佐藤賢一のレビュー一覧

  • 世界史のミカタ

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     西洋を舞台にする小説を著する佐藤賢一と、国際日本文化研究センター教授の井上章一による対談方式の本。
     まだまだ個人的には世界史的視点は、乏しいところであるが、二人の軽妙な語り口に、面白味と首肯けるところが多々あった。
     話は神話から現代までと守備範囲は広く、特に第二章の、遊牧民という世界史に与えた影響、インパクトについては、今日の研究で少しずつ浮き出されつつあるも、一般的にはまだまだ西洋史と東洋史が主流なため、そういった異なった俯瞰はとても興味深かった。
     果たして現代について、過去から学んでどのようにそれを活かせられるのか。結局は過去を学ぶことでしかそこに解決策を見出せないのか。それは一朝

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    2022年09月19日
  • 学校では教えてくれない世界史の授業

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    あまり頭に入らない
    歴史を学ぶことで、抽象的なメタ認知を学べる。

    マケドニア共和国
    アレクサンドロス大王の圧倒的成功。
    しかしこの成功にはフィリッポス2世の地盤作りが重要だった。歴史的にも環境、父親の影響が偉人を生み出す場合が多い。

    皇帝を主、神としたいがためにキリスト教を弾圧した。イエス・キリストではない。
    日本でもそうだが一度洗礼を受けると簡単にやめない。

    集団を一つに
    一つの帝国
    一人の皇帝
    一神教という観念
    一つの宗教
    可能な限りの一枚岩で実現する。

    マラトンの戦い→マラソン
    ギリシャ対ペルシャ

    テルモピュライの戦い→300
    スパルタ重装歩兵「ファランクス」

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    2022年07月10日
  • 英仏百年戦争

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    どちらもフランス人という所はなるほど、中世らしい話と納得。
    途中は、まあそんな感じかと思うが、ジャンヌ・ダルクが農民の娘が利用されただけと切って捨てるのは、どこまでそうなのか。
    うつてつけの題材と思うが、ナポレオンまで気が付かなかったのか?

    最後、国民国家とナショナリズムを産んで終息したというのはわかりやすいが、その時代でそこまで言えるのか。
    国民国家としても、15世紀と18世紀では同じにならないし、それ以前でも同じ国語を話す者の一体感はあったのでは?
    きれいに割り切りすぎな感がある。

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    2022年05月14日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    一神教について、その歴史を古代から現代まで物語のように書いている本。

    キリスト教は人間中心主義の宗教。
    ユダヤ教とイスラム教は神中心主義の宗教で日常生活の中にも、神が密接に絡んでくる。
    キリスト教世界が中心となった近代化以降は、政教分離の困難さゆえにイスラム教はきびしい状況におかれている。

    宗教入門の本を何冊か読んできて断片的だった知識がこの本で1つに繋がった。

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    2021年11月30日
  • カエサルを撃て

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    ネタバレ

    佐藤賢一もこれで四冊目。だんだんと性的な味付けが全部一緒に見えてしまって困った。ウェルキンゲトリクス視点のガリア戦記と聞いて読み始めたが、実際のところは燦然たる若者の輝きが中年男をまばゆいばかりに照らし出す話だった。実質的な主役も覚醒カエサルの方だった。っぱローマよ。

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    2021年09月30日
  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2

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    フランス王朝史3部作の第2弾はヴァロワ朝。
    あいわからず、佐藤賢一さんによる詳細でドラマチックな記述が続く。展開としては、「個人商店」のカペー朝から「会社組織化」するヴァロワ朝。500年も前のフランス、しかも歴代王をこんなに詳細に書くためには、どれだけの文献を読みこんだのだろう?と驚きを禁じ得ない。そんな詳細な“物語”の中でも、「第五章 勝利王シャルル七世」に登場したジャンヌ・ダルクについては、「やはり神の奇跡か」の説明が数か所あった。さすがの佐藤さんにしてもジャンヌ・ダルクは謎めいた存在なのだろう。
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    2021年08月09日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    ユダヤ、キリスト、イスラム教の歴史を世界の流れとともに分割して解説している。
    興味のあるところから読めるのは魅力。
    とくに新しいことが書いてあるわけではないので、宗教の歴史を知りたい初心者におすすめ。

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    2021年08月02日
  • 遺訓(新潮文庫)

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    この本を開いた時から、大久保利通は悪人だった。そこから西南の役までの悪人ぶりは、大久保が暗殺されたことに納得させられる。庄内から見た西南の役を、沖田総司の甥である沖田芳次郎を通して描かれる。興味深く面白い。

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    2021年03月06日
  • 王妃の離婚

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    中世が舞台のリーガル・サスペンス。人間の、男と女の、みっともない、でもどこか愛おしい、生の姿がありありと描かれている。
    序盤で何度か脱落しかけたが、100ページを超えてからは俄然面白くなり、最後まで一気に読むことができた。
    もっと小難しい話かと思っていたら、意外と…会話シーンなどはキャラノベか?と思うような雰囲気も(個人的にはもう少し抑えめが好み)。
    歴史に疎くても十分楽しめる。ルイ十二世とジャンヌの離婚が史実だというのも読み終わってから知った。

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    2021年02月15日
  • 新徴組(新潮文庫)

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    東日本の幕末もの。
    新徴組の名前は知っていたけれど、こんなことをしていたのねぇという感慨が。
    ま、小説なので戦争があった以外のところがどの程度脚色されているかは不勉強でわからないのですが、主人公の沖田林太郎のひょうひょうとした雰囲気とか、登場人物の描写の良さでとても楽しめました。
    意外と陰鬱な話になっていないのも良かった感じ。

