新井素子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本屋さんでおすすめされていたこととSNSで見かけて気になったので購入。
くますけというぬいぐるみに悪霊が取り憑いていて不可解な出来事が起こるのかと思いきや…くますけというぬいぐるみといつも一緒の成美。両親を交通事故で亡くし、母の友人に引き取られてその生活風景が記されている。成美の心情や家族の関わり方への苦労が記されておりホラー面だけでなく、家族愛の面も見られる。
成美にとってくますけは唯一の支えであり、家庭環境が複雑だった為、現実からの逃避になっていたのではないかなと思った。
最終章では驚かされたが、結末がはっきりしていてとても面白かった。
あとがきも著者の好みやプライベートが分かって親 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店で推されているのを見て気になって購入。「ぬいぐるみ」と「ホラー」って要素としてはなにかが"ありそう"な感じがする。ぬいぐるみとお話しする子どもが異端扱いされてるのは、今の時代ならスルーされるけど当時はそうだよなあと思いながら読みました。でも時代が変わっても変わらない部分がたくさんあり、楽しく読めました。子どもが親を嫌うことがそんなに難しい?と思うだろうけど、難しいよね。だって生活を握ってるのは親なわけだから反抗したら命に関わる問題だもの。裕子さんがいてくれてよかった。成美ちゃんが新しい場所でしあわせになってくれてうれしい。
くますけはただのぬいぐるみだよ、って終わるのか -
Posted by ブクログ
ネタバレぬいぐるみ好きにこそ読んで欲しい作品でした。
これをホラーと言ってしまって良いのか??と疑問がありますが、本人がそういうならそうなのかと思います。
ただ、内容は本当に良かったです。
ラストに号泣しました。
裕子や晃一に年が近いからか、とても感情移入して読んでしまいました。
特に晃一が良かったです。
裕子のために成美を引き取ることを許し、
友達に愚痴をこぼすほど成美を愛せる自信がなかった彼が、最後にがむしゃらに成美を心の底から心配して探し回る姿に、
そして見つけたことで安堵し、想いを飾ることなしにぶつけた姿に胸が打たれました。
エンディングはいらない派ではあるのですが、
あとがきでキングが好 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ最愛の夫の過労死を心配しすぎるあまりに、ちょっとづつ、でも確実に壊れていく専業主婦のみっちゃんのお話。
だいぶ前に読んでいて、新装幀が素敵でまた買っちゃった。秀逸。
みっちゃんの行動や思考がとんでもなくて怖いんだけど、最終的に失踪するという決断の、そこにいたる理由が、春さんが大好きだから、それを失う恐怖に耐えられないっていう。
正直、当時はイマイチ実感できなかったんだが(今も旦那では実感できないが)対象が「子ども」で、それを失うという事を考えたら、それはそれは恐ろしい。
考えるのをやめないと発狂しちゃうのはわかる。
で、思考(というか想像だね)を止められなければ、それが二倍になったら耐えられ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ新井素子が高校生でデビューしたとき私は中学生で、それからずっと追いかけてきた。
もちろん同じ距離感というわけにはいかないけれど。
彼女が結婚式を挙げるまでのあれこれを『結婚物語』で書いたとき、つまり結婚してそれなりに落ち着いてから書き、出版されて私の手元に届くまでのタイムラグが、ちょうど私の結婚のリアルタイムに寄ってきた。
「これ、私のために書かれた本?」ってな大いなる勘違いにより、このシリーズは私にとって特別なものになって現在に至る。
本当は退職した直後に読めばよかったのかもしれないけれど、買ってから結構積んでしまった。
満を持して読み始めたら、「やっぱこれ、私のための本だった~!」
定 -
匿名
ネタバレ 購入済み男性として生きていたのに、思春期になって実は仮性半陰陽ということが分かり、そこから女性として生きることになってしまった、という設定の主人公。
そのせいで人生に、というか、男性にも女性にも幻滅して「死んでいるようなものだ」と思いながら生きていたのが「死んでしまった」上に二人の男性に「食べられて」しまったので、二人に右半身と左半身ずつの幽霊として取り付いて・・・という、なかなか斬新な発想のお話。
人生について、「どっかちょっと喜劇」とか、人間について「優しくて、みえっぱりで、ちょっと莫迦で、いじらしくて、健気な連中」とかが印象的でした。
大学生の頃に読んだはずだったんですが、本棚になくて、再購入