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Posted by ブクログ
子どもの頃、母が持っていたこの本を読んだ時から衝撃が忘れられない。バラバラ殺人のニュースを見たり、カニバリズムの話を聞いたりするたびに思い出す。
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
地球滅亡の話だが、この本はSF的な大きな行動はなく、皆が死ぬとき一人一人の人間はどんな行動を取るんだろうというもの。
死を目の前にして人が狂う様を色々な観点から描かれていて変わった本だなあと感じた。
文体も特徴的で、しかし読みやすかった。
すべての人の話を見てきて、圭子がその人たちを見て感じたことや、彼氏の朗への愛と、朗との会話が最終章で描かれるが、美しく深い愛を感じた。
Posted by ブクログ
宇宙魚顛末記、という話の滅びてしまう方の地球のお話。
恋人が不治の病で、気まずくなってしまったものの、地球が滅亡してしまう為、みんなが平等に死んでしまう事態になった為、遠いし道中も危険だけれども会いにいき、その道中で通り過ぎる人たちのちょっとインパクトの強いオムニバスストーリー。
勉強することで親に復習をする少女は、地球がなくなっても勉強し続ける。怖い。
妻の鏡のような貞淑な女性が浮気相手のところに行こうとする夫をシチューにしていまう。怖い。
辛すぎる現実の前に、夢の世界に閉じこもる少女の話も切ない。
未来が閉ざされるときに、今、大切なものが何かを狂気と絡めて強く突き付けられる。主人公が比較的まともで、救いのあるラストで読後感は悪くない。
Posted by ブクログ
不治の病にかかった恋人に振られた圭子は、
一週間後に隕石が衝突し人類は滅亡することを知り、
練馬から鎌倉の恋人宅まで歩いて向かうことを決意する。
圭子が元恋人と再会するときに着る服とハイヒールだけを持って出発したときは、道中に出会うあれこれのお話かと思った。
が、章が変わると、人形のように主体性のない妻が夫を殺して解体し、夫の肉を使って料理をしはじめるすごい展開。
圭子が交錯した人類滅亡を迎える4人の女の話が、圭子の道中に挿入される形。
圭子は主人公というほどに物語の大きな役割は背負っていない。
彼女はひたすら恋人に会いたい一心で前進する。
途中でバイクに乗って一気に鎌倉へ着いてしまうし大きなアクシデントにはほとんど合わない。
ただただ鎌倉を目指す。
各挿話の主人公達は、パニックになりその衝動が外へ向かう、というありがちな図式ではなく、それぞれに事実を受け入れて進んでいくのが新しい。
コテコテの新井素子作品であるから、文体がキライ、合わない、という気持ちもよくわかるけれど、やはり新井素子は天才だなと思う。
1981年に刊行された作品の改訂版。
二十歳のとき書いたなんてね。
『チグリスとユーフラテス』といい、何て嗅覚の鋭い人なんだろうと感心する。