竹内薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ゲームの歴史と行き着く先
単に平面上で反射神経を競っていたブロック崩しやインベーダーから始まり、ゼビウスのようにスクロールする世界に発展し、今ではAR、拡張現実の中で人工知能と会話し、ネットで多くのプレイヤーとつながる。電源をオフにしてもゲーム世界は消えない。ゲームの没入感は現実との境が曖昧になる程だ。
この調子でさらに発展した世界において、現実と仮想現実の違いはどの程度のものになるんだろうか。いやそれどころか、我々はひょっとしてすでに仮想現実の中に住んでいて気がついていないだけではないだろうか。
という映画「マトリックス」的世界観について、1 デジタル技術、2 量子物理学、3 宗教のおもに3つの観点から語る。
まず1はよくある論点だがよい整理になる。ゴーグルなしでメタバースに入っていく時代はすぐそこだろう。
2は例の不確定性原理が議論の中心になる。すなわち、量子の動きは観察するまで確定しない、というアレである。それって、プレイするまで画面が存在しないゲームと同じじゃん、と。このあたりからアナロジーが強引になってくる。
最後3、もちろんブッダは「この世は認識によって成り立っていて実在はない」というようなことを言ったが、それがこの世が仮想現実であることの傍証だと言われてもさすがに無理がある。こういう宗教上の言葉の断片と科学を安易に結びつけることの危険は多くの場所で指摘されている。
というわけで最後はしらけてしまったというのが正直なところ。ただ、長らく興味のあったゲームの発達の歴史の整理としてはかなり興味深かった。
同時に、こうした該博な理系知識を組み合わせて壮大なそれっぽい世界観を作り上げてしまうことにはややオウム的な怖さも感じる。それが言い過ぎなら、マトリックスに夢中になりすぎたオタクによる、ややトンデモ寄りの考察本という感じか。
もっとも、今目の前にある世界の実在をまったく疑わない、という傲慢さも危険と言えば危険。偉そうな言い方だが、決して嫌いなタイプの本ではなかった。
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Posted by ブクログ
地球では、無生物から生物への変化が1回だけ起こったか、地球外の宇宙空間の何処かから生命がもたらされた。
それが進化して現在の地球上の生物になっている。
宇宙を過去に遡っていくと、ビックバンが起こる直前の1点に行きつくように、
地球上の全生物を過去に遡ると、1つの最初の生物にたどり着く(らしい)。
現生物と異なる起源を持つ生命体も生まれたのかも知れないが、痕跡は残っていないということだ。
私は、中途半端に物理なんぞを勉強したせいか、生命の存在が不思議でならない。
生物の存在そのものが、熱力学の第2法則に反しているとしか考えられない。
時間と共に秩序だった状態から無秩序な状態に向かうエントロピー増大の法則の真逆だ。
生物は細胞でできているとか言われても、もっと細かく見れば分子の集まりで、要するに原子からできている。
生き物が持っている"遺伝子"だって物理と化学の法則に従う安定した原子の集まりにすぎない。
生き物は死ぬ。
死ぬ瞬間というのはないかも知れないが、死ぬ前と後で何が違うのか不思議だと思う。
身体を構成している原子の集まりとして見れば同じではないのか?
本書「生命とは何か」は、今だに正確な定義もなく謎だらけの"生物"について考えてみようという本だ。
図や絵が欲しいと思ったが、学術書ではなくエッセイみたいな内容なのでこれで良いのだろう。
特に目新しい情報はなく、これまで"生命"の謎についてあまり考えたことがない人向けのようだ。
著者は、「進化する能力を備えるもの」が生物であると定義している。
そのためには「生殖」「遺伝システム」「遺伝システムの変動」の3つの特性が必要と言っている。
こう定義されると、最初の生物はどの時点で生物とみなされるのかが気になる。
無生物から生物になる瞬間については、いろんな説があるがどれも納得できない。
スタップ細胞と同じで、再現できないものは認めるわけにはいかない。
最近やっと悟ったことがある。
生きていると、どこかしらガタがくる。
血圧が高くなったり、骨や筋肉が弱ったり、内臓もどこかしら調子が悪くなったり。
プログラムされた「遺伝システム」で、いつか生き物は死ぬようにできている。
何らかの病名を付けられて死ぬ。
生物にとっては "生きていること" 自体が(熱力学の第2法則に反しているという)病気なのだ。 -
Posted by ブクログ
フラットランドの二次元人が一次元のラインランドを思考し、三次元のスペースランドを垣間見たお話。
二次元世界なんて想像したこともなかったが、そこで見られる世界の様子は確かに納得感がある。
一次元は更に難解ではあった。
二次元人がひょんなことから三次元世界に踏み込んだ途端、自分の世界の真理を悟り更に奥に潜む世界に想像を巡らす。
三次元人間の自分は四次元世界を想像することは出来ないが、理解することは出来る。
別の本だが三次元人間の消化器官は口から1本でつながっているが、二次元人間でその構造は身体を二つに分断してしまうため機能しないことを思い出した。 -
