竹内薫のレビュー一覧
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ネタバレWHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)
生命とは何か
ノーベル賞受賞の著者が始めて著した本です。
著者は細胞が生まれてから分裂するまでの細胞周期の研究がライフワークだが、本書ではその専門分野を超えて生命とは?という問いに対して著者なりの結論を述べています。
著者の「生命」の定義は、
1.生殖し、遺伝システムを備え、遺伝システムが変動するもの
2.境界を持つ物理的な存在であるもの
3.化学的、物理的、情報的な機械であるもの
と結論づけ、その理由を
1章 細胞
2章 遺伝子
3章 自然淘汰による進化
4章 化学としての生命
5章 情報としての生命
と各章で段階的に説明しています。
6章では世界を変えると題して、現代社会が抱える気候変動や生物多様性の減少や遺伝子操作などの危険性を通じて非科学的な態度をやんわりと批判しています。
学者さんにありがちな専門知識への偏りが無く、平易な言葉で難しい最新の遺伝や分子生物学などの解説をしているのでとても分かり易いです。
竹内氏の翻訳もこなれていて○。
多くの人に読んでもらいたい科学書であるとともに、考えることの重要性を教えてくれる名著だと思います。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
一次元、二次元、三次元という次元のお話です。それぞれ、ポイントランド、フラットランド(ラインランド)、スペースランドという呼び名で表現しています。それぞれの次元で生活している知性のある生き物の物語です。高い次元で生活している生き物から、低い次元の世界の理解はできます。しかし、低い次元で生活している生き物が、高い次元の世界を理解しようとするのはとても難しいことがよくわかります。
『三体』というSF小説にも我々三次元で生きる人類が四次元や二次元と交わる場面が描写されておりました。私たちが四次元の世界を見ることができても、それを三次元の世界に生きる人たちに伝えるのは、とても難しいし、なかなか想像ができないことが本書を読み、より理解が深まりました。
私たちは視覚からの情報をかなりの割合で取り入れ、生活しています。視覚情報からは三次元世界を常に入手しているため、四次元を想像することも簡単ではないのかもしれないなぁとも思いました。四次元や五次元といった高い次元を理解する上では、視覚情報を無視できる人の方が有利なのかもしれないなぁ。現在の物理理論によると、宇宙には十次元あるとも言われています。人類が宇宙空間を開拓し、太陽系からさらに先の惑星まで到達するような時代には、次元を超えた科学技術が実現しているのでしょうか?SF小説は、想像の翼を広げてくれる玉手箱のようで大好きです。 -
Posted by ブクログ
「量子とはなんぞや」という疑問から本書を開いた。エンジニアの端くれとして日々データと格闘しているが、最先端物理の難解さに中盤までは頭を悩ませた。しかし、読み終えた今、胸を満たしているのは圧倒的な浪漫である。本書で「量子」の存在が、確率の雲のようにモヤっと腑に落ちた。驚いたのは、空間も時間も滑らかなものではなく、極限まで分解すれば映画のフィルムのような「離散的(コマ送り)」な粒だということだ。水も空間も光もすべて「場と粒」という同じ物質であり、時間はその場の関係性から後から発生している。このゲシュタルト崩壊のような宇宙の姿に鳥肌が立った。歴史好きの自分にとって、本書は古代ギリシャから続く「知性の紆余曲折の歴史」として最高に面白かった。今ある事象だけでなく、そこに至る経緯を知ることの大切さは、科学も人間の歴史も同じだ。例えば、古代ローマも初期は合理的で最善な選択(法やインフラ)をしていたが、政治に宗教を取り込んだ辺りから硬直化していった。物理学も「未来はすべて決まっている」という古い決定論に縛られていた時代は、冷たい宗教に似ていたかもしれない。しかし、量子力学が明かした現実の世界は違っていた。サイコロ1個のミクロの情報量すら、地球上の全データセンターで処理しきれない天文学的な量になる。人間を物理的にハッキングするようなSF的支配や瞬間移動が不可能なのは、宇宙がそれほど複雑で、規律ある確率で守られているからだ。パラレルワールドのような別の世界は存在しない。だからこそ、過去の経験値から明日を想定し、何者にも邪魔されずに自由意志で決断する「この瞬間」が、宇宙で唯一無二の価値を持つ。「完璧な正解が誰にもわからないからこそ、そういうこともあり得るという余白を持って楽しむ」。ロヴェッリの詩的で温かい文体から、そんな生き方の哲学を受け取った。世界の見え方が変わる、生涯忘れられない一冊。
