竹内薫のレビュー一覧
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父親という立場で子供と関わる自分にとって、遺伝子と気質の関係、気質と子供の性格や行動の傾向、親である自分と子供それぞれの気質の相性、それら最新の行動遺伝学が学べる知識を吸収した上で、無数の組み合わせの中の一つである自分(及び妻)と我が子の場合に、親としてどのような行動を選択すれば子供の人生がより豊かなものになるか、一つでもヒント・行動指針を得たいという思いで読み始めました。
本書では、最新の現代科学に基づいて、子供の脳や行動は遺伝子の影響を受けており、親側が一律に理想的な子育てをすれば、子供が正しく成長するというのは幻想だということがはっきりと書かれています。ついつい親は子供を白紙のような存 -
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多くの教育関係者や親御さんに読んでもらいたい本。現在の教育が抱える問題点をズバリ指摘し、その解決法の一端を紹介している。
(以下、主張の抜粋、感想など)
現在の教育システムは、元々従順な軍人を育てるためにできたもの。従順な従業員を欲する因習的な企業からもニーズはあるかも知れない。しかし、時代は工業化社会から情報化社会に移り、さらにAI社会へと向かおうとしている。そこで大事なのは、忠実に指示に従う人(そんなものはAIに取って代わられるだろう)ではなく、自ら学んで新しい方向に向かえる人材。
子どもたちは、遊びを通じて自然に学んだり創造したりできている。全てを指示するのではなく、対話しながら子どもの -
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面白かった。筆者の考えでは、自分自身のキャラは左脳的なキャラと右脳的なキャラだけでなく、左右それぞれを皮質と辺縁系のあたりを境として上下に分割することで、上下と左右の組み合わせから成る4つのキャラに分けられるのだという。これらのキャラは、解離性同一性障害のような精神疾患ではなく、誰もが実感できるものであり、状況や状態によって目まぐるしく変化していることがわかる。
『奇跡の脳』でユングに触れられていたため、本書でも序盤から期待しながら読んでいたが、やはり4つのキャラは元型(ペルソナ・シャドウ・アニマ/アニムス)および自己と対応しているとのことで、我が意を得たりという思いである。 -
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ニュートン力学から相対性理論、量子力学へ。そして、それらを統合するループ量子重力理論へ。そこには物理のことを何も知らない門外漢でも驚嘆するような世界を覗くことができる。一般相対性理論では、空間は単なる空っぽのスペースではなく実態として存在し、歪んだりよじれたりする。量子力学では、微視的な世界を説明してくれるそうだが、そこで起こっていることは確率論的かつ離散的であり、起こった結果は言わば偶然の産物に過ぎないらしい。
そして20世紀を代表するこの2つの物理学の理論の関係性について考えると、明白な矛盾が認められるそうだ。この矛盾を解決する理論の一つとして、ループ量子重力理論の紹介がなされる。
そこに -
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WHOLE BRAIN. ジル テイラー NHK
脳には左脳と右脳それぞれに思考と感情を司る四つのキャラが潜み
それを読み解いた稀有な体験を持つ
ジルテイラーは実に幸運な人である
神経解剖学を通して人間の何たるかを
見つめていた彼女は
釈迦に次ぐ大冒険の快挙を
意図せずして楽しく成し遂げ
無限大のお土産を手にし九死に一生を得て
帰還することができたのである
居合わせた私たちも思わぬお土産にあずかり
同じ幸運に浴せたと言えるだろう
誰もが持つ一つの脳内に
左脳の三次元時空間に偏った
五感による部分感と
右脳の無限を視野にした唯一無二の
全体観を並列させて
そのそれぞれに思考と感情の個性を備えた -
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711
7個のリンゴとか7人の侍は見せること できても、そこから抽出された「7」という数字は、モノでも人でも から、7そのものを見ることなどできないのです。 だとしたら、リアルに思われる実数にしても、しょせんは、具体的なモノや人に 付随して使われる抽象概念であり、虚数だけを不審者扱いするのはかわいそうでは ありませんか。
虚数なんていらないと思っている方には大変申し訳ないのですが、もしも世界から虚数が消えたなら、パソコンもスマホもタブレットも、さらには、半導体を使っているエレクトロニクス製品もことごとく消えてしまいます。なぜなら、半導体(=半分導体で半分絶縁体の材料)の電子のエネルギーは -
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ネタバレ古来の東洋思想と量子力学など最新科学が交わるところが、「この世界が仮想現実である」ということが疑いの余地がないと思わせる興味深い一冊。
・著者はビデオゲームデザイナー
・シュミレーシュン仮説は、この世界をビデオゲームだと考える。
・相対性理論は光や高速移動から同時性ははいと証明。私たちは絶対的な共通の世界ではなく、個々のデバイスによって違う世界をみているのではないか
・ミクロな量子力学でも観測によって結果が変わる、確率の世界になっている。ゲームと同じ。
・瞑想、ヨガ、仏教思想をはじめとする古代東洋伝統を調べていくと、科学で認められているよりも多くの現象が私たちの物理的世界で起こっていると確信 -