井上ひさしのレビュー一覧
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【規則の尊重】
まず井上ひさしさんについて軽く紹介する。
Q 自分のどんなところが、日本人らしいと思いますか?
ノーベル文学賞のイギリス人小説家カズオ・イシグロさんのことにも触れる。
絵本を読み聞かせながら、ところどころで話を聞いていく。武田美穂さんの絵と子供たちの反応の様子が絶妙で、楽しみながら学んでいける。
Q けんぽうと学校のきまりのちがいは?
Q 「自由」ってなに?
Q しあわせってなに?
ところどころで、交流する。最後に感想を交流する。道徳の教材として・・・と言われると悩むんだけど、先月の選挙やミサイルのことなど、子供たちのつぶやきからこのテーマで授業をする。読み聞かせとしては、かなり多めの本だし、授業で取り上げたの悪くないとは思うけど、やっぱり悩む。 -
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柳田国男の遠野物語は昔読んだことあってなんか不思議な物語だなぁ、と思った記憶があった。中途半端なところで物語が終わったり、話のつながりがなかったりしたところにそんなイメージを持ったのだと思う。
それから、10年以上経って再び本を読み始めると、いたるところで柳田国男と遠野物語の名前を見るようになった。これはもう一度読まねばと思っていた時に、ちょうどハマっていた井上ひさしさんの「新釈」バージョンを見つけたので思わず手に取った。
最初の感想としては、柳田国男の作品より読みやすい、という物であった。山奥の病院でバイトをしている僕に山伏老人が話を聞かせるという体で物語が進んでいくため、なんとなく全体的につながりがあるように感じた。絶妙なところで山伏老人がお茶を飲んだりキセルをふかしたりするためこちらも飽きずに話にのめりこめる。
また、これは扇田さんの解説を読んで思ったことだが、柳田国男が遠野に伝わる口語物語をまとめたのは、民俗学的に素晴らしいことだが、一部口語によって伝わったという文化が結果的になくなってしまった。(確かこんな感じの事だった)と書かれていたのが印象的だった。その点、この新釈遠野物語は、話を語って聞かせるという体で物語が進むため、口語という文化に折しも本を読んで触れられた。
ただ、幾人もの作家を引きつけてやまない遠野物語の魅力が私はまだ実感できない。だから、これからも遠野関係の本を読んでいきたいと思う。
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新聞に寄せられた日本語に関する質問に、井上さんらが答えた連載をまとめた本のようだ。
他にも大野晋さんも回答者であった由。
日本語人生活も何十年もしていると、ここに取り上げられている質問も、殆どが既にどこかで見聞きしたもの。
さすが井上さん、という風情の、ユーモア溢れるものもある。
が、一番面白かったのは、実はあとがきの鼎談。
大野晋、丸谷才一、そして井上ひさしの鼎談という、今となっては贅沢極まりないメンバー。
そして、いきなり、「井上さん、本居宣長は演劇にしないの?」とくる。
田舎の頭でっかちな神主の真淵と、若い頃は女遊びもした俊英宣長。
ちょっと宣長観が変わった。
井上さんは衣装にお金がかかりそうだの、自分が宣長をあまり読まなかったことを理由に舞台化を見送ったと言っていたけれど、俄然見てみたくなる。 -
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井上ひさしさんが亡くなって8年になります。
「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を座右の銘に『ブンとフン』や『四十一番目の少年』『新釈遠野物語』『吉里吉里人』など、多くの作品で私たちを楽しませ、考えさせ、そしてちょっぴり泣かせてくれました。
本書は、その基にある膨大な読書と勉強の一端の、さらに雫の一滴のおすそ分け。新聞の書評、同郷の藤沢周平さん、義姉の米原万里さんの作品の書評を収めています。
弱い立場の人の側に立たれ、目線を低く実相を見極めようとされました。選書にその姿勢が表れています。
『チラシで読む日本経済』(澤田求ほか)、『見たくない思想的現実を見る』(金子勝、大澤真幸)、『二十一世紀の遠景』(山崎正和)、『日本語の教室』(大野晋)、『〈民主〉と〈愛国〉』(小熊英二)、『メディア・コントロール』(ノーム・チョムスキー)いずれも魅力的ですが、そこに井上さんの考えがスパイスされ魅惑的な書評に仕上がりました。
たとえば『ニュルンベルク軍事裁判』(ジョゼフ・パーシコ)のくだり。
▼ とりわけ精彩を放っているのは、ヘルマン・ゲーリング(航空相・国家元帥)で、例えばこんなことを云ってます。
〈もちろん、国民は戦争を望みませんよ。運がよくてもせいぜい無傷で帰ってくるぐらいしかない戦争に、貧しい農民が命を懸けようなんて思うはずがありません。ソ連でも、イギリスでも、アメリカでも、そしてその点ではドイツでも同じことです。政策を決めるのはその国の指導者です。・・・そして国民はつねに指導者のいいなりになるように仕向けられます。国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては愛国心が欠けていると非難すればよいのです。このやり方はどんな国でも有効です〉
この名言(?)に接しただけでも、4600円払ったかいがありました。
この一節に触れただけでも、読んでよかったなあと思えます。他にも魅力的なくだりがたくさんあって、楽しみながら考えさせられます。 -
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・括弧の恋
・極刑
・耳鳴り
・言い損い
・五十年ぶり
・見るな
・言語生涯
・決戦ホンダ書店
・第惨事人体大戦
・親銭子銭
・質草
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括弧の恋を見て、バカリズムのライブを思い出した。
記号や言葉、無機物を単なる表現の手段としてではなくあたかも生きているかのようにとらえた作品が印象的。(決戦ホンダ書店、親銭小銭)
後は言語障害に関わる作品も多い印象。(言い損い、言語生涯)
タイトルがタイトルなだけに、いずれも切り口は違えど言語に関わる話。
ふっと思いついた一見くだらない言葉遊びを何とも面白く小説として成立させてしまった、そんな印象の短編集。