竹内薫のレビュー一覧

  • 隠れていた宇宙(下)

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    上巻で5つのバージョンの多宇宙が紹介され(ひも理論の余剰次元をインフレーション理論と合体させて泡宇宙を生じるとするランドスケープ多宇宙は意味不明だった)、下巻ではさらに4つのバージョンが紹介される。まずは多宇宙で最も有名だと個人的に思っている量子力学(確率でしか捉えられない不確定性原理)の他世界解釈について。ここはシュレディンガーの猫をそのまま思考実験の例にすればよいのに、何故かあえて地図上の光子を検出する余計な例えに置き換わっていて残念に感じた。確率しか現実を語れないのはおかしい、あり得た量子の位置・速度は全て並行宇宙として実在するのである、とする多宇宙論。量子論で最小単位(プランク長さの最小時空)がコマ送りにされていく中で、不確定性によって量子の取りうるパターンが何通りもあり、そのたびに全パターンが実在です、というのは直感的にも違うかなと思ってしまう。猫が生きてるか死んでるか、どころの騒ぎでなく、全宇宙の最小単位(プランク長さの体積?だと10の185乗)が全てこの調子だとさすがにいくら宇宙が壮大だとしてもやりすぎな感じしかしない。次はブラックホールの境界面の研究から派生したホログラフィック多宇宙だが、ここに来て難易度がさらに飛躍する。ざっくりなイメージだと、先ほどの最小単位=プランク長さの体積ではなく、境界面の面積(これだと観測可能な宇宙の範囲で10の123乗で済む)を本質的に考えて、空間を情報量の自由度と考える発想の転換が必要となる。しかしバルク(体積)の物理と境界面の物理を同一視することができる理論が謎すぎるのと、それが実質的に異空間を投影していることになるため、ここから多宇宙が導かれるというのも謎だった。非常に興味深い話なのでブルーバックスなどで補っておくのがよいか。最後の多宇宙はシュミレーション仮説について(厳密にはさらにもう一つ、取りうる宇宙は何でも実在するという究極の多宇宙はスルーしつつ)。我々はコンピュータプログラムのシュミレーションの中にいるかもしれない、というのは昔から人を惹きつけてきた(リングの続編ループや、映画マトリックスでもお馴染み)。ここでの考察は、いくらコンピュータが極めて高性能だったとしても数学的な計算やプログラムがベースになるであろうということになり、無限や近似をどう扱っていくことになるかが非常に面白い。また、数学がベースになる以上、不完全性定理がシュミレーションといえど宇宙という広いスケールに当てはめられるのも興味深いが、ここはあっさり計算可能関数に収まっているだろうという一言で終わってしまっている。万物の根源は数である、と言ったピタゴラスの格言を思い出させる。
    多宇宙をテーマに壮大な思考世界を旅させてくれる本書は、検証・観測が不可能かもしれない理論を研究する意義や、それを科学と呼べるかについて肯定的な立場を取っていて、この点は賛成できる。宇宙の晴れ上がり以前の重力波や、宇宙マイクロ波背景放射の詳細な観測で、何かを掴める時が果たして来るのか、自分が生きてるうちに…

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    2026年06月01日
  • 隠れていた宇宙(上)

