新井素子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
狂気の世界。狂っている思考を日記の文体で見せられる。日記部分のフォントが、すでに不穏な雰囲気。
1992年に単行本の初版。1995年と 2012年に文庫版が出て、今年文庫の改版が発行されたので、もともとは今から30年以上も前の話!
まだ携帯電話もそこまで普及してないし、24時間戦えますか?の風潮がまだあった時代。いろいろな価値観が変わったけど、人の怖さって、変わらないなぁと思う。
依存し、執着し、自分だけの世界に閉じこもり、どんどん狂っていく主人公。でもたしかに、狂っているのはこの主人公だけだったのか……?
絶対に自分の中にないとは言い切れない狂気の一端を、ここに見た。 -
Posted by ブクログ
1990年から91年にかけて、ネオファンタジーという雑誌で連載された小説。
ネオファンタジーという雑誌は、ネット検索してもろくに情報が引っかからないけど、どうやら大陸書房という出版社から6号だけ出されたライトノベル系の雑誌らしく、そのあとは大陸書房自体が倒産してしまう。
Wikiでは他の大手出版社がライトノベル系に手を伸ばし始めたことによる影響だと書かれているが、どうだろうか。倒産は92年とのことなので、バブル崩壊の影響などもあったかもしれない。その時点でも売れっ子であった新井素子に連載させているのだから、あまり会社が無能だったようにも思えないが。
新井素子の小説は、文章で書いた漫画、と形 -
Posted by ブクログ
この本がホラーとして紹介されてて、その宣伝文句がやけに秀逸過ぎたため、結果として、かなりのアンマッチな読者を生んだように思います。
新井素子さんの作品は、ティーンネイジャーの頃に沢山読んで、大好きな作家さんの1人です。
個人的には、新井素子さんの読者のターゲットって、基本10代女子で、いわゆるライトノベルと言うジャンルなんじゃないかなぁと思います。
それが何故かホラー小説と名を打って、大々的に?メディアで取りあげられたのを私も見て、ん??と思いながら読んで、あ、やっぱりこれはいつもの新井素子だって感じました。なんでホラーなんやねん、って謎の関西弁でちゃいました。 -
Posted by ブクログ
おしまいの日は、三津子の日記から始まる。
仕事人間である夫、忠春が帰ってこない。
ご飯を作り、春さんが帰ってくるまで食事も取らず寝もしないで待っている三津子。
そんな寂しい生活の中に、にゃおんという猫が三津子の元にやってくる。
三津子の友人である久美、その夫の俊幸。
二人の介入も虚しく、三津子はおしまいの日へと近づいていく。
日記と手紙の黒塗りの部分。
なんとかして読めないのかな…。
それを公開したバージョンも発売してほしい。
何がおかしいのか、誰がおかしいのか、最後の最後で疑問が生まれてしまったな。
本当におかしい人は、自分がおかしいって気づけないはずだし、でもやっぱり三津子もお -
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Posted by ブクログ
ネタバレ2025年は、このクマが怖い!!
の帯につられて読んでみました。
ある意味、こうであってよかった、というラストでした。
裕子や成美ちゃんがサイコな人とかでなくて、くますけも(今のところ)裕子たちに無害だったし、成美ちゃんが幸せになってハッピーエンドでホッとしました。
これからどうなるかはまだ分かりませんが…というところがホラーでしょうか。
ただ、作者の雰囲気に慣れていないせいか、文体が私には読みにくかったなぁ。
今まで読んだことのない句読点の打ち方、助動詞の省略。
これも味なのでしょうが、間延びしているように感じてしまいました。