タイガー・マスクの伊達直人を名乗る人物から
児童養護施設で暮らす子どもたちにランドセルなど善意のプレゼントを届けられるという
現象が全国的に広がり明るいニュースが世間を賑わせた。
これはそうした児童養護施設(物語の時代背景は孤児院と呼ばれていた頃)で暮らす
少年たちの辛さとか哀しみ、夢を描いた3篇の
...続きを読む短編連作。
表題作「四十一番の少年」は、
テレビ局の番組制作をしてる橋本利雄は仕事に来たついでに
20数年ぶりに中学から3年間暮らした養護施設、ナザレト・ホームを訪れる場面から始まり。
かつての忌まわしい辛い日々を回想するかたちで描かれていく。
それは、松尾昌吉という先輩に暴力を振るわれたり脅されたりして隷属を強いられ
昌吉の見果てぬ夢のため、ある少年を誘拐する計画の片棒を担ぐことに
そして、事態は恐ろしい結末へと向かうというもの。
彼らの光と陰の人生が浮き彫りになる・・・。
兎に角暗いなって感じた。
けれども、上手く云えないが何か人間の温かさが伝わってくる!
巻末解説に、作者は幼児に父と死別し、一家離散しカトリック系
養護施設入り、辛酸をなめたとあったので
その辺りの事がこの物語に反映しているのかも知れない?
ちなみに、今まで読んだ井上ひさし作品って『四千万歩の男』くらいだろうか(-_-;)
いつになるか分らないが他の作品も読んで見よう。