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    ベストセラー「エレガントな宇宙」のひも論者による多宇宙論の解説。順序立てた説明とアナロジーで分かりやすい。これを読んで多宇宙が合理的できっと現実を表していると思うか、それとも観測結果に統一理論を無理やり当てはめたこじ付けだと思うか、下巻に期待。ビッグバンは137億年前で、膨張が観測されているから宇宙は有限なのが主流かと思いきや、有限か無限かは観測上未解決とのこと。現在、宇宙の地平線までの距離は約410億光年、その向こうに無限もしくはまだまだ広い空間があったとしても、同じような宇宙の地平線をそれぞれ独立に持つ領域を考えるなら、それも多宇宙と同じ概念になる。そしてインフレーション理論や人間原理も多宇宙と親和性がよいと引き合いに出される。宇宙マイクロ波背景放射の一様性を説明するには離れた場所でも相互作用が必要要件となる。この地平線問題を解決するべく考え出されたのが、温度の一様性をゆっくり時間かけて取らせてから爆発的に膨張したとするインフレーション理論。空間を膨張させる斥力が宇宙定数として復活し、インフラトン場(個人的に初めて聞く)はポテンシャル・エネルギー(位置エネルギーに例えられる)を放出することで爆発的な膨張は終わる。爆発的膨張は宇宙のあちこちで起きたり持続したりバラバラなので、インフレーション多宇宙という考え方が出てくる。ひも理論といえば余剰次元。実はこの感知できない領域に唯一相互作用できるのが重力(ひもがループ形状)という。余剰次元の取りうる幾何学形状をカラビ=ヤウ図形といって10の500乗通りもあるとされ、ここも多宇宙と絡まさられるが、この辺で現実とのマッチが非常に怪しく感じられてくる。11次元の余剰次元メンブレーン同士がぶつかったときにサイクリック宇宙として消滅と再生が起き、その周期は1〜2兆年だとか紹介されてるが、余剰次元だったとしてもそこは同じベースのイメージだったのに、同一空間同士がぶつかるとは?しかも表裏一体のはずが接触は極端な低頻度である必然性は? 確かにひも理論は数学テクニックの発展に寄与したことは分かるが、計算を楽にするために超対称性粒子を持ち出して「プラスマイナスゼロ」をし、そして理論が想定したエネルギー領域で超対称性粒子がLHCで検出されていないことも重く受けておくべきかと。

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    2026年05月27日
  • フラットランド たくさんの次元のものがたり

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    フラットランドの人が三次元の存在を理解できないのと同じように、私たちは四次元以上の存在を理解できない。でもわかろうとすることはできそう。

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    2026年05月04日
  • ホモ・サピエンス30万年、栄光と破滅の物語 人類帝国衰亡史

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    壮大なスケールの人類史。過去のホモ・セクトスからネアンデルタール人、デニソワ人などと分岐し、他が滅んでいった中で唯一残ったというホモ・サピエンス。なぜネアンデルタールは滅び、ホモ・サピエンスが残ったのか?そしてホモ・サピエンスの未来の滅びも予想し、それはネアンデルタールの最期にヒントを得られるという。DNAの解析から人類史が明らかになってきているということ、他のホモ・セクトスとの関係性など、その解明の進歩ぶりに驚いた。地球規模の人口が21世紀末には減少に転じること、そして温暖化などの気候変動が人類にどのように影響していくのか。その説明は異次元のレベルまで広がるがあまりにも説得力がある。今の自分自身の、そして世界の将来への悩みが非常にミクロな世界だと気づかされる。

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    2026年04月09日
  • 99・9%は仮説~思いこみで判断しないための考え方~

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    科学はすべて仮説であり、数学ですれば定義が破綻していたら何も言えない。世界の見え方も頭の中の仮説によって決まっているというのは、相手が話すであろうことを予測し、予測と反することを言われると聞き取れないことが時たま起こることを説明してくれた。
    客観も結局は主観の積み重ねであり、100%の客観などありえないということを、客観的に物事を判断とうぬぼれている自分に言い聞かせる必要があると思った。

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    2026年03月27日
  • すごい物理学入門

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    物理が苦手で、高校のときにテストで18点をとったことがある。数式ばかりで冷たく、面白くない。でも理解したいなという憧れはあった。ページ数が薄く、「入門」とタイトルにあるこの本なら読めるかも、と手に取った。

    読んでみると、数式が一つもない。それなのに、物理がわかったような気にさせてくれる。最初の章から物理に疎い自分は驚き。まず、ニュートンの引力の理論が否定されている。そこでひきこまれてしまった。読み進めるにつれ、量子力学の難しい話が出てきて、想像ができずに心が折れそうになったが、詩的な文章で紹介してくれるので頑張って読めた。特に、6章の熱と時間という全然関係なさそうな2つを結び付ける話が特に面白かった。

