奥田英朗のレビュー一覧
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ネタバレ東北のゆめの市に住んでいる5人。
公務員の相原順一、出向先のゆめの市での仕事に嫌気がさし早く県庁復帰したいとやる気もない。
普通のJK久保史恵は連れ去り監禁される。
訪問販売詐欺の加藤裕也は過去の暴力団OBだったことで大怪我、先輩の殺人にまで付きあわされる。
私服保安員の仕事を解雇された堀部妙子は新興宗教に。
市議の山本は自身の成功しか考えない。
えーっと思いながらも自分に当てはまるところもあったり身近な人を思い浮かべたり。多数の人が思いそうな黒いところを突いているので、胸がすく。どの人も置かれた場所で頑張ってるのに上手くいかない。そうだよね。
最後はもっと驚く結末かと思ったけど、特に絡むこと -
Posted by ブクログ
刑事と被疑者、ほかの登場人物の視点で描かれ、飽きなく、また実話をモチーフに誘拐というテーマなので
さらに緊迫感もあり、先が気になりどんどん読めました。「砂の器」を思い出します。
でも本作は事件についてより、当時の描写にすごく興味を持ちました。(事件については尻すぼみ感が、)
これまでは感情移入しやすかったり親近感持てる、その時その時の時代設定の本を好んで読んでいて
あまり時代設定の違う作品は、これというもの以外読んでこなく、なんで書くのかなって思っていたくらい。
電話やテレビの登場で事件が混乱って、実は今のSNSに置き換えると同じなんだと。
歴史は繰り返すってほんとだなと思いました。
ちょっ -
Posted by ブクログ
『オリンピックの身代金 下』。
要求額は8,000万円。
東大生・島崎国男はオリンピックを人質に、身代金を要求する。
東京だけが繁栄し、取り残されつつある故郷・秋田の田舎の農村のために…
一方、警察は死力を尽くして、国男の行方を追う…
国男は…
警察は国男を捕まえることができるのか…
ほんとになぜ⁇
東大生の国男なら、もっとやり方があったんじゃないかと、何度も思った…
こんなことをしなくても…
最後にはうまくいってほしいと…
どこかで生き続ける国男と村田を思い描いていた…
何もなかったかのように…
国男は生きているのか…
生きていてほしい。
ここから日本は高度経済成長に入り、物心 -
Posted by ブクログ
奥田英朗『オリンピックの身代金 上』
東京オリンピック開催前の昭和39年8月。
秋田から出稼ぎに来ていた兄の死。
そんな兄の死により、日雇い労働者の過酷な労働環境を知った、東大生・島崎国男。
故郷・秋田、社会の底辺ともいうべき日雇い労働者たちと、オリンピック開催に沸く東京。その対象的な違いに、違和感を抱き始める国男…
すべての悪は東京だと…
そこまでしなくても…
東大生であるのに。
そのままで自分の未来は明るかったはずなのに。
なぜ⁇
なぜ⁇としか思えない。
もっと他にやり方があったのではないか、東大生なんだから。
やるせない。
国男はどんどん堕ちていくのか…
昭和39年、ちょうど6