竹内薫のレビュー一覧
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以前読んだ『面白くて眠れなくなる数学』は、ちっとも面白くなかったですが、こちらの本は面白かったです。
眠れなくなるほどではなかったですが(笑)。
素粒子の本を書いている人というのは、たいてい、その道の専門家なので、どうしても話が難しくなりがちだと思います。
その点、この本の著者の竹内さんは、学生時代、素粒子を専門にはしていたものの、専門家にはなっていないせいか、いかに噛み砕いて説明するか、という点に力を入れており、とても読みやすかったです。
素粒子に関する入門書、あるいは、一般の人が素粒子について知りたいときに読む本として適していると思いますし、この話題を、これ以上易しく説明した本 -
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構造的に工夫がなされていた。小説的箇所と解説的箇所が交互にやってくる。
ファイヤアーベントのくだりが特に印象的。
科学哲学を愉快に面白く語る数少ない本なのでは?
夢を見るのは、現実(私たちが暮らしているらしいこの世界のこと)を特徴づけるために必要なのである、みたいなくだりが面白い。小説だって、映画だって、ゲームだって、現実(私たちが暮らしているらしいこの世界のこと)を補完する装置なのかもしれない。
ヘーゲル、ウィトゲンシュタイン、フーコー、ソクラテス、大森壮厳、フッサール、廣松渉 … …オカタイ彼らも「猫」といっしょならこわくない?!
文理融合の必要性も説かれていたなあ。
好きな方向の -
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ところどころ、面白い話が載っている。
・物理学者には、「理論屋」と「実験屋」の他に、理論からどういう実験をやれば良いか・正しいか検証できるかを計算する「現象論屋」がいる。。(
・超ひも理論によると、素粒子はブラックホールと同じ。(重さ、回転、電荷以外の毛が無い)
・量子場のイメージを説明しようと試みている。励起 〜 デジタル
・現在の素粒子の表と、対応する超対称性粒子(スカラークォークやグルィーノなど)の表が見やすい形で整理されている。
・究極理論(量子重力理論) 超ひも理論、ループ量子重力理論(スピンネットワーク)
・プランク時間、プランク長。時空の泡。
・時空の泡のところで、唐突に -
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シュレディンガーの猫ってのは、
箱の中の猫は生きてる状態と死んでいる状態のなんかの理論で、
なんとなくタイトルに惹かれて読んでみたら、
なかなか本気の哲学書だった。
しかし、今までイメージしていた哲学書とはちょっと違う。
一つ目は、ストーリーがあって、そして哲学がある。
ストーリーベースというのは、ソフィーの世界でもやったことではあるけど。
シュレ猫のキャラクターも好きだし、
テレビの中の学者に悪意を感じるし、
(それはこの本の言いたかった文系とか理系とか
そんなもので推し量るなという主張を見事に引き立てている)
Sonyのグラストロンをやけに推す、
そして時事問題でせめてくる。
親戚のお -
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ネタバレ「人」「病」「宇宙」「地球」「科学者」「兵器、疑似科学」にまつわる怖い話とエトセトラに章毎に分かれているんだけど、「宇宙」にまつわる怖い科学ネタがダントツで面白かった。
眠れなくなるほど怖い話では無いが、考えても考えても想像ができないほど広い宇宙やブラックホールの中に入ったらどうなるのか?とか面白いネタを怖くない語りで説明してくれる。
科学は好きなので面白く一気に読破しました。
雑学にもなるし、人に教えたくなるネタがたくさんあります。
以下面白かったところメモメモ。
・右手を動かすか、左手を動かすかランダムに選んでもらうが、選ぶときに右脳を磁場で刺激すると右手を上げ、左脳を刺激すると左手 -
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文理両道。これこそが本当に頭の良い人。これがこの本の言いたいことであり、同意できる。
本の内容自体は☆3つくらいだが、自分は文系人間であるが、理系の知識にもっと興味をもち、知的好奇心の幅を広げていきたいと思わせてくれた、またお勧めの文献も知ることが出来た為☆4。