    読み終わって、物理の冷たいイメージが消えた。数式の背景には、知りたい・解き明かしたいという人間の知識欲があることを知った。時間さえも主観だと知った。そして、知識を得ること自体が成功だという自分の感覚が、物理という遠い場所から肯定されたように感じてうれしくなった。

    これからいっぱい本を読もうと思えるいい本だった。

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    2026年02月24日
  • すごい物理学入門

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    作品紹介・あらすじ

    『すごい物理学講義』や『時間は存在しない』で世界的にベストセラーを誇る天才物理学者の本邦初訳書。既刊の中で最もわかりやすい。

    *****

    著者のカルロ・ロヴェッリはイタリア出身の物理学者で、特にループ量子重力の創始者の一人として有名。ループ量子重力というのは一般相対性理論と量子力学の統合を目指している理論だ。

    僕は彼の「時間は存在しない」を読んでいて、その時の感想に「意外とむずかしくはなくてスラスラと入ってくる。そして読み終わって一息いれると、何が書いてあったのかをほとんど覚えていない」なんてなんとも情けないことを書いている。まったく困ったものです。

    さて、この「すごい物理学入門」も面白くスラスラと入ってくる。でも「時間は存在しない」を読んだ時よりは多少成長しているのか、読み終わった後もなんとなく内容は覚えていた。物理に少し興味が出てきたことも影響しているかもしれない。

    140頁足らずの薄い本なので、正直「もう少し突っ込んで説明してくれてもいいのに」と食い足りなさを覚えたのも事実。また簡単に説明しようとして、かえってわかりづらくなっているような印象も受けた。それでもこの人の説明は全体的にわかりやすく面白い。最終講義などはほとんど哲学といった様相だったのだけれども、これがまた「うーん……」と深く考え込めるような内容だった。

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    2026年02月17日
  • ホモ・サピエンス30万年、栄光と破滅の物語 人類帝国衰亡史

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    ミステリーではないですが、若干ネタバレというか、そういう内容です。

    「あなたは月へ行くだろう」

    アポロ計画により、人類が月面に降り立った時をピークに、宇宙開発への希望をのせたこの言葉。
    しかし、本書を読むとそんな、輝かしい未来へのメッセージではなく、人類が滅亡への道を辿る暗鬱たるメッセージとなりえてしまう。。。

    本書によると、現生人類、いわゆるホモサピエンスは一万年以内に滅んでしまうらしい。それは、よく聞く環境破壊や災害などではなく、遺伝子レベルの生物学的な問題が多い様だ。

    ただそれだけが原因ではなくもちろん、それ以外の要素にも言及している。
    そんななか印象に残ったのが、イースター島住民の絶滅。イースター島では、2メートル以上の木や植物はないらしく資源が乏しい。伐採し尽くしてしまったのだ。最後の木を切り倒した木こりはなんと言ったのだろう?という話。

    また、スフィア2実験。
    アメリカで行われた人工的に人間が住める環境を作れるか?という名目なか、行われた実験だが、結果としては失敗。酸素は微生物に大量消費され、植物に必要な二酸化炭素はコンクリートに吸収されてしまうという結果に終わったらしい。失敗要因としては、規模が小さすぎた事があげられるらしい。

    現生人類であるホモサピエンスは約45000年前。
    先輩であり、体格や脳の容量でも優っていたといわれるネアンデルタールは30万年前。

    物凄い年月の差があったにも関わらず、ホモサピエンスはネアンデルタールを駆逐し、唯一の人類になり得た。やはり、そこは本書のテーマである人口減少が大きかった。

    人が減ると脳が減る=知識や技術が減る。
    子供を生まれるには村が必要だが、アインシュタインが産まれるためには文明が必要である。
    この言葉はしっくりくる。

    地球規模で起こるであろう人口減少。
    まだ、動けるうちに宇宙へ進出しなければならない。
    そう、あなたが「月にいくかもしれない。」

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    2026年01月23日
  • すごい物理学入門

