井上ひさしのレビュー一覧
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とても興味深かった。助詞の「は」と「が」の使い方にはなるほどと納得させられた。普段あまり意識しないで使っているぶん、どちらが適切なのか迷ったとき、かなり役立つと思う。
ほかにも日本語の成り立ちや、外来語との向き合い方、やまとことばと漢語など、面白い話が盛りだくさん。
上智大学でのある講義を再現したものなので、文章も話し言葉のままで(笑)の表現も多用されていて、非常に読みやすく、スーッと頭に入ってくる。さすが戯曲を書かれる先生ですね。音声で聴いてすぐ理解できる言葉の使い方に長けている。最後のほうはつい調子に乗って講義風に自分で音読してしまいました。心地よい文章でした。
私は演劇が好きなので、 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の“不良”学生3人組。
いつもその尻ぬぐいをさせられ、苦りきる指導神父モッキンポット師──ドジで間抜けな人間に愛着する著者が、お人好し神父と悪ヂエ学生の行状を軽快に描く笑いとユーモア溢れる快作。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった -
Posted by ブクログ
【本の内容】
「ブンとは何者か。
ブンとは時間をこえ、空間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、なにひとつ不可能はなく…」フン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒ブンが小説から飛び出した!
たちまち全世界に、奇怪なしかしどこかユーモラスな事件が…。
あらゆる権威や常識に挑戦する奔放な空想奇想が生む痛烈な諷刺と哄笑の渦。
現代戯作の旗手、井上ひさしの処女作。
[ 目次 ]
[ POP ]
デビュー作には、その作家のすべてがある、とは文学の世界でしばしば言われることだが、それは今年4月に亡くなった井上ひさしさんの小説デビュー作『ブンとフン』(新潮文庫)にも当てはまる。
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Posted by ブクログ
劇作家の井上ひさし氏の処女作。ああ、小説ってこんなに自由奔放で勝手気ままでいいんだなぁ、と嬉しくなる作品です。「世のお母さんたち」に読まれたくない部分にはノリシロがあり、このページを糊で貼り付けてしまうように、などという指示が出ていたりして、著者の遊び心にもニヤニヤしてしまいます。200ページぐらいですが、一日で一気に読めます。
何せ刊行されたのがもう40年前ということで、登場する有名人や時代背景なんかはさすがに古いですが、随所に出てくる言葉遊びや語呂合わせ、著者の豊富で奔放な想像力と悪ふざけ、そして世の中への風刺は今でも鮮やかに輝いてます。きっと、これから数十年後に読んでも、やはり同じよう -
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厚いけど読みやすいので、いいペースで読み進んでいる感じ。中巻読み終わったところで、心の底から汚い中年おっさん古橋を応援している。どうか古橋が、ケイコ木下(きおろし)と幸せになれますように!
P127 「わたしはのう、お若い皆さんよ。その仮想敵国も喰えない国だが、アメリカもなかなか油断のならぬ国だと思っておるよ。なにしろアメリカはこれまで自分の国の中でドンパチをやったことがない。つまり、アメリカにとって<戦争>と<平和>は、いつも遠いところにあったのさ。だからいざとなったらどんな残酷なことでもやってのけるだろうて。その証拠にアメリカは、原子爆弾をあなた方のお国のヒロシマとナガサキに落っことした -
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ネタバレ売れない小説家フンが書いた小説の主人公ブン、できないことは何もない神出鬼没の四次元大怪盗、が小説から飛び出してさぁ大変。世界中でハチャメチャな事件が起きるという物語。
井上ひさしさん風の言葉遊びと風刺に富んだ作品でした。
小説「ブン」が大ヒットとなり、生原稿からだけでなく、増刷された本からもブンが飛び出すのですが、それらのたくさんのブンが集まって会議する場面がなかなか面白かったです。
同じブンのはずなのに、それぞれが個性をもっていて、その台詞一つ一つが辛味たっぷり。
刑務所のくだりなども、皮肉たっぷり。
ふふふと笑ってしまう、痛快な小説でした。 -
Posted by ブクログ
井上さんが四字熟語をもとにエッセイを書くという連載もの。
井上さんらしいウィットにとんだ文章で非常に面白かったです。
若干、下ネタが多いのには辟易しましたが、その点を除けば良かったと思います。
井上さんのダジャレ(語呂合わせと言った方が良いか?)の妙はいつ読んでも、素晴らしいものです。
朗読しても耳に入りやすいであろうテンポの良い言葉はとても読んでいて気持ち良いものです。
そして、井上さんはすごい勉強家であるなぁと思いました。まぁ本人にとってみれば、勉強といった堅苦しいものではなく、一種の趣味というか凝り性が原因の調べ物といったところなのかしら。仕事だから仕方なくというのもあるかもしれな