井上ひさしのレビュー一覧
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分厚い単行本を一日に12頁ずつiPadで撮影して、通勤電車での読書の友にしていました。
戦時中そして戦後すぐの日本の首都東京の様子が描かれていて、当時の社会や家庭の様子、日本人の考え方や考え方の変化をありありと思い浮かべることができました。井上ひさしさんの「日本語」に対する思い、こうあるべきという方向性がうかがえてこの数週間は本当に楽しい通勤でした。古い漢字や古い言い回しもたくさんありましたがそれにも直ぐに慣れて読み進めることができました。
作中の女性たちの逞しさや日本と日本語を思う心の美しさ、それと終章での大どんでん返しがこの作品の読みどころです。 -
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井上ひさしさんも、亡くなられてから10年。(佐野洋子さんと同じく)
最初から、最後の松山巌さんの〆の解説文「中継走者としての読書」まで面白かった。
読んで良かった。
多分これから何度も何度も読み返すことになるだろうな。
それにしても、東日本大震災の前にお亡くなりになったとは思えないほど、“今”を言い当てていてコワイくらい。
❖今はもう中古でしか買えないようだけれど、“文化の厚み映すだ大辞典”の紙の辞典の完全版は、是非手に入れたい。
❖早速、購入した本:『見たくない思想的現実を見る』(中古だけど)
❖井上さんの義姉でもあった米原万里さんの本はどれも全部読んでみたい。 -
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教会の孤児院を舞台にした短編3作。
高校に入学するため、孤児院に入った利雄は、同室に割り当てられた高校生の昌吉に目をつけられる。昌吉から何かと「しごき」を受けていた利雄であったが、昌吉は突然「丸木舟で川下りをしろ」と言い始め…。
いじめられ、しごかれる表現が最後の作品を除いてずっと続き、それはほとんど救われないため、非常に読んでいて辛い作品群であるが、その重圧が読者を引き込んでいく。最近の作家か編集者かは知らないが、重苦しい雰囲気をなるべく短く終わらせようという傾向が強く、重苦しいものを重苦しいまま描くということができているのは、重松清くらいではないのか。
それはさておき、電車の中で読ん -
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ネタバレ母に薦められて読んだ本。
全く何の知識もなく読み始めて、まえがきで原爆のことなのだとわかり、覚悟して読む。
読みながら、思いがけず3.11の津波のことを考えた。津波の後、この作品の父と娘の別れの回想と同じような体験談を読み、胸がえぐられた。全編通して、とても辛いのだけど、父の思いが前を向いていて、救いがある。
原爆の資料集めやその際の言論が占領軍によってコントロールされていたのは知っていたけど、民間人がひしひしと感じ、そして話せない沈黙の中でどれだけのものが失われ続けただろうと考えると、やるせないし、また、原爆被害にあったものの子孫として、自分のこれだけの距離感はこの「話せない」「話さない」こ -
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井上ひさしが十代の少年だったころ、学校の先生は、生徒たちに「君たちは20代前後までしか生きられない」と話していた。戦争の時代だったからだ。でも井上ひさしは20代よりずっと長く生きている。戦争が終わったから。そしてあの敗戦後に、日本が戦争に巻き込まれることは最近まで無かったから。
私たちの憲法は美しい。私が受けた学校教育では、憲法が取り上げられることはなかったと記憶している。私が忘れているの?たまたま専攻が違ったの?
日本国憲法を変える必要があるにしても、変える前に、この社会を生きる人たちの間で、もっと現在の憲法が意識されるべきだ。ましてや、大日本帝国などというカルト国家を信奉している無能な