竹内薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
(昔読んだ本の再読)
小説的に描かれた哲学の解説本。
シュレディンガーの猫をが著者の前に現れ
このシュレ猫を案内役に
以下の10章で哲学について解説している。
・ウィトゲンシュタイン
・サルトル
・ニーチェ、ソクラテス
・カーソン
・サン=テグジュペリ
・ファイヤーアーベント
・廣松渉
・フッサール
・ハイデガー、小林秀雄
・大森荘蔵
自分にささる哲学者や理論に出会えたら、
それを深掘りできるよう
引用書物を巻末にまとめてくれている。
入門書としては使えるかもしれない。
人生で出会わなかった哲学者も登場し
いろいろと学びもあったが、
小説で紡いでいて全体的には
ふわふわした印象の本だった。
感想。
科学哲学という分野を知らなかった。
量子力学など興味はあるが難しそうで
学んでこなかったが、読んでみたいと思った。
小林秀雄は子どもの頃よく国語のテストの
題材にでていたような記憶がある。
こんなに偉大な人だとはしらなかった。
理系文系などの対立は今なおあると思う。
大森荘蔵の重ね合わせる考え方は
分断と対立が際立つ現在に有効だと感じる。
自己理解も大事だが、他者を見つめる時に
想像力や共感や知性を総動員することが
いまの時代には最も必要だなとも思った。
哲学は小難しくて、賢ぶった人がするもの
と考える人も多いと思うけれど…
人が如何によく生きるかの悩みの歴史であり、
世界を分かったつもりにならず
理解しようとし続けた人たちの努力の蓄積
だとも言えると思った。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ自己イメージって大事なんだな。周りからバカだと思われてると思ってると本当にバカになってしまう。
いわゆるバカだと思われている人も、本当はバカじゃないのかもしれない。ただ、その他大勢とは異なるコンテクスト、前提条件に気づいているためにバカだと思われているだけということもある。
仕事の会議で考えると、コンテクストをしっかり共有しておかないと有意義な議論はできないし、大事な意見も流されてしまうこともあるんだろうな。
自分をバカだと断じることも、浅い部分だけ見て相手をバカだと断じるのも気をつけるべしか。
フィードバックがないとバカになる。
大学教授を例に取っている。ある特定の領域では極めてアタマが良い。しかし、実社会からのフィードバックを受けにくいため、つまらん授業をし続ける教授がいる。人から注意を受けられるってのは幸せなことなんだな。そして歳をとるほどフィードバックを受けにくくなるから、若いうちに色んなことに挑戦すべし。
数学は物事を抽象的に考える訓練となる。
数学は数学としか考えたことがなかったので目から鱗だった。
図にして頭を整理する。
発表原稿なども絵にすると、柔軟に発表できる。
努力と成果の関係は直線じゃない。ある時突然成果が出ることがある。
しばらくはなかなか成果が出ないが、踏ん張りどころだ。
挫折しそうになったらこのことを思い出そう。 -
Posted by ブクログ
『私たちが今も、これから先もおそらくずっと、行くことも、見ることも、検証することも、支配することもできない一連の並行宇宙(中略)これは科学なのだろうか?』
科学者でなくとも、この世に100%なんてものは存在しないと理解している人は多い。
しかし、そんな人でも日常生活で落とした物をした時に、量子世界の狭間に落ちたかもしれないなんてことは考えもしない。
では、その僅かな可能性であり、検証すらできない0.0000001%以下の世界を想像して仮説を構築することに、なんの意味があるのだろうか?
無限の遠くにある無限遠宇宙、次々と宇宙が誕生するインフレーション多宇宙、高次元に並列的に存在するブレーン多宇宙、ブレーンワールドが衝突と離散を繰り返し、空間でなく時間のなかで並行するサイクリック多宇宙。おびただしい数の形と大きさを備えた余剰の空間次元にもとづくランドスケープ多宇宙。
本書で語られる並行世界論は、どのバージョンにおいても自然界で実現することを立証した実験も観測もない。
そのせいか、ビッグバン、相対性理論、宇宙背景放射、ひも理論、量子ゆらぎなど、それほど難しい単語は出て来ないのに、読み進めるほどにわからなくなっていく。
そんなわからなさがピークに達する上巻の最後で、冒頭の問題提起がなされる。
並行宇宙論とは、わからないものを増やしつつけるだけの不毛な追求なのだろうか。下巻に続く。