あらすじ
昨日、女子大生の圭子は最愛の恋人・朗から、突然の別れを告げられた。自分は癌にかかっていて余命いくばくもない、というのだ。茫然自失する彼女の耳に、同時にこんなニュースもとどく。“1週間後、地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない”。――圭子は決意した。もういちどだけ、別れていった朗に会いに行こう。そして練馬の家から、彼の住む鎌倉をめざし、彼女は徒歩で旅をはじめたのだった。道中で圭子が出会う4人の物語を織りこんで紡がれる名作破滅SF。――来週、地球が滅びるとしたら、あなたはどうやって過ごしますか?/解説=東浩紀
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Posted by ブクログ
大好きな作品。
むかーしに読んで、また読みたいなとずっと思っていて。久々の再読。
こんなに口語体だったっけ?
昔、読んだ時はこんなに違和感なく読んでいたんだなと感じる。
読んでいて辛くなる場面も多いけど、結末に報われる。
もし、現実になったら…と想像してみる。
私はどうするんだろう?
当たり前の事なんてない。日々の生活すべてに感謝だ。後悔しないように今、やりたい事をやらなくちゃ。と思わせてくれる。
…けど、そう思ってもすぐに忘れちゃうんだけど…
Posted by ブクログ
「滅びの前のシャングリラ」の対談で知ってから読みたいと思ってました。
古い本だから本屋では見つからないかなーと思ってたら、重版かかったみたいでよかった。
ストーリーは無理よりの無理だろ、みたいなとこあるけど、大事なのはそこではない。
独特の文体が苦手でなければ、ぜひ読んでください。
Posted by ブクログ
初めて読んだのは40年近く前ですが、何年経っても何度読んでも大好きな作品です。
あまりにこの本が好きすぎて、練馬から本と同じルートで鎌倉に連れて行ってもらったことがあるくらいです。バイクではなく車ででしたけど。
SFかと問われると返答に困りますが、ラブストーリーとしても人間ドラマとしてもおすすめできる本です。
Posted by ブクログ
No.898
1. 目的
ビブリオバトルで紹介されていた1冊。
2. 得たこと
「セカイ系」というSFジャンル。ディストピアを背景に、究極のシチュエーションで入り組む人間関係の描写に引き込まれました。
3. アイデア
新井素子さんの他の本を読んでみよう。
Posted by ブクログ
一週間後に地球ごと、すべてがなくなってしまうなら、あなたはどうする?
私は・・・・・
自分の価値観を改めて問い質してみた。
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新井素子の本はこの話が初めてだったのだけど、文がとてもきれいだな~と思った。
当時にしてみたら、新井素子はかなりセンセーショナルだったみたいだけれど、今の私が見ると、現代のものよりもかなり言葉がきれい。
他の本も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
カニバリズム、殺人、パーソナリティー障害、、、いろんな女たちが狂う様子が詰め込まれてるけど、印象的すぎて何回も読み返しちゃうんだよなー。
一個一個が際立ってて新井素子のいろんな女を描く才能がわかりすぎる。
Posted by ブクログ
ぞくっ。日常という仮面に、亀裂が走る。どこか、とっても基本的なところで、くいちがっている世界。
あと六日で地球が亡びる。非常に、非現実的な世界。
回避不可能な隕石衝突で地球終了となったら私ならどう過ごす…?ずっと本を読んでるかな、、
いや未知の領域。どうなるかわからないかな…
外は危険だから出て行きたくないか。もう人間じゃない、どうせ終わるんだからって理性吹っ飛んだ輩が横行してそうで…
久々の再読
チャイニーズスープのくだりが衝撃すぎてそこだけ憶えてた…
それは序の口にしか過ぎずで、、、
改めて読んでラストに感極まり泣いた。
終末ものは創作意欲掻き立てられるのか
あげたらキリがないくらいある中、頭ひとつ抜けての永久不滅の名作だと思った。
人はどうせ死ぬ。それでも生きる意味はあるのかのひとつの答えがここに…
ちょっと文体が80年代というか、この頃の女子って、特に同人誌とかの作者近況とか、だいたいこんな感じでした。。
Posted by ブクログ
最初は文体が苦手かも
って思ったけど、おもしろくて一気見した
これを20歳で書いたのすごい
1週間後に地球が滅びる
ってなって、どんどん狂っていく世界
狂った方が楽やけど、
ひとめあなたに会うために走った主人公。
人間っていずれ死ぬのに何のために産まれたんやろう
もし1週間後死ぬってなったらどうするやろう
と考えながら読んだ
恭子の頭の中がごちゃごちゃして
自分でもどうしたいのか分からなくなるところ
なんとなく共感できた
私も女やったんやなって思った
Posted by ブクログ