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    ループ量子重力理論提唱者であるカルロ・ロヴェッリ氏のり一般向け物理学書。といっても小難しさはほぼなく詩的な美しい文学作品のような趣。
    相対性理論から量子力学、宇宙、素粒子、量子重力理論、熱と時間、そして「私たちについて」と7つの講義。これは「時間は存在しない」などカルロ氏のその後の著作物の流れと同じで、物理学初心者にとっては非常に分かりやすく、氏の趣旨一貫性に唸らされる。
    題名はイタリア語で「Sette brevi lezioni di fisica」で「
    物理学の7つの短いレッスン」という意味のようで、日本語版の「すごい~」よりこちらのようが美しいような気がする。

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    2026年01月23日
  • WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か

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    大好きな「生命とは何か」について論じた本。
    書いたのは、ポールナースという細胞分裂に関わるcdc2というタンパク質を発見しノーベル賞までとっている第一線の学者である。

    ただ、その語り口は平易で、しかもワクワク面白かった。

    生命のかけがえのなさと共に、今人類がそれを脅かしつつある事も語られており、確かになと感じた。

    #メモ
    - cdc2は偶然と努力の賜物として見つかった。
    - 生命の要素
    自然淘汰を通じて進化する能力
    境界を持つ事
    生き物は科学的、物理的、情報的な機械である事

    -今の地球上の生命は全て兄弟である

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    2025年12月31日
  • THE LEARNING GAME 自分の頭で考え、学ぶ楽しさ、挑戦する喜びを教えよう

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    数年後また読み返したら面白そう。

    教育者、親は読んで損はしない。すぐに実践できる心理学的なものも多く参考になる。
    ただ職業柄、理想論すぎるかな、と思ってしまう部分もある。

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    2025年12月30日
  • 不完全性定理とはなにか 完全版 ゲーデルとチューリング 天才はなにを証明したのか

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    番組「サイエンスゼロ」でお馴染みの人、学者と思いきやサイエンスライターだったとは… くだけた表現で好き嫌い分かれそうだが、なかなか分かりやすくてよかった。素人が疑問に思っていそうなことをよく理解してくれている。とくに不完全性定理が物理学に対して影響するのか、という点は一番最初に興味を持ったテーマだったように記憶している。
    ハイゼンベルクの不確定性原理が関連として一瞬出てくるが、ここの説明については不正確で勘違いを生む説明になっているようだ。ハイゼンベルクの不確定性は測定誤差に関するものだと言ってるが決してそうではなく、小澤正直によって誤差と擾乱が厳密に定義され、量子のゆらぎをより正確に示した、とする説明にすべきだった。

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    2025年12月24日
  • すごい物理学講義

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    「超ひも理論」並ぶ統一理論の候補である「ループ量子重力理論」の提唱者であるカルロ・ロヴェッリ氏による一般読者向けの物理学読本。といっても後半はかなり難解。でもとてつもなくエキサイティングで面白い本。再読。
    近代物理の原点をプラトンやアリストテレスではなく(むしろ否定し)デモクリトスの原子とし、そこからニュートンの古典物理学、ファラデー=マクスウェルの電磁気学、さらにアインシュタインの相対性理論、ディラックの量子物理学へと紡がれる変遷を追う。それらをベースに、(刊行当時の)最新物理学であるループ量子重力理論を中心に量子のふるまいに迫っていく。
    氏の別著書「時間は存在しない」でも触れられていたが、量子同士の相関性・関係性が世界を記述するものであり、エントロピーや情報理論を巻き込んで展開されていく世界はなんとも不思議な感覚。特にマトヴェイの重力・相対性理論・量子力学の定数が盛り込まれた公式は真理の一端に触れたような錯覚に陥る。といっても250ページのループ量子重力理論の方程式をみて全く理解できていないと覚めるのではあるが。
    数人の卓越した発想や着想から生まれ、思考実験や数学を持って論証し、実験や観測を持って証明する。それらの世界が何か大きな枠組みのなかで一連の事象としてつながっているように思える、そんなワクワクさせてくれる本である。

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    2025年11月24日
  • ホモ・サピエンス30万年、栄光と破滅の物語 人類帝国衰亡史

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    ホモ・サピエンスは多様性に乏しい。チンパンジーの群れの方が遺伝的に多様。

