井上ひさしのレビュー一覧
-
日本から分離独立を宣言した東北のとある山村を巡る顛末。
時にユーモラスに、時に下世話に、あっちへ行ったりこっちへ来たりしながら饒舌に語られる。
まだ国鉄のグリーン車で煙草が吸えた、古き良き時代の作品。Posted by ブクログ -
最も印象に残ったのは、タイトルにもなっている「ナイン」だった。幼い頃に感じた大きな大きな信頼は、あの頃から多くの時間が過ぎ去り大人になっても揺るがない。決して色褪せることのない当時の気持ちと光景。それはとても尊いことのように感じた。Posted by ブクログ
-
幾多の妨害や刺客に狙われながらも蝦夷地測量を続け、ニシベツにて折返し、ようやく江戸に戻り、お上に地図を届け無事に役目を終えるかと思いきや、まだまだ一件落着には至らず。物語は続きます・・。Posted by ブクログ
-
(再読)56歳から天文学をおさめ歩測で日本地図を作製した伊能忠敬の愚直な記録をもとにした小説。
忠敬の右肩に乗った感覚での筆致に納得した記憶がよみがえる。
第1巻は子午線1度の距離を測って蝦夷へ渡るまで。Posted by ブクログ -
手紙を使った作品集。
手紙だけに真実もあり、虚実もあり、ちょっとブラックな終わり方もあり、楽しめた。
ただの作品集かと思ったら最後に一つにまとまり、面白かった。Posted by ブクログ -
大学生3人組の引き起こす騒動と、後始末に奔走しながらも3人を温かく支える、関西弁のモッキンポット神父のお話です。コミカルなだけではなく、終戦間もないころの雰囲気が伝わってきます。Posted by ブクログ
-
2012年2月27日
子ども用に買ったものだけど、自分でも読んだ。
基本的には純粋な平和のお話だと思う。
が、疑問に思ったところがいくつかあった。
普通の大人ならとーぜん知ってることかもしれないんだけど、私はどーにも、あほすぎる…
疑問その1
(p40「あたらしい憲法のはなし」の引用より)
だ...続きを読むPosted by ブクログ -
同シリーズの雑学要素たっぷりで勉強にもなる大野晋版と読み合せると、この井上版はどちらかというと読み物として面白い。
残念なことにエッセイとして良くできているので書かれてあることがそのまま馬耳東風になってしまい、知識として定着しないところ。
一答ごとに膨大な資料を使って、一文字あたりかなりの金額になっ...続きを読むPosted by ブクログ -
「遠野物語」のパロディかと思って読み始めたが違った。そこに下地はあるものの独創的なファンタジーである。山の神、精霊、河童、狐付き。都市では失われた自然との交歓をユーモアたっぷりに語ってくれる。2021.2.4Posted by ブクログ
-
吉良家への討ち入りに参加しなかった、またはできなかった旧赤穂藩士たちを描いた、忠臣蔵に纏わるアナザーストーリー。
血の通った文体とストーリーは、まるで講談を聞いている様だ。Posted by ブクログ