SF作品はほとんど読んだことないので新鮮な気持ち。
言葉遣い(話し方)も風変わりで、印象的。
終わり方が好きだった。
恐怖する表現が多々あった。狂っている人達を、怖いもの見たさに読み進めていた所もある。
一晩経って、★5かもって思ったから、その気持ちを分析してみた。
苦しい思いをかかえた本能的な行動が書かれている本は、自分自身も同じように揺さぶられてしまう。同じ行動をする可能性があるのが怖くなる。そんな気持ちを抑え、隠したくなる。
だから少し疲れてしまって、★4だったのだろう。
そのまま★4にしておく。
Posted by ブクログ
子どもの頃、母が持っていたこの本を読んだ時から衝撃が忘れられない。バラバラ殺人のニュースを見たり、カニバリズムの話を聞いたりするたびに思い出す。
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
地球滅亡の話だが、この本はSF的な大きな行動はなく、皆が死ぬとき一人一人の人間はどんな行動を取るんだろうというもの。
死を目の前にして人が狂う様を色々な観点から描かれていて変わった本だなあと感じた。
文体も特徴的で、しかし読みやすかった。
すべての人の話を見てきて、圭子がその人たちを見て感じたことや、彼氏の朗への愛と、朗との会話が最終章で描かれるが、美しく深い愛を感じた。
Posted by ブクログ
女子大生の圭子は、恋人・朗から突然の別れを告げられた。自分は癌にかかって余命いくばくもない、と言うのだ。翌日、こんなニュースが届く。「一週間後、地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない」圭子は決意した。最後にもう一度、朗に会いに行こう。練馬の家から、彼の住む鎌倉を目指し、彼女は徒歩で旅をはじめた。道中での4人の女性との出会いを経て鎌倉にたどり着いた圭子は、何を思うのだろうか
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また読み返してみたい
Posted by ブクログ
終始口語調で書かれた文体で、知らず知らずと自分が主人公になった気分に。
圭子のストーリーをベースに、うごめきあう愛と、人間の歪んだ何か。。
各登場人物が全て女性なのは、女性ならではの、得体の知れない想い、神秘的なこと、人を好きになるというシンプルなこと、を著者が日々感じていたからじゃないかなぁと思った。著者の中にある感情の縮図。
私は地球最後の一週間、好きな食べ物食べて、好きな人に会ってありがとう大好きと伝えたいなぁとぼんやり思った。
Posted by ブクログ
1週間後、隕石衝突により地球が滅びる。圭子は病気を理由に別れを切り出した彼に会いに練馬から鎌倉へ向かう。
出だしのエピソード「チャイニーズスープ」がショッキング。他のエピソードに出てくる人たちも狂気をはらんでいて怖い。
狂気を目の当たりにし、狂気と正気の狭間で揺れながらも目的に向かって進んでいく圭子を応援。圭子の想いがにじみでるラストが素敵。
Posted by ブクログ
宇宙魚顛末記、という話の滅びてしまう方の地球のお話。
恋人が不治の病で、気まずくなってしまったものの、地球が滅亡してしまう為、みんなが平等に死んでしまう事態になった為、遠いし道中も危険だけれども会いにいき、その道中で通り過ぎる人たちのちょっとインパクトの強いオムニバスストーリー。
勉強することで親に復習をする少女は、地球がなくなっても勉強し続ける。怖い。
妻の鏡のような貞淑な女性が浮気相手のところに行こうとする夫をシチューにしていまう。怖い。
辛すぎる現実の前に、夢の世界に閉じこもる少女の話も切ない。
未来が閉ざされるときに、今、大切なものが何かを狂気と絡めて強く突き付けられる。主人公が比較的まともで、救いのあるラストで読後感は悪くない。
Posted by ブクログ
不治の病にかかった恋人に振られた圭子は、
一週間後に隕石が衝突し人類は滅亡することを知り、
練馬から鎌倉の恋人宅まで歩いて向かうことを決意する。
圭子が元恋人と再会するときに着る服とハイヒールだけを持って出発したときは、道中に出会うあれこれのお話かと思った。
が、章が変わると、人形のように主体性のない妻が夫を殺して解体し、夫の肉を使って料理をしはじめるすごい展開。
圭子が交錯した人類滅亡を迎える4人の女の話が、圭子の道中に挿入される形。
圭子は主人公というほどに物語の大きな役割は背負っていない。
彼女はひたすら恋人に会いたい一心で前進する。
途中でバイクに乗って一気に鎌倉へ着いてしまうし大きなアクシデントにはほとんど合わない。
ただただ鎌倉を目指す。
各挿話の主人公達は、パニックになりその衝動が外へ向かう、というありがちな図式ではなく、それぞれに事実を受け入れて進んでいくのが新しい。
コテコテの新井素子作品であるから、文体がキライ、合わない、という気持ちもよくわかるけれど、やはり新井素子は天才だなと思う。
1981年に刊行された作品の改訂版。
二十歳のとき書いたなんてね。