Posted by ブクログ
タイトルは、全情報のうち、自分が対処できないものの割合。時々刻々と増え続けるのが情報だから、本作から少し時間が経った現在、更に数字は増えているかも。もはや誤差の範囲かもしらんけど。正直、心に残ったのはその点だけなんだけど、翻ってその他もろもろは、論を引っ張るためにしか思えなかったりして。対数の説明とかも、頁稼ぎにしか見えんし。あと何よりしんどいのは、特に後半で顕著なんだけど、関西弁の多用と、カッコ書きで繰り返されるしょーもないひとり突っ込み。そもそも、論文内で(特に地の文で)繰り出される関西弁に少なからぬ反感があるんだけど、せいぜい、本書と同時に読んだ中野徹氏くらいの使用が限度。本作は度を越えているから、イライラしてせっかくの中身も素通りしてしまう。著者としてもそれは本意でないと思うし、是非やめて頂きたいと思います。本書は共著なんだから、せめてどちらが書いたかを示して欲しかった。これまで読んだ竹内薫氏の著書では、上記を感じたことがなかったので、責はもう一人の方にあるのかな、きっと。
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Posted by ブクログ
科学の世界で未だ解けていない問題12個紹介されている。それぞれが分厚い本になるような内容を数ページにまとめている超簡単な本。ポアンカレ予想、進化論、麻酔、心脳問題あたりが面白かった。が、いずれも詳細は別の本で知識を補いたいところ。
読みやすくするためか、ところどころユーモア的なものが差し込まれているが、ただでさえ限られたページなのでやめてくれと。
00 ソファ問題…直角の廊下の曲がり角を曲がれるソファの最大面積はいくらか、というクイズ的なもの。
01 ポアンカレ予想…これは解決済み。コーヒーカップとドーナツは同相。(どちらも穴がひとつだけ)粘土でできてたとして、ちぎったりせず、穴を残したまま変形できたら、それは同相だそうだ。簡単なようだが、これを証明するのは難解だったらしく、蓋を開けてみれば、数学の問題ではあるが、物理学的な知識が必要だった。両方を理解していた変人、ペレルマンだけが解けたが、その公演を聞いても数学者たちには理解できず、ペレルマンはショックで引きこもりになってしまった。
02 大量絶滅…過去、世界中の70%以上の生物がいなくなるような大量絶滅は5回あったと言われているが(ビッグ5)、その1回1回も、10万〜100万年かけて絶滅してる。隕石衝突による恐竜絶滅もそのひとつ。
03 ブラックホール…本著(2014)にはまだブラックホールは撮影されたことがないとあるが、2019年に撮影に成功してる点が感慨深い
04 進化論…これも証明されていないので、仮説に過ぎない。突然変異とは言え、こんな複雑な進化があり得るか?というものもあるし、なぜ進化の中間と言える生き物やその化石がないのか?という疑問もある。
05 タイムマシン…キップ・ソーンは有名な物理学者らしい。未来へ行く方法は相対性理論で説明できるが、過去に行く方法はまだ説明できない。
06 ウナギ…うなぎは垂直な岩肌の崖も登れるから、ウナギ登りと言う。うなぎの産卵と孵化はまだ確認されてない。日本のうなぎは数千キロ離れた場所で産卵をしていることまでは突き止めている。(グアムの近く)
07 不確定性原理…素粒子には電子、クォーク、ヒッグスなどがある。素粒子が集まると原子核や原子、もっと集まると分子になる。これらの総称が量子。ハイゼンベルクが量子を観察するために光を当てると量子は光子と衝突して影響を受けてしまうため、観測することができない、という原理を唱えた。(後に日本の数学者、小澤に覆された)
08 性…なぜ性別が存在するのか、進化論でも説明がつかない。多様性があるほうが種としては有利。例えば、ある病気が発生した時、すべての個体が死滅するリスクが分散される。
09 リーマン予想…素数の現れ方にパターンはあるのか。
10 麻酔…麻酔には3種類(鎮痛剤、筋弛緩剤、全身麻酔)あるうち、全身麻酔は解明されていない。睡眠とは脳波が違い、昏睡に近い。全身麻酔中でも脊髄反射で患者が動いてしまうことがあるので、筋弛緩剤で筋肉の収縮を止める。痛みを感じなくなるメカニズムだけでなく、意識がなくなるメカニズムが全くわかっていない。
11 心脳問題…脳という物質にいかに心、意識は宿るのか、という問題。唯物論(そこにあるのは脳という物質だけ、という考え方)が科学者の中には多いが、これは必ず自由意志の問題にぶつかる。創発主義は、多数の物質同士が相互に作用した際にカオス理論的に新しい何かが立ち上がるという考え。点や線が集まって文字になり、文章になり、文意になるように。同じことが脳と心でも起こっているのではないか。
12 超ひも理論…4つの力を統一する理論を物理学者は追い求めている。強い磁力、電磁力、弱い磁力、重力。(電磁力と弱い磁力は統一済み、強い磁力も間もなくと言われている)宇宙の始まりにおいては11次元あり、力は重力しかなかった。重力がさまざまな力に変化した。重力だけが他の力より圧倒的に弱い。それは重力が他の次元に漏れているからではないか?(重力だけがパラレルワールドに伝わる?)