井上ひさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。
「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。
「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いんちき臭く、聞く側は誇張癖がある、という事になっている。
犬伏老人が語る物語は、山の民、動物、妖怪、人間が対等な立場で関わりあう。全て犬伏老人が関わった話ばかりで、なぜ、こんなに怪異に関わるのか、とツッコミを入れたくなるほどだが、それは最後の物語で全て分かる趣向になっている。
怪異の物語ではあるが -
Posted by ブクログ
さすが!!とても面白かった!!! 2001年から上智大学で行われた講義の内容を記録した本です。井上ひさしさん、お目にかかることはできなかったけれど、こういう講義なら、一度受けてみたかった。。。
「日本語教室」という題ではあるけれど、ここに詰まっているのは、「日本語」というひとつの言語を通じて見る世界像であったり、文化人類学のような考察であったりします。
また、言語学の視点からの母音の話やアクセントの話、聞き取りやすい語、発音しづらい音についての話などは、そのまま日常生活にも生かせる知識ばかり。下手なハウツー本の何百倍もためになります。
帯に「やさしい。ふかい。おもしろい。」とキャッチコピーが