竹内薫のレビュー一覧
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19世紀末の英国で書かれた奇想小説。2次元の平面世界であるフラットランドの数学者である主人公の正方形が前半はフラットランドのその奇妙な世界を解説、後半は3次元世界からやってきた球と遭遇するという話。次元の解説は判りやすく、フラットランドの描写も興味深い。ただ風刺小説としての傾向が強く、フラットランドの世界は持つ辺の数による厳格な階級社会であり、中でも女性は辺を一つしか持たない最下級の存在である直線とされ差別されているという、スィフトを思わせるディストピアとして描かれている。作中、女性はかなり酷い扱いだが翻訳は原作の差別的表現を削除した改訂版とのことなので、オリジナルがどれほどのものなのか気にな
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ネタバレ<目次>
まえがき 思考実験って何なの?
第1日 もしもあなたが猫だったら?
第2日 もしも重力がちょっぴりだけ強かったら
第3日 もしもプラトンが正しかったら
第4日 もしもテレポーテーションされてしまったら
第5日 もしも仮面をつけることができたら
第6日 もしも小悪魔がいたならば
第7日 もしもアインシュタインがただしかったらならば
あとがき リアルな世界の脆弱さ
<内容>
科学哲学の本。「もしも…」で物理学の理論を証明していこうというもの。日本では脆弱な科学読み物として成り立っている。最近こういう本が増えてきた。リベラルアーツの再考がされてきたからかもしれない(ただ -
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教養ある人とは知識と知識を繋げてストーリーとして分かりやすく説明できる人とのことだが、これがなかなかできない。ものを読んだり聞いたりしたときの一つ一つの事実の記憶が甘くて、ぼんやりとしか掴めていないので、曖昧な言葉にしかならず、うまく他人に説明できない…意識的に訓練していくしかないのかな…
人間の脳は後で教えてもらえると分かっているものは覚えないというくだりにドキッとした。わからないままで放置するよりましかと思い、ここのところ度々ネット検索のお世話になっているのだが、また調べられると油断して知識として定着しにくいのだとしたらほどほどにしなければ。 -
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ネタバレこれからの時代を生きるあなたへ。
文系・理系という分け方はもう通用しない、かもしれない。でも、大学入試がまだ変わっていない今は、文系・理系という分け方もまだ残る。けれど、変わっていく未来を見て、自分はさてどうするか。
文系・理系という分け方は、明治時代にプロイセン式の一括教育システムを導入した名残。今は幕末のような時代の転換期だから、明治維新の時の英語のように、これからのポイントになるスキルがある。それが英語に加えて、「数学+プログラミング」と著者はいう。
AIに仕事を奪われる、ということに不安を感じている人は、これからは「AIを使いこなす側にまわる」か「AIにできないことをする」という -
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『科学道100冊』の1冊。
原著の発刊は古く、1884年、ヴィクトリア朝時代である。
ちょっと変わったお話で、主人公は二次元世界に住む正方形である。
「えっと、二次元世界ってなんだ?」というところから話を始めなければならないが、タイトルにもなっている通り、フラットランド、つまり、すべてのものが平面上に存在するのが二次元世界。縦と横の世界である。
我々が普段暮らしているのはこれに高さが加わった三次元の世界、スペースランド(空間世界)である。
一方、次元を下げていくと一次元の世界となり、つまりは線の世界、ラインランド。さらに次元を下げてゼロ次元の世界となると、点だけの世界、ポイントランドとなる。 -
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プログラミング、数学、コミュニケーション力、英語、探究。そしてホームスクーリング。
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数学のなかで、しっかりやっておいたほうがいいと私が思うのは、確率・統計です。これからの時代は、あらゆる分野で大量かつ多様な集積であるビッグデータの活用が進みます。その意味で、社会に出てからもっとも重要で役に立つのが確率・統計だといえます。(p.84)
より自分にあった学びを求めるなら、家庭で学習を行う「ホームスクーリング」という選択肢もあります。ホームスクーリングには、親が先生役となって勉強を教えるものや、親のサポートを受けながらインターネットで在宅講座を受講するものなど、さまざまなスタイ -
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湯川秀樹氏から本庶佑氏まで、日本人で科学分野のノーベル賞を受賞した21人を取り上げ、出生から受賞の契機になる発見・研究をたどりながら、各人の思いから発せられた言葉を紹介している。
必ずしも順風満帆ではないが、コツコツと努力を積み重ねた行く末に、苦労が華開く成功ストーリーは、意外ではあるが、運命的な必然なんだろう。特に印象的だったのは大隅良典氏の言'人が寄ってたかってやっていることをやるよりも、人がやっていないことをやる'。未踏領域の発掘、基礎研究の真髄を言い当てた言葉に感じる。国の研究開発に対する予算の考えが、基礎から応用へと軸足を移した結果が、今後大きなツケとならないか懸