井上ひさしのレビュー一覧

  • 東慶寺花だより

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    最近、DVDを見て興味出て来て原案となった本作品を読みました。
    いくつもの話があり面白かったです。
    それ以上に映画化の際、随分印象が違う話になったんだなって楽しくなりました。
    色んな評価があるんだろうけど、原作も楽しかったし、映画はもっと楽しかったですよ。
    本読みしてから、映画見て見て。
    樹木希林さんの「女じゃいけないんですか」に笑っちゃうと思います。

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    2017年05月31日
  • 百年戦争(下)

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    複数巻の長編を平行に読破しよう月間。ゆるゆるとでも続けないと。

    秋子くんが猫になったまま行方不明となり、人間に戻った清と良三の間で、今後の猫 vs 鼠戦争をどうするのか、そもそもなんでそんな話になったのかという方向へ。

    「ドン松五郎」方面の動物大戦争でずっと進むかと思った上巻から全く方向性の変わる下巻。話は予想もしなかった、悪魔の仲間となって、神様仏様と対決するのだ。ネタバレ?いや、このくらい書いても、上巻を読んだ人にだって、わからんでしょ?

    上巻で銀座に有った店の名前を羅列するような、枚数稼ぎ的なものは無いとは言わないが(資生堂の話とか…)、かなり減り、過去の神話や伝説、昔話のたぐいを

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    2017年05月22日
  • きらめく星座 昭和オデオン堂物語

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    第二次世界大戦中の東京、オデオン堂というレコード屋一家とその仲間たちのてんやわんや。
    いい曲ならばジャズのような敵国音楽だって取り扱う店の方針、だけでなく、長男の正一が脱走兵となり憲兵に追われているせいで、非国民の家だと非難されるオデオン堂。とはいっても彼ら自身は「反骨の家」といったイデオロジックな雰囲気ではなく、明るくのんきに暮らしている。しかしさすがにやりにくくなってきたので、娘のみさをを傷痍軍人の源次郎と結婚させて「美談の家」となることで急場をしのぐ。
    教育勅語製な軍人さんであった源次郎がオデオン堂の人たちとの交わりで変化していくところがやはりみどころか。
    こんな時代に生まれてくる子ども

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    2017年03月12日
  • 吉里吉里人(下)

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    再読。と言っても、あらかた話は覚えてなかったので新鮮な気持ちで読めた。改めて、一流の作家の先進性、世の中を見る慧眼に驚かされた。

    細部では今となっては、古臭く効果を減じている部分もあるが、物語が提起している話題は全く古びていない。逆に言えば世の中変わっているようで変わってないわけだが・・・

    個人的には、余りにしつこい下ネタに辟易するところもあったり、現実離れした人物設定、饒舌すぎて読むのに苦労した点はあったが、概ね楽しめた。東京で育った私には農家の苦労も怨念も分からないが、元は両親の出は農家である。遺伝的には、多くの日本人同様百姓である。仕事で、東北に行くと、荒れ果てた休耕田を見て心が痛む

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    2017年02月12日
  • 日本語教室

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    我々日本人が無意識にやっている、日本語のささいな使い分け、日本語の成り立ち、構造など、筆者の深い教養と分かりやすい説明で興味深く読め、勉強になった。また、外来語を漢訳した際に生じた齟齬というべきもの。権利や自由の話。日本人の考え方に、漢字の選択が影響したというのは面白かった。
    読み通してみて、日本語とは、良い意味で、あいまいなものであり、つかみどころがなく、その一方で実に面白いものなのだなと感じました。

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    2016年11月14日
  • 父と暮せば

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    とても短いので、戯曲を初めて読む人にも薦めやすいのではないかと思う。
    ちょっと甘い感じもするが、声高に戦争の惨禍や悲劇を訴えるのではなく、普通の人間のささやかな日常を破壊する恐ろしさを通奏低音のように流し続ける。幽霊の父は、実際には父を見殺しにしたと思っている娘の妄想かもしれない。妄想が死にそうな人間を支えることってあるものね。
     しかし映画では宮沢りえが娘。美人すぎて違和感あり。もっと普通っぽい人が良かった。本には美人でないが愛嬌があるって書いてあるんだから。

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    2016年09月10日
  • 不忠臣蔵

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    吉良邸討ち入りに参加しなかった赤穂浪士のそれぞれの事情を連作短編にした本。
    400ページを超えるボリュームもさることながら、内容の点でも、ずっしり来る。
    討ち入りに参加することの方が安易。誰か、何かのために生き続ける道を選んだ方がいばらの道。
    討ち入りは太平の世になり、活躍の場を失い、それ以外に生きるたつきもない浪人たちが死に急いだのではないか、と問いかけられていく。
    討ち入りに参加した「義士」たちのほとんどが馬廻役、浅野内匠頭から遠い者たちばかりで、近く仕えた者たちには慕われていない君主であるという指摘にも、はっとする。

    取り上げられた「不忠臣」たち誰も、これまでには聞いたことのない人物た

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    2016年08月17日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

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    時々読み返す、好きな本です。
    やさしくて、力強い言葉と、イラスト。