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おもしろかった
数十万年前に他人類が滅亡した時点ですでに人類の衰退は始まったと断言
人類史上初めての人口急減がすでに始まっていて、絶滅しない生き物はいない、我々もいつかは絶滅する、と言いつつ最後の章でめちゃくちゃガッツのある仔細な人類復興計画を上げててすごい(全部論文がある)
光合成の効率の悪さ(最近日本でも導入されたとニュースのあった東南アジアの熱に強い稲はC4型という機械みたいな仕組みで熱に強く進化したやつだそう)も読んでて面白かった
バイオスフィア2の失敗(ビオトープを作って住んでみたけど生態系がうまくいかなくて低酸素状態になった)、全く知らなかったんだけど当時ニュースとかやってたのかな -
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子どもの頃理科が得意で、理科博士って呼ばれてた私としては非常に興味深く読むことが出来た。(まぁ、実際は学位も持っていないですが)
それにしても、知らんことばかりだった。
パンゲアは知ってたけど、ロディニアは知らなかった。考えてみれば当たり前だけど大陸の移動にはサイクルがあって、2億5000万年後には再度、超大陸が生まれて中心部は砂漠になり生命は住めなくなるんだそうな。
地球の公転が楕円形で伸縮していて、その周期は10万年で地球があったまったり冷めたりしてることも知らなかった
氷河期に二酸化炭素が関係しているという話までは知っていたけど、なんで二酸化炭素が減ったのかまではやはり知らなかった。
生物全史というと恐竜とかアウストラロピテクスが出てくるのかなと思ってたんだけど、いや、まぁ出てきたんだけど、そこより衝撃的だったのはバクテリアから単細胞生物が生まれるあたりだね。バクテリアを祖にしていると考えると、人間からサボテンまで全部親戚っていうのは、いや、これも考えればわかるんだけどちょっと驚く。
遠い昔にバクテリアがくっついて単細胞生物が生まれたみたいに、遠い未来に多細胞生物が共生からさらに発展して融合し、未知の超生命体が生まれるってのは、ここまでの話を読んでいると無くもない気がした。
何だろう、あと翻訳がいいんだと思うんだけど、SFを読んでるみたいな微妙な酩酊感がよいな。現実から離れる感覚というかなんというか。 -
Posted by ブクログ
とても面白かった。発達や人格形成において、遺伝か環境かということはよく言われることだが、著者に言わせれば、環境に対する反応も遺伝によって決まっているのだから、それほどまでに遺伝の影響は大きいのだという。ただ、いくら遺伝の影響とはいえ、親と子で100%一致しているわけでもないので、子どものスタイルを見極め、くれぐれも親である自分が好きなことを押しつけてしまわないように気をつけなければならない。
本書では、子どもの特性を大きく3つ(外向性・情動性・自制心)に分け、それぞれの高低によって関わり方が異なると述べている。子育てにおいて何が正解なのか、答えのない問いなのかもしれないが、少なくとも本書においては、これらの子どもの遺伝的な特性を見極めたうえで関わることが何より大切なようである。 -
Posted by ブクログ
宇宙や天体について多少の興味はあるが、
広くて未知で、本を読んでもいまいちピンと来ない。何が分からないのかすら分からないといった状況であったが、この本は初心者にも分かりやすく書かれていた。
主にISSのこと、ロケット発射とどのように宇宙まで行くか、各国の宇宙産業についてが記載されている。
読んで驚いたこと、
・将来は誰でも気軽に宇宙旅行を体験できるように違いない。一人あたり100万円くらいで宇宙旅行かできる時代が来ると予測されている。
・大気圏を超えると大気の抵抗や摩擦を受けずに飛行できるから、東京ーロサンゼルスを32分で結ぶなど、世界の主要都市を1時間以内でつなぐことができる。
・地球を回る軌道に乗るスピードは、秒速7.9キロメートル。それを「第一宇宙速度」
地球の重力圏から脱出するのに必要なスピードは、秒速11.2キロメートル。これを「第二宇宙速度」という。
太陽系の外まで行こうとすると秒速16.7キロメートル。これを「第三宇宙速度」という。
・ISSは秒速7.9メートルで飛び続け90分で地球を1周。跳んでいるのは地上400キロメートル上空で、実は地球の重力の9割が働いている。
