竹内薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
二次元界(フラットランド)に住む四角形が主人公の物語。
ある日、主人公の四角形氏はほかの次元に行って帰ってくる。数学者である彼は次元の違いを理解する。お話としてはそれだけだが、二次元の世界の歴史や文化、そこに住む図形たちの生活を四角形氏が丁寧に説明してくれ、異世界を描くファンタジー作品として読みごたえがある。
ほかのファンタジーと一線を画すのが、この世界の「認識」の仕方について多くを割いているところだろう。二次元界の住人は四角形も三角形も円もそのまま見ることはできない。見えるのは線と点である。何角形かで身分の決まるフラットランドで、図形の彼らがどう図形を認識するのかということが説明される。この説明を通して、読者はふと三次元に住む自分の視界は二次元でしかないことに思い至る。そういう仕掛けの本なのだ。
感覚では捉えられない高次元を四角形氏はアナロジーにより理解した。それを追体験した読者も理性によって、三次元の世界から飛び出すことができるようになるだろう。目の前の世界が広がるような壮大な読書体験ができた。
また、フラットランドは文化的にかなりのディストピアである。19世紀に書かれた本で、著者が風刺としてそう書いているのか、何の気なしにそういう世界を作ったのかは分かりかねたが、風刺と思って面白く読んだ。 -
Posted by ブクログ
こんなにコンパクトにまとまった一冊に物理学の概要が学べる。しかも、読んでいて理解した気分になれるほどにわかりやすい。訳者後書き含めても150ページに、広大な宇宙全体の法則を謎とく旅に連れて行ってくれる素晴らしい本。
一般相対性理論、量子論、宇宙の構造、素粒子、量子重力理論、ブラックホールをめぐる確率と熱について、これら6つの講義と最終講義で自然界における人間とは何者か?について学べる。
繰り返し読んで、暗記したい。そして、何かの折に、この本の一節を交えた会話をしてみたい(気が早いか・・・)。
イタリアの経済紙『イル・ソーレ・24オーレ』の日曜特別紙面「ドメニカ」で連載した記事に手を加えたものとある。新聞の日曜版での連載と言われれば納得のボリューム。
本書を読んでから、量子論や量子重力理論に関する書籍を手に取りたい。帯に書いてある通り、「誰もが感動する究極の入門書」であるからだ。 -
ネタバレ 購入済み
国力に直結する科学力
・人や組織が、世界に通用する仕事をするために必要なのは、第一に使っている言語での「流暢さ」であろう。
言語を自由に使いこなせないと、アイディアは枯渇し、コミュニケーションもうまくいかず、
多大なストレスが生じ、大きな成果が生まれることはない。
・社内英語公用化の弊害は、(英語で思考することが普通でない場合)
常に頭の中で、日本語と英語の直訳作業を強いられることにある。
ハンデが大きすぎて、本領発揮とはいかないのだ。
人間の脳がいくらマルチタスクに向いているといっても、
直訳という、常に余計な作計な作業をすることに何の意味があるだろう。人間の論理的思考の大部分を司る言語は、
付け焼刃でこなせるほど甘いものではない。
・流暢な日本語できっちりと発音し、それを一流の通訳が、
世界向けに流暢な英語で発信した方が、よほど格好いいし、実益にも繋がる。
・今の日本で、科学が人気がない理由は、あまりにも周囲の評価を気にしすぎていて、
科学の原点である、素朴な疑問の追及や、わくわくドキドキ感をどこかに置き忘れてしまったからかもしれない。
・エネルギー問題は根が深い。日本人の多くが再生可能エネルギーに対して幻想を抱いている。
だが、科学者やエンジニアの間では、再生可能エネルギーの「限界」が常識となっている。
火力発電や原子力発電は「濃い」エネルギーである。
それに対し、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは「薄い」エネルギーなのだ。
原子力発電が金脈であるとすれば、太陽光発電は川で砂金を掬うようなものだろう。
・太陽光発電の場合、夜間や雨の日に備えた充電設備が必要だ。
風力発電なら、風のない日をどうするか考えなくてはならない。
