竹内薫のレビュー一覧
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お気に入りの映画や書物を時折振り返るように、私にとって、それらと同じような扱いに駆られるのが、高校の授業で、数学を嫌いになるか、ならないかの分岐点の一つとなる虚数だ。決して得意としているジャンルではないが、わからないなりに(わからないからこそ)、その「沼」にはまっているのもまた事実。
雑誌「Newton」の特集記事を眺めたりもするが、本書は、私のような文系人間への気配りがなされていて、数式があまり登場せず、縦書きの文章で、できるだけわかりやすく書かれている。数式でスマートに表記する内容を、あえて日本語で説明する方が困難と思われ、ウルトラマンのスペシウム光線の型などをイメージ図の例に使い、あの手この手の筆者の苦心と表現力に感心する。
2乗してマイナスとなる虚数単位iの「存在」の説明に始まり、その存在よりも「役割」の方が重要であるとする視点から、虚数がなければ説明不可能と思われるコンピュータゲームから宇宙まで広範囲に及ぶ解説により、虚数の大きな魅力を再認識できる。そして、その魅力は、「最初は付き合いにくい印象があったけれど、深く付き合ってみたら、実にいい奴で、機転が利いて、気がついたら親友になっていた」という存在のような気がすると著者は語っている。 -
Posted by ブクログ
タイトルは子育て論っぽいですが、内容はAI時代に生き抜くための方法論で、すべての大人が対象です。
現在のAIの状況についての基本的な解説から始まり、近い将来、多くの単純な仕事がAIに取って代わられると説く。ではどうするか。AIを使いこなす立場になるか(それには、数学、プログラミング、英語の能力が必須)、AIがケアできない領域で生き抜くか(人間のコミュニケーションの領域)。ただし子供たちに対しては、現在の暗記中心の学校教育ではどちらにも対応できないので、英語、プログラミングを交えた、探求型の教育プログラムが必要と説く(著者は実際にそういう学校を運営したいるそうです)。
元々、短いエッセー的な連載だったものをまとめた一冊なので、少々バラバラ感はありますが、著者のメッセージは良く伝わってきましたし、多くの部分で腹落ちできる内容でした。 -
Posted by ブクログ
主人公は二次元世界に生きているため、三次元の存在を知らないし、立体を見ることはできない。その主人公が「三次元の福音」を受けるべき存在として選ばれ、三次元世界を経験する。
三次元世界で見る平面は、二次元世界の存在から見ると「内部」なんだなぁ、と。二次元世界から見る線も、一次元世界の存在から見ると内部なのも理解できた。
ということは、四次元世界の存在には私たちの内部が見えちゃうということ、なんだろう。
二次元の世界にない「上」という方向。三次元の私の世界にないどこかの方向のどこかの空間を知る四次元の存在に想いを馳せた。
ところで特別収録の「アイドゥン・ブユクタシによる三次元の外へ誘う写真シリーズ≪フラットランド≫」もめちゃくちゃ良かった。ほかの作品も見てみたい。 -
Posted by ブクログ
物理学の入門を理解したというよりも、これが物理学の入門なのかということが分かった。難しい。でも面白い。
読み終わってから2週間もたってからレビューを書こうとすると、かなり忘れてしまっていることに気付く。
とりあえず付箋を付けた部分。
・ニュートンが定義した「空間」と、重力を帯びている「重力場」が実は同じもの(P.22)
・素粒子の振る舞いや性質は量子力学によって記述されている。動く層の素励起である。波動が消えたり現れたりしている。(よく分からん)(P.65)
・量子力学と素粒子実験によって、この世界は物質が不安定な状態で常に揺らいでいることが分かってきた。(P.67)
・星は崩壊して自らの重みで押しつぶされブラックホールになるると、さらに沈み込んでいき、量子的な波動から生じた圧力と釣り合って、「プランク粒子」と呼ばれる仮想の状態になる。プランク粒子は反動で跳ね返り爆発する。ブラックホールの中と外では時間の流れる速さが違うので、外から見たブラックホールは、反動による爆発を超スローモーションで見ていることになる。(P.87〜P.90)
・熱が熱いものから冷たいものにしか移動しないのは、熱い分子のほうが運動するスピードが速いため、冷たい分子よりもエネルギーを与える可能性が統計的に高いから。(P.100)
・引用「物語を創作することと、何かを突きとめるための手掛かりを追うこと、これら二つの異なる人間の営みの混同は、現代文化の一部に根強く残る、科学に対する無理解と警戒心の源ともいえます。(P.125) -
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誰も知らない量子重力
今までにない量子重力の解説書である。
ハイライトは第3章の二重相対論とスナイダー理論である。
この理論は知らなかったので新鮮だった。
1,2章は相対論と量子論を論じているので多くの人が既に知っているだろうが、
3,4章は多分多くの人が全く知らない内容だろう。
この2章を読むだけでもこの本を手に取る価値がある。
物理科を出た人なら3章から始めても良いと思う。
ともかく他の本で読んだことがない内容なので読む価値はある。 -
Posted by ブクログ
【99.9%は仮説を読んで】
この本は、科学作家の竹内薫さんが書いた科学的な考え方の本です。
「思い込みで判断しないために」という副題のもと、世の中にあるさまざまな仮説の具体例が示されています。
個人的に面白かったのは、「科学は、いつでもまちがいを潔く認めるもの」という一説です。
批判的思考などと聞くと、疑ってかかるイメージをしがちですが、それは科学的思考とは言えません。
良いデータ、悪いデータの両方の側面を見ること。こういう態度でものごとに接するとアイデアも豊富に生まれるのではと思いました!
他人と話すときも、考えを否定するのではなく、「この人はどんな仮説の中に生きているんだろう?」と考えること。
田村は「これが大人の余裕なんじゃないか!?身に着けたいなぁ。」と思いました。笑