なぜ、落ちてこないのか。それは跳んでいるスピードが地球の中心へ引っ張る重力と離れる遠心力が丁度釣り合うスピードだから。
・ISSには、新しいモジュール(ひとまとまりの部屋)を次々にドッキングできる仕様で、民間会社による宇宙ホテルの計画が進められている。 -
Posted by ブクログ
ヘンリー・ジーを続けてもう一冊。
『ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス』で、赤の女王がアリスに言ったように、「この国では、同じ場所にとどまるためには全力で走り続けなければならない」のだ。ヴァン・ヴァレンは、この理論から「ある種(または種のグループ)がどれだけ長く存続するかということと、その絶滅の仕方やタイミングには必然的な関係はない」と結論づけた。直線進化、すなわち「種の老衰(種族衰退説)」という考え方は幻想にすぎないはずだった。ところが、実際にはそうとも言い切れなかったのだ。古生物学者たちは何度も同じ現象を目にしてきた。ある種(あるいは、より一般的には近縁種のグループである属)が地球の歴史のある時点で出現し、その後に多様化し、優勢を誇るようになる。ところが、やがて衰退し、ゆっくりと絶滅へ向かっていくのだ。』―『プロローグ』
古生物学概論の最初の講義でK教授は「生物を種(属)のレベルで見ると大概の種は約100万年で絶滅します。地質学の年代を現す単位がMa(Mega annum)であるのはそういう理由からです」と宣[のたま]わった。化石による年代推定の名残なのか、あるいは地層の解像度の問題なのか、当時は何も考えずに、なるほどね、と思った記憶が残っている。昔の話ではあるけれど、もちろん当時であっても放射性物質による絶対年代測定は広く行われていたということは急いで付け加えておきたい。それでも「一つの種は約100万年で絶滅する」という言明は呪文のように脳にこびり付いた。アウストラロピテクス属からホモ属が分岐した時点をもって第四紀は始まると定義され、当時の知識では約100万年前に始まったと続けて習い、それなら人類には既に賞味期限が来ているのでは? と漠然と思ったことも記憶の残滓。地質年代についても当時一生懸命暗記したものだったが、その後どんどん改定され、今現在第四紀の開始は約260万年前とされる。つまり人類と呼ばれる種(正確にはヒト属。生物の分類は一般に、大括りから詳細に向かって、界、門、網、目、科、属、種、とグルーピングされます。ヒトと一般的にいう生物は端折って言うと、動物界 脊索動物門 哺乳綱 霊長目(サル目)ヒト科 ヒト属[ホモ]ヒト[サピエンス])が誕生してから既に平均以上存続し続けているという訳だ。ただし第四紀の始まりの年代が改定される度に、人類の賞味期限というような考え方は記憶の片隅に押しやられていったけれども。
『すでに述べたように、野生のチンパンジーの小さな群れの中に見られる遺伝的多様性のほうが、ホモ・サピエンス全体における多様性よりも大きいのである。しかもこれはチンパンジーに限った話ではない。ゴリラやオランウータンといった、個体数が少なく絶滅の危機にある霊長類でさえ、人間よりもはるかに多くの遺伝的変異を持っている。このことが意味するのは、ホモ・サピエンスという種が「ボトルネック(遺伝的な狭まり)」と呼ばれる事態を経験したということだ。つまり、人類の大部分が何らかの理由で絶滅し、遺伝的な多様性のほとんどが失われた』―『第2部 凋落/第6章 病弱で、寄生虫まみれ、感染症にも悩まされる』
バナナ、ソメイヨシノ。と並べてピンと来る人は、ジャレド・ダイアモンドの著書の読者かも知れない。この単語の流れの文脈の中にまさかホモ・サピエンスが並んでくるとは少なからず衝撃。もちろん、バナナ、ソメイヨシノは人工的に多様性が失われている種ではあるので、ホモ・サピエンスの置かれた状況とは異なるけれど、チンパンジーやゴリラの遺伝子レベルでの多様性に比べてホモ・サピエンスの多様性が極端に小さいというのは知らなかった。そして人類の起源をアフリカ大陸に求める説を受動的に肯定してきてはいたけれど、その必然の結果として、アフリカ大陸における人類の多様性より、エクソダスを経て広がった人類の多様性の方が限定的ということは意識していなかった。むしろより広範囲の自然環境に適合するために多様性が増しているのかとすら考えていたのだが、これは潜在意識下の差別的視点が自分にあることの証明に違いない。ただ、言いたいことはそこではなくて、多様性の観点からも人類が極めて環境の変化に対して脆弱な生物種であるということの衝撃の大きさ。今求められているのはひょっとすると多様性を踏み出せる生命科学技術なのかも、と少々怖いことを考えてしまう。
