井上ひさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
井上ひさしの博識と問題の切り口、設定の仕方の巧みさにただただ脱帽だった。
本書を著したのが1985年と自分が生まれる前年にも拘わらずテーマとしている問題意識が全く古めかしく思えない。
期せずして安保関連法が物議を醸した正に同じタイミングで読んだことで井上ひさしの訴えようとしている課題の一端を強く共有することが出来たと思う。
個別には特効薬、特に虫歯(および歯医者)に関する論点が素敵だった。
虫歯の特効薬が発明される。
すると「全世界の歯科医師や歯科技工士が失業しますよ。残るのはごく一部の、美容師まがいの歯科医師。つまり細々と派の手入れをさせてもらうしかなくなります。歯科用の医療機器商も潰れま -
Posted by ブクログ
上中下と読み進めていくうちに、さえなすぎるおっさん主人公・古橋と吉里吉里国の未来を本気で応援してしまっていたので、ラストが残念すぎた。記録係(わたし)の独白?種明かし?で終わらせる構成はかっこいいんだけど、この時代のラストとしてはちょっと残念な。それと、まだ映画化されてないから、園子温が映画化すればいいと思ったんだけれども。『地獄でなぜ悪い』思い出したんですよね、ラストの印象として。
それにしても、読者の時間と作中時間を一致させた実験小説的な手法だったとしても、やっぱちょっと長過ぎるよと、ため息ひとつ。達成感というよりも「やれやれ」といった感。このタイミングじゃないと一生読めなかったと思うので