井上ひさしのレビュー一覧

  • 一週間

    Posted by ブクログ

    読み終わった日が、ソチ五輪の開会式。かの日のソ連と今日のロシアでは大きく異なるのは承知。あの頃、ソ連がなくなるなんて思ってもいなかったなあと感慨。大きくなりすぎた国のひずみと、それを塗りこめる強引な手法は、現代の隣国を見るに必然なのか。その適応力と厚顔無恥は、小さな島国に閉じこもる我々には見習うべきなのかもしれない。ただし作中では、当時の日本の愚かさが繰り返し語られ、公平さにおいて抜群のバランスを保つ。著者の見識の賜物だろう。
    理想主義な自己中男はどうなろうが知ったことかと思うのだが、周囲の人物たちが魅力的で、その運命にはらはらさせられる。教養に裏打ちされた、極上のエンターテイメント。

    0
    2014年02月08日
  • 「けんぽう」のおはなし

    Posted by ブクログ

    "きみは世界でたったひとり、だれともとりかえがきかない。
    だから、だいじ。
    一人ひとり、みんなだいじなのです。"
    "広い宇宙のなかで、生物がすめる星が、いったいいくつあるでしょう。
    その数少ない星のひとつである地球で、たくさんの試練のつみかさねから人間が生まれました。
    まさに、きせきです。
    その人間一人ひとりを、かけがえのないそんざいとして、たいせつにする社会。
    それをいちばんだいじにしていこう、というのが日本の「けんぽう」なのです。

    この絵本は、井上ひさしさんが、生前、実際に小学生に日本の憲法について数度にわたってお話されたことを基に作られたものです。
    井上ひ

    0
    2014年01月30日
  • 自家製 文章読本

    Posted by ブクログ

    話すように書け、透明な文章がよい、オノマトペは使うな・・・などなどの、文章法の「常識」に次々と疑問が投げかけられる。
    代々の文豪や学者の言説が、一つ一つ取り上げられ、検討されていく。
    猛烈な勉強に裏付けられているため、議論に迫力がある。

    0
    2014年01月25日
  • 四千万歩の男(五)

    Posted by ブクログ

    20年ぶりに再読しました。
    伊能忠敬の地図作り旅の最中に、次々と事件を盛り込み、弥次喜多珍道中や水戸黄門のように仕立て上げたお話ということは覚えていたのですが、内容はきれいさっぱり忘れていたので、まるで初めて読むように楽しめました。まさか、あんな終わり方をしていたとは…
    文庫5巻3000ページオーバーのボリュームで、読み応えたっぷりですが、文庫(5)の終わりにある井上ひさし自身による年譜も興味深いです。
    また20年後に再読し楽しもうかな(^^)

    0
    2013年11月10日
  • モッキンポット師の後始末

    Posted by ブクログ

    子どもの頃にも読んだ本。読書っておもしろい!! と教えてくれた。ユーモアって、悲しみの中から生まれるものなのかもしれない。

    0
    2013年07月26日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

    Posted by ブクログ

    井上ひさしさんが、日本国憲法の前文、そして9条を「日本の国のかたち」として、いわさきちひろさんの絵と共に、子どもにもわかるような言葉で解説しているこの著者。書かれているのは簡単な言葉で書かれた憲法の前文と9条条文なのに、なぜか胸がじーんとして涙が出そうになってしまったと言ったら、信じてもらえないかもしれない。けれど、この憲法の持つ大きな希望、そして、それを子供たちに心から真摯に伝えようとするそのことは、井上氏の切実で大きな願いとして心に響いた。

    小学校の社会の授業で、日本は武力を持たない、戦争をしないという国の大きな決まりを持っていると習ったときに、なんて当たり前のことを謳っているんだろうと

    0
    2013年05月12日
  • 一週間

    Posted by ブクログ

    もう少しロシアの事、戦時の日本について勉強して読んだら更に面白いのではないか。
    登場人物のキャラが非常に分かりやすく、その掛け合いも見事。
    いつの間にか引き込まれていた。

    0
    2013年05月10日
  • 私家版 日本語文法

    Posted by ブクログ

    以前読んだ「日本語教室」に紹介されていたので読んでみました。

    1981年の作品のため、少し内容は古いですが、
    日本語の文法について、過去の研究者の言葉を引用したり、
    当時の雑誌より言葉を抜粋して、現在の日本語の使い方について
    様々な観点から分析しています。

    その当時の日本語文法の進化について悲観的というよりは、
    従来の歴史ある日本語の使い方を整理した政治に
    文句を言っている感じを受けます。

    まあその整理された日本語を勉強してしまった自分には
    現在の使い方の方がしっくりきますが、
    助詞や形容詞等の文法から敬語や外来語、漢字や、
    句読点などについて筆者の分析を交えて色々

    0
    2013年05月05日
  • 私家版 日本語文法

    Posted by ブクログ

    各章が10頁足らずと短く、衒わない平易な文体のため取っ付きやすい。自宅でじっくり腰を据えてというよりは、移動中のバスや電車で読むに適した軽やかな文庫である。

    中でも「振仮名損得勘定(ルビはそんかとくかをかんがえる)」の章が面白い。他章は「もとよりこれは筆者の偏見にちがいないと思われるのであるが。」「めったなことはいえぬ。」「こういう先達にはつくづく頭が下がる。」といった、筆者の立場を断言しない中立寄りの濁しで締めたものがほとんどであるが、この章は「大衆化だの、合理化だのという言葉に浮かれていてはならないと思う。」というはっきりした意見が述べられており、それがたいそう印象的だった。