感染症やいわゆる生活習慣病と人類の歴史の関係も、本書を通して改めて認識したことの一つ。文明と食物との関係についてはジャレド・ダイアモンドの著者やユヴァル・ノア・ハラリの著書でも学んでいたところではあるけれど、ヘンリー・ジーの見通す時間軸の長さが、問題の本質により鮮明に迫ることが出来ているように思える。「銃・病原菌・鉄」や「サピエンス全史」が人知と環境の関り方というような総括に寄って行きそうであるのに対して、ヘンリー・ジーの視点は生物の本能的な因子に大きく要因を求めている違いがあるように思う。間違った喩えであるかも知れないが、ゲームの理論で全プレーヤが「論理的に必然な行為」を取るとするのか、短期的な利を求めて「非論理的な行動」も取り得るとするか、の違いと言ったら良いだろうか。自然科学を学んだものとしては当然後者の味方に与する訳であるけれど。 -
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『風や天候は、玄武岩だけでなく、炭素を含んだ膨大な量の堆積物を酸素の届かない深海へと洗い流した。炭素が酸化して二酸化炭素になると、温室効果で地球が温められる。しかし、炭素がなくなってしまうと、温室効果が止まって地球は冷える。このような炭素と酸素と二酸化炭素によるダンスが、その後の地球とそのうえで蠢く生命の歴史にリズムを刻んでゆくのだ(訳注:実際には、水蒸気が最も温室効果が高く、気温の上下のメカニズムはきわめて複雑である)』―『2章 生物、大集合/超大陸の分裂』
学校を卒業してから四半世紀以上も経つとかつての常識が塗り替えられてしまう。それをアップデートするという訳ではないけれど話題の著者の一冊を読むことにする。解っていたようで解っていなかったこともあるけれど、職業地質技術者として漫然と捉えていたことに対する、今更ながらの事実確認も出来て面白い。
これは地質学というものに初めて触れた時に実感したことでもあるのだけれど、地球史の中の変化のダイナミクスと時間感覚が、随分と日常生活の中のそれとは異なっているようであって実はその延長上にあるという奇妙な感覚を思い出しながら読みすすめる。その連続性を実感するにはこうやって映像の早送りのように物事を捉えなければならない。そんな映像の早送りは石油探鉱の思考の中では無意識の内にやっていることではあるのだけれど、それを改めて実感する。
その上で、言い古されたことではあるけれど、人類の誕生などというものが、ホモ・エレクトス以降だとしても極々最近のことであるという事実を圧倒的な事実の積み重ねで思い知らされる。ましてホモ・サピエンスとしての歴史、そして有史以降積み重ねて得た感覚などというものが如何に限られたものであるかを教えてくれる著者の視座に共感する。
中学、高校教育の中における地学の位置付けは自分が学生の時にも高いものでは無かったけれど、もっと多くの人の常識となって良い知識だと思う。多少我田引水ではあるけれど、余りに高慢になり過ぎた人類の有り様を見るにつけ、そう思えて仕方ない。そんな人類に対する警鐘のような最終章が刺激的に響く。古生物学を学んだものとして数多の生物の栄枯盛衰を見定めた著者の告げる、人類の反映もまた束の間の出来事である、という予言の重さを噛みしめる。 -
Posted by ブクログ
原題:THE DECLINE AND FALL OF THE HUMAN EMPIRE
本書は「ローマ帝国衰亡史(The History of the Decline and Fall of the Roman Empire)」になぞらえて、ホモ・サピエンスの起源から絶滅の予兆までを描いた、壮大な叙事詩である。全体は「台頭」「洞窟」「脱出」の3部、全12章からなり、各章の冒頭には「ローマ帝国衰亡史」からの引用が記されている。
第1部「台頭」では、人類の祖先である初期ホミニンの登場から始まり、他の人類たちの特徴と、その中でホモ・サピエンスがどのようにして他の人類を凌駕し、最終的には地球を支配するに至ったかを描く。10万年ほど前から始まった、生物学的な変化や行動の変化、そして人口の増加といった要素が少しずつ積み重なり、何万年もの時を経て、気づけばホモ・サピエンスが世界中を席巻する存在になっていた、そして少なくとも4万年前にはホモ・サピエンスは地球上に残された最後のヒト族となり、地球の隅々まで拡散した。これが「ローマ帝国衰亡史」の書き出しとなるもっとも繁栄した時期に相当するホモ・サピエンスの進化のひとつの到達点であるとしている。
