あらすじ
愛しき町の息吹を描き出す「私」の東京物語少年の日の熱い感動とレギュラ-9人のその後の人生を語る「ナイン」、よりを戻す男女の話を盗みぎきする話「太郎と花子」など街に生きる歓びをうたう短篇連作集。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
著者自身の目線で日常を描いた短編集。『春休み』は幼い兄弟の家出の背景が、『新宿まで』は東京の都営バス車内でのやりとりが、そして『握手』では孤児院の修道士との最後の会食の場面が鮮明に浮かんでそれぞれ胸に迫るものがありました。
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短編集。
掌編=手のひらにのるような、話もあれば、深く余韻を残す作品もある。
人生とか、優しさとか、そんなイメージが浮かび上がってきます。
「新宿まで」、「会話」、「握手」が印象に残りました。あと、おじいちゃんたちの話や、ちょっとしたことで運命が変わってしまう話も。
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「ナイン」が教科書に載っていたこともあり気になって読んでみました。
中学の時に「握手」を読んだ記憶がよみがえりました。
少しずつ繋がっている感じが面白かったです。
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知り合いに貸すと、「教科書に載ってたよね」と言われました。
そうだっけ?
井上ひさしの中ではかなり読みやすい1冊。
「ブンとフン」「吉里吉里人」もオススメ
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光村3年教科書に載ってる握手を含む短編集。握手以外は雑談っぽいエッセイだが、何故か握手だけ突出して文学的。教科書の編集者、よくこれ見つけてきたな。仕種から感情を読み取るにはもってこいの題材だ。
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タイトルに騙されて、小学生の息子に勧めてしまった、初井上ひさし。難しくて分からないというので読んでみたら、いきなり「太郎と花子」だもんなぁ 笑
東京の下町の固有名詞は田舎者には分からなかったけど、やっぱり人間を見る目が面白くて、楽しく読んだ。飄々としてるんだけど、最後の一編にグッときた。
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こんなに読み終わるのに時間がかかった本は久しぶりだった。2週間かけてやっと読み終わったが、字の小ささに驚いたし文体が多分自分に合っていなかったんだと思う。
教科書に「握手」が載っていたので、その続きでも読めるのかな〜と軽い気持ちで読んだが教科書とほぼ終わり方が一緒でガッカリした。しかし、それに引き換えと言っていいのか分からないが他にもたくさん読み応えのある短編集があった。今の時代でいう「良い小説」って感じではなくて、最後の1文でちょっと考えさせられるような、物語の最後を読者に創らせるスタンスが良いな〜と感じた。
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東京が舞台の16篇の短篇小説を収録。1987年刊。
表題作の「ナイン」は、中学の野球部でキャプテンだった正太郎が大人になって周りに迷惑をかけるも、元チームメイトたちが彼を庇うという話。夏の日差しに影を作ってくれた優しいキャプテンだったからこそ、みんなで支えようとしていた。昭和な街並みの風景がどこか懐かしい。
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最も印象に残ったのは、タイトルにもなっている「ナイン」だった。幼い頃に感じた大きな大きな信頼は、あの頃から多くの時間が過ぎ去り大人になっても揺るがない。決して色褪せることのない当時の気持ちと光景。それはとても尊いことのように感じた。
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子供の夏休み読書感想文で指定されていた本です。読んでみてびっくり。思いっきりR18指定って感じの展開が随所に。表現は直接的でないものの、それを暗示する場面があちらこちらに登場。これで良いのか?と思わせられました。安心できるはなしは後半に多く、「新宿まで」、「会食」、そして感謝一杯の「握手」は良かったです。表題作の「ナイン」も良かったな。あとは大人のはなしですよね。「太郎と花子」なんて、まったくの下ねたコントだし、「傷」もやばかったな。
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『吉里吉里人』を昔読んでおもしろかったので購読。野球チームのナインのその後をえがく短編集。
そこはかとなく昭和の空気が漂いほっとする。特に『握手』は教科書に載った作品だそうでじんわりやられる。
Posted by ブクログ
購入したのは3年くらい前だから、実際には再読。
全てフィクションだと思うのだが、まるで私小説であるかのように思わせる。
短編集であり、いくつかの作品は中・高等学校の国語の教科書に採用されている。
じんわりする心暖まる話もあれば、世の中の世知辛さを感じずにはいられない話もある。
きっと舞台は昭和30~40年代だろう。
実際にはまだ生まれていないが、昭和ののんびりした、古きよき時代を感じさせてくれる一冊である。
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懐しい町の匂いを求めて、私はときどき駅を降りてみる。四谷しんみち通り、20年前の野球少年たちはどうしているだろう。ぷーんと木の香をさせていた職人のおじさんは元気にしてるだろうか。バスの窓から見る風景も、雑踏の中で垣間見るドラマも、東京の町はすべて通りすがりの私の胸に熱く迫ってくる。