佐藤賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地の文はフランソワ2世の治世から聖バルテルミ虐殺まで、カトリーヌ・ド・メディシスの独白による回想はアンリ2世との結婚から夫の死まで、両者が並行して記述される。
佐藤賢一にしては女性の書き方もあんまり下世話じゃなく、なんとカトリーヌに好感を持たせる記述になっている。
融和指向だったカトリーヌがなぜ聖バルテルミを惹き起こしたのか(乃至許容したのか)をどう表現するのかと思っていたが、それはあまりよく描かれていなかった。融和を求める考えが結構書き込まれていただけに残念。コリニーが息子の父親面したのが家族を守るマンマとして許せなかっただけでは弱いでしょう。コリニー暗殺教唆だけならともかく… -
Posted by ブクログ
"デュマ"シリーズ然り、その他の長編小説でもそうだが、私たちも名前とその業績ぐらいは知っている史実上の人物たちに、喜怒哀楽を持ち合わせた等身大の人間としての魂を吹き込み、生き生きと作中で動き回らせる、という技術において、佐藤賢一氏の力量は本当に素晴らしい。
もちろんその立ち居振る舞いには、脚色や創作が多く加えられていると分かっていても、ペリーってこんな人だったんだ、とノンフィクションかのように信じ込まされてしまいそう。
ただ、氏の著作では時々見られるんだけど、物語の仕舞い方が些か呆気なく、読後の余韻に欠ける嫌いがこの作品では顕著に出てしまっていると思う。
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