奥田英朗のレビュー一覧

  • 最悪

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     タイトル通り終始嫌な気分で鬱々と進みしんどかった。鉄工所社長の川谷さんの章が1番辛かった。和也は元々定職に就かず強盗や恐喝をしているので同情の余地が少ないが、反面川谷は真面目に働いており養うべき家族がいて理不尽な目に遭う度合いも3人の中では高いと思う。終盤の収集のつかない展開には目が点になったが、それぞれが一応の安息を得られたのは良かった。
     苦境に陥った時に正常な判断力を失くしどんどん悪い方へ転がっていってしまうのは私も経験があるのでよくわかる。傍観者たる読者は勝手なことを思うが、実際自分がその立場になるとなかなか冷静になれないもの。その恐ろしさを思い出した。

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    2023年03月17日
  • 真夜中のマーチ

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    楽しかった
    最近は【生き方】がテーマの本を読むのが好きですが…

    この本みたいに、騙し合い、ドタバタコメディーなの好きですね
    こんだけハチャメチャなのに、無駄に登場人物が死んでしまったりしない感じも好き

    たしかにミタゾウみたいな、パッと見冴えない人が
    ここぞと言う時に、得意な能力があるのがカッコいいですよね!
    決めるとき決めるみたいなギャップが…
    シティーハンターだったり
    ルパン…ONE PIECEのサンジ…鬼滅のゼンイツなどなど
    ギャップがあるキャラはどの作品にもかかせませんね。

    ※だから結局 話変わるけど何が言いたいかって言うと…
    【自販機で当たり出ると、何を押すかアタフタしまくって…

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    2023年03月15日
  • 噂の女

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    悪女の話。和歌山のドンを思い出す。ここまで悪女に徹すると痛快。奥田さんの地元愛、地方ならでわの笑い。グッと親近感が湧く。彼の本『最悪』のトーンである。

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    2023年03月15日
  • オリンピックの身代金(上)

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    東京オリンピックを通して再興する戦後の日本が舞台ではあるものの、利権争いが蔓延る国家のあり方はついこないだの2020東京オリンピックの話と聞いても違和感がない。東京オリンピックが終わって続々と不正疑惑、汚職などのニュースが出てくる中で読んだため、日本も成長しないなあと他人事のような感想を抱いた。

    爆破事件を起こすことで、オリンピックで浮き彫りになる階級格差、地域格差な一矢を報いようとする主人公はびっくりするほど純粋で正義感が強く、なぜか嫌いになれない。

    出稼ぎの描写、これから衰退していく日本ではどんどんこういう家庭が増えていくのでは、、と怖くなった。

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    2023年03月08日
  • マドンナ

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    自分と同じく40代サラリーマンの職場での問題を皮肉をまじえた短編集。営業職の話が多く自分の職種とは違ったが、女性社員への恋心、女性上司との折り合い、年老いた親との関係など身に迫るテーマで、のめり込んて読めました。

    「パティオ」
    登場する、おひょいさんは達観し毅然とした雰囲気があり自分もこういう歳の重ね方をしたいと思いました。

    全編を通して感じた事は、アラフィフ世代で歳を取ったなあと思っていましたが、まだまだ子供だと突きつけられているようでした。頑張ろう。

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    2023年02月28日
  • 無理(下)

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    途中までは最高に面白かった。同じ街に住むという共通点しかなかった彼らが、いつどう交わるのか、そしてそれぞれに抱えた難題をどう乗り越えるのか。
    手に汗握りエンディングを読んでガッカリ、何とも中途半端で気持ち悪い終わり方か。

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    2023年02月28日
  • 真夜中のマーチ

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    大金強奪を目論む若者たちのドタバタ劇。エンターテイメント全開で頭カラッポで楽しめるのがいい。
    お調子者の裏街道男のヨコケン、妙な能力を持つ商社のマンミタゾウ、ワケあり美女のクロチェ、優秀なワンコのストロベリー、キャラ設定もわかりやすくテンポが良いので気楽に楽しめます。

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    2023年02月22日
  • 恋愛仮免中

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    5人の作家による恋愛アンソロジー

    奥田英朗 「あなたが大好き」
    窪美澄 「銀紙色のアンタレス」
    荻原浩 「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
    原田マハ 「ドライビング・ミス・アンジー」
    中江有里 「シャンプー」
    の5編が収録されています。

    窪美澄さんの作品を楽しみにしていましたが2016/10/17に刊行された「すみなれたからだで」に収録されていた物で少し残念でしたが、それでも再び読み返したらやっぱり好きだなと感じました。
    16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキしたり、おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が脳内映像に浮かんで来たり、おばあちゃんの作るおにぎりが食べたくなったり、終始無駄

