【感想・ネタバレ】P+D BOOKS 東京セブンローズ(下)のレビュー

あらすじ

日本語の危機に立ち上がった“七人の名花”。

東京・根津の元団扇屋の主人・山中信介は戦時中、無実の罪で特高に捕らえられ、刑務所で終戦を迎えた。久々に自宅に戻ってみると、同居していた5人の女性に加えて2人の娘までも、GHQの将校たちに囲われてしまっていた。
さらに、GHQによる「日本語のローマ字化計画」を知った信介は怒り心頭に発し、なんとか阻止しようとするが、逆に捕まってしまって……。
「それでも日本人から漢字や假名を取り上げようだなんてあんまりぢゃないかしら」――。
家族や家を失い、プライドもズタズタにされた日本人のなかから、七人の名花・東京セブンローズが立ち上がる。
第47回菊池寛賞を受賞した名作長編の完結編。

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Posted by ブクログ

 分厚い単行本を一日に12頁ずつiPadで撮影して、通勤電車での読書の友にしていました。
 戦時中そして戦後すぐの日本の首都東京の様子が描かれていて、当時の社会や家庭の様子、日本人の考え方や考え方の変化をありありと思い浮かべることができました。井上ひさしさんの「日本語」に対する思い、こうあるべきという方向性がうかがえてこの数週間は本当に楽しい通勤でした。古い漢字や古い言い回しもたくさんありましたがそれにも直ぐに慣れて読み進めることができました。
 作中の女性たちの逞しさや日本と日本語を思う心の美しさ、それと終章での大どんでん返しがこの作品の読みどころです。

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2021年12月24日

Posted by ブクログ

戦時中の話が興味深かった。代用コーヒーの質が下がって戦後に飲んだ純コーヒーの味をすごく噛み締めている様子が印象的だった。後は戦災で家をなくした人が貯金を下ろすときのシステムや床屋の様子など。
旧字体が読みにくかった。かなを振って欲しかった。

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2024年08月25日

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