『チグリスとユーフラテス』といい、何て嗅覚の鋭い人なんだろうと感心する。
Posted by ブクログ
欠けた自分の半身が、ひとめ会いたいあの人だというのは、愛おしいなと思った。
狂気と正気の境界線というのは私が常々考え、悩まされている事でもあるので、深く印象に残りました。
地球が滅亡すると知った時、私も会いたい人に会いに行くのだと思う。
その時は好きな音楽を持って行けたら良いな。
Posted by ブクログ
新井素子の長篇SF作品『ひとめあなたに…(英題:Glimpse Of You)』を読みました。
新井素子の作品は5月に読んだ『グリーン・レクイエム』以来ですね。
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女子大生の圭子は、最愛の恋人・朗から突然の別れを告げられる。自分は癌で余命いくばくもないのだ、と。
茫然自失する圭子の耳に、さらにこんな報道が──「地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない」。
圭子は決意した。
もう一度だけ、朗に会いに行こう。
練馬から鎌倉をめざし、徒歩で旅に出た彼女が遭遇する4つの物語。
……来週、地球が滅びるとしたら、あなたはどうやって過ごしますか?
著者を代表する破滅SF。
解説=東浩紀
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1981年(昭和56年)に刊行された作品です。
■練馬 圭子――出発
■世田谷 由利子――あなたの為に チャイニーズスープ
■練馬――世田谷 圭子
■目黒 真理――走る少女
■世田谷――目黒 圭子
■新横浜 智子――夢を見たのはどちらでしょう
■目黒――新横浜 圭子
■西鎌倉 恭子――聖母像
■新横浜――西鎌倉 圭子
■西鎌倉――そして湘南 圭子――ひとめあなたに……
■あとがき
■解説 新井さんがくれたもの 東浩紀
これは地球さんの余命いくばくもない、最後の1週間の出来事……朗、あたしの恋人、、、
やっと見つけた……あたしの半分……あたしと同じ感性を持ったひと……あたしの、アダム。
だが最近、朗の様子がおかしい……こんな、ヘビの生殺しの状態、我慢できない、、、
あたし、断固、意を決した……朗の家は鎌倉、うち、江古田。
地球滅亡の混乱のなか、正気と狂気、現実と非現実の長い旅が始まる……そして、やっと朗に会えた時、、、
超ベストセラー作家・新井素子が放つ長篇SFロマン。
地球の滅亡まで残り1週間……という非日常的な設定の中で、恋人に会いたいという日常的な目的を果そうと主人公の女子大生・圭子が、練馬から鎌倉まで歩こうとする、、、
その旅(移動?)の中での出会い、別れ、再会……そして狂気、SF的な設定がありつつも、登場人物たちの日常や、彼らが抱える悩み、喜びといったものが現実的に描かれているのが特徴かな。
奇抜な設定や派手なアクションはなく、非日常的な舞台の中で、登場人物たちがごくごく日常的な感情を抱き、日常的な行動をする姿が描かれ、ギャップがあるはずの非日常と日常を絶妙に融合させることにより、独特の雰囲気を醸し出してるな……と感じました、、、
ちょっと残念だったのは……一部の場面において残虐なシーンが含まれていること、女性の登場人物が多いことで、やや感情移入し難かった点かな。
Posted by ブクログ
いわゆる“セカイ系”と呼ばれるもの。
「来週、地球が滅びるとしたら」という、あまりにも特殊な状況。その状況にもし自分がいるのならば、どんな行動をとるのだろうか。
似たような破滅SFで伊坂幸太郎の『終末のフール』を連想したが、この『ひとめあなたに…』は来週という近い将来の話ゆえに切迫した内容だ。
練馬から鎌倉までの旅で出会う女性たちがみんな個性的。最初に出会う由利子の「チャイニーズスープ」が強烈で、この小説は猟奇的な話が続くのかと思ってしまった。興味深かったのは智子の「夢を見たのはどちらでしょう」で、現実の捉え方がとても面白かった。
この結末からすれば、これは恋愛小説なのだろう。
Posted by ブクログ
一年一年がとても長くて、恋にしろ失恋にしろ十分した気がしている。失敗や成功もくっきりとしていて、諦めたり喜んだり、行動的ですぐ立ち直り、絶望もやってくるが、希望がすぐ取って代わる。
だから、はたちの頃って、もう人生を味わいつくしたような気がしているのよね。
本当はそれからが人生長く、機微に溢れ、苦しけれ、楽しいのだけれど。
そのみずみずしさがここには書かれている。新井素子さんの20歳の作品だそうだから、そのまま生のまま。
恋しい夫を食べてしまったり、バイクでひき殺したり、いや、地球に隕石がぶつかって破壊されてしまうなどと涼しい顔でいわれてもねぇと思うが、そんなことも有りと平気に思う若さがわからないでもない。
現実味が無いとなじることなかれ、了解していることと飛躍は共存する。若さはどんな不自然をも凌駕するのだ。
「ひとめあなたに…」逢いたかった!
