新井素子のレビュー一覧
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ホラーテイストてすが、怖さはマイルド。
10歳の成美は両親が事故でなくなり、母の友人の裕子さんに引き取られる。成美はくますけと名付けたぬいぐるみと離れられず学校などでも一緒にいるため、葉子という同級生からいじめられていた。くますけを汚したりするいじわるをした後、葉子は事故にあい、同じくして両親は事故死。成美がくますけに葉子の不幸を願ったから起こったことなのか?くますけがやってくれたことなのか?
なぜ、成美がくますけ依存をしているのか、とか、くますけがしゃべれるのは成美の想像なのか?とか、考えながら読めました。最後にキャラ追加の展開あって、予想通りにならなかったのも良かったです。
改訂版が何回か -
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ネタバレむかーし昔,大好きだった本のひとつ。
当時は何回も読んでたなー。
結婚する時手放してしまって、先日なんと東京駅で見つけて思わず買ってしまった。
もう一回読みたいと思っていたんだー!
終末をテーマにした本はたくさんあるけど、これが一番好き。
今回の解説にもあるけど、こんな世界がどうにかなる話なのに、政府がとか○○対策がーとか各国の首脳がーとか,出てこない。そりゃそーなんだよ。だって、自衛隊も,各国首脳も,警察も,公務員も,みんな死んじゃうし,逃げる場所もない!
もしかしたら,宇宙に逃げる人はいるのも?だけど、主人公は20歳の普通の女の子。宇宙に逃げる術はない。
隕石が地球に落下して1週間後に -
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ホラーは好きですが、本で読むと頭の中で情景を作り出してしまうので避けていました。
ですが、SNSで見たこの「くますけと一緒に」の感想を見ていたらどうしても読みたくなって購入。
長期の休みのある時に読むことにしました。
結果としてはとても良かったです。わたしはこういう展開のお話は好きです。
トイストーリーが好きな方は好きなんじゃないでしょうかね、トイストーリーがちょっとホラーチックになる感じ……と言うと語弊がありますかね(¯∀¯;)
ホラーと言いつつもがっつり怖いわけではないので、ホラーは気になるし見たいけどがっつり怖いのはだめって方にもオススメです。
くますけ、成美ちゃんの幸せを願っていて -
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ネタバレこちらもリバイバルで再読。初読時はこれほどSNSのようなインタラクティブなコミュニケーションツールが発達していなかった時代なので、三津子の孤独がリアルに伝わってきた。
日記のスミ塗り部分の仕上がりは新潮版単行本のほうに軍配。どう表現するか苦心しただけある。あのページを開いたときはゾッとした。
曖昧な自他境界と極端な白黒思考が状況(病状?)を悪化させたおもな要因だと思うけどそれが生来のものなのか生活環境によるものなのか。あるいは両方か。
住民票の閲覧制度が改正されたのが2006年でこの作品の出版年度が1992年なので、そのへんはどう想定しいたのだろう。手紙は忠春に見せないことにしていたようだし、 -
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豪華作家陣が想像力と食欲を刺激する、新世紀のごはん小説。
日常SFから遠未来SFまで8編を収録。
「人類と食」にまつわるSF小説アンソロジーです。
「食」は人間が生きるうえで欠かせない大切なもの。生きるのに不可欠……というだけでなく、いつしかそれは娯楽となり、美食を求め奇食を追い、飽食に飽き、ある種の歪さを孕んでいるようにも感じる昨今。食のポジティブな面だけではない部分に目を向けた一冊。
具体的に言えばディストピア飯やオルタナティブフードなどをテーマに扱ったものが多いです
美味しいものが大好きな私としては、こんな未来が来ないことを祈るばかり。
個人的に好きだった話は、『E・ルイスがいた -
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散歩がてら入った本屋さんの『おすすめミステリ、ホラーコーナー』で気になって購入。
サイコホラーと紹介されていましたが、私には「純粋な愛が行きすぎてしまった物語」のように映りました。
すべてが愛情からくるもののようにも見える一方で、人によってはそうは受け取れず、私自身も不安を覚えたり、主人公の異常さを強く意識させられる場面もありました。
ラストで主人公を含めた登場人物たちの行動には、疑問を感じたり驚かされたりもしました。
それでも読み進めるうちに、主人公だけがおかしいわけではないのだとも思わされます。
物語を追うなかで、登場人物それぞれの言い分や気持ちが理解できてくる感覚があり、立場や視点 -
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ネタバレ何度目かの再読
日記の棒線消しがよりそれっぽくなっていて印刷技術の進歩はすごいなあと感心。
エピローグでどんでん返し、というよりはこうだと思っていた方向性は大体合っていて更にその底が抜けていく感じが恐ろしくて気持ちがいい。
旦那さんが好きすぎて、帰りの遅い旦那さんを心配しすぎておかしくなってしまった女の人の話、という大枠の更に外があったというか…。
みっちゃんは困った人、おかしい人という物語のつくりではあるけれど、周囲が読者が思っているより物事が見えていて更に覚悟が決まっている人物だった。
旦那の帰りが遅いのを心配する、ではなく(それもあるが)、旦那の臨終の報せに常に怯えている、怯えて