    0
    2013年05月25日
  • ふかいことをおもしろく 創作の原点

    Posted by ブクログ

    100年後の皆さんへ、作家で劇作家の井上ひさしさんからのメッセージ。創作の原点。含蓄のあるメッセージがたくさん。例えば…本とのつきあい方(情報をどんどん入れて知識に、知識を集めて知恵を作っていく)、笑いとは何か(笑いとは、人間が作るしかないもの それは一人ではできない 人と関わって、お互いに共有しないと意味がないものである)などなど。

    0
    2012年12月25日
  • 日本語教室

    Posted by ブクログ

    日本語の事を考え続けた著者が、母校、上智大学で行った「日本語教室」の講義を再現したもの。

    印象的なのは「母語」の話。

    「母国語」ではなく「母語」
    「母国語」は自分が生まれた国で使われている言葉だが、「母語」は母親や愛情をもって世話してくれる人々から聞いた言葉のこと。

    日本で生まれたとしても「母語」は日本語ではなく、関西弁、東北弁という事になる。

    そして、「母語」は「道具」ではなく「精神」そのもの。
    この「母語」をベースに第二言語、第三言語を習得していく事になる。そして、その「母語」以内でしか別の言語は覚えられない。
    つまり、外国語を覚えるためには「母語」がきっちり話せなくてはならない。

    0
    2012年11月04日
  • ナイン

    Posted by ブクログ

    ルロイ修道士の話が急に読みたくなったので注文して読んだ。
    懐かしさやら何やらがこみあげてきて涙が出てきそうだ

    0
    2012年08月09日
  • 新釈遠野物語

    Posted by ブクログ

    久々に手に取り読みました。
    もともとは柳田国男が遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたものですが、これは何度読んでも、不思議な気分にさせられる本です。

    0
    2012年07月15日
  • 新釈遠野物語

    Posted by ブクログ

    goole mapとwikipediaを見れば、だいたいのことは分かってしまう世の中だけど、それが完全に思い込みであることを教えてくれる1冊。

    目の前にいる人は、人間なのか、獣の類なのか。

    ここからあそこへは、近いのか、遠いのか。

    全ては、やってみなきゃ分からないんだ。

    0
    2012年07月02日
  • 日本語教室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    井上ひさしさんが大学で講義した内容をまとめた作品。

    非常に面白いです。
    正直読んでいて、自分自身がしっかり日本語使えているのか
    心配になります。

    井上ひさしさん独自解釈の日本語の起源や
    現在の日本語のついての説明は、
    ユーモアもあり、非常に分析されていると思いました。
    (作品中では何となくそう思ったといった感じですが)

    小学~高校で学んだ国語の文法とか正直
    よくよく思えば、あまり厳密に思い出せない。。。

    なんだか学校の参考書を読み直したくなる本でした。

    0
    2012年06月13日
  • 新釈遠野物語

    Posted by ブクログ

    「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
    本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。

    「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。
    「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いんちき臭く、聞く側は誇張癖がある、という事になっている。

    犬伏老人が語る物語は、山の民、動物、妖怪、人間が対等な立場で関わりあう。全て犬伏老人が関わった話ばかりで、なぜ、こんなに怪異に関わるのか、とツッコミを入れたくなるほどだが、それは最後の物語で全て分かる趣向になっている。

    怪異の物語ではあるが

    0
    2012年06月09日
  • 私家版 日本語文法

    Posted by ブクログ

    食わず嫌いで、ホント後悔した。井上ひさし先生がエスペランティストということも知らなかった。ごめんなさい。すごく勉強になる本です。

    0
    2012年05月27日
  • 日本語教室

    Posted by ブクログ

    氏の講演を聴いたのは数回しかないが、あんな感じでこんな風に語っていたのだろうなあ、ということを偲ばせるものであった。
    彼の考えることばの起源、「原縄文語→前期九州縄文語→琉球縄文語→琉球諸方言」などについて、もっといろいろ聴きたかったな。

    0
    2012年05月10日
  • 父と暮せば

    Posted by ブクログ

    被爆した美津江がかかった、自分だけが生き残って「うしろめたうて申し訳なー病」。
    戦争や大事故、大災害で生き残った人の多くに見られる心理とも聞く。
    死んだ者の思いを伝えるために、命を繋いで欲しい。
    死者が生き残った者を「生かしている」のだ。
    死んだ「おとったん」は、娘の美津江にそう言って聞かせ、娘の恋愛を応援する。
    この作品では、そうやって美津江は自分の人生を歩み始める。

    約二十年前の作品だが、今読んでも、いや、今読むからこそ、重く心に響く。
    自分が同じ立場だとしたら、どうやって立ち直っていくのだろうか、と。

    0
    2020年12月06日
  • 日本語教室

    Posted by ブクログ

    非常にためになった。このような素晴らしい(自らの糧になる)本を読むたびに、本と云うものを有り難く思う。高高1,500円程(物量によるが)で買えるのだから。

    0
    2012年03月06日