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    2021年01月03日
  • 王妃の離婚

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    ネタバレ

    最初はつまらなくてなかなか進まなかったが裁判が始まったら面白くなりどんどん読み進めていった。
    作品中では弁護士と王妃のロマンスも見られたが実際はおそらくそのようなことはなかったであろうし、王妃は40歳で亡くなったらしい。
    離婚したのは何歳の時かはわからないが若いうちから夫に疎遠にされた挙句、離婚まで言い渡されずいぶん気の毒な人生だったであろう。
    夫でもありいけ好かないルイ12世のその後の人生もパッとせず自業自得。
    後世の評価も芳しくない。

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    2020年09月20日
  • ジャガーになった男

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    自分は戦でしか生きられないと知っている。
    平穏な生活への憧れのようなものも持っている。
    葛藤に苦しむと、やはりと自分を戦場に送ってしまう。

    日本の女、イスパニアの女、インディオの女
    日本の男、イスパニアの男、インディオの男
    ところ変われば人も変わるが、権力持つもののおぞましさはみな共通している。

    20歳の若者は、10年の歳月を経るうちに俯瞰して見るようになった。
    俯瞰して俯瞰して、そして神の化身であるジャガーになった。

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    2020年05月31日
  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2

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    長い歴史で仕方ないのだが、羅列が多く、ほとんどカタカナ。そして個人的に、著者の文章が未だ苦手だ。小説のような言い回しなのに、カタカナの羅列で、頭に入ってこないのだ。片手に置いて、辞書がわりに使うなら良いだろうと思い、続編も購入した。

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    2020年05月20日
  • テンプル騎士団

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    かねがねヨーロッパを旅するときに、知っていた方がより楽しめるなと思っていた「テンプル騎士団」。これまでなんとなくしか知らなかったので、その成り立ちや滅亡の経緯、手掛けていた様々な事業などについて初めてちゃんと理解ができて、たいへん面白かった。まさか中世に国をまたいで、銀行業のようなことまでしていたとは!何世紀を経ても名前が残っているだけの団体だったのだと納得できた。(滅亡の経緯はなんだかとても残念な感じではあるけれど…)

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    2019年11月10日
  • 学校では教えてくれない世界史の授業

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    「一つの方向(ユニヴァーサル)」から見れば、世界史はすっきりわかる! 西洋歴史小説の第一人者が、西世界・東世界・イスラム世界による覇権志向で世界史を読み解く。折り込みの略年表付き。

    世界史の教科書は確かに起きたことの羅列で「暗記しなさい!」といった感じがないでもないけれど、本作は史実の流れと背景を滑らかに語っていて、なるほどと思われることが多かった。ハンニバル、スキピオ…これらの名前は妙に懐かしかった。
    (Ⅽ)

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    2019年09月08日
  • 王妃の離婚

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    佐藤文学の最高峰と言われて、ちょっとハードルを上げてしまったか。期待ほどではなかった。
    物語は面白いと思うのだけど、硬質というか、高圧的というか、どうも文章が好みではないのかなあ。
    離婚という題材の性でもあるのかな。
    そういう世界・時代だということを考慮しても、どうもね。
    特に好ましく思える人物がいなかったのもあるか。
    とはいえ、中世西洋を知るという楽しみは、他には変え難い。そして、エピローグでほろりとさせられたのは、流石。
    続いて他の作品を読んでみたいと思った。

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    2019年09月03日
  • ブルボン朝 フランス王朝史3

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    大王アンリ4世から始まるブルボン朝の王朝の歴史が、王の人物像を活写することにより、臨場感をもって描き出されています。

    旧教と新教の対立、法服貴族や高等法院との対立、そして近隣諸国との戦争。王たちの権力が必ずしも盤石でなかった時代背景が良く分かります。

    ルイ14世の出生に関する件や、死に際してのルイ16世の言葉など、印象に残るエピソードも多く散りばめられていて、一気に読んでしまいました。

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    2019年08月24日
  • カペー朝 フランス王朝史1

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    ネタバレ

    序盤は名前をなかなか覚えられなくて乗れなかったが、後半は面白かった。3世とか4世とか、複数の名前についてそれぞれ増えていくからつらい。

    健康で長生きすることが結構重要なのだなあと感じた。世継ぎに恵まれなかったり、明確にしておかなかった国は基本的に御家騒動に巻き込まれて(つけこまれて)滅んでいく。大変な時代であった。

    カペー朝の主君は数百年に渡ってそれほど会戦が得意ではなかったが、なんとか生き残った。ユリウス・カエサルのような才能ある人物は稀有な存在なのだなあ。

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    2019年08月09日
  • 王妃の離婚

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    中世フランス王様と王妃の離婚裁判劇
    最初は挫折しそうになったけど、敏腕弁護士の活躍が面白くなってからは読み進めれた。

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    2019年07月03日
  • 赤目のジャック

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    「英仏百年戦争」の最中のフランスでの出来事です。
    当時のフランスがいかに疲弊しきっていたかがよく分かります。

    解雇された傭兵たちに荒らし尽くされた農民たちの怒りは至極もっともなことだと思います。略奪・放火・強姦の限りを尽くされ、領主は何も守ってくれなかった…
    ジャックが現れ、ジャックの言葉に共感、もしくは洗脳され、暴徒(狂徒)と化した農民たちが叛乱を起こす気持ちもわかります。
    でも…主人公のフレデリの葛藤ももっともなところであり、その葛藤こそが人間の本質であり、人間を人間たらしめている部分ではないのでしょうか。
    (フレデリが豹変した際の心理描写のツメが甘かったのが残念)

    どの時代においても

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    2019年03月29日