第2部「凋落」では、ホモ・サピエンスが唯一の生き残った人類種となった瞬間から、不可避の衰退が始まったとしている。「家畜化」と「農業の誕生」から、感染症、遺伝的多様性の少なさ、人口爆発と地球環境の限界、気候変動など人類のリスクについて記している。
そして、第3部「脱出」では、宇宙的・技術的進化によって、人類が絶滅を免れる可能性を模索する。そのためには「1つの種」であることをやめ、多様な「ポスト・ヒューマン」への分岐を果たすことが必要だと主張する。
本書では、ホモ・サピエンスの衰退はすでに始まっており、生物種として絶滅は不可避であると述べている。しかもそれは今後1万年以内に起こりうるし、それを回避するには、これからの数百年が重要であるという。今世紀中にホモ・サピエンスは、パンデミックなどを除いて初めて人口減少へと転換する。現代の科学技術は数十億人という人口があるから進化を続けているのであり、少ない人口ではそれは不可能になるため、手遅れになる前に宇宙への進出が必要であるというのが著者の主張である。
本書は人類の誕生、興隆、衰退への道、そして絶滅を回避するための方法について、わかりやすくまた豊富な実例で解説している。
まず、進化生物学、人類学、人口統計学、気象科学など様々な研究に裏付けられた事実とその語り口など読み物として面白い。
また、人類(ホモ・サピエンス)を生物種としての視点から描いているため、より大きな視点で考えることができる。
人類の歴史をたどるだけではなく、未来を考えるうえでも示唆に富む本である。 -
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「子供を思い通りにしようということはその子の持って生まれたものという動かし難い事実を無視すること。子供にとって重要なのは、自分の気質と傾向にどう対処するかを彼ら自身が学ぶこと。その過程で彼らを手助けすることが親としてあなたにできる最善策の一つ。」
「我が子に傾げられる最高の贈り物は、彼を十分に解放し、本当の自分自身になれるようにすること。彼らに備わっている独自の遺伝情報を歌わせ、その歌が私たち自身のものとは異なるかもしれないことに気づき、たとえそのコンサートが参加したくない類のものだったものとしても、とにかく我が子のコンサートを心からたのしむこと。」
というフレーズがとても心に残ったし、育児の指針にしたいと思った。親のコンプレックス解決やあれをやらせたいとか、自分の子供ならこれくらいできるだろうという親の勝手な思い込みじゃなくて、子供の資質を見てそれに寄り添ってあげることが大事!ということがよくわかる本。
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たった150ページとは思えないくらい内容が濃かった。それぞれの章はほぼエッセイくらいであり、相対性理論や量子力学から見える世界観がなぜそうなのかを細かく詰めている余地はない、いわば結論と結論から見える世界の広がりに特化した本だが、表現が巧みで好奇心をくすぐる書き方になっている。センスオブワンダーのお手本。
入門レベルの話とはいえ読者を思考に促すことにかけては手を抜いておらず、時間は客観的には存在しない、熱があるところに時間は発生する、といった一見突飛もないフレーズから、時間、自我、自由といった物理学の哲学的な側面まで目配せしているため読んでいて頭の柔らかい部分がものすごく刺激される。
世界が実体のない相互作用のネットワークで、全てのものは物理法則に従うのなら自我と自由とは何なのか?という問いにその相互作用そのものが自我であり自由なのだ、とスピノザ的なアンサーを出してルクレツィウスの詩に繋げるラストのくだりはとても綺麗だった。 -
Posted by ブクログ
子供に読ませたい本。私自身はいわゆる理系の人間で科学リテラシーは持っている方だと思っている。フェイクニュースを無闇に拡散したりしたこともないし、騙されて財産を失ったこともない。はず。メッセンジャーRNAとか遺伝子組み換えとか、新しいものが出てきて、ヨメが疑ったり敬遠すればするほど「理解が間違っているに違いない」と思い調べるクセがついているおかげだと思う笑。子供たちはさらに科学が進んで複雑で難しくなったものが氾濫した中で自分を守らなければならない。大変だと思う。自分が便利になるため、楽しむため、騙されないために、科学リテラシーを身につけてほしいと願う。みんなが科学リテラシーを身につければ世の中はもっと良い方向に向かい、無用な争いがなくなり、幸せになるのではないかと思う。