井上ひさしのレビュー一覧

  • 言語小説集

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    2015.3.9 車校にて
    テンポよく読めて楽しい。あまり深く考えずに読んだ。方言すご。著者のことばや言語に対するアンテナの広さを感じた。広くないと、こんなの絶対書けない。私のパソコンは、「 さんと 」さんが一緒に出てきてくれないので、辞書登録して一緒に出るようにしようかな(笑)

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    2015年03月09日
  • 吉里吉里人(上)

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    ネタバレ

    日本からの分離独立を宣言した、東北のとある村、吉里吉里。ちょうどそこを走っていた電車に乗っていた古橋は他の乗客らと共に不法入国で捕らえられ…。

    東北の言葉を文字にしたものを読むことが今までなかったので、すごく面白かった。吉里吉里語の解説本の章は特に。主人公はしょうもないキャラクターだし、話の寄り道も多い。作者の遊び心が満載。

    面白いんだけど読むのにだいぶ時間がかかってしまった。あと2冊あるので、最後まで気持ちを保てるか?!

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    2015年02月21日
  • 言語小説集

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    バラエティ豊かな短編集。
    特に好きなのは以下の2編。
    鉤括弧(「」)がなかなか出てこなくなったら、それは恋愛中だからかも…?→「括弧の恋」
    本屋さんで肩身が狭くなっていく本達の我慢も限界に。ビデオ達との合戦が始まる!→「決戦ホンダ書店」
    他にも散り散りになった小銭一家を追う「親銭子銭」など、人間以外が大活躍するお話が楽しい。
    逆に人間達は耳鳴りや言い損ないの病にかかって苦しんでいる。
    まるで言葉達の逆襲。
    そう考えるとかなり怖い小説かもしれません。

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    2015年01月28日
  • 日本語教室

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    日本語のルーツや使われかたについて。
    言葉は未完成で、ほかの国の影響もうけている。
    日本語を知るために他の言語をまなぶという考え方になるほどとなった。
    C0281

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    2015年01月02日
  • 言語小説集

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    大きくグループ分けして、
    言葉を話す物や概念(要は擬人化)の話と、
    文法や方言、いい間違いといった言語そのものを題材にした話を集めた短編集。

    下ネタが多々見られるので
    万人受けはし難いかもしれないが、
    擬人化のほうは可愛らしくて面白い。
    「決戦ホンダ書店」は書籍&ビデオ版
    トイストーリーのよう。

    言語そのものを題材にした話は
    重くて恐ろしいのが多い。
    作者の原体験がベースなのかと勘ぐってしまう。

    皮肉の利かせ方や発想は
    筒井康隆の短編集に良く似ていたな、
    という印象。

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    2014年12月07日
  • 新釈遠野物語

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    〈メモ〉とても上手く出来ている。
    切なくなる物語もちらほら。
    「遠野物語」を物語化・立体化し、ユーモアを加えた作品。解説が良い。
    また読みたい。特に解説。

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    2014年11月09日
  • 吉里吉里人(下)

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    上中下と読み進めていくうちに、さえなすぎるおっさん主人公・古橋と吉里吉里国の未来を本気で応援してしまっていたので、ラストが残念すぎた。記録係(わたし)の独白?種明かし?で終わらせる構成はかっこいいんだけど、この時代のラストとしてはちょっと残念な。それと、まだ映画化されてないから、園子温が映画化すればいいと思ったんだけれども。『地獄でなぜ悪い』思い出したんですよね、ラストの印象として。
    それにしても、読者の時間と作中時間を一致させた実験小説的な手法だったとしても、やっぱちょっと長過ぎるよと、ため息ひとつ。達成感というよりも「やれやれ」といった感。このタイミングじゃないと一生読めなかったと思うので

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    2014年09月01日
  • 不忠臣蔵

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    赤穂浪士ってそんなに立派なことだったのか?を改めて考えるような連作短編集でした。
    浪士の人達は満足したんだろうけど、不参加の人達がそんなにおとしめられる必要は無いんじゃないかなと考えちゃいますね。
    全体的に悲劇が多いのが残念。もう少しハッピーエンドがあっても良かったかな。

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    2014年07月13日
  • ふふふ

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    【言葉の双六】

    振れば振るほど沢山の言葉が現れる不思議な賽子で夜な夜な双六。

    戦後から今までをリアルに語れるやはり奇才。

    経歴をみれば納得の天才である。

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    2014年06月26日
  • 吉里吉里人(中)

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    下のネタも割合多く、学生時代にはたぶん読めずに途中放棄しただろうと思う。
    読んだのが「今」でよかった。

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    2014年06月22日
  • 黄金の騎士団(下)

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    実は、早老症の天才少年を核とする少年だけの投資家集団だった“黄金の騎士団”。彼らの目的は、莫大な資金を元に、子どもが自治するユートピアをつくることだった。ところが、シカゴ市場で快進撃を続ける“騎士団”の前に、世界的な大財閥オッペンハイマー家の総帥が立ちはだかる。未完の痛快経済小説!

