井上ひさしのレビュー一覧

  • 新釈遠野物語

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    ネタバレ

    子供向けの遠野物語を読み民話や伝承の魅力を改めて感じ、評価の高かった井上ひさしの新釈を手に取る。丁寧に編まれた方9つの短編は最後までしっかり読者を楽しませてくれる。物語を読んだ、という深い満足感を味わえる一冊。

    物語は入れ子構造式に展開しており、作中ではある老人が時に本家の遠野物語について触れながら彼の経験した不可思議な出来事が語られている。

    読みすすめていくと時に沼地に足を踏み入れたような、狐につままれているような不思議な感覚に襲われるが、最終的には世界というのは本来こういうものかもしれない、、と妙に納得して全てをそのまま受け止めてしまえる。

    物語の世界と自分の世界の境界が曖昧になって

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    2025年09月10日
  • 十二人の手紙

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    『ひょっこりひょうたん島』を楽しみにしていた子供時代、学園祭では、『ひょっこりダンス』を皆で踊りました^ ^
    なので、劇団『こまつ座』のお芝居も観に行きましたが、本は読んでいなかったので、お勧めにしたがって読んでみました。

    皆さんが感想に書いている通り、ザ昭和!
    引きずる寂しさ?悲哀?、、しかしながら、流石ストーリーテラー、一話毎に「なるほどね」感心。
    戦争、貧困を経験した人達は強いですね。
    星4つに留めたのは、『暗い』からだけです。

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    2025年09月09日
  • 父と暮せば

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    ネタバレ

    原爆直下という生きているのが不自然な状況を生きた人の話。

    映画を観て、文章で読みたくなって。

    広島弁は未だに「仁義なき戦い」のイメージからか、言葉として強い印象があったけど、この作品の柔らかい広島弁が良かった。




    p. 80 美津江:あんときの広島では死ぬるんが自然で、生きのこるんが不自然なことやったんじゃ。そいじゃけえ、うちが生きとるんはおかしい。


    p. 106 美津江:おとったん、ありがとありました。

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    2025年08月24日
  • 「けんぽう」のおはなし

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    たまたま泊まった宿のロビーに置いてあった絵本。
    今、この時だからこそ心に響いた。
    憲法を守り、他の国と話し合いによる平和を目指し、ひとりひとりを大切にする国にしていこう、というメッセージがヒシヒシと伝わってくる。
    井上ひさしさんがご存命なら今のこの日本をどうおっしゃるだろう。
    こんな人にもっと長く生きていてほしかった。
    そして、今の日本を正しい道に導いてほしい。
    子ども達にも絶対読んでほしい、いや、大人にこそ読んでほしい絵本だ。

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    2025年08月03日
  • ふふふふ

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    井上ひさしのエッセイ集『ふふふふ』を読みました。
    井上ひさしの作品は、2年半くらい前に読んだ『一週間』以来なので久し振りですね。

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    苦笑 失笑 嘲笑 哄笑
    いっこうにまともにならない世間を、愛と渋みをもって最後まで見つめ続けた人気エッセイ第二弾!

    繰り返される戦争やテロ、政治家の失言、脅かされる平和憲法、ないがしろにされる農業……。
    いつの間にやら窮屈になった世の中を、時には嘆き、おおいに憤慨しつつ、それでも真剣に愛し、格闘してきた著者が遺した言葉の数々。
    ユーモアと、定評のある観察眼が随所に光る、今こそ読みたい徒然の身辺雑記第二弾。
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    2025年07月28日
  • 十二人の手紙

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    2020年、文庫本発行より40年たった井上ひさしの短編集が突如売れ始めた。中公文庫20年〜23年の売り上げでは、ベスト6に入る健闘ぶりだったという。調べると、ある書店員の作ったポップがキッカケであり、決してドラマ化や映画化がキッカケではないところに、この短編集が「本物」である証があるのではないか。

    連載されていたのは、戦後から32年経った1977年の頃。登場人物全員に、若者には高度成長期の光と影を投影し、年長者には戦後30年の復興の影を背負わせているのも上手い。

    ともかくも、手紙、手紙、手紙、手紙の数々「だけで」物語を創って仕舞う作者の手品のような手際を堪能するべし。勿論、時には公文書だけ

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    2025年07月08日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

    購入済み

    ちばてつやさんがおすすめされていて以前から気になってましたが、値引きになっていたので購入。いわさきちひろさんのやさしい挿絵に、タイトルにも子どもにやさしい解説、大人のための本のように感じました。

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    2025年04月09日
  • 十二人の手紙

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    ミステリー好きにも有名な作品らしいので手に取った

    手紙・書類だけで構成された連作短編集
    プロローグから引き込まれ、刮目した章も2つ3つあった

    叙述系とは異なるが、〇〇で構成されていた作品がベストかな
    まさに「やられた」読書体験

    全体的にやや時代がかった表現が散見されるので、いま読んだ評価だと星4かな

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    2025年04月08日
  • 新釈遠野物語

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    どの話にも民話らしい仄暗さや余韻がある。
    狐や河童だけでなく、『雉も鳴かずば撃たれまい』『岩魚の怪』などの大胆な翻案も。

    解説にもあったが、『遠野物語』にはない入れ子構造がとられているのも面白い。この本の語り手の「ぼく」と物語の語り手の「犬伏老人」との関係性がタテ軸になることで、単なる短編集ではない連続ドラマとしても楽しめる。