それがすべての「その時」を惜しむ。
誰かが夢みているわけでもなく、夢がさめるわけでも消えるわけでもないのだ。
隕石がぶつかって地球がなくなるのではなく、新たな地球が登場するということ。
何を隠そう私も23歳、恋が実って結婚したらば人生、後は平坦と思った口である。思いたかった口である。
Posted by ブクログ
同級生に薦められて読みました。最後に食べるなら何を食べるかとふと考えることはあっても所詮は想像の範疇であって、地球がなくなるとすれば果たして自分は何をするのだろうか…100年ほど前にハレー彗星が地球に接近するときに地球上の空気が消滅してしまうので浮き輪やタイヤのチューブに空気を入れて備蓄したという話を何かの資料で読んだ事がある。この本が刊行された昭和60年といえばパソコンも携帯電話もないアナログな時代なので、情報も乏しい世の中だけどその反面、想像、空想、妄想がふくらむ本が多かったように感じた一冊でした。
Posted by ブクログ
もっと軽い話かと思いきや…良い意味で裏切られた。チャイニーズ スープは衝撃的。40年前の作品、20歳の女性目線による独特な文体や内面描写にも読みづらさは感じなかった。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
女子大生の圭子は最愛の恋人から突然の別れを告げられる。自分は癌で余命いくばくもないのだと。茫然自失する圭子の耳にさらにこんな報道が―“地球に隕石が激突する。人類に逃げ延びる道はない”。彼女は決意した。もう一度だけ彼に会いに行こう。練馬から鎌倉をめざして徒歩で旅に出た彼女が遭遇する4つの物語。来週地球が滅びるとしたら、あなたはどうやって過ごしますか。
来週地球が滅びるとしたら、私は圭子の行動が1番理解出来るかも...お互いに幸せな気持ちで死ねるのなら それは理想な終わり方だと思いました。
いざその時になったら 死にたくない!とジタバタするのかもしれませんが 人間はいづれ死ぬものだと言う事は歳とともに強く思う事でもあります。
幸せなだったと感じながら死にたいです。
Posted by ブクログ
恋人郎の癌が発覚。
一週間後に消滅する地球。
主人公圭子は恋人郎に一目会うために練馬から西鎌倉まで歩いて向かう。
道中、終末期を迎え、それぞれの人生を解釈しようともがく登場人物。それに自分を重ね合わせる圭子。様々な出来事を経て、郎と再会を果たす圭子。そこに待ち受けているものとはー。
個人的には「真理ー走る少女」が一番印象的だった。一見、正常に見えて最も狂気的。それはとてもリアリティがあった。
全てのストーリーが違った角度から、ぐさりぐさりと読者に投げかけてくる重みがある。それを独特の文体でサラッとやってのけるもんだから……。
Posted by ブクログ
なかなか独特な文章で、入りにくかったけど、クレイジーな奥様の話が面白くてそこからは一気に読めた。
世界の終わりって設定だから、自分ならどうするだろう、人類はどんな行動をするんだろうとか考えた。暴動、虐殺、理性を捨てて本能をむき出しにするのか、大切な人とゆっくり過ごすのか。日本人は最後まで仕事してそうだな、警察とか。でも単身赴任とか遠距離の人はつらいな〜。交通機関だけは動かして欲しいなとか、考えだすと止まらなくなる。
ただ、出来れば途中で彼氏と出会うようにして欲しかった!
Posted by ブクログ
独特の気持ち悪さ。
少女の持つ若いエゴも頑なさも、世界の終末ではどう描かれるか。
完璧なハッピーエンドのように小さな幸せに包まれる結末に内在する悪夢に、ぞっとさせられる読後感だ。