

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    2025年10月14日
  • 革命のライオン 小説フランス革命 1

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    恐怖政治を敷いたことで有名なロベスピエールの弱々しい態度に驚いた。またミラボーという貴族の存在が威風堂々といった感じだった。
    ただ歴史を学んでいてはわからない当時の人たちの雰囲気みたいなものが伝わって、おもしろい。

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    2025年10月08日
  • テンプル騎士団

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    ネタバレ

    聖地にやってくる巡礼を守る騎士たちが大きな組織になっていく過程が面白い。人間だけでなく荷物や金も安心して預けらる組織って当時としては画期的だろうな~。戦う修道士的な騎士団なので戦いかたが無謀だったりイメージ通りな部分もあったり面白かった。フィリップ美男王にちょっと興味が出たなー。フランスの王様って割りと面白い人が多いな~。

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    2025年10月04日
  • 日蓮(新潮文庫)

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    南無妙法蓮華経と南無阿弥陀仏の違いすらわかってないレベルで読みましたが、すんなりと読めました。漢字が多くてオススメしづらい本ですが、まぁまぁ面白いです。

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    2025年04月30日
  • 王妃の離婚

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    とある書評で、夏休みに自分の作品を読破するぞ、と言われたいと著者がおっしゃっていた、と読んで興味を抱き、とりあえずそこで勧められていた本書を読んだ。
    面白かったけど、性的描写がしつこくて苦手。読み終わってから、そういえば多分以前も途中まで読んだところでうわぁとなって、その後はかいつまんで読んだのだったかも、と思い出した。
    もっと安心してエンタメを楽しみたい。。

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    2024年11月11日
  • 王妃の離婚

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    王妃の離婚裁判に関わらざるをえなくなった弁護士。彼は弁護をしながら自らの過去と向き合うことになっていく。相手を徹底的ににやり込めた時に王は弁護士に何をするのか。若き日の悲恋が最後に報われる。カノン法がよくわからなくても、面白く最後まで読める。直木賞受賞作。

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    2024年10月12日
  • 王の綽名

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    「禿頭王」「処女王」「太陽王」など、55人の王・女王・王子の綽名を年代順に収録。
    1人4ページで構成されているので、サラッと読める。その綽名になった経緯が面白く、それぞれの王や時代を描いた作品を観たくなる。

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    2024年09月23日
  • 最終飛行

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    とにかく半分くらいまでは、女性好きでワガママな主人公に思い入れできず、読み進めるのがつらかったが、後半は読みやすくなった。
    サン·テグジュペリって、こんな人だったんですね。
    サン·テグジュペリの最後は、作者の希望が含まれた記述になっているように感じる。ここがこの本の出発点だったような気もする。

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    2024年09月16日
  • 王妃の離婚

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    昔のヨーロッパが舞台という事もあって、わかりづらいこともあるが、なんとなく回りくどくて、素直に楽しめなかった。

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    2024年08月15日
  • 日蓮(新潮文庫)

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    ネタバレ

    法華宗に縁があり、とある僧の話を聞いた時に全く腑に落ちなかったが、日蓮のこのような教えに依ると思うと納得。
    結局、宗教とはなんなのか…わからないが、宗教者の話は興味深いかもしれない。

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    2024年05月17日
  • 日蓮(新潮文庫)

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    中世ヨーロッパを舞台とした名作を多く著している佐藤賢一氏、今作は日本、それも宗教家か、と些かの吃驚と期待を抱いて手に取った。
    なるほど、確かに平安・鎌倉期に各宗派を率いた(あるいは拓いた)高僧たちの中でも、日蓮を主人公に選んだことについては何となく合点がいく。
    いわば"優等生的な"教祖として、空海や親鸞が創作の中で描かれているケースをしばしば目にするのに対し、日蓮は、タイプこそ大きく異なれど道鏡や道元らと並ぶ怪僧の一人…というイメージがあった、個人的に。
    世俗に敏く政治に阿るのとは対極に、自身が読み込んだ古来よりの経文こそに絶対的な価値基準を置き、師や権力者が働き掛けようと一切融通が利かず、時に詭弁とも思われる論を弄する姿は狂信的でさえあり、殉教者と呼ぶにふさわしい。
    浄土宗の念仏と違い、現世の娑婆でこそ救われるべきなのだ、と法華経を用いて主張する日蓮の教えは、為政者にとっては前者よりも不都合であろうし、それを援用し成立していた既得権益の枠組みを壊すことは至難であったろう、という背景も推察できるので、上手く立ち回ったとて覆せなかったかもしれないが、日蓮の主張にここまで符合する法難の数々が都合よろしく発生するという有利な状況がありながら、ついには正教としての地位を確立することができなかった…とは、世渡り下手にも程があると呆れてしまうが…。

    このように排他的な日蓮のパーソナリティーに焦点を当て、さらには、どれほど勉強されたのか、と感嘆するほどの蘊蓄や解釈を盛り込みながら、巧みに仕上げられた娯楽小説としてぐいぐいと読んでいったが、それも中盤まで。
    後半に入っても同じような展開が繰り返され、またその起伏も平板になっていき、明らかに息切れ? と思われた。
    「王妃の離婚」や「黒い悪魔」に見たような高い完成度は感じられず、残念。

    本筋と関係ないが、釈迦本人の言葉として網羅的に遺されたものがなく、キリスト教の新約聖書に当たる教典がないからこそ仏教の解釈は多様に渡り、だから厄介なのだな…と改めて感じた。

    「仏教、これまちまちにして旨趣究めがたく、なお不審な点も多くあり、どれが正しくどれが誤っているか、私は理非を明らかにできたわけではありません。」

    「日蓮はすぐには答えなかった。いや、答えられなかった。日蓮とて、相手の気持ちを考えないではないからだ。
     (中略)
     日蓮は思い切った。やはり強々に答えることにした。」

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    2024年05月13日
  • 日蓮(新潮文庫)

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    日蓮宗開祖である日蓮の半生の物語。
    堕落腐敗した宗教界に対して、毅然と立ち向かう姿勢というのは尊敬すべき点であると思う。ただ、問答の場に引き出すために必要以上に煽り立てるとか、何かと強引な手法を取る部分はいかがなものか、と思ってしまいました。

    自分の信じた道を進むことを決して諦めない。どんなに理解されなくとも、権力には屈することなく、命の危機を迎えてもなお、自分の信じた道を全うする事を選び抜いた半生。
    尊敬すべき人物ではありますが、心の底から賞賛できないのは、攻撃性が高いからでしょうか。融和でなく排斥の道であると感じたからだと思います。

    宗教2世である自分は、宗教家を題材にした小説は読まない方がいいのかもしれない、と思ってしまった。いろんな鬱屈した想いが掘り返されて、物語として素直に読めない部分がありました。

    外部情報に左右されて楽しめないのはよくないぞ。

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    2024年05月10日
  • 王の綽名

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    王や王妃たち,さらには王子たちが、あまりにもたくさんいて,誰が誰やらわからない時にあだ名は役にたつ.性格や功績を表したのはもちろんのこと,不本意なあだ名であっても.作者のコメントも面白かったしヨーロッパの歴史をおさらいしているようなところもあって勉強になりました.勉強ついでに家系図のようなものがあればさらに良かったです.
    ブラジル皇帝ペドロ1世、全く知らなかったけれど、一番好感が持てました。

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    2024年04月11日