井上ひさしのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
井上ひさしの小説初読み。
十二人の手紙と言う作品を読もうと思っていたものの、積読すること
月日は立ち、ラジオ番組でこの小説のラジオドラマを拝聴したことがきっかけで、
小説を読みたいと思いつつも、なかなか入手できずじまい。
ようやく入手出来て読むことになりました。
フンと言う、まったく売れることがなく人里離れた場所で貧乏暮らしをする
小説家が書いた作品が、ある日突然売れたことで、担当者が、
お金やフン先生の好きな嗜好品を持ってきます。なんか裏があるのかと
勘ぐっていたところ、突如、小説原稿からブンという四次元の大泥棒
が現れ、三次元のフン先生の世界で泥棒を働き始めるという物語。
果たして、どう -
Posted by ブクログ
ネタバレ子供向けの遠野物語を読み民話や伝承の魅力を改めて感じ、評価の高かった井上ひさしの新釈を手に取る。丁寧に編まれた方9つの短編は最後までしっかり読者を楽しませてくれる。物語を読んだ、という深い満足感を味わえる一冊。
物語は入れ子構造式に展開しており、作中ではある老人が時に本家の遠野物語について触れながら彼の経験した不可思議な出来事が語られている。
読みすすめていくと時に沼地に足を踏み入れたような、狐につままれているような不思議な感覚に襲われるが、最終的には世界というのは本来こういうものかもしれない、、と妙に納得して全てをそのまま受け止めてしまえる。
物語の世界と自分の世界の境界が曖昧になって -
Posted by ブクログ
井上ひさしのエッセイ集『ふふふふ』を読みました。
井上ひさしの作品は、2年半くらい前に読んだ『一週間』以来なので久し振りですね。
-----story-------------
苦笑 失笑 嘲笑 哄笑
いっこうにまともにならない世間を、愛と渋みをもって最後まで見つめ続けた人気エッセイ第二弾!
繰り返される戦争やテロ、政治家の失言、脅かされる平和憲法、ないがしろにされる農業……。
いつの間にやら窮屈になった世の中を、時には嘆き、おおいに憤慨しつつ、それでも真剣に愛し、格闘してきた著者が遺した言葉の数々。
ユーモアと、定評のある観察眼が随所に光る、今こそ読みたい徒然の身辺雑記第二弾。
---- -
Posted by ブクログ
2020年、文庫本発行より40年たった井上ひさしの短編集が突如売れ始めた。中公文庫20年〜23年の売り上げでは、ベスト6に入る健闘ぶりだったという。調べると、ある書店員の作ったポップがキッカケであり、決してドラマ化や映画化がキッカケではないところに、この短編集が「本物」である証があるのではないか。
連載されていたのは、戦後から32年経った1977年の頃。登場人物全員に、若者には高度成長期の光と影を投影し、年長者には戦後30年の復興の影を背負わせているのも上手い。
ともかくも、手紙、手紙、手紙、手紙の数々「だけで」物語を創って仕舞う作者の手品のような手際を堪能するべし。勿論、時には公文書だけ -
Posted by ブクログ
ネタバレキャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱいの人生ドラマ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロローグ 悪魔
葬送歌
赤い手
ペンフレンド
第三十番善楽寺
隣からの声
鍵
桃
シンデレラの死
玉の輿
里親
泥と雪
エピローグ 人質
帯にあったどんでん返しの見本市に心底納得。役所の書類で物語が進む手法(赤い手)に驚き、(里親)のオチも、はっとしました。エピローグでは、前に戻って人物確認したり読書の楽しさを再確認しました!いつか再読するのでそっと本棚へ。
ーーーーーーーーーーー -
購入済み
ちばてつやさんがおすすめされていて以前から気になってましたが、値引きになっていたので購入。いわさきちひろさんのやさしい挿絵に、タイトルにも子どもにやさしい解説、大人のための本のように感じました。
-
Posted by ブクログ
井上ひさしが、読売新聞に書いていた書評、および、米原万里と藤沢周平に関しての文章を1冊にまとめたもの。
書評での本の選択が独特である。
辞書・事典、大江健三郎の新刊。その他に紹介されているものは、新刊本はなく、発行からやや時間を経たものである。「情報天皇に達せず」「戦争・占領・講和」「第二幕(ニール・サイモン)」「冷泉家 時の絵巻」「医者 井戸を掘る」「日本現代演劇史昭和戦後編2」「プルートーンの火」「チラシで読む日本経済」「公共哲学」「伊能図」「憲兵だった父の遺したもの」「見たくない思想的現実を見る」「ウォーター 世界水戦争」「二十一世紀の遠景」「日本語の教室」「民主と愛国」「昭和天皇」「右