井上ひさしのレビュー一覧

  • 日本語教室
    非常にためになった。このような素晴らしい(自らの糧になる)本を読むたびに、本と云うものを有り難く思う。高高1,500円程(物量によるが)で買えるのだから。
  • 新釈遠野物語
    初めて読んだのは高校生の頃だったか。。
    その後、時折、読み直してしまい、結局何度読み直したことか。
    読み直すたびに、気付かされることがある。
    「笛吹き峠の話売り」が一番好き。
  • 吉里吉里人(上)
    個人的に、『国家反逆』カテゴリーに含めている作品(ほかには筒井康隆「俗物図鑑」、小松左京「日本アパッチ族」、大江健三郎「同時代ゲーム」)。
  • 新釈遠野物語
    じわりとした恐怖や、じわりとにやり。
    遠野の世界は、こんなところ?
    恥ずかしながら柳田国男を読んでいませんが、井上さんならではの優しさも、きっと込められているのだろうなぁと思いながら読みました。
  • 吉里吉里人(上)
    初読は大学受験の頃なので、今から25年程前になります。国際法や為替、笑いもありの正にザッツ・エンターテイメントな作品でした。
  • 日本語教室
    上智大学の卒業生が企画・主催された講演です。この講演の収益は苦労している外国からの留学生の奨学資金に充てられたそうです。
     そうした善意からスタートした日本語教室。読んでいて、井上さんの丁寧な言葉の使い方や、話題の面白さ、深さがとても興味深く、良い作品に出会えたと感激しています。
     毎回の講義内容を...続きを読む
  • 百年戦争(下)
    「我が輩は猫である」がなんで宗教SFになる!? 「神の支配への挑戦」という、「神狩り」のような展開に唖然。 こんなくだらない方法で神に対抗できるなら、 「神狩り」の主人公は苦労しないよなぁなんて苦笑しながら、 この人を喰った感じが井上ひさしなんだなぁとしみじみ。 それにしても、ここで繰り広げられる神...続きを読む
  • 吉里吉里人(下)
    読み終わりました。救いのない形にしないと終われないのかもしれません。「地域」自治、食料、医療、平和、国際関係、ほんとうに詰めていくと傷があるのかもしれませんが、思想(理想)は、そうあってよいのではないか。考えさせられる本でした。井上ひさしさんの、虐げられる人たちへの優しい視点も感じさせます。それにし...続きを読む
  • 父と暮せば
    原爆で亡くなってしまった父。被爆して心にまで傷を負った娘。引き裂かれた心。本当に娘は再生できるのか。腕の痛み、好きになった人の実家への訪問の結果は。戯曲が終わっても、残されている不安感に、心を締め付けられる思いがします。
  • きらめく星座 昭和オデオン堂物語
    故 名古屋章さん(だったと思う)出演の舞台を先に見て、衝撃を受け原作を読みました。防毒面をつけて・・・のくだりはやはり舞台のほうが迫力がありますが、ほのぼの優しい登場人物と戦争の対比が正体のしれない不気味さを感じさせる名作だと思います。
  • ブンとフン
    リベラリズムと表裏一体のニヒリズムを
    ユーモアとして昇華しきっている
    一歩間違えれば陰惨になりかねない題材を
    よくぞここまで笑える小説に仕上げたものだ

    挿絵を杉井ギサブローさんが描いてます
  • ふかいことをおもしろく 創作の原点
    残念ながら、筆者が他界されてから初めて筆者の事を意識し、この本を取りました。この本からは本への愛情、笑いへの思い、それらひっくるめて人への愛情が本当に感じられました。正にこの本のタイトル通りおもしろく読ませていただきました。氏のメッセージに背くことなく次代を担っていきたいという思いにかられました。
  • 新釈遠野物語
     言うまでもなく柳田國男の『遠野物語』へのオマージュですが、元本よりはるかに面白いです。というか全くの別ものです。

     もう本当にこの人は天才です。稀代の作家です。

     いろんな話がある中でも特に河童の話が好きでした。

     『吉里吉里人』とか長すぎて手に取れない人は、この薄い本から読み始めるといいと...続きを読む
  • 日本語教室
    さすが!!とても面白かった!!! 2001年から上智大学で行われた講義の内容を記録した本です。井上ひさしさん、お目にかかることはできなかったけれど、こういう講義なら、一度受けてみたかった。。。
    「日本語教室」という題ではあるけれど、ここに詰まっているのは、「日本語」というひとつの言語を通じて見る世界...続きを読む
  • ブンとフン
    痛快、明快

    井上ひさしらしい、ぶっ飛んだ世界
    個人的には、井上ひさしで最も好きな本

    井上ひさしとは、こういうことだ。
  • 父と暮せば
    泣いてしまった。今だから、なおさらなのかもしれない。
    忘れてはいけないことがある。あの日のヒロシマのことを、その後、生きた人の苦しみを。ともすれば、人はつらいことや悲しいことを忘れたいと願うけれど、「ちゃんと記憶し伝える」べきことだってあるのだ、、、たとえそれがとても苦しいことであったとしても。
    ...続きを読む
  • ムサシ
    報復の連鎖を断ち切る。

    その主題を、二人の剣豪・宮本武蔵と佐々木小次郎の姿を通してどのように描かれるのか。蜷川幸雄の演出による舞台を観るまでずっときになっていたけれど、本当に素晴らしい描かれ方に感動した。

    井上ひさしが言葉のひとつひとつにまでこだわって書き上げた戯曲。それをどのように受け止めるか...続きを読む
  • 組曲虐殺
    重たい内容なのに、
    軽妙にテンポよく
    時にはユーモラスに
    描かれています。

    お芝居が観たくなりました。
  • 吉里吉里人(上)
    「吉里吉里人(上・中・下)」井上ひさし
    ”全体小説”。特になし。


    いや、っていうかレビュー書けないや。
    自分が今まで読んだ小説の中で確実に5本の指に入る内容量の圧巻。
    感動系でもなく純然たるSFでもなく文学でもなく、なんだろ。
    とにかく読んだら読んだで(良くも悪くも)読み疲れる大作かと...続きを読む
  • ブンとフン
    小学生の時大好きだった本。ふと目について読み返してみたら、やっぱり面白い。けど、小学生の時には思わなかったことを考える様になっていた。軽くて深い、井上先生の傑作。