井上ひさしのレビュー一覧
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ネタバレ憲法記念日に憲法に関する新聞記事を読んでいたら、妻から差し出された一冊。
「子どもに読み聞かせる」という視点で日本国憲法の序段と第9条を主題に作られているが、本書の最後には、日本国憲法全文が掲載されていて、大人が読んでも十分に勉強になる。
これまで、日本国憲法の特徴である「戦争の放棄」が、どうして第9条という中途半端な位置に記されているのか疑問に思ったことがあったが、第1条から第8条までが天皇に関する記述であり、その直後に第9条が記されていることを知り、納得した。自衛のための戦力保持と第9条が矛盾しているということで常々意見が対立しているが、一国の憲法という大きな理念・理想の中に「戦争の放棄」をうたっているという姿勢は評価されるべきだと思う。 -
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日に日に被害が過酷になる日本を抜け出し、満州にやってきたものの、敗戦のあおりを受けて、噺家二人、あちらこちらへ珍道中。そこで繰り広げられる戦争の悲哀と煩悶、涙と苦しみ、そして笑い――円生と志ん生、二人が日本へ戻れる日は来るのか?
圓生と志ん生が満州に渡っていたことは実は最近知った。命からがら日本へ戻ってきたこともなんとなく知っていましたが、まあこの戯曲通りではないだろうけど、それはもう想像を絶するような体験だったのでしょうね…
途中に挟まれる劇中歌がちょっとおかしいだけに何とも悲しい。特に禁演落語を歌った歌と四人の若者の歌は。。。(´;ω;`)ウッ…
修道院が舞台で志ん生を衆生を救いに降臨したキリストと勘違いしてるラストが爆笑ものすぎるw 実際に声に出して笑ってしまいましたwそしてそこで語られてる噺家とは? っていうのにすごく感動してしまった……苦しいことしか無い災難ばかりの世の中。ならその災難をステキなものに変えて上げましょう、笑えるものにしましょう、笑いを生み出しましょう、それが噺家、落語家ですよ……喜劇ここに極まれり。感動です。
それから三代目小さんと漱石を語るところで今更ながら「日本の近代小説を作ったのは落語なんだナ」と気付き改めて感動。私が本を好きなこと、小説を書くことと、落語が好きなのは全然関係のないことじゃないんだな。むしろルーツがそこなんだなとあったかくなりました。 -
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十数年ぶりの再読完了。吉里吉里国独立の理由の1つに日本の農業政策批判があるのですが、その議論は現在のTPPを巡る議論と同じことを言っており、作者の先見の明には恐れ入りました。あと「~してけろ」っていう東北弁も「あまちゃん」を思い出し、妙に2013年とシンクロしてます
全編通して繰り広げられる過剰なドタバタも井上ひさしらしくて好きなのですが、古橋の脳をベルゴ・セブンティーンの体に移植して別人となってしまう展開は、さすがにやりすぎだろうと。独立計画が失敗に帰する原因となる「秘密」もそれほどのものか?と疑問。
なんだかラストが締まらなかったのが残念ですが、ルビという日本語独特の表現技法を極限化した文体芸と鋭い社会批評は大いに堪能しました。 -
Posted by ブクログ
井上ひさしの有名なことばの一節を題に掲げた本書。
以前NHKで放送されたインタビューを活字にしたものだという。
多数ある井上ひさしの著作で読んだものはとても少ない。彼自身のこともほとんど知らなかったので、インタビュー内で生い立ちのことどが語られるのは興味深かった。
作品を生み出すとき、自身の辿ってきたものと無関係ではありえない。そんな当たり前のことを改めて考えた。
そして、自分自身の勉強不足も痛感した。
「情報を知識へ、知識を知恵にしていくとうことは、自分の体験を少しまとめ上げて、その集まりから小さな文章を作っていくということです。これがそれぞれの知恵になるわけです。」
もっと本を読まねば。これから書く文章のために。 -
Posted by ブクログ
右の農業白書の記述がなんとなく無責任に見えるのはなぜであろうか。傍線の部分が、
…と考えられる
…成行が注目される
…と思われる
…とみられる
…が思い出される
などと同じ、あの悪名高い「自然可能的な受身」になっているせいである。「なすがまま」「なされるがまま」「自然になるようになる」といった調子で書かれているから無責任な印象を受けるのである。
(中略)
自然可能的な受け身が日本語に定着することで、つまりことばで、ある態度を表現することが可能になると、そういった態度をとる人間が多くなることはわかる。ことばが人間の生き方を逆につくりだすのである。
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