家庭も工場も、再生可能エネルギーで電力を賄うためには、これからの研究開発を待つ必要がある。
・人間のすることにはミスや失敗がつきものである。
問題は、そこからいかに次を導き出すかだ。
結局、どんなことが起きても、自分の仕事を見つけて一生懸命やるしかないのである。
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Posted by ブクログ
日本人は科学と言えば、客観的で正しいことを教えると考えがちだが、実は科学といえども仮説の集まりにすぎないことを説いてくれる啓蒙書である。すなわち、まだ反証されていない仮説の集まりが科学という訳だ。なので「99.9%は仮説」というタイトルになったのである。
唯一の真理と思われていたことが実は違っていた、というような話は天動説、エーテル(光や磁力などを通す媒体)の存在などなど、たくさんある。前頭葉を切除するロボトミー手術を開発したポルトガルの医師エガス・モニスはノーベル賞まで受賞していたのである。主流の考え方が後に否定される例は山ほどあるようだ。つまり、科学も不確実なのである。
かのノーベル賞物理学者ファインマン先生も「科学はすべて近似である」と喝破したと本書に紹介されている。
仮説という言葉は少しミスリーディングかもしれない。理論とか考え方、と言っても良いかもしれない。未来永劫にわたって正しい理論とか考え方というようなものはほぼ存在しない、と考えた方が良いと言えそうだ。 -
Posted by ブクログ
もう一度読みたいと思った近年のベスト。
無人島に持って行きたい本は?と聞かれることがあれば今はこの本をあげたい。
それくらいすごく面白い本だった。
著者はとても分かりやすく噛み砕いて書いてくれているのだが、初めのうちはいわゆる「理科」な話が難しく、めげそうにもなった。それはもちろん、私自身がその背景である基礎知識を知らないことが原因であるのだから著者に非はない。
それでも読み進めていき、だんだんと著者の言わんとすることがわかってくると、ページをめくる手を止められなくなった。
シチュエーション依存の話などは日常でも大いにある話である。
人がいがみ合う原因の多くはこのシチュエーションのズレだと常々思ってきたが、まさか相対性理論とつながるなんて思いもよらなかった。
昨今の日本では「非常識」という攻撃が盛んである。が、それは自分の常識を他人に押し付けているだけなのだということは常々感じている。もちろん自分も忘れないように肝に銘じておかねばならない。
ガリレオはガッカリするだけで済んだが、今の日本では命を落とす人も多い。
そういう意味では「自分の考える常識はあてにならない」と個人に促すことで、皆がはっと気がつくきっかけになればいいな、と思う1冊だった。
とても分かりやすく読みやすいので、老若男女いろんな人に読んでみてほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
3時間ぐらいで読める。しかも、流し読みでなくてちゃんと体に染み込んでくる感じ。物理学というと何やら難しい表現や数式が出てきて、読んでもなんだかわからないことが正直多かった。
しかし、本書は正真正銘、物理学を全く習わなかった読者も高資金を引き出す魅力を持っている。今でも学校の物理(高校ぐらいまで?)は古典物理学ぐらいまでで終わっていると思うが、ここでロヴェッリがいざなってくれる世界の見方は大きく異なり、刺激に満ちている。
訳者あとがきに「高校、大学と物理を勉強してもわからなかったことが、3時間で理解できた」「高校の物理の先生がろヴェっ理だったら、僕には別の人生が開けていただろう」といった感想が紹介されているが、そのとおりだと思う。
教育関係本(になるのかな)では、
今年これまでで読んだ本の中でダントツNo.1。
高校生、大学生だけでなく学校の先生も読むことを強く、強くすすめる。
自分の中では、学びや好奇心に刺激を与える本というククリで、カーネマンの「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」と、 ヘンライの「アート・スピリット」と3強。