井上ひさしのレビュー一覧

  • 新釈遠野物語

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    岩手旅行に行くので遠野物語を読もうと思い立った。中学生のころ、言葉遣いが難しく挫折した遠野物語。まずはライトなものを、と探していたら見つけた本書。オシラサマや河童の話を作家が煮詰めるとこうなるのか!と思った以上に面白い。
    著者は実際に釜石療養所で働いていたようで、それだからか、本当に語られている昔話のようなリアルさがあった。

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    2024年09月14日
  • P+D BOOKS 東京セブンローズ(下)

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    戦時中の話が興味深かった。代用コーヒーの質が下がって戦後に飲んだ純コーヒーの味をすごく噛み締めている様子が印象的だった。後は戦災で家をなくした人が貯金を下ろすときのシステムや床屋の様子など。
    旧字体が読みにくかった。かなを振って欲しかった。

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    2024年08月25日
  • 十二人の手紙

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    手紙というと近年は人情物の定番アイテムだが、本書は70年代の作品ということもあるのか、意外とサスペンス的なドンデン返しを主体とした構成となっている。
    電話やメール、SNSと、通信手段が格段に発達した現代から見ると随分まどろっこしい感じもするが、そこも含めて味わってほしい作品。

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    2024年08月15日
  • 十二人の手紙

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    手紙など書物媒体が使われた短編小説の傑作。
    そして小説特有のあざとさを極力排除した作品でもある。結末を違う形に脚色すればもっとドラマティックなストーリーが期待できるのをあえて素っ気なく終わらせる(もちろん意外な結末の作品もある)ことで、その演出により物足りなさよりも現実世界の有り様を淡々と提示する、人生ってこんなモノというリアリティ効果をもたらすことにも成功している。さらに、プロローグと呼応したラストの短編は各短編の主な登場人物たちが一堂に会するという趣向も素晴らしい。
    そして最後まで読んで、各短編でのあざとさの排除は、実はエピローグで出てくる登場人物たちのその後を示唆するためだったのがわかる

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    2024年07月26日
  • おれたちと大砲

    購入済み

    力まないで読みました

    うらやましいくらいの人々ののんきな暮らしと抱腹するような事件が連続していて肩の荷が下りました

    #シュール #カッコいい #憧れる

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    2024年06月08日
  • 下駄の上の卵 (新潮文庫)

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    軟式ボールを手に入れるため、山形の野球少年たちが東京行きを目指すという冒険譚。
    戦後まもない日本の実情が明るく豊かに活写されている。
    特に山形の少年たちの目を通して覗く、東京の闇市や孤児らの描写は衝撃的。
    一見重いテーマだが、作者お得意のユーモアが炸裂していて読んでてちっとも飽きない。
    間違いなく日本人にしか書けない小説で、こういう作品が後世に受け継がれなきゃいけないと思う。
    井筒和幸の解説も的確でよい。映画化の企画が立ち上がっていたものの流れたとのことだが、是非実現してもらいたい。

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    2024年05月01日
  • 十二人の手紙

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     全部の短編が手紙、もしくは書簡形式で書かれており、最初と最後で印象がガラリと変わるのが印象的だった。そして、プロローグとエピローグの仕掛けも見事だった。

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    2024年04月03日
  • 「けんぽう」のおはなし

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    ネタバレ

    実に分かりやすい!(大人にも)
    「国や政府は大きな力を持っています。国を治めている人たちがその力を利用して、好き勝手なことをしないように、私達国民が「憲法」という決まりを作って、歯止めをかけているのです。」
    総理大臣はじめ、政治家、検察、裁判官のみなさん知ってましたかー???
    子ども向けの絵本にもちゃんと書いてありますよー???
    最近おかしなことばかりニュースになってますけど、好き勝手やってませんよね?ね?
    子ども達のお手本ですもんね?ね?
    よろしく頼みますよ!!!!!

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    2024年01月20日
  • 十二人の手紙

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    全て手紙という形式の短編小説。
    前に書かれたもので時代を感じさせる描写が多いがそれがまた良い。
    淡々と物語が進むがそこから見えてくる人間模様が面白かった。

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    2023年12月18日
  • 言語小説集

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    言葉を巧みにあやつり、今までみたことのない小説が描かれていた。鉤括弧を擬人化した人はこの人がはじめてでないだろうか。小銭も擬人化したりと、擬人化の走りとも言えそう。また、梅毒におかされた男の身体を元に大戦模様を描くのも面白かった。すごいセンスの作者であった。

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    2023年12月18日
  • モッキンポット師の後始末

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    ▼中高生の頃、というと1980年代だったんですが。携帯以前、そして書籍界的には「BOOKOFF以前」だったあの頃、首都圏郊外の小さな「駅前本屋さん」の文庫本コーナーに文字通り日参していました。毎日買うわけではなく、毎日のように文庫本コーナーで、文庫本の「背表紙の紹介文」をとっかえひっかえ読む。割と毎日のように読む。当然ながら同じものを何度も読む。そうやって気になったものをやがて買う。同じような思い出がある人は、この世代には多いはず。

