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元禄15(1702)年12月14日夜。赤穂浪士47名が両国の吉良邸に討入りを果たした。この事件はその後300年あまり、日本的な忠義の規範として語り継がれることとなった。しかし、旧赤穂藩士の中にはこの討入りの「義挙」に参加しなかった人々もいた。彼らはなぜ吉良邸に行かなかったのか? 厳密な歴史考証と豊かな想像力で「忠臣蔵」を問い直す歴史小説の傑作。第20回吉川英治文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
吉良邸討ち入りに参加しなかった赤穂浪士のそれぞれの事情を連作短編にした本。 400ページを超えるボリュームもさることながら、内容の点でも、ずっしり来る。 討ち入りに参加することの方が安易。誰か、何かのために生き続ける道を選んだ方がいばらの道。 討ち入りは太平の世になり、活躍の場を失い、それ以外に生き...続きを読むるたつきもない浪人たちが死に急いだのではないか、と問いかけられていく。 討ち入りに参加した「義士」たちのほとんどが馬廻役、浅野内匠頭から遠い者たちばかりで、近く仕えた者たちには慕われていない君主であるという指摘にも、はっとする。 取り上げられた「不忠臣」たち誰も、これまでには聞いたことのない人物たちばかり。 正直、一つ一つの物語に入るのが大変ではあった。 そして、登場人物たちに巧みに語らせながら、最後にどんでん返しのように「事情」が見えてくる。 大概のものは、そこでもう一度見直さなくてはならなくなる。 時間がある時でないと付き合いきれない作品かもしれないが、読み応えのある重厚な作品だった。
『井上ひさし短編中編小説集成第10巻』より 赤穂浪士から漏れた人々を史実を元に創作した時代小説。 年寄れば愚にかえる275 「士は師たるべし」(山鹿素行)(太平の世の中では武士は無用の者。耕しも、造りも、商いもせず禄を食む。そんな世で武士というものが必要とされるべき性質は、正義や倫理の手本として日...続きを読む々己を表現することだ。それが庶民の範となり、これこそが武士の存在理由となる)275 口に油がいる(酒を飲まないと話せない)310 旅は憂いもの、辛いもの311
吉良家への討ち入りに参加しなかった、またはできなかった旧赤穂藩士たちを描いた、忠臣蔵に纏わるアナザーストーリー。 血の通った文体とストーリーは、まるで講談を聞いている様だ。
赤穂浪士ってそんなに立派なことだったのか?を改めて考えるような連作短編集でした。 浪士の人達は満足したんだろうけど、不参加の人達がそんなにおとしめられる必要は無いんじゃないかなと考えちゃいますね。 全体的に悲劇が多いのが残念。もう少しハッピーエンドがあっても良かったかな。
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