井上ひさしのレビュー一覧

  • 新釈遠野物語

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    goole mapとwikipediaを見れば、だいたいのことは分かってしまう世の中だけど、それが完全に思い込みであることを教えてくれる1冊。

    目の前にいる人は、人間なのか、獣の類なのか。

    ここからあそこへは、近いのか、遠いのか。

    全ては、やってみなきゃ分からないんだ。

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    2012年07月02日
  • 日本語教室

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    ネタバレ

    井上ひさしさんが大学で講義した内容をまとめた作品。

    非常に面白いです。
    正直読んでいて、自分自身がしっかり日本語使えているのか
    心配になります。

    井上ひさしさん独自解釈の日本語の起源や
    現在の日本語のついての説明は、
    ユーモアもあり、非常に分析されていると思いました。
    (作品中では何となくそう思ったといった感じですが)

    小学~高校で学んだ国語の文法とか正直
    よくよく思えば、あまり厳密に思い出せない。。。

    なんだか学校の参考書を読み直したくなる本でした。

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    2012年06月13日
  • 新釈遠野物語

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    「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
    本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。

    「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。
    「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いんちき臭く、聞く側は誇張癖がある、という事になっている。

    犬伏老人が語る物語は、山の民、動物、妖怪、人間が対等な立場で関わりあう。全て犬伏老人が関わった話ばかりで、なぜ、こんなに怪異に関わるのか、とツッコミを入れたくなるほどだが、それは最後の物語で全て分かる趣向になっている。

    怪異の物語ではあるが

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    2012年06月09日
  • 私家版 日本語文法

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    食わず嫌いで、ホント後悔した。井上ひさし先生がエスペランティストということも知らなかった。ごめんなさい。すごく勉強になる本です。

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    2012年05月27日
  • 日本語教室

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    氏の講演を聴いたのは数回しかないが、あんな感じでこんな風に語っていたのだろうなあ、ということを偲ばせるものであった。
    彼の考えることばの起源、「原縄文語→前期九州縄文語→琉球縄文語→琉球諸方言」などについて、もっといろいろ聴きたかったな。

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    2012年05月10日
  • 父と暮せば

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    被爆した美津江がかかった、自分だけが生き残って「うしろめたうて申し訳なー病」。
    戦争や大事故、大災害で生き残った人の多くに見られる心理とも聞く。
    死んだ者の思いを伝えるために、命を繋いで欲しい。
    死者が生き残った者を「生かしている」のだ。
    死んだ「おとったん」は、娘の美津江にそう言って聞かせ、娘の恋愛を応援する。
    この作品では、そうやって美津江は自分の人生を歩み始める。

    約二十年前の作品だが、今読んでも、いや、今読むからこそ、重く心に響く。
    自分が同じ立場だとしたら、どうやって立ち直っていくのだろうか、と。

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    2020年12月06日
  • 日本語教室

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    非常にためになった。このような素晴らしい(自らの糧になる)本を読むたびに、本と云うものを有り難く思う。高高1,500円程(物量によるが)で買えるのだから。

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    2012年03月06日
  • 新釈遠野物語

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    初めて読んだのは高校生の頃だったか。。
    その後、時折、読み直してしまい、結局何度読み直したことか。
    読み直すたびに、気付かされることがある。
    「笛吹き峠の話売り」が一番好き。

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    2012年02月05日
  • 吉里吉里人(上)

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    個人的に、『国家反逆』カテゴリーに含めている作品(ほかには筒井康隆「俗物図鑑」、小松左京「日本アパッチ族」、大江健三郎「同時代ゲーム」)。

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    2012年01月31日
  • 新釈遠野物語

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    ネタバレ

    じわりとした恐怖や、じわりとにやり。
    遠野の世界は、こんなところ?
    恥ずかしながら柳田国男を読んでいませんが、井上さんならではの優しさも、きっと込められているのだろうなぁと思いながら読みました。

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    2012年01月22日
  • 吉里吉里人(上)

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    初読は大学受験の頃なので、今から25年程前になります。国際法や為替、笑いもありの正にザッツ・エンターテイメントな作品でした。

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    2011年12月30日
  • 百年戦争(下)

