井上ひさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は上智大学のOB会「ソフィア会」主催の「日本語講座」を書籍化したものである。この講座の聴講料は留学生の奨学金に充てるとのこと。
2015年に本書を購入し一読したが、今回改めて読み直した。
著者の井上ひさしはものを書き始めると、悪鬼のようになり、妻に暴力を振るった。それは、文章を書くことにナーバスであったからに違いない。
例えば本書の冒頭に、
「母語は道具ではない。精神そのものである」
「小学校で英語を教えようということになったときに、僕は本当に危ないと思いました。すべて、そうやって、言葉は消えていくのです。」
とあり、日本語に対して思索を重ねてきたことが感じ取れる。
さらに読み進めていくと -
Posted by ブクログ
ネタバレ2012年2月27日
子ども用に買ったものだけど、自分でも読んだ。
基本的には純粋な平和のお話だと思う。
が、疑問に思ったところがいくつかあった。
普通の大人ならとーぜん知ってることかもしれないんだけど、私はどーにも、あほすぎる…
疑問その1
(p40「あたらしい憲法のはなし」の引用より)
だから、こんどの戦争をしかけた国には、大きな責任があるといわなければなりません。
→それって、日本じゃないの?真珠湾の奇襲攻撃??
疑問その2
(p41 憲法の前文の話)
「この憲法をつくったのは日本国民である」と書いてある。
→え?GHQじゃないの??
疑問その3
(p46 第九条の話)
日 -
Posted by ブクログ
中巻に入って、話のテンポが上がり、俄然面白くなってきた。
言葉遊びの散りばめられた、荒唐無稽のストーリー展開の中に、国にまつわる様々な社会問題が提起され、その本質が描かれていく。
民族の独立問題、国家防衛(自衛隊の存在)と日米同盟、憲法9条、経済と性的産業、農政問題、医療や看護の問題と福祉の問題。日本と吉里吉里国を対比し、日本の社会問題を抉り、吉里吉里国での対策が描かれる構成で、社会問題を解決する理想形を紡いで行く。
どれも重たい課題なのに、冗長過ぎる様な馬鹿馬鹿しいストーリーと、吉里吉里語の言い回しで、易しく、所々で吹き出しながら、読み進められる。
エログロナンセンスだけど、実はテーマは重い