井上ひさしのレビュー一覧

  • ブンとフン

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    小学生で初めて読んだけど、その時はいい大人がこんな面白い話書くんだなと思った。少し経って読んだ時は、なるほど舞台の人らしい書きぶりだな、面白いなと思った。合わせ鏡から悪魔が出てくるのが、信じてないけどもしかしたら、とゾワゾワしたのも思い出した。短くて軽妙だけど「人間」の本質の話だったかも

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    2025年11月09日
  • 十二人の手紙

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    主人公から誰かに宛てた手紙であったり、挨拶文であったり、役所への届け出であったり。書簡形式で綴られる短編集。 
    手紙ならではの相手によって態度をガラリと変える様子や、書き手の思い込みが後々の手紙で波乱の展開に繋がっていくところが面白かった。

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    2025年10月21日
  • 私家版 日本語文法

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    学術的なお硬い文法論などとは対極をなす、井上ひさしによる文法論。用例の採択の振れ幅が極端に広く、それでいて納得感のある論説になっている。自分の知らない世界を垣間見ることができた。

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    2025年10月21日
  • 十二人の手紙

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    時代背景は昭和50年代
    それぞれ独立しているように見えて、実は最後に綺麗に纏まってくれます
    皮肉が効いていたり、一方通行の手紙だったり、バラエティに富んでておもしろかった!

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    2025年10月02日
  • ブンとフン

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    井上ひさしの小説初読み。
    十二人の手紙と言う作品を読もうと思っていたものの、積読すること
    月日は立ち、ラジオ番組でこの小説のラジオドラマを拝聴したことがきっかけで、
    小説を読みたいと思いつつも、なかなか入手できずじまい。
    ようやく入手出来て読むことになりました。

    フンと言う、まったく売れることがなく人里離れた場所で貧乏暮らしをする
    小説家が書いた作品が、ある日突然売れたことで、担当者が、
    お金やフン先生の好きな嗜好品を持ってきます。なんか裏があるのかと
    勘ぐっていたところ、突如、小説原稿からブンという四次元の大泥棒
    が現れ、三次元のフン先生の世界で泥棒を働き始めるという物語。
    果たして、どう

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    2025年09月18日
  • 下駄の上の卵 (新潮文庫)

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    面白かった。
    少年たちの思いも、動きも、関係性もとてもリアル。
    ボールが手に入りそうになると、がんばれ! と、応援したくなるし、
    その手から無くなりそうになると、あぁ…と心配になる。
    すごいな、と思うのは彼らの信頼関係。
    ボールが手に入るチャンスを誰かに賭けたら、後で責めたりしない。
    なくなっても、ボール目的じゃない別行動をとっても、
    ちゃんと理由を話して、「それじゃあな」という感じ。
    このさっぱりした思いやりが、とても気持ちよかった。
    この子たちを好きにならずにはいられない。

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    2025年09月15日
  • 新釈遠野物語

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    ネタバレ

    子供向けの遠野物語を読み民話や伝承の魅力を改めて感じ、評価の高かった井上ひさしの新釈を手に取る。丁寧に編まれた方9つの短編は最後までしっかり読者を楽しませてくれる。物語を読んだ、という深い満足感を味わえる一冊。

    物語は入れ子構造式に展開しており、作中ではある老人が時に本家の遠野物語について触れながら彼の経験した不可思議な出来事が語られている。

    読みすすめていくと時に沼地に足を踏み入れたような、狐につままれているような不思議な感覚に襲われるが、最終的には世界というのは本来こういうものかもしれない、、と妙に納得して全てをそのまま受け止めてしまえる。

    物語の世界と自分の世界の境界が曖昧になって

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    2025年09月10日
  • 十二人の手紙

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    『ひょっこりひょうたん島』を楽しみにしていた子供時代、学園祭では、『ひょっこりダンス』を皆で踊りました^ ^
    なので、劇団『こまつ座』のお芝居も観に行きましたが、本は読んでいなかったので、お勧めにしたがって読んでみました。

    皆さんが感想に書いている通り、ザ昭和!
    引きずる寂しさ?悲哀?、、しかしながら、流石ストーリーテラー、一話毎に「なるほどね」感心。
    戦争、貧困を経験した人達は強いですね。
    星4つに留めたのは、『暗い』からだけです。

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    2025年09月09日
  • 父と暮せば

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    ネタバレ

    原爆直下という生きているのが不自然な状況を生きた人の話。

    映画を観て、文章で読みたくなって。

    広島弁は未だに「仁義なき戦い」のイメージからか、言葉として強い印象があったけど、この作品の柔らかい広島弁が良かった。




    p. 80 美津江:あんときの広島では死ぬるんが自然で、生きのこるんが不自然なことやったんじゃ。そいじゃけえ、うちが生きとるんはおかしい。


    p. 106 美津江:おとったん、ありがとありました。

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    2025年08月24日
  • 「けんぽう」のおはなし

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    たまたま泊まった宿のロビーに置いてあった絵本。
    今、この時だからこそ心に響いた。
    憲法を守り、他の国と話し合いによる平和を目指し、ひとりひとりを大切にする国にしていこう、というメッセージがヒシヒシと伝わってくる。
    井上ひさしさんがご存命なら今のこの日本をどうおっしゃるだろう。
    こんな人にもっと長く生きていてほしかった。
    そして、今の日本を正しい道に導いてほしい。
    子ども達にも絶対読んでほしい、いや、大人にこそ読んでほしい絵本だ。

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    2025年08月03日
  • ふふふふ

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    井上ひさしのエッセイ集『ふふふふ』を読みました。
    井上ひさしの作品は、2年半くらい前に読んだ『一週間』以来なので久し振りですね。

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    苦笑 失笑 嘲笑 哄笑
    いっこうにまともにならない世間を、愛と渋みをもって最後まで見つめ続けた人気エッセイ第二弾!