    他のホミニンと違って、ホモサピエンスは自分たちに都合よく環境を変え始めた。足を踏み入れた場所では、たいてい破壊が続いた。
    その結果、大型の動物は姿を消していった。中型犬より大きな動物のほとんどが絶滅した。

    第1部
    私たちの共通の祖先は、約20万年前に生きていたひとりの女性。「イヴ」アフリカ出身の母

    他の種との交雑。
    今日、アフリカ以外のルーツを持つすべての人には、ネアンデルタール人由来のDNAが2%含まれている。
    デニソワ人も、現代人にわずかながらDNAを残している。東アジアや東南アジアにその傾向が見られ、高地でも生き延び活動できるチベット人の遺伝子などがその1例。

    第2部
    野生のめぐみによって生きる生活様式では、地球全体でせいぜい1000万人しか養えない。
    農耕は、人類の収容力を高めた。

    1968『人口爆発』(ポール エーリック)
    出生率を低下させる政策に影響を与えた。

    人口増加率 1960年代が最高
    1964 2.24%、現在 0.88%、2086 マイナス予想
    104億人で頭打ちの見通し

    マレーらの研究
    2100年には、ナイジェリアが世界で2番目に人口の多い国になる予定
    2100年の労働人口の多い順:インド、ナイジェリア、中国、アメリカ

    人類は 地球上で生み出される有機物のうち、25-40%を利用している。
    ホモ・サピエンスとその家畜は、地球上の全ての哺乳類の質量の96%を占め、目にする鳥のうち、10羽に7羽は家畜化された鳥。

    緑の革命(1950-1960スタート
    1960年 世界の穀物生産量10億トンに達した。
    2000年 倍増した。
    稲 小麦 とうもろこしに焦点。この3種で摂取カロリーのおよそ半分をまかなっている。

    手付かずの自然という幻想。
    田園風景は人間の手によって維持されている
    動物や植物は、ただ存在しているだけで自分たちが生きる環境を変えていく。
    生態学的に言えば 全ての種はそれぞれに、自らの「ニッチ(生態学的優位)」を作り出していることになる。

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    2025年11月25日
  • 99・9%は仮説~思いこみで判断しないための考え方~

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    ほー、なるほど、と思わずため息をつきたくなるエピソードが満載
    科学ってグレーなものが多い!
    時代が違えば常識も違い、仮説の見方も変わってくる
    科学だって社会的なものなんだなぁ

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    2025年11月09日
  • 面白くて眠れなくなる素粒子

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    標準理論の素粒子の性質を語り口調で分かりやすかったとおもう。超ひも理論からは、モノではなく、コトとして捉える、というのがやっぱり難しい

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    2025年10月19日
  • 竹内薫の「科学の名著」案内  文系でも面白い! 世の中の見方が変わる90冊!

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    科学の本で、どんな面白い本があるのかなーも手に取った一冊。
    地球環境、宇宙、数学などいろいろなカテゴリーに分かれて本が紹介されている。
    解説もわかりやすい、笑ったのがこらは読まなくていい!シリーズ。
    確かにニュートンなどの昔の人が書いた本は現代の人が効率的にまとめてくれているので、読まなくてもいい。ただ、読まなくてもいいとは書いてあるが、拾い読みすると面白いと書いてある。昔の人の思考を知るには面白いかなーと思った。
    科学の常識は時間がたつと変わったりもするので、たまに読んで頭をアップデータする必要がある思った。

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    2025年09月29日
  • 99・9%は仮説~思いこみで判断しないための考え方~

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    科学作家の竹内薫氏の著書。2013年時点で初版27刷、ベストセラー本です。

    面白くて読みやすい本でした。

    「科学的にこうなる」といわれると、我々は「そうなのか~」と納得してしまいがちですが、意外と「別の説もある」という状況は多いです。科学は絶対的なものごとの基準ではなく、仮説にすぎないといいます。
    仮説とは何か。仮説の反対は定説です。ふつうは、仮説が検証されて定説になると思いますが、この世の中に定説はひとつもないといいます。

