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本書は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した生物学者ポール・ナースが、「生命とは何か?」について、語りかけるようなやさしい文体で答える一冊。
著者が、生物学について真剣に考え始めたきっかけは一羽の蝶だった。12歳か13歳のある春の日、ひらひらと庭の垣根を飛び越えた黄色い蝶の、複雑で、完璧に作られた姿を見て、著者は思った。
生きているっていったいどういうことだろう? 生命って、なんなのだろう?
著者は旺盛な好奇心から生物の世界にのめり込み、生物学分野の最前線に立った。本書ではその経験をもとにして、「細胞」「遺伝子」「自然淘汰による進化」「化学としての生命」「情報としての生命」の生物学5つの重要な考え方をとりあげて、生命の仕組みについての、はっきりとした見通しを提示する。
・・・あなたの出発点がどのレベルにあろうと、そう、たとえ科学って苦手だなぁと感じている人も、怖がらないでほしい。この本を読み終えるころには、あなたや私や繊細な黄色い蝶、そしてこの惑星上のすべての生き物が、どのようにつながっているか、より深く理解してもらえるはずだ。私と一緒に、「生命とは何か」という大いなる謎に迫ろうではないか。(本書の「まえがき」より)
Posted by ブクログ 2024年04月06日
優れた科学啓蒙書だな、と思った。こういう本を読む楽しさを引き出す巧みな文体で訳されてもいる。こんな大それたタイトルの本を書ける人になるのは奇跡だけど、読む人が著者と同じように生命とは何かについて考えるのを楽しむことはできる。素朴な問題ほど、偉大な科学者も普通の人と同じようなことに思いを巡らせている。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月13日
たまたま書店で手に取り購入。感銘を受ける。
細胞、遺伝子、進化などのわかりやすい解説、ノーベル賞受賞学者の地道な研究の積み重ねや成果が出た時の喜びなどがよく伝わる。後半では科学によって生み出される生命の知識の深化がもたらす我々の未来を展望し、生物とは何かについて自論を展開する。一文一文が深い頷きをも...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月12日
生命とはなにか?この壮大なテーマに対し、科学の歴史ではこう考えたというアプローチ方法で説明を試みる。
本当に自分自身のことを不思議に思ってしまう。
この「生きている」という感覚は、本当に何なのだろうか?
その根源は何で、一体どう説明したらよいのだろうか?
分子、細胞から始まり、遺伝子を通じての情報の...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月09日
わかりやすく書いてくれているが、私には難しいところが多々あった。それでも充分に、生命の複雑で緻密でシンプルな小さくて壮大なすごい世界を感じた。
現在も蔓延るコロナについても書かれている。
どんなに科学者が人類全体の為に頑張っても、知識もなく聞き入れる耳もない大衆に無駄にされてしまう悲しさ、悔しさ。何...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月29日
この素晴らしき生命というもの。
ノーベル賞受賞者による生物学の本。親しみのわく語り口で、少年時代の思い出を楽しく読んでいるうちに、自分も一度は考えた「生きているとは?」「生命とは?」という問いを一緒に解きほぐしていくことができる。中学1年生で頬の内側の細胞を観察したことを思い出した。あの時、自分の...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月16日
ノーベル生理学・医学賞を受賞した生物学者ポール・ナースさんの書籍。
細胞とは何か、遺伝子とは何か、進化とはどういことか、そして、今私たちが「生きている」と思っているものの基本的な仕組みがどうなっているのかを、非常にわかりやすい柔らかい言葉で書いてありました。
そして、それを踏まえて「WHAT I...続きを読む
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