井上ひさしのレビュー一覧

  • 日本語教室

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    僕らは、いつもいろんな言葉を紡ぎながら、どうにか考えること、思っていることをただ面と向かった相手に伝えようと試行錯誤する。
    しかし大抵の場合、「言葉はいつも心に足りない」
    ましてや使っている言葉がここまで曖昧さを許容して、間違って使っていてもその意で使う人がおおければそれすら許容してしまう大らかな言葉だったならなおさらだ。
    大切にすればするほど、言葉はすぐに先に行ってしまう。
    80歳のおじいちゃんの使う言葉と我々の使う言葉、10代の子たちが使う言葉で思いが伝わらなくなってしまうような世の中にはなってほしくないなと思い、意識しながらこれからも紡いでいこうと考えさせられた。

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    2012年09月26日
  • 日本語教室

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    『むずかしいことをやさしく、やさしいことふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに書くこと』と言っていた井上ひさしさんの講演をまとめたもの。
    言葉のルーツから、言葉の在り方から、ユーモアたっぷりに語られ、ぐいぐい引き寄せられる。言葉の背景にある、世界情勢もしっかりと説明されたうえでの、言葉、そして、その言葉を使う心の在り方についても、ていねいにやさしく、ゆかいに、まじめに語られている。
    この人の話をもっともっと聴いてみたいと思わせられた。

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    2012年09月26日
  • ブンとフン

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    井上ひさしの処女作だそうで、確か小学校だか中学校のときに読んだ記憶があったのですが、今読み返してみても結構面白い。

    筒井康隆も非常に似たような作風だったななんてことを思いながら結構新鮮な気持ちで読み返すことができました。

    売れない作家フン先生が生み出した売れないはずの作品の登場人物、四次元の世界を飛び回る怪盗ブンが本の世界から飛び出して世の中を騒がす。

    その怪盗を捕らえるために打たれた手。

    そしてつかまった大泥棒ブンに言い渡された刑は、とてつもなく長いものだったのだが、その刑を全うさせるために、刑務所の中で獄死しないようにと立てられたのはとんでもなく立派な刑務所。

    それも捕まったブン

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    2012年09月19日
  • ブンとフン

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    ネタバレ

    小説をはじめとして、何かキャラクター、いわゆる何か存在を作り上げるというのは、どれほどの重みがあるのだろうか?

    今の世の中、情報発信が至極簡単に短絡的に行われ、責任というものを考えて発信できているものがどれほどいるのだろうか。

    自分が苦労して生み出した存在が、どこかで独り歩きして自分の知らぬところで悪事をしていたらこれほどつらいことはないだろう。

    そんな考えを一つの話にしたらこの本になるのだろう。

    ぜひお読みいただきい。

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    2012年08月09日
  • 四千万歩の男(一)

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    本当はこんなに事件とかなかったのだろうけど、こんな感じで測量をしていたのだなぁとわかってよかったです。

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    2012年08月05日
  • 吉里吉里人(上)

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    文庫版(全3巻)で読む。
    主人公である作家の視点で東北の村・吉里吉里の日本からの独立騒動を描く。
    全体的にテンポは良いが、主人公のバカさ加減には多少イラつくことも。
    震災後の被災地に対する政府や東電の対応を見ていると、本作はただのフィクションでは納まらない気がしてくる。

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    2014年08月31日
  • ナイン

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    短編集。
    掌編=手のひらにのるような、話もあれば、深く余韻を残す作品もある。
    人生とか、優しさとか、そんなイメージが浮かび上がってきます。
    「新宿まで」、「会話」、「握手」が印象に残りました。あと、おじいちゃんたちの話や、ちょっとしたことで運命が変わってしまう話も。

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    2012年06月06日
  • モッキンポット師の後始末

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    生きる為と言いつつ珍妙なアイデアをだしては、しくじってばかりの3人組と、苦り切りながらも突き放せず後始末に走り回る神父さん。
    そこでどうしてそうする!ってツッコミどころ満載の3人組も面白いけど、神父さんも3人組に困惑しつつも突き放せず、強く叱責もできず、大らかというかゆるいというか優しいというか。なかなか面白い人物。

    とても面白く読んだ。こんな時代もあったんだなって。モッキンポット師が実在したとは思わないけど(笑)

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    2012年05月28日
  • ふかいことをおもしろく 創作の原点

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    シンプルなのに シンプルだから?深い

    情報をどんどん入れて知識になり
    知識を集めて知恵をつくっていく
    どんな仕事もきっと同じはず

    自分が使いこなせる言葉でものを考えるということ
    意味をきちんと理解せず討論をしものを考えていくといいかげんな理論構築や結論が生まれてしまう

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    2012年05月04日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