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    2014年06月16日
  • 黄金の騎士団(上)

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    地上げの脅威に晒される、四谷の孤児院「若葉ホーム」。肩を寄せ合って暮らす6人の少年たちの元に、ある時から“黄金の騎士団”と名乗る謎の人物名義の生活資金が届けられる。認知症で徘徊癖のある院長先生に代わって、目付け役になったホームのOB外堀公一は、“騎士団”の驚くべき正体を突き止める!?

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    2014年06月16日
  • 一週間

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    ネタバレ

    書評などでさかんに引用されている「レーニンの手紙」は物語の半ばにならないと出てこない。しかしそれまでだって(いやむしろそれまでが)十分に面白い。シベリヤの厳しい寒さのリアリティ、旧日本軍の上下関係をそのまま持ち込んだ収容所の理不尽さや、戦陣訓を国際法に優先させて部下の待遇をソ連任せにする関東軍トップへの痛烈な批判、戦前の地下共産党伝説のスパイMの行方など、夢中で読ませる。さあそれらが後半でどう本筋に絡まっていくのか、という期待は、しかし残念ながらやや未消化のまま終わってしまう感がある。それでも悪役含め人間存在に対する著者の暖かいまなざしがいたるところユーモア溢れる描写に現れていて、プロットを読

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    2014年03月01日
  • 黄金の騎士団(上)

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    孤児院で育った主人公が就職したばかりの会社(新人研修中)から脱出、うまれ育った孤児院に帰るが傾いた孤児院に謎の寄付金が舞い込みドタバタの展開へ…

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    2014年02月08日
  • 自家製 文章読本

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    2013/11/17
    文章の書き方を学びたくて手にとった。流石にいきなりこの内容は理解できなかったが、途中で投げ出さずに最後まで読めたのでよみやすかったのかな。またいつか読みなおしたい。

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    2013年11月17日
  • ブンとフン

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    ネタバレ

    貧乏作家のフン先生の小説から主人公のブンが現実世界に抜け出して大騒動を繰り広げる。

    「どうせ盗むなら、人間の一番大切なものを盗んでやろうと思ったんです。」
    「ほう、そりゃなにかね」
    「権威です。人を思いのままに動かすことのできる、あるもの。
     お金も出世もホコリも、努力もよい行いも、なにもかもみんな、権威、力をもつための手段にすぎないんです」
    「でもねェ、ブン、もしそうだとしても、権威をもつことがなぜいかん?」
    「人間の目がくもりますもの。権威をもつと、人は、愛や、やさしさや、正しいことがなにかを、忘れてしまうんです。
     そして、いったん、権威を手に入れてしまうと、
    それを守るために、ど

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    2013年11月14日
  • 四十一番の少年

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    三つの短編どれもが、孤児院に身を置く子供の話。井上ひさし自身が孤児院の出身なので内容にはリアルな部分も含まれていたと思われる。全ての場面に物悲しい子どもの強さがある。

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    2013年11月14日
  • ナイン

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    子供の夏休み読書感想文で指定されていた本です。読んでみてびっくり。思いっきりR18指定って感じの展開が随所に。表現は直接的でないものの、それを暗示する場面があちらこちらに登場。これで良いのか?と思わせられました。安心できるはなしは後半に多く、「新宿まで」、「会食」、そして感謝一杯の「握手」は良かったです。表題作の「ナイン」も良かったな。あとは大人のはなしですよね。「太郎と花子」なんて、まったくの下ねたコントだし、「傷」もやばかったな。

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    2013年09月02日
  • 吉里吉里人(中)

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    まったくめちゃくちゃの話だ。
    話の流れがあべこべだ。

    でたらめの中で時折見せる毒や風刺が凄い。

    この先どーこの話は進むのだろう。

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    2013年08月18日
  • 吉里吉里人(上)

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    ある村が日本から独立し一つの国家となる。
    ハチャメチャな設定です。

    それにしても、この人の話は独特です。文脈から余分なものを削ぎ落としていったものを鋭い文章と言いますかが、この小説はその逆。
    文脈に余分なものをどんどんつけることにより、それが独特のリズムを呼ぶ。

    日本刀の鋭さはないもののの、鈍器のように破壊力は抜群。

    いつの間にか引き込まれます。

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    2013年08月15日