井上ひさしのレビュー一覧
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1984年刊。
谷崎、志賀、川端、三島、野間、鶴見、丸谷……。井上ひさしがいろんな文章読本を読みながら、文章について考える。いわばメタ文章読本。
随所で出てくるのは、格調の高い文章を重んずる三島由紀夫。メインターゲットはこの読本。たとえばオノマトペ。三島は、鷗外がオノマトペを極力使わなかったので、文章が格調高いものになったと主張するのだが、井上は鷗外が効果的にオノマトペを使っている例をいくつもあげている。
認識や記憶のプロセス、注意容量、短期記憶のスパンなどの点から、文章を考察している章はみごと。当時の専門的な研究者(認知心理学者)でも、ここまでわかりよくは書けないかも。
丸谷才一の文章読本に -
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遠野旅行をした折、土産店で本書を購入。安野光雅のカバー画もよい。
旅を終えてからも遠野の箱庭的魅力をじんわり味わえる、いい物語。「新釈」というのは言い得て妙で、遠野物語を下敷きにしつつもまっさらの物語世界を構築していて夢中で読んでしまった。
際どいお話ばかりなので(1話目がいきなり下ネタオチで、こりゃあすごいなと思ったら回を重ねるごとにそのすごみが増して、二重に驚いてしまった)、お子様にはあまり勧められないが、遠野で語り継がれていた民話も本来はこれくらい生々しいものだったのだろう。エリート官僚・柳田國男の味付けで文学性が増し、今は子ども向け絵本も出ているくらいだが。
遠野物語の中では私は -
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読めば分かるこのすごさ!
こんなにゾクゾクする連続短編小説、読んだことないです。(ただ私、読書量そんなに多くないのですが)
プロローグとエピローグを除き、11の短編それぞれバラエティーに富んでいて、手紙の形式をとっているのが特徴。手紙文に溢れる人間模様が濃厚です。男女間のドロドロとした残酷な部分、「ALWAYS 3丁目の夕日」的な、昭和の郷愁を誘う部分が入り混じり、そこにひねりが加えられ・・・・
次にどんな話がくるのか知りたくて、最後の方はノンストップでした。短編ごとにエッと驚くようなオチがあり、エピローグでまた、驚きの結末が待っています! -
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ネタバレ2010/05/07
『私家版 日本語文法』は、作家・井上ひさし氏が日本語の文法や表現に関する多彩なトピックをユーモラスかつ鋭い視点で綴ったエッセイ集です。1984年に新潮社から刊行され、文庫版も発売されています。
本書は、以下のような多岐にわたるテーマを取り上げています。
枕ことば: 古典文学で用いられる枕詞の役割や効果について考察しています。
擬声語: 日本語特有のオノマトペ(擬音語・擬態語)の豊かさと、その表現力を分析しています。
格助詞「が」の出世: 格助詞「が」の歴史的な変遷と、その用法の広がりについて述べています。
ガとハの戦い: 主語を示す「が」と「は」の使い分けや、その微妙なニ -
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井上ひさしの代表作ともいえる連作小説集。たぶん、新潮文庫の百冊にも入っていたような記憶がある。
収録されているのは、「鍋の中」「川上の家」「雉子娘」「冷し馬」「狐つきおよね」「笛吹峠の話売り」「水面の影」「鰻と赤飯」「狐穴」の9編。
民俗学者柳田國男が書いた「遠野物語」の中に収録されている伝説や昔話を、井上ひさし流に新たな話として現代に蘇らせたものである。
どこか聞いたことのあるような親しみのある話が、笑い話や怖い話、不思議な話と生まれ変わっている。
この本を最初に読んだのは、高校生ぐらいの時、それから何度も読み返しているし、本自体2冊目になっている。
ストーリーもあらかたわかって -
購入済み
日本は賢くなったはずだが
太平洋のお向かいさんにいる国が、ベトナムさんに対して何したのとか、
現在進行でロシアさんやイスラエルさんが何してるのとか考えると、
頭悪いのねえと思います。
無駄に人口が多いお隣さんの振る舞いも同じく。
頭の悪い方々に合わせる必要もないですが、合わせるのが今風なのかな。
ラテン語圏の国の国歌とか聞くと、日本に生まれてよかったと思いますね。
君が代はいい歌詞だと思います。どうしてあんなバカなことしたんだろ。
まあ、お好みで。