今野敏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
警視庁捜査一課巡査部長、碓氷弘一。46歳。腹の出た体型に薄くなった頭髪。くたびれた背広姿というサエない中年男だ。
世辞も苦手で上司のウケも良くない。けれど上意下達主義の警察にあって、組織の常識に囚われない独自の視点から事件を見ることができる。
そんなベテラン刑事の碓氷が泥臭く事件解決に奔走する警察サスペンス。シリーズ2作目。
◇
秋葉原。国内と言わず世界中のITファンが集う街である。事件は、そこで起きた。
セキュリティの甘い日本はまさにスパイ天国だ。世界中のスパイにとって息抜きの場になるほどである。中でも秋葉原は、スパイやテロのツール調達のメッカである。
-
Posted by ブクログ
甘糟達夫。35歳。優しそうな童顔。痩せて小柄な体格。まじめで小心な性格。そんな草食系で争い事を好まない男が、何の因果か警視庁の刑事になってしまった。
望みは、手柄を立てることでも出世でもなく、平穏無事に定年まで勤め上げること。
なのに所属はマル暴だし、上司はヤクザより恐ろしい男だし、所轄の北綾瀬管内には暴力団事務所が多いときている。
穏健派の甘糟巡査部長の苦難の日々はまだまだ続く。シリーズ2作目。
◇
時刻は午後11時過ぎ。寝支度をしている甘糟の携帯に、綾瀬駅近くの歓楽街でチンピラ同士が喧嘩していると連絡があった。
現場に出向きチンピラたちに注意 -
Posted by ブクログ
今回は安積班の主人公安積剛志の警察学校時代から現在に至るまでの軌跡を描いた短編集になっている。短編集では安積班の面々をはじめとして個人に焦点があたることが多いが、今回も安積を中心として周りの速水や村雨、記者の山口などが短編の主軸となっている。「視野」ではベイエリア分署以降、竹の塚署異動になっている大橋の視点で物語が進む。私は強行班係だけでなく臨海署の結束を強めるこの短編が一番好きだ。大橋が出てくるとなんとなく嬉しくなる。彼もまた安積班の一員だったのだ。このシリーズはほとんど年が変わらない、所謂サザエさん時空的なところがあるが、いずれ桜井が安積班の元を離れるとき、竹の塚署の大橋のように立派な刑事
-
Posted by ブクログ
『任侠シリーズ』のスピンオフ。
穏健派で争い事を好まないという刑事らしくない刑事、甘糟達夫の活躍を描くライトミステリー。
甘糟達夫。警視庁北綾瀬署勤務の巡査部長だ。齢 35歳だが童顔と痩せた小柄な体格で、ヘタをすると20代に見えたりする。当然ながら押し出しも強くなく、とても刑事とは思えない。
なのに配属されたのは、どういうわけか組織犯罪対策課。通称「マル暴」だ。
おまけに所轄管内には暴力団事務所が多いときている。
せっかく就いた安定の公務員。平穏無事に定年まで勤め上げることのみを目指す甘糟にとって、苦難の日々は続く。
シリーズ1作目。
◇
甘糟の当直中 -
Posted by ブクログ
任侠世直しシリーズ
今回は映画館の立て直し
以前映画で日村を西島秀俊さん、阿岐本を西田敏行さんが演じていたので、それに照らしてみました。
組長の阿岐本の黄門様の様な登場はなかったけど、損得で仕事をするのも大切ですが、行き過ぎた風潮に一石を投じる。
大衆の中で人との生き方を学ぶは、何となくわかる気がします。面倒だけど効率だけでは、世の中どんどんとギスギスしてる気もしますしね。
代貸の日村さんの苦労も絶えないけれど、人様の役に立てる仕事って良いなと思う。
ヤクザの仕事術は、ビジネスマンにも役に経ちますよね。
警察に頭でっかちな刑事も登場してきたけど、負けずに頑張ってもらいたいなと思う。
悪法 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安定の面白さ。前にも単行本で買ったのを忘れていて文庫本を購入。
暴対法も中々大変。なんか、人間性の否定にもなるのと、悪いものをどう統制するのかというところ。だが、必要悪というものもどうかというのが悩ましい。任侠に惹かれるものの、実態としてはどうなのか。
『映画館を盛り上げるために、できること。
きっかけは、与えられるものじゃなくて、見つけるものです。与えられたきっかけにも、僕らは興味を持てません
他人が興味を引かれることって、誰かが本気で楽しんでいることなんです。人にどう思われようと、自分は楽しい。そう思っている人を見ると、人は引きつけられるんです。
人を引きこもうなんて思わないで、自分がひ