    ▼そんな時期によく井上ひさしさんを読んでいました。そして、この本はその頃からのお付き合いで、なんだけどなんとなくご縁がなく未読だったグループの一員。幾星霜を経て

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    2023年10月21日
  • 新釈遠野物語

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    遠野物語は柳田国男の原作に限る。現代語訳や京極夏彦が脚色したものも読んだが、正直つまらない。遠野物語の迫力は柳田の文体により作られたものといえよう。
    ただ、この新釈遠野物語は別物で、面白い。遠野物語の原作をそのまま使っているのではなく、材料をうまく戦後まもなくの時代に落とし込んでいる。遠野物語を読んだことのある人なら、ああ、あの話か、と分かる。このころまでは、柳田の遠野物語と地続きだったのだろう。

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    2023年10月09日
  • 父と暮せば

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    ネタバレ

    演劇も映画も通ったことがないのに、戯曲から入るのはアリなのか…?と思いながらも読み始めてみたら、やっぱり面白かった

    世界でたった2つ、原爆が落とされた地、広島と長崎
    今作は広島に住み、原爆ですべての身寄りを失った若い女性、美津江に焦点を当てている。

    美津江が親友・父を失った時の記憶を語る場面では、やはり原爆の本当の苦しみは経験した人にしかわからないのだろうなぁと、戦争を自分と遠いものにしてしまいそうになったが、恋に落ちてしまい葛藤する美津江と、そんな美津江を優しく見守りながらも応援する父・竹造の広島弁でのやりとりが温かく、物語に入り込むことができた。

    作者あとがきと解説にあるように、竹造

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    2024年01月26日
  • 下駄の上の卵 (新潮文庫)

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    戦後山形から東京に出て行った少年たちの冒険談。
    キセルにしても、東京でおこる様々な騙し騙され合いにしても、戦後の厳しい時代の中でみんなが必死に生きていたことのあらわれなのだろう。もちろん小説ではあるが、こういう時代の雰囲気がしっかりと残されているのは素晴らしい

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    2023年06月05日
  • 東慶寺花だより

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    離婚を望む女が駆け込む寺での様々な事情を描く短編連作集。駆け込み寺、三行半などの言葉は知っていてもこのような寺が実在することすら知らなかったので、これは作者の創作された設定かもと思うほどよくできている仕組みだなぁと。中盤くらいまでは面白く読み進めたが、後半は話の筋立てにやや無理があったりで長く感じるものもあった。主人公が医者の心得があり、小説を書くという設定かもを活かした章をもっと読みたかった。作中で書いた本は結局どうなったのだろうか。東慶寺とは関係なく主人公の話を読みたい気持ちになる。
    巻末の「東慶寺とは何だったのか」も中々興味深く読ませていただきました。やはり女性は働き者で強いですね。

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    2023年06月04日
  • 新釈遠野物語

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    日本の昔の生活や風習、考え方とか面白おかしく、そして水っぽく綴られていて面白かった。
    ふと思い出して、息抜きに読み返しそう

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    2023年04月25日
  • 一週間

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    井上ひさしの長篇小説『一週間』を読みました。
    『東慶寺花だより』、『モッキンポット師の後始末』、『イソップ株式会社』に続き、井上ひさしの作品です。

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    最後の長編小説。
    昭和21年、ハバロフスクの収容所。
    ある日本人捕虜の、いちばん長い一週間。
    『吉里吉里人』に比肩する面白さ!

    昭和21年早春、満洲の黒河で極東赤軍の捕虜となった小松修吉は、ハバロフスクの捕虜収容所に移送される。
    脱走に失敗した元軍医・入江一郎の手記をまとめるよう命じられた小松は、若き日のレーニンの手紙を入江から秘かに手に入れる。
    それは、レーニンの裏切りと革命の堕落を明らかにする

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    2022年11月20日
  • 東慶寺花だより

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    井上ひさしの連作時代小説『東慶寺花だより』を読みました。
    ここのところ、時代小説が続いています… 井上ひさしの作品は、6~7年前に読んだ『井上ひさしの日本語相談』以来なので久し振りですね。

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    江戸の離婚は現代の二倍?
    寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立する――。

    離婚をのぞみ、寺に駆け込む女たち。
    夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、そして人情の切なさ、温かさ。
    鎌倉の四季を背景にふっくらと描かれる、笑いと涙の傑作時代連作集。
    十年の歳月をかけて書きつむいだ感動の遺作。
    著者自身による特別講義を巻

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    2022年11月13日
  • 十二人の手紙

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     次々と現れる手紙たち。それぞれに何某の喜怒哀楽がこもっています。悲しいものが多かったような気がします。最終章でこれらの12通の手紙が大団円したのでしょうが、如何せん通勤でのちょい読みでの繋ぎ合わせなものでこの大団円がよくわからない…
    でも、井上ひさしさんはワタシのお楽しみの一人です。これからもよろしくお願いします。

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    2026年06月01日
  • 父と暮せば

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    ネタバレ

    戦争で自分だけが生き残ってしまった娘の心中の葛藤が綺麗に文章によって著されていた。一人二役だが、そうに見えない。麦湯のシーンなど所々に垣間見える、父がこの世に居ないと表現する描写がとても良かった。
    1人の娘としての幸せをつかみたいという希望が、父となって現れ、罪悪感に苦しむ娘を幸せに導いていく。しかし、最終的には父が娘との最期の別れのシーンをを語った。死者しか持ち得ない記憶を娘と語るこのシーンから、父は唯の娘の願望の擬人化ではなく、あの日原爆で亡くなった人々の思い出を含んでいたことが分かった。
    原爆の苦しみ、取り残されたものの葛藤、死者との別れ様々な物が取り込まれ最後に綺麗に纏まって終わってい

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    2022年06月14日