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    ネタバレ

    憲法記念日に憲法に関する新聞記事を読んでいたら、妻から差し出された一冊。
    「子どもに読み聞かせる」という視点で日本国憲法の序段と第9条を主題に作られているが、本書の最後には、日本国憲法全文が掲載されていて、大人が読んでも十分に勉強になる。
    これまで、日本国憲法の特徴である「戦争の放棄」が、どうして第9条という中途半端な位置に記されているのか疑問に思ったことがあったが、第1条から第8条までが天皇に関する記述であり、その直後に第9条が記されていることを知り、納得した。自衛のための戦力保持と第9条が矛盾しているということで常々意見が対立しているが、一国の憲法という大きな理念・理想の中に「戦争の放棄」

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    2012年05月03日
  • 吉里吉里人(上)

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    東北の寒村が突如日本からの独立を宣言する—今まさに地方自治が叫ばれていますが、究極的には地方が自立することが肝要です。

    吉里吉里という地名は現在は岩手県大槌町に残っています。もともとはアイヌ語で砂浜を意味するそうで、東北地方でも「木里木里」と呼ばれる地名はかなり多くあったそうです。

    農作物が豊富に採れ、地熱や薪炭といったエネルギー源もある東北地方は、自給率という観点では優秀な地域なのですが、政治的にはずっと虐げられてきた感があります。

    夜行列車で上野に労働者が出稼ぎに行き、雪深い冬はおしんのように耐えて過ごすといった高度成長を支えてきた東北地方のイメージは、福島原発の事故によって変わりま

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    2012年04月29日
  • 自家製 文章読本

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    既存の文章読本を批判しながら、古今東西の名文をもとに日本語の文章について考察していく様子は、実用的かはともかく読み物として面白い。なにしろ最後の2ページで、まんまとあっけに取られた。一筋縄ではいかないな井上ひさし…

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    2012年04月07日
  • 日本語教室

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    「い」と「え」は母音のうちこの順に遠くへ伝わる音。「う」は精神的軋轢をあらわし、こもる。「あ」「お」は安定感があり、大きい。
    やまとことばは脳での理解が早い。対して漢語は0.01秒ほど脳での理解に時間がかかり、リアルタイムで進んでいく表現では理解が穴あきの状態になる。
    以上2点の収穫。

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    2012年04月02日
  • 四千万歩の男 忠敬の生き方

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    「四千万歩の男」では一年間の物語だが、その執筆過程で伊能忠敬の足跡を追うとともに、その時代の大きな流れの中で伊能忠敬が果たした役割が読み取れる。たいへん面白く、再度、読む機会を持ちたい。

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    2012年03月18日
  • 新釈遠野物語

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    肩肘張らずに読めて面白かったです。遠野物語をベースにしつつパロディではない。これは確かに「新釈」だなぁと妙に納得しました。柳田国男が読んだら、大喜びするんじゃなかろうか。

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    2012年02月19日
  • 井上ひさしの日本語相談

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    日本語って知れば知るほど、オモシロイ。
    と、改めて思った。
    そして、井上ひさしさんもオモシロイ。

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    2012年02月06日
  • 円生と志ん生

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    円生と志ん生の戦時中の満州での話。状況によっては大変悲惨なめにあっているのに、どこかしらユーモアがあり、また史実的に当時の満州へ渡った人達の苦労が分かる本。面白かった。

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    2012年02月06日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

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    井上ひさしさんが伝える、日本国憲法。文章の巧さと、その解釈にぐっとくる。日本国憲法なのに、涙が出そうになった。

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    2011年12月26日
  • 自家製 文章読本

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    若干読みづらさがあったけど、文章の書き方の本質を書いた作品であったと思う。文章読本系はこの本が初めてだったが、日本語の特徴であったり、表現方法の工夫などを学ぶことが出来て、三島由紀夫など他の作家の文章読本も読んでみたくなった。
    また、文章のみに関わらず、映像、デザインなど、表現全般においても参考になる方法を学べると思う。

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    2011年10月22日
  • 円生と志ん生

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    日に日に被害が過酷になる日本を抜け出し、満州にやってきたものの、敗戦のあおりを受けて、噺家二人、あちらこちらへ珍道中。そこで繰り広げられる戦争の悲哀と煩悶、涙と苦しみ、そして笑い――円生と志ん生、二人が日本へ戻れる日は来るのか?

    圓生と志ん生が満州に渡っていたことは実は最近知った。命からがら日本へ戻ってきたこともなんとなく知っていましたが、まあこの戯曲通りではないだろうけど、それはもう想像を絶するような体験だったのでしょうね…
    途中に挟まれる劇中歌がちょっとおかしいだけに何とも悲しい。特に禁演落語を歌った歌と四人の若者の歌は。。。(´;ω;`)ウッ…
    修道院が舞台で志ん生を衆生を救いに降臨し

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    2011年10月17日