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    「我が輩は猫である」がなんで宗教SFになる!? 「神の支配への挑戦」という、「神狩り」のような展開に唖然。 こんなくだらない方法で神に対抗できるなら、 「神狩り」の主人公は苦労しないよなぁなんて苦笑しながら、 この人を喰った感じが井上ひさしなんだなぁとしみじみ。 それにしても、ここで繰り広げられる神学論争は痛快そのもの。 「神は"集団的想像力"の産物」という認識は、 僕のソレと本当に近い。我が意を得たり。

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    2011年10月02日
  • 吉里吉里人(下)

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    ネタバレ

    読み終わりました。救いのない形にしないと終われないのかもしれません。「地域」自治、食料、医療、平和、国際関係、ほんとうに詰めていくと傷があるのかもしれませんが、思想(理想)は、そうあってよいのではないか。考えさせられる本でした。井上ひさしさんの、虐げられる人たちへの優しい視点も感じさせます。それにしても、古橋・・・。

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    2011年09月25日
  • きらめく星座 昭和オデオン堂物語

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    故 名古屋章さん(だったと思う)出演の舞台を先に見て、衝撃を受け原作を読みました。防毒面をつけて・・・のくだりはやはり舞台のほうが迫力がありますが、ほのぼの優しい登場人物と戦争の対比が正体のしれない不気味さを感じさせる名作だと思います。

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    2011年09月22日
  • ブンとフン

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    リベラリズムと表裏一体のニヒリズムを
    ユーモアとして昇華しきっている
    一歩間違えれば陰惨になりかねない題材を
    よくぞここまで笑える小説に仕上げたものだ

    挿絵を杉井ギサブローさんが描いてます

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    2011年08月21日
  • ふかいことをおもしろく 創作の原点

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    残念ながら、筆者が他界されてから初めて筆者の事を意識し、この本を取りました。この本からは本への愛情、笑いへの思い、それらひっくるめて人への愛情が本当に感じられました。正にこの本のタイトル通りおもしろく読ませていただきました。氏のメッセージに背くことなく次代を担っていきたいという思いにかられました。

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    2011年07月31日
  • 新釈遠野物語

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     言うまでもなく柳田國男の『遠野物語』へのオマージュですが、元本よりはるかに面白いです。というか全くの別ものです。

     もう本当にこの人は天才です。稀代の作家です。

     いろんな話がある中でも特に河童の話が好きでした。

     『吉里吉里人』とか長すぎて手に取れない人は、この薄い本から読み始めるといいと思います。

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    2017年08月15日
  • 日本語教室

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    さすが!!とても面白かった!!! 2001年から上智大学で行われた講義の内容を記録した本です。井上ひさしさん、お目にかかることはできなかったけれど、こういう講義なら、一度受けてみたかった。。。
    「日本語教室」という題ではあるけれど、ここに詰まっているのは、「日本語」というひとつの言語を通じて見る世界像であったり、文化人類学のような考察であったりします。
    また、言語学の視点からの母音の話やアクセントの話、聞き取りやすい語、発音しづらい音についての話などは、そのまま日常生活にも生かせる知識ばかり。下手なハウツー本の何百倍もためになります。

    帯に「やさしい。ふかい。おもしろい。」とキャッチコピーが

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    2015年01月03日
  • 父と暮せば

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    泣いてしまった。今だから、なおさらなのかもしれない。
    忘れてはいけないことがある。あの日のヒロシマのことを、その後、生きた人の苦しみを。ともすれば、人はつらいことや悲しいことを忘れたいと願うけれど、「ちゃんと記憶し伝える」べきことだってあるのだ、、、たとえそれがとても苦しいことであったとしても。
    「知らないふり」をしてはいけない、というメッセージが込められた物語。
    劇作家としての作者の技量がひしひしと伝わってくる、台本の様式の一冊。

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    2015年01月03日
  • ムサシ

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    報復の連鎖を断ち切る。

    その主題を、二人の剣豪・宮本武蔵と佐々木小次郎の姿を通してどのように描かれるのか。蜷川幸雄の演出による舞台を観るまでずっときになっていたけれど、本当に素晴らしい描かれ方に感動した。

    井上ひさしが言葉のひとつひとつにまでこだわって書き上げた戯曲。それをどのように受け止めるかを読者自身が問われる。心を揺さぶる物語。

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    2011年03月21日