あらすじ
ダークマター、銀河系、そしてブラックホールや量子力学の世界… 。あまりにも広大な宇宙全体を理解するには、理論だけでも限界があるし、LIGOのような最新の重力波望遠鏡を用いた観察も、宇宙のすべてを見通すことなどは、とてもできない。
こうしたアプローチでは「宇宙の様々な現象がどのように相互に作用することで 銀河系や太陽系や、ひいては地球上の生命を生み出すに至ったのか」という大きな問いへのアプローチが欠けている。
そこに現れた救世主が、「スーパーコンピュータ」だ。理論と実験の狭間にたゆたう真実に、この"新しい物理学"がブリッジをかけた。
本書は、いま、もっとも注目されている最先端・コンピュータシミュレーションを使った新しい宇宙学の世界に誘う。
"宇宙全体のシミュレーション"システムを構築することで、ビッグバンからどのように現在に至ったのか、新しい「宇宙の歴史像」を提示することができるようになりつつあるのだ。
著者は、ロンドン大学(ノーベル賞受賞者29人を輩出)の宇宙論の教授で、英国王立協会フェローでもある気鋭の研究者。わかりやすい語り口には定評があり、BBCやディスカバリーチャンネルなどテレビドキュメンター番組に出演。スティーヴン・ホーキングの世界的ベストセラー『ホーキング、宇宙を語る』の第3版では、付録6項目を執筆した。
本作が初の著書となる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
書評がとても良さそうだったのとカバーの色が目立っていたのでつい買ってしまった。買ってから、「箱の中の宇宙」と言うのがコンピュータの中の宇宙、つまりシミュレーションのことだと知って、正直がっかりした。宇宙のことが読みたかったのであってシミュレーションとか技術?なんかに興味ないのよと思ったのであった。
いやいやいやしかしこれは面白かった!
Posted by ブクログ
"a box"₌コンピューターの中の宇宙について。若い天才宇宙学者アンドリュー・ポンチェン氏による宇宙論と宇宙シュミレーションが語られる。気象予報のナビエ・ストークス方程式から始まり、ダークマター、ダークエネルギー、ブラックホール、そして量子力学など様々な仮説や理論をコンピューターに取り込みながら宇宙の解明を目指す。かなり平易に解説されているものの正直3分の1くらいしか理解できなかった。しかし、この奇想天外な世界に対する熱意とワクワク感は非常に伝わってくる。常識や想像を超越した圧倒的なスケール感をぜひ味わっていただきたい。
Posted by ブクログ
宇宙のコンピュータシュミレーションに関する過去からの発展と、現状について解説されている。
この宇宙が、シュミレーションかもしれないという仮説が真剣に検討されているようで驚きだ。
Posted by ブクログ
シミュレーション仮説が本題、というよりは、そこに向かうシミュレーションの歴史が中心と感じました。
ちょこっと読みにくくて何故だろうと考えていたら、指示代名詞が多めだからかなと…
とはいえ、読み物として楽しませていただきました。
Posted by ブクログ
シミュレーションをもとに発展している宇宙論という学問が、現在までにどのくらい発展してきたかがかかれていた。
私はこの分野についていままで全く興味を持っていなかったので、宇宙=望遠鏡という漠然としたイメージしか持っていなかった。しかし実際にはシミュレーションを基盤とした学問であると知れた。シミュレーションを通して現実で起こっていることを完璧に忠実に再現することが目的なのではなく、あくまでも仮説を検証するための実験手段としての役割を持っている。シミュレーション、つまり箱の中の宇宙の箱とは研究室のようなものだと言う。と同時に、宇宙について知るにはたくさんの学問、それも高度で最先端な分野を学際的に組み合わせる必要性があるのだと学んだ。宇宙飛行士などといった職業が崇高(?)だとみなされるのは、こういう理由からきているのかなと思った。
1つ気になったのは最近の科学は宗教だというような記述???があったことだ。聖職者であり科学者でもある方を引用していたりしていたので、何か自分の思っている科学の常識が最近変わりつつあるのかもしれない。科学とは何かをもっと勉強したいなと思った。