竹内薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の物理学や天文学による判明した世界観を理解したいと思った時に手に取った本。著者はサイエンスゼロという番組で日頃最新科学を解説してきている中で2016年晩秋にそれとなく宣伝された。多少中学高校の物理・地学の手習いがあった方が良いが、そういうのがあれば極めてわかりやすい内容。当時発見されたばかりの重力波に関する話を中心に超ひも理論や宇宙のはてに関する話など現在の天文学におけるオーソドックスな世界観がどの様なものであるか解説してくれる。ニュートンの様な精細な図や少々の数式があれば言うことないのだが、一般向けでの文字ばかりの説明としては最上級の出来ではないでしょうか。
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Posted by ブクログ
ネタバレ・第Ⅰ部…ネイチャーとサイエンスの違い
・第Ⅱ部…2誌を巻き込んだ科学史上の事件
・第Ⅲ部…日本の科学のあるべき姿とは
・特別鼎談…(天文学)中川貴雄・(生物学)中垣俊之・著者
「新潮45」に連載された「科学の興亡 ネイチャーVS.サイエンス」を加筆修正したもの。メッセージ性の強い書名で少し腰が引けてしまうが、実際のところ評論と言うより科学エッセイに近い。
読者自身に科学的な視点で物事を考えてもらうことを目標に据え、常に中立的立場から率直な物言いがなされているところが評価できる。
私は幼少時代に「子供の科学」を買い与えられていたものの、結局ほとんど手をつけなかったような科学嫌いだが、本書は -
Posted by ブクログ
やはりこの著者は科学エッセイがおもしろい。「バカヤロー経済学」は、正直結構首をかしげざるを得ないところが多かったのですが、この本は文句なくおもしろかったです。唯一、タイトルが内容とあまり合っていないように思える点だけが不満でしょうか。
この本は、元々月刊誌に連載された「科学の興亡 ネイチャーvsサイエンス」というエッセイ集をまとめて書籍化したものだそうで、そのため各章の内容が完全に独立していて、いわば11本のエッセイ+巻末鼎談という構成になっています。そして、内容も、題名から想像されるような日本の科学教育を弾劾するようなものでは全くなく、イギリスの科学誌「ネイチャー」とアメリカの科学誌「サイエ -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
「学校の物理」しか知らない人たちへ、この世の不思議を解き明かそうとする「ワクワクどきどきした冒険の世界」、すなわち「生きている物理」の世界をお届けしようと竹内氏が筆をとったのが、1989年春のこと。
それから20年以上の歳月を経て、ついに待望の復刊!!
「竹内流の考え方」の原点はどのようなものだったのか?
叔父の絶妙なツッコミで得られる効果とは?
物理好きなら見逃せない一冊。
[ 目次 ]
海岸線の長さ―数学
アインシュタインと猿―相対論
80日間世界一周―力学
ガリレオとピサの斜塔―素粒子・力学
2と3の違い―天文
物はなぜ見えるか?―素粒子
乱雑さの問題??エントロピーの話 -
Posted by ブクログ
「ロバストネス」をキーワードとした良書。
ロバストネスとは、しなやかな、したたかな強さのこと。
対:フラジャイル、もろさ
類:ホメオサタシス(ただし、ホメオスタシスが一定の状態を保つことであるのに対し、ロバストネスはそうとは限らない。)
ロバストネスを向上させる4つの方法
1)システム制御
2)冗長性+多様性
3)モジュール化
4)デカップリング
1)システム制御
フィードバックによる修正
2)冗長性+多様性
故障があっても直接パフォーマンスに影響させない(腎臓が二つあれば一つだめになっても大丈夫、のように)
3)モジュール化
細分化することで一部が壊れても全体までには影響させない。