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    2023年02月17日
  • ヴァラエティ

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    たぶん空中ブランコだったかな、初めてこの人の本を読んだのは。
    それがもう面白くて、しばらくの間何冊か読んだんだけど、そういえば最近は読んでなかったなあんまり。
    この本はまぁ出たのも7年くらい前だし書かれたのもその前だから、新しくはないのだが、相変わらず読み易いしそして面白かった。
    最後の「夏のアルバム」は著者もいうように良い話だったな。

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    2023年02月07日
  • マドンナ

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    奥田英朗さんのこういう作品、大好き。『ガール』は働く女性が主人公だったのに対して、こちらは働く40代男性が主人公。一回り以上歳下の部下の女の子に恋しちゃうオジサンに、海外帰りの女性が上司になって葛藤するオジサン、会社では上司に抵抗してみたり、家では妻に言い負かされたり。20年近く前に刊行された作品なので今の時代にこんなオジサンは少なくなっているだろうなぁと思いつつ、ここに登場するオジサンはそれぞれの立場で奮闘していてかわいいな、と思えました。

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    2023年01月29日
  • 噂の女

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    著者得意の群像劇。序盤は田舎の若者がしょうもないトラブルを抱える盛り上がりに欠ける展開だが、半分読み進めたあたりから話が次々とつながっていき、それぞれの登場人物の行く末に思いを馳せながら最後までノンストップで読めた。最終的に噂の女がどうなったかは語られていないが、どこかでまた、色仕掛けをしているんだろうな。。。

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    2023年01月24日
  • マドンナ

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    凝り固まった中年男性達の働き方の話。

    「マドンナ」奮闘する主人公と最後の展開。面白かったです。
    「ダンス」は最後の芳雄と息子のやりとりが笑えた。
    「総務は女房」うーん…この終わり方は正しいのかなぁ。
    「パティオ」おじいさんが好きでした。

    新鮮で面白い内容でした。

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    2023年01月22日
  • オリンピックの身代金(下)

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    ネタバレ

    社会の闇を暴くタイプの小説が好きな私にはたまらなかった!
    読んでいて、ああこれ撃たれるやつだなって感じつつも逃げ切れ国男と思う自分もどこかにいた。
    いい意味でボリューミーでエネルギーを使うお話なので、まとまった時間がある時に読むことをおすすめします。

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    2023年01月17日
  • 邪魔(下) 新装版

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    ネタバレ

    〈上〉の中盤くらいから予想外の展開が次々起こり、読み進む手が止まらなかった!平凡な主婦がどんどん強くなっていく姿が、痛々しかったり、カッコよかったりした。あと子供は本当に可哀想。

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    2023年01月15日
  • ララピポ

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    だいぶ激しい話ではあったけど、こういう人もいるんだな、こういう世界もいるんだな、ってそして最後つながるのが面白い。見下してる本人が結局一番人から見下されるのが嫌いなんだよね。そんなつまらない感情捨てて、素直になれば良い!

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    2022年12月31日
  • 向田理髪店

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    高橋克実さん主演の映画であることはラジオで聴いていたので役を当てこみながら一瞬で読み切ってしまいました。
    都会へのコンプレックスを抱きながらも逃げ出せない田舎を思う心模様の移り変わりが描かれています。

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    2022年12月18日
  • オリンピックの身代金(下)

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    群れを成さず身勝手な単独爆破予告をするテロリストに、警察庁と公安が立ち向かう話、として読んだ。
    テロリストに同情したり感情移入する読み方もあるのだろうが、虚無というか何も感じさせなくて、オリンピックに向かっていく華やかさやお祭り気分との真逆さを感じた。
    ラストに向かっての追う側の組織力と追われる側の知略の駆け引きが見所。村田さんのセリフや親心にはグッときた。

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    2022年12月10日
  • オリンピックの身代金(上)

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    1964東京五輪直前の東京での話。建設業界のヒエラルキー、格差社会など、2020東京五輪後とさほど変わらない部分もあって、昔話という感じがあまりしない。
    東大の学生さんを中心に話が展開していくが、なんというか残念な部分が多くて感情移入しづらい。貧乏なのに文系の院生で、学問を究めたいわけでもない。確たる信念が見えないというか何も無さそう。人をダメにするアレに手を出す。お騒がせな行為の疑い。
    若気の至りには賛成できないが、今後の展開は気になるので早めに下巻に手を出そう。

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    2022年12月10日
  • ララピポ

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    いやぁ、下流文学の極みとは聞いていたものの、性欲と金に塗れるとこうなるんだなと。
    理性を捨て去ってしまえば、みんなこんなものか、とも思ったりする。
    馬鹿馬鹿しさに振り切ってるのが、ある意味爽快かも。

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    2022年12月03日
  • 沈黙の町で

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    一つのことを明らかにするのって簡単ではない、、
    それにしても自分の精神年齢が中学生から変化してないのではと心配になる。
    心情を描くのがうますぎる。

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    2022年11月29日