竹内薫のレビュー一覧
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イギリスの「ネイチャー」とアメリカの「サイエンス」。この二大科学雑誌を中心に,科学について語る。両誌の歴史,科学にまつわるスキャンダル,日本の科学の未来まで。
なぜ英米のこの二誌が抜きんでたのか,アインシュタインの人生を概観することで要領よく説明。ドイツ語の凋落はやはり戦争のせいだな。
ピアレビューの制度が20世紀の初めの方まではなかったというのは意外。南方熊楠はネイチャーに51本も論文が掲載されてるが,それは査読が始まる前。
著者の竹内氏には確か遅くできた子供がいたけど,その出産のときホメオパシーに遭遇した体験談があった。助産師が妻を産気づかせるために砂糖玉をくれて,それで陣痛が強 -
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私は竹内氏の書いた本はほぼすべて読んでいるが、本書は中でも政治的・社会的メッセージ性が強い本だと思う。そしてその見解は示唆に富んでいる。著者の背景に裏打ちされた提言は一読の価値あり。
・イギリスの一部の大学には、同じ講座に二人の教授がいる。一人は実力で這いあがった人、もう一方は上流階級出身のお金に余裕がある人。
・ネイチャーは商業誌で、サイエンスは学会の機関紙。
・ネイチャー編集部には変わった編集長が多い。ローラ・ガーウィンはハーバードを出てからオックスフォードに入り、ケンブリッジ大学でも博士号をとったが、いつのまにか音楽家になり、ペンタゴン・ブラスというバンドでトランペットを吹いている。
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Posted by ブクログ
イギリスのネイチャー誌、アメリカのサイエンス誌を紹介、比較しながら科学そのものの面白さを紹介する。筆者は自身をサイエンスライターと説明するが、まさしく僕のような科学ファンには心地よい文章である。安心感がある。
最終章で東日本大震災後の非科学的な反原発ブームに極めて冷静に釘をさしながら、なんとか派とか御用なんとかといった低俗な論争に巻き込まれないように、いい意味でスマートに振る舞っているように感じた。
1992年10月23日号サイエンスに今上陛下の論文が掲載された。DNA二重らせんモデルの研究でロザリンド・フランクリンの研究が盗用され隠蔽された事件。韓国人学者のES細胞スキャンダル。などの紹介あ -
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本書は「新潮45」で連載されていたコラムを加筆修正してまとめたものである。自然科学の学術業界の全般的な話題を一般読者にわかりやすく説明している。前半では「ネイチャー」と「サイエンス」という二大科学雑誌の占める役割と性質について、後半では疑似科学や捏造の話題を通して「科学はどうあるべきか」ということを考察している。そのため、タイトルから想像するような内容ではなかったものの、それなりに興味深く読んだ。著者は非常にわかりやすく科学を解説してくれる。彼のようなサイエンスライターが日本でももっと増えてほしいと思う。そうすれば、一般の人々ももっと科学に興味を示してくれるだろう。
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【キーワード】宇宙論、ブラックホール、物理学、ホーキング
ホーキングの理論について興味があって読んでみましたが、予想に反してホーキングの性格や生い立ちなど物理学以外の情報もたくさん見られ、「ホーキングはこういう人だったのか!」という発見がありました。
レベルは物理好きの高校生が読める程度でしょうか。章を追うごとにだんだん難しくなり、最後の数十ページは大学で物理をやってた自分でも何回か読み返さないと理解できませんでした。
それでも著者は工夫して、難解な理論をなるべく平易に伝えようとしていたのがわかりました。宇宙(特にブラックホール)や物理学に興味がある高校生にぜひ読んでほしい本です。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
宇宙に始まりはあったのか?
宇宙に終わりはくるのか?
ブラックホールに落ちた物質は、消滅してしまうのか?
そして、鍵を握る虚時間とは?
全ての物理量が無限大に発散する理論物理学の最大の問題、特異点に挑む車いすのニュートン。
[ 目次 ]
冒頭ショートショート 異星交遊記
序章 ホーキングの「常識」
第1章 宇宙には時の始まりと終わりがあるか―特異点をめぐって
第2章 ブラックホールだってしまいにゃ蒸発する
第3章 宇宙の端っこが丸いと神様の出番はなくなる?
終章 賭けに負けっぱなしではあるけれど(情報のパラドックス)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ -
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[ 内容 ]
科学英語を学ぶための最適の教科書。
科学の現場でつかわれている科学英語の独特の語彙や言い廻しを、『ネイチャー』の選りすぐりの例文を読み解きながら学んでいく。
世界中の研究者が読んでいる科学雑誌『ネイチャー』が読みこなせれば科学論文の読み方・書き方、科学用語など、本物の科学英語が自然に身につく。
[ 目次 ]
プロローグ―「ドリアン・グレイ」という名のネズミ
1 解説編・『ネイチャー』を解体する(『ネイチャー』って? 科学雑誌『ネイチャー』の読み方(正攻法 裏技編) 『ネイチャー』の広がり)
2 実践編・『ネイチャー』を読む!(『ネイチャー』のトピックスを英語で読む) エピローグ