頭にガツンと来たのは、「ものづくり日本の根底にある学問が物理学なのだ」ということ。物理学を敬遠してどんどん人材がいなくなる日本。また地震が多いのにかかわらず専門家である地学者が減っている日本。将来技術で世界に誇れるものを生み出せる可能性が減っているのだと思うと空恐ろしい気分になる。自分は専門家には今更なれないが、理系情報にも興味を -
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いくつかの育児本を読んだけど、この本はお薦め。網羅的に育児でぶつかる壁を集約し、その対策を現代科学の知見に基づき、また著者自身の体験をちりばめながら記載してくれているありがたい本。
父親の立場を基調にしつつ、母親の時期による精神身体の調子や葛藤、子どもの成長段階における注意事項、悩みをほぼフォローしていて、育児の肝を外していない。人には聞きづらい内容もしっかり記載してくれている。
著者はサイエンスライターなので、その出典にも信頼がおける。育児本は中には著者の主観をひたすらたれながすものがあり、そういう本は参考にならなくはないが、真似をするとえらい目にあうこともあるので注意が必要(ただし、 -
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サイエンス作家である著者が、ご自身の奥さんや子どもの様子を観察し、科学的に分析して(多少怪しいのもいくつかあるけど)記述したもの。
浪人時代、竹内氏の「99.9%は仮説」を愛読していたこともあり、購入しました。
父親と母親の認識の違いは埋めるのは難しい。それを考慮したうえで、最低限の知識を持ち、妊娠・出産・育児で大変な思いをしているパートナーに寄り添いできることをすることが父親の務めだろう、と。そのように解釈しました。
ただ、表題と内容の整合性がよくわからず。何を意図してその表題なのかは残念ながら私の読解力ではわかりませんでした。
ルソーのくだりは、彼が理想を述べて自分では全く実践して -
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さすが竹内薫。凡百の産婦人科医、助産師、発達心理学者、芸能人、漫画家による育児書にはないナルホド感を味わいながら読める。冷たい教育指導でもなく、ベタベタに粘る母性愛の押し付けでもなく、最新の科学知識と先輩パパママのアドバイスがほどよく混ざった感じに好感を持った。
私にも著者とほぼ同い年の子供がいて、育児体験がよく似ている、ということを割り引いてもいい本。
特によかったのが、誰にもわかってもらえない新米ママの辛さが(私の場合は今更だけど)ようやく腑に落ちる形でわかったこと。そうか、そういうことなのか~。もちろん、知識としては知っていたことだけど、生理面からホルモンの働き、心理面から不安感孤独感、 -
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ネタバレ「怖い」という疑問には首を捻るが、色んな知識が軽く書いてあるので、楽しく読めた。
他の科学本と内容が被る事も多いが、「怖い」というアプローチなのでまた違った面から知る事ができます。
一番面白かったのは、宇宙の真空空間に生身でほおり出された場合の死因は、体の破裂でもと凍死でもなく窒息死だという事でした(空気が膨らむので肺は損傷するが、皮膚は意外と丈夫なので破裂には時間がかかる。-273度だが、熱を伝導する空気が無いので体温を奪われない。結果、窒息するまでの2分間は宇宙空間で生身でいられる)
ただし、太陽からの有害な紫外線は半端無いので、目と皮膚は太陽光線からしっかりガードしないといけないそうです -
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ネタバレ科学に興味のある人はもちろん、科学嫌いの方にも是非読んでもらいたい一冊です。難しい数式はなく、平易な文章で書かれていますので、読みやすかったです。
本書は世界を代表する2大科学雑誌「ネイチャー」と「サイエンス」の比較を通じて、科学を正しく、わかりやすく伝えるということの重要性を問いかけているように思えます。特に東北大震災後の原発事故の報道や、トンデモさんのデマを見ると強く感じます。
トンデモさんといえば、本書でも疑似科学の話題にも触れています。筆者は「人類の科学レベルでは解明できないことは無数にある。超能力や超常現象だって、100年後には反証可能となり、ふつうの能力や現象として、学校