    剣より強いものがあって、それは戦わずに生きること。

    まさしくそうだよなぁ、と。
    力で解決しようとするのではなく、言葉を尽くして話し合い、解決しようとすること。

    読み返すたび、初心に戻るような、足もとを確かめるような気持ちになります。

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    2016年05月23日
  • 吉里吉里人(上)

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    面白い上に、内容が濃いです。余計な話がたくさん出てきますが、全く飽きさせません。上中下巻で1,500ページほど有りますが、あと二冊、楽しんで読めそうです。

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    2016年02月17日
  • ムサシ

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    すっとぼけた柳生宗矩が魅力的。
    さまざまな登場人物が言葉を変えて
    殺し合いを非難するさまに
    著者の強いメッセージを感じた。

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    2016年01月24日
  • 井上ひさしの読書眼鏡

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    いろいろな、エピソードを交えた読書案内。
    ことば、大江健三郎、原子力、作者の興味はいろんな方面に拡散してゆく。だからこそ、面白い読書案内になっているとも思える。

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    2015年12月28日
  • 吉里吉里人(上)

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    東北の小さな村、吉里吉里が日本からの独立を宣言!吉里吉里国を名乗る。馬鹿げた話なんだけど、あの手この手に手が凝っていて面白い。
    無駄な会話、話の本筋には不要な余計な描写が数多くあるのだけど、ユーモアのセンスに富んでいてかなり笑えて嫌に感じない。
    この吉里吉里国独立宣言時にたまたま居合わせた、売れないダメ作家の古橋。この人のエピソードがまた非常に笑えた。本筋には全くもって不要だと思うけど(笑)

    上巻だけでさえもかなり長かったけど、ただ長いだけじゃなく面白い。引き続き中下巻も楽しみです。
    敢えてジャンル分けするなら、「SFコメディ」でしょうか(笑)

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    2015年12月02日
  • 東慶寺花だより

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    江戸時代の東慶寺を舞台に、いろいろな事情を抱えて駆け込む女達の物語。東慶寺のシステムや当時の人々の暮らしや価値観が分かって面白い。北鎌倉東慶寺の紫陽花の季節だけではない、四季おりおりの花の魅力も引き出されており、またじっくり見学したと思った。

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    2015年11月15日
  • 井上ひさしの日本語相談

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    押しつけがましいところがほとんど無い。「ことば」というものに真剣に向かい合いながらも、分かりやすく、柔らかく諭すように書かれている。
    「このように考えたらいかがですか?」のように書いてある。
    強いていえば、「こういう日本語の使い方は間違っている」、「こうするのが正しい!」というような部分があっても良かったのではないかと感じる。
    まあ、そのあたりは日本語学の大家である大野晋先生に任せたのかもしれない。

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    2015年08月24日
  • 吉里吉里人(下)

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    ラストがいやにあっけなかったのだが、物事というのはそういうものなのだろう。
    最後の最後に明かされる吉里吉里人と吉里吉里国の真実を知ると、もうテーマが深すぎて……。

    終盤まではドタバタ小説だと思っていたら、何とも悲哀のこもった、そしてしたたかでギラギラした小説でありました。

    ひとことで言えば面白いです。通しで読んでよかった。

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    2015年08月24日
  • にほん語観察ノート

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    一つの題目に対して2頁半程度なので、大変読みやすい。
    井上ひさしさんながらの視点で分かりやすくユーモアを交えて書かれている。
    しかし一番頷きながら「お見事!」と感じてしまうのは、お上に対しての皮肉を交えた文章だ。さすが、井上ひさしさんだ。

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    2015年08月22日
  • 東慶寺花だより

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    さすが作者の筆の力。江戸時代の鎌倉の四季が目に浮かぶ。訳ありで東慶寺に逃げ込む人妻。その生活を思いやって支え合う人達がみな粋でかっこいい。映画観てなくても信次郎のセリフは全部大泉洋氏でイメージできた(笑)

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    2015年08月18日
  • 吉里吉里人(中)

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    とんでもない荒唐無稽な物語の中に、現代にも通用しうるキラリと光る問題提起があるでガンス。
    ダニエル・カールが読んでいたらいいなあ。

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    2015年08月17日
  • 吉里吉里人(上)

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    井上ひさしが博学すぎて引く。

    とんでもなく冗長でまだるっこい展開は、筒井康隆の「虚人たち」に近いものを感じる。まだるっこいのに、ページをめくる指が止まらないあたりも似ているぞ。

    てなわけで、中・下巻もひと思いに読みます。

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    2015年08月12日
  • 私家版 日本語文法

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    小説家井上ひさし氏による最近(昭和50年代後半)の日本語文法に関する考察。

    こむずかしい文法の話もこの人の手にかかると面白い。下世話なワイドショーのように興味本位で楽しめる。

    文法は面白い。

    自分自身も含めて誰もが文法という法則の中に生きている事に気付いておらず、先に知った人がまだ知らない人に大きな顔ができるからだ。

    社会の裏側を覗くのはノンフィクション作家の専売特許ではない。

    こういう本でも世界観は変わる。

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    2015年07月13日