竹内薫のレビュー一覧
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日本人は科学と言えば、客観的で正しいことを教えると考えがちだが、実は科学といえども仮説の集まりにすぎないことを説いてくれる啓蒙書である。すなわち、まだ反証されていない仮説の集まりが科学という訳だ。なので「99.9%は仮説」というタイトルになったのである。
唯一の真理と思われていたことが実は違っていた、というような話は天動説、エーテル(光や磁力などを通す媒体)の存在などなど、たくさんある。前頭葉を切除するロボトミー手術を開発したポルトガルの医師エガス・モニスはノーベル賞まで受賞していたのである。主流の考え方が後に否定される例は山ほどあるようだ。つまり、科学も不確実なのである。
かのノーベル -
Posted by ブクログ
もう一度読みたいと思った近年のベスト。
無人島に持って行きたい本は?と聞かれることがあれば今はこの本をあげたい。
それくらいすごく面白い本だった。
著者はとても分かりやすく噛み砕いて書いてくれているのだが、初めのうちはいわゆる「理科」な話が難しく、めげそうにもなった。それはもちろん、私自身がその背景である基礎知識を知らないことが原因であるのだから著者に非はない。
それでも読み進めていき、だんだんと著者の言わんとすることがわかってくると、ページをめくる手を止められなくなった。
シチュエーション依存の話などは日常でも大いにある話である。
人がいがみ合う原因の多くはこのシチュエーションのズレだ -
Posted by ブクログ
3時間ぐらいで読める。しかも、流し読みでなくてちゃんと体に染み込んでくる感じ。物理学というと何やら難しい表現や数式が出てきて、読んでもなんだかわからないことが正直多かった。
しかし、本書は正真正銘、物理学を全く習わなかった読者も高資金を引き出す魅力を持っている。今でも学校の物理(高校ぐらいまで?)は古典物理学ぐらいまでで終わっていると思うが、ここでロヴェッリがいざなってくれる世界の見方は大きく異なり、刺激に満ちている。
訳者あとがきに「高校、大学と物理を勉強してもわからなかったことが、3時間で理解できた」「高校の物理の先生がろヴェっ理だったら、僕には別の人生が開けていただろう」といった感想が紹 -
Posted by ブクログ
プログラミングの考え方が分かってくるといかに楽しいかということがよく分かる一冊。プログラミングに携わっていないお父さんお母さんにも(くどすぎず端折りすぎない程度に)分かりやすく書かれている。イギリスやアメリカの状況からも分かるように、まずは小学校の先生に対する研修を充実させる必要があるということは以前から指摘されていると思うので、優先して解決していってほしい。あるいは、業務時間外で手を貸せるIT系の人の力(子を持つ親とか、若手とか、学生とか、シニアとか)をうまく活用できないものか。「!!!」になる計算や、誕生日当て、選んだ数字がゾロ目になるゲーム、携帯番号当て、素数プロジェクトなど面白そうなも
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Posted by ブクログ
「世の中の見方が変わる90冊!」
この手の本のいい所は、紹介された本を「読んだ」ことにできる点にある(笑)、まさに忙しい人向けの本だ。
とはいえ、中身にしっかり言及(そして解説)しているのは16冊+4冊だけだから、「読んだ」のは20冊ということになるが。
敢えて「これは読まなくていい!」と断言している「古典」がある。だがそう言われると、却って読みたくなるものだ。著者はきっとそれを狙っているのだろう。
その古典とは、ニュートン、コペルニクス、ダーウィンの著書である。その理由を私なりに一言でまとめると、「難解だから」、「初版と2版で異なるから」、「誤用しやすいから」。
特に『種の起源』 -
Posted by ブクログ
竹内薫さんと言えば『99.9%は仮説』が有名で、昔それを読んでとても面白かった。が、タイトルオチしている感が否めなかった。一方でこのベストセラー後に出版された表題の本は、あまり話題にならなかったけれども、内容はこちらの方が断然面白い。読者に考えることを要求するから、より深く理解することが出来る、という工夫のおかげだろう。
タイトルが語るその心は、人間は光の「3原色」でモノを観ているが、猫は「2原色」で観ているから、果たしてテレビやスマホ、水彩画なんかはどんな色に見えているのだろうか、というものだ。ちなみに鳥は「4原色」。ほかにも暗黒エネルギーや量子テレポーテーションなど興味深く、しかも出版後1