井上ひさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の“不良”学生3人組。
いつもその尻ぬぐいをさせられ、苦りきる指導神父モッキンポット師──ドジで間抜けな人間に愛着する著者が、お人好し神父と悪ヂエ学生の行状を軽快に描く笑いとユーモア溢れる快作。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
【本の内容】
「ブンとは何者か。
ブンとは時間をこえ、空間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、なにひとつ不可能はなく…」フン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒ブンが小説から飛び出した!
たちまち全世界に、奇怪なしかしどこかユーモラスな事件が…。
あらゆる権威や常識に挑戦する奔放な空想奇想が生む痛烈な諷刺と哄笑の渦。
現代戯作の旗手、井上ひさしの処女作。
[ 目次 ]
[ POP ]
デビュー作には、その作家のすべてがある、とは文学の世界でしばしば言われることだが、それは今年4月に亡くなった井上ひさしさんの小説デビュー作『ブンとフン』(新潮文庫)にも当てはまる。
奇想天外な筋立て、権威への痛烈な批判、バカバカしさの中に豊かさを秘めた言葉遊び――。
40年も前に書かれた作品を読めば、ただまっすぐに、ぶれることなく生きた井上さんの人生が見えてくる。
物語は、売れない作家フンが書いた小説の主人公の大泥棒ブンが、現実に飛び出す所から始まる。
世界中で奇怪な事件を起こしたブンは次に、人間の一番大切なものを盗もうと決める。
〈ほう、そりゃあなにかね?〉と尋ねるフンにブンは言う。
〈権威です(中略)権威をもつと、人は、愛や、やさしさや、正しいことがなにかを、忘れてしまう〉
ページの端に「のりしろ」「キリトリ線」があったり、ヘンテコな歌があったりと笑えるシーンも満載。
新潮社は「今の中高生に小説の面白さを伝える1冊に」と今夏、14年ぶりに「新潮文庫の100冊」フェアの対象作に復活させた。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
劇作家の井上ひさし氏の処女作。ああ、小説ってこんなに自由奔放で勝手気ままでいいんだなぁ、と嬉しくなる作品です。「世のお母さんたち」に読まれたくない部分にはノリシロがあり、このページを糊で貼り付けてしまうように、などという指示が出ていたりして、著者の遊び心にもニヤニヤしてしまいます。200ページぐらいですが、一日で一気に読めます。
何せ刊行されたのがもう40年前ということで、登場する有名人や時代背景なんかはさすがに古いですが、随所に出てくる言葉遊びや語呂合わせ、著者の豊富で奔放な想像力と悪ふざけ、そして世の中への風刺は今でも鮮やかに輝いてます。きっと、これから数十年後に読んでも、やはり同じような色彩とシニカルな視点を読者に与えてくれるのだろうと思います。
ナンセンス文学であり、世界への皮肉や批判も内在している風刺文学でもあるこの作品、時々本棚から抜き出して読めば、声を出して笑える時間を与えてくれるでしょう。 -
Posted by ブクログ
厚いけど読みやすいので、いいペースで読み進んでいる感じ。中巻読み終わったところで、心の底から汚い中年おっさん古橋を応援している。どうか古橋が、ケイコ木下(きおろし)と幸せになれますように!
P127 「わたしはのう、お若い皆さんよ。その仮想敵国も喰えない国だが、アメリカもなかなか油断のならぬ国だと思っておるよ。なにしろアメリカはこれまで自分の国の中でドンパチをやったことがない。つまり、アメリカにとって<戦争>と<平和>は、いつも遠いところにあったのさ。だからいざとなったらどんな残酷なことでもやってのけるだろうて。その証拠にアメリカは、原子爆弾をあなた方のお国のヒロシマとナガサキに落っことした。その点ではその仮想敵国の方がいくらか戦争のむごたらしさを知っているのではないかしらん。というのはその仮想敵国は通常兵器による戦争で、米国人よりは、はるかに大きな被害を受けているからねえ。もっとも、その差たるや五十歩百歩で、どっちも同じ穴の狢だがね」
P279 『百ショーほど素敵な商売は無い』のくだり、笑える。ミッチー・ミラー合唱団的なノリで出てくる吉里吉里中年百姓合唱団の面々。
P376 ページの飛ばし技エクスキューズ部分、まんまと感心させられてしまう。
P454 『看護覚え書』(ノーツ・オン・ナーシング)と『無駄書き集』(ノーツ・オブ・ナッシング)みたいな芸の細かい言葉遊びの面白さ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ売れない小説家フンが書いた小説の主人公ブン、できないことは何もない神出鬼没の四次元大怪盗、が小説から飛び出してさぁ大変。世界中でハチャメチャな事件が起きるという物語。
井上ひさしさん風の言葉遊びと風刺に富んだ作品でした。
小説「ブン」が大ヒットとなり、生原稿からだけでなく、増刷された本からもブンが飛び出すのですが、それらのたくさんのブンが集まって会議する場面がなかなか面白かったです。
同じブンのはずなのに、それぞれが個性をもっていて、その台詞一つ一つが辛味たっぷり。
刑務所のくだりなども、皮肉たっぷり。
ふふふと笑ってしまう、痛快な小説でした。 -
Posted by ブクログ
井上さんが四字熟語をもとにエッセイを書くという連載もの。
井上さんらしいウィットにとんだ文章で非常に面白かったです。
若干、下ネタが多いのには辟易しましたが、その点を除けば良かったと思います。
井上さんのダジャレ(語呂合わせと言った方が良いか?)の妙はいつ読んでも、素晴らしいものです。
朗読しても耳に入りやすいであろうテンポの良い言葉はとても読んでいて気持ち良いものです。
そして、井上さんはすごい勉強家であるなぁと思いました。まぁ本人にとってみれば、勉強といった堅苦しいものではなく、一種の趣味というか凝り性が原因の調べ物といったところなのかしら。仕事だから仕方なくというのもあるかもしれない。
井上さんの言葉遊びを堪能するには良い本でした。
亡くなられてしまったことが残念でならないです。 -
Posted by ブクログ
井上ひさしさんの遺作。連載小説であったとのこと。戦時中共産党員出会った主人公が、自分を陥れようとしたスパイMを追ってロシア二割ったところ終戦を迎え捕虜となる。捕虜となったある日呼び出されると、捕虜向けのプロパガンダとして作っている『日本新聞』なるものの編集室で働かないかと呼び出されるところから物語は始まる。そこを監修するロシアの将校たちがまた日本語が達者という設定でやり取りに引き込まれ思わず笑ってしまう部分も多い。遠くまで脱走したが残念ながら捕まった従軍医師の取材を命じられたところから物語が大きく展開をみせる。荒唐無稽なお話の展開なのだが、あっという間に引き込まれた。日本語が美しいです。こんなに力がはいっていなくて美しい文章はなかなかないかも知れない。名作だと思います。