    たとえば、坂道でボールを転がして、時計と巻き尺で距離を測定してみます。
    一秒後には1m、二秒後には4m、3秒後には9mだったとする。そこで、距離は時間の二乗になるという仮説を立てることができました。
    実験とは、理論の種みたいなものを発見する行為であり、科学を発展させるための最短距離であると、哲学者-フランシスコ・ベーコンの考えを引用して述べられてます。つまり、「科学とははじめに仮説ありき」ということです。

    ただ、20世紀の科学哲学者-カール・ホパーは『科学的発見の論理』という本の中で、「科学とは、常に反証できるものである」と科学を定義しました。
    普通、科学と聞くと実験によって理論が「検証」されたものというイメージがあります。ただ、ホパーはもしもその理論がうまくいかないような事例が1回でも出る、つまり反証されれば、その理論はダメになってしまうといいます。
    ゆえに、決定的な証明は永遠にできないというのです。確かに、何億回実験を行って理論に合うデータが出てきたとしても、その次に理論に合わないものが出てくる可能性は捨てきれないですね。

    この点が、数学と科学の決定的な違いといいます。
    数学は概念であり、すべてが頭の中のできごと。数学は証明することができる。
    しかし科学は、物理世界と一致するかどうかが問題となります。ですから、より精密な実験によって反証される可能性が残っています。

    ゆえに、科学とは仮説にすぎず、一般的に言われている“常識”はくつがえる可能性があるということを、
    ・飛行機はなぜ飛ぶのか、実は分かっていないよ
    ・天動説と地動説
    ・ノーベル賞まで受賞したロボトミー手術
    などなど多くのケースを交えて述べられています。

    本著で紹介されていた、科学史と科学哲学の考え方が学べる『科学のダイナミックス』を次に読んでみようと思います。

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    2025年09月07日
  • 不完全性定理とはなにか 完全版 ゲーデルとチューリング 天才はなにを証明したのか

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    火星人ノイマンをして最高の知性と言わしめたゲーデルの不完全性定理。当たり前のように完全?完璧?正確?と思っている数学が不完全とはこれいかに?定理の名前は聞いたことがあるし、形而上学的な話にも聞こえ興味をくすぐられるが、一般人がちゃんと分かる訳がないというのが第一感。

    そんな話を何となくこんな要素(無限、集合論、対角線論法、論理学/形式証明、自己言及、ゲーデル数、・・・)を使ってこんな感じで証明されると言うのが書かれている。ただ、ところどころ説明が飛んでる(なぜそうする?)/説明の順序が変に思えるので理解に苦しむ。ゲーデル数は素数?(p.125)、グッドステイン列の定義の説明がないまま話が進み...とChatGPTしながら何とか読む。IT系の人間としてはチューリングの話の方が分かりやすい(と言うか何となく追いやすい)が、なぜそういう考えに至ったかというのは分かる由もない。ただ、本書で細かいことに拘ってはいけない。巻末の対談の中で本書の位置づけも書かれているが、「本書はここで興味をもってもらってちゃんとした理解はもう少し踏み込んだ本を読むべきである」と。なので、ポイント毎にたくさんの本が紹介されてるし、ちょっと読みたくなった本も出てきた。著者の思う壺である。

    理解したとは言い難いが興味ある話(意味論とか)もたくさん聞けて有意義な読書だった。あと、著者はコマ大数学科の頃から好きな方だが、本書は大分カジュアルな感じで書かれているので好き嫌いがでるかも。

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    2025年07月28日
  • WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か

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    生物学関係好きな人にはとりわけ大きな発見はない。でも面白い。

    なぜか?

    ポール・ナースが科学者を愛しているからだ。科学にはブレイクスルーが付きものだ。ピタゴラス、ガリレオ、ニュートン、ガロア、アインシュタイン、、、確かに彼らは偉大だ。誰でも知っている。しかし、彼らの間には無数の無名科学者がいる。彼らが知を受け継ぎ、知を積み上げていったからこそのブレイクスルーである。そんな科学者を愛を感じられる本である。科学者は継続的で多様だ。
    そしてそれは生命も同じだ。この本は人が、虫が、菌が、植物が築き上げて生命の物語である。

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    2025年07月03日