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    2025年03月15日
  • 井上ひさしの読書眼鏡

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    井上ひさしが、読売新聞に書いていた書評、および、米原万里と藤沢周平に関しての文章を1冊にまとめたもの。
    書評での本の選択が独特である。
    辞書・事典、大江健三郎の新刊。その他に紹介されているものは、新刊本はなく、発行からやや時間を経たものである。「情報天皇に達せず」「戦争・占領・講和」「第二幕(ニール・サイモン)」「冷泉家 時の絵巻」「医者 井戸を掘る」「日本現代演劇史昭和戦後編2」「プルートーンの火」「チラシで読む日本経済」「公共哲学」「伊能図」「憲兵だった父の遺したもの」「見たくない思想的現実を見る」「ウォーター 世界水戦争」「二十一世紀の遠景」「日本語の教室」「民主と愛国」「昭和天皇」「右

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    2025年03月10日
  • 十二人の手紙

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    初版を見たら1980年ということに驚いた。所々表現が古い感じはするけど、構成が面白くてどんどん読み進めた。特に、『赤い手』には驚いた。役所に提出する書類だけで、1人の女性の人生が物語のように感じられて面白かった。

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    2025年02月24日
  • 日本語教室

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    日本語を特別視せず、俯瞰的にどのような性質を持った言語であるかを、軽妙な語り口で講義してくれる一冊。母語は精神であると言い切り、日本語で言い表せることまで外来語でまかなうようになってしまうと、精神の衰退を引き起こすと喝破する。著者の井上ひさし氏の教養の深さが随所ににじみ出ていて舌を巻く。

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    2025年01月06日
  • 十二人の手紙

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    手紙で
    こんなに沢山の種類の短編
    面白かった。
    最後また 面白かった。
    今はLINE メールとかだけど
    手紙というツールで
    こんなに物語が出きるなんて凄いと思った

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    2025年01月05日
  • 十二人の手紙

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    ネタバレ

    手紙形式で綴られた12の短編からなる連作小説です。各話は独立していますが、最終章で登場人物たちが交錯し、全体として巧妙な構成が明らかになります。以下、各短編の詳細なあらすじを紹介します。

    1.プロローグ:悪魔:上京した柏木幸子は、就職先の社長・船山太一と不倫関係に陥ります。彼の「妻と別れる」という言葉を信じていましたが、それが嘘であると知り、絶望の末、社長の娘を殺害してしまいます。拘置所からの最後の手紙で、彼女の悲劇的な運命が描かれます。
    2.葬送歌:劇作家志望の女子大生・小林文子は、自作の脚本を恩師の中野慶一郎に送り、批評を求めます。しかし、彼からの返信には意外な事実が綴られており、彼女の

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    2025年03月13日
  • ブンとフン

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    すごい奇想天外な話だった。着地点がどこなのか想像できず…。最後は落語のオチみたいだなと感じた。
    ブンのあのはちゃめちゃぶり(フン先生も大概だが笑)はアニメにしたら子ども達に受けそう。

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    2024年12月13日
  • 父と暮せば

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    宮沢りえの劇場版を観た後に読みました。

    ひろしまの言葉だからこそ伝わるものがあるように感じました。声になることで、人の身体が伴うことで、一層深く沁み込んでくるお話であるように感じました。

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    2024年09月21日
  • 十二人の手紙

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    手紙だけで構成されているという面白い内容。一体どんな話かと思って読んでみると、不気味なものだったり、少し笑えるものだったり、考えさせられるものだったり。
    手紙を通じて考えさせられる、それぞれの人生。
    特に役所への届出だけで構成されている修道女のエピソードが印象的だった。
    また、昭和の時代感も節々に感じる事ができた。
    メッセージが相手に瞬時に届く事が当たり前の現代だからこそ、手紙の良さを再確認すべきだと思う。

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    2024年09月20日
  • 吉里吉里人(中)

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    国会議事堂車が水上国際空港に到着し、大量の魚の変死を目撃するところから始まった中巻は、古橋の判決言渡し前には国外移住案件、その後は国境線での自衛隊との対峙と事件が続き、古橋がどさくさに紛れて花街に迷い込んだことから、ひょんな方向へ展開することになった。タックスヘイブン、日本の百姓への厳しいメッセージは、著者の問題提起である。古橋に訪れた春、そして吉里吉里国立病院での懲役労働の場面となり、吉里吉里国の周到な戦略が明らかになりつつ、本巻最後に日本国の諜報部員らしき影が……。

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    2024年09月16日
  • 新釈遠野物語

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    岩手旅行に行くので遠野物語を読もうと思い立った。中学生のころ、言葉遣いが難しく挫折した遠野物語。まずはライトなものを、と探していたら見つけた本書。オシラサマや河童の話を作家が煮詰めるとこうなるのか!と思った以上に面白い。
    著者は実際に釜石療養所で働いていたようで、それだからか、本当に語られている昔話のようなリアルさがあった。

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    2024年09月14日
  • P+D BOOKS 東京セブンローズ(下)

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    戦時中の話が興味深かった。代用コーヒーの質が下がって戦後に飲んだ純コーヒーの味をすごく噛み締めている様子が印象的だった。後は戦災で家をなくした人が貯金を下ろすときのシステムや床屋の様子など。
    旧字体が読みにくかった。かなを振って欲しかった。

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    2024年08月25日