    繰り返される戦争やテロ、政治家の失言、脅かされる平和憲法、ないがしろにされる農業……。
    いつの間にやら窮屈になった世の中を、時には嘆き、おおいに憤慨しつつ、それでも真剣に愛し、格闘してきた著者が遺した言葉の数々。
    ユーモアと、定評のある観察眼が随所に光る、今こそ読みたい徒然の身辺雑記第二弾。
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    2025年07月28日
  • 十二人の手紙

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    2020年、文庫本発行より40年たった井上ひさしの短編集が突如売れ始めた。中公文庫20年〜23年の売り上げでは、ベスト6に入る健闘ぶりだったという。調べると、ある書店員の作ったポップがキッカケであり、決してドラマ化や映画化がキッカケではないところに、この短編集が「本物」である証があるのではないか。

    連載されていたのは、戦後から32年経った1977年の頃。登場人物全員に、若者には高度成長期の光と影を投影し、年長者には戦後30年の復興の影を背負わせているのも上手い。

    ともかくも、手紙、手紙、手紙、手紙の数々「だけで」物語を創って仕舞う作者の手品のような手際を堪能するべし。勿論、時には公文書だけ

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    2025年07月08日
  • 十二人の手紙

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    ネタバレ

    キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱいの人生ドラマ。
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    プロローグ 悪魔
    葬送歌
    赤い手
    ペンフレンド
    第三十番善楽寺
    隣からの声


    シンデレラの死
    玉の輿
    里親
    泥と雪
    エピローグ 人質

    帯にあったどんでん返しの見本市に心底納得。役所の書類で物語が進む手法(赤い手)に驚き、(里親)のオチも、はっとしました。エピローグでは、前に戻って人物確認したり読書の楽しさを再確認しました!いつか再読するのでそっと本棚へ。
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    2025年05月19日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

    購入済み

    ちばてつやさんがおすすめされていて以前から気になってましたが、値引きになっていたので購入。いわさきちひろさんのやさしい挿絵に、タイトルにも子どもにやさしい解説、大人のための本のように感じました。

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    2025年04月09日
  • 十二人の手紙

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    ミステリー好きにも有名な作品らしいので手に取った

    手紙・書類だけで構成された連作短編集
    プロローグから引き込まれ、刮目した章も2つ3つあった

    叙述系とは異なるが、〇〇で構成されていた作品がベストかな
    まさに「やられた」読書体験

    全体的にやや時代がかった表現が散見されるので、いま読んだ評価だと星4かな

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    2025年04月08日
  • 新釈遠野物語

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    どの話にも民話らしい仄暗さや余韻がある。
    狐や河童だけでなく、『雉も鳴かずば撃たれまい』『岩魚の怪』などの大胆な翻案も。

    解説にもあったが、『遠野物語』にはない入れ子構造がとられているのも面白い。この本の語り手の「ぼく」と物語の語り手の「犬伏老人」との関係性がタテ軸になることで、単なる短編集ではない連続ドラマとしても楽しめる。

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    2025年03月15日
  • 井上ひさしの読書眼鏡

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    井上ひさしが、読売新聞に書いていた書評、および、米原万里と藤沢周平に関しての文章を1冊にまとめたもの。
    書評での本の選択が独特である。
    辞書・事典、大江健三郎の新刊。その他に紹介されているものは、新刊本はなく、発行からやや時間を経たものである。「情報天皇に達せず」「戦争・占領・講和」「第二幕(ニール・サイモン)」「冷泉家 時の絵巻」「医者 井戸を掘る」「日本現代演劇史昭和戦後編2」「プルートーンの火」「チラシで読む日本経済」「公共哲学」「伊能図」「憲兵だった父の遺したもの」「見たくない思想的現実を見る」「ウォーター 世界水戦争」「二十一世紀の遠景」「日本語の教室」「民主と愛国」「昭和天皇」「右

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    2025年03月10日
  • 十二人の手紙

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    初版を見たら1980年ということに驚いた。所々表現が古い感じはするけど、構成が面白くてどんどん読み進めた。特に、『赤い手』には驚いた。役所に提出する書類だけで、1人の女性の人生が物語のように感じられて面白かった。

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    2025年02月24日
  • 日本語教室

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    日本語を特別視せず、俯瞰的にどのような性質を持った言語であるかを、軽妙な語り口で講義してくれる一冊。母語は精神であると言い切り、日本語で言い表せることまで外来語でまかなうようになってしまうと、精神の衰退を引き起こすと喝破する。著者の井上ひさし氏の教養の深さが随所ににじみ出ていて舌を巻く。

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    2025年01月06日
  • 十二人の手紙

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    手紙で
    こんなに沢山の種類の短編
    面白かった。
    最後また 面白かった。
    今はLINE メールとかだけど
    手紙というツールで
    こんなに物語が出きるなんて凄いと思った

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    2025年01月05日