奥田英朗のレビュー一覧
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購入済み
交錯するオリンピックの光と影
初めて読む作家さん。昭和39年、オリンピック直前の東京。初めは古いタイプの推理小説かと思って
いたが、全然違っていた。
文章が読みやすく、飽きさせない。また、オリンピック開催の頃の当時の世相がよく書かれており、臨
場感もたっぷり。インターネットも携帯もない、もう50年以上も昔の話なのに、今、すぐそこで事件
が起こっているかのような新鮮さがある。同じ日の出来事を、警察側と犯人側の両方から描いているの
で、それぞれの立場からみた展開が面白かった。
東京に日本中の富が集中し、ハッピーライフを送る人間がいる一方で、疲弊した地方で生きる人々は貧
困にあえぎ、夢も希望もない。オリンピック景気 -
購入済み
ナオミとカナコ
最後までハラハラドキドキで一気に読み終えました。
登場する脇役の中国人についての表現が、アクは強いけれど嫌味なく描かれていました。
この著者の作品は初めて読みましたが、他の作品も読んで見たくなりました。
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購入済み
続編希望
昔文庫で読みましたが、また読みたくなって電子版を購入しました。精神的な悩みを抱えた患者たちをはちゃめちゃな伊良部先生がいつのまにか癒していく。読んでいると自分の悩みも解決できるのかもしれないと思えてきます。伊良部シリーズはもっと続編が出てほしいです。
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購入済み
たんたんと、そしてグイグイと
ブロガーマナブさんのオススメで読みました。淡々とした短めの文章で、グイグイ読ませる作品です。サスペンスとして、後半のほころびもエンタメ性が高く、久々に面白い本を読みました。
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Posted by ブクログ
奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。
日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。
「あなたが大好き」奥田英朗
自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
結婚を真剣に考えている。
つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。
親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。
誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。
「銀紙色のアンタレス」窪美澄
夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。
そこに幼なじみの同級生 -
Posted by ブクログ
ロックが音楽ジャンルではなく、ムーブメントだった時代。ラジオにかじりつき、FM放送から流れる曲に息を止めてタイミング合わせ、録音ボタンを押していた。まさに同じ。本書に書かれている奥田少年の音楽体験は、最初から最後まで自分のそれとかなりの部分がぴったりシンクロし、当時の記憶を懐かしく思い起こしながら読んだ。
他人の音楽遍歴や評論は、いつもそれほど共感できなくてそれほど面白いと思ったことがないが、本書はどんぴしゃだった。しかし、ただそれだけではなく、ところどころ作者が短くぽろりともらす意見、考察が憎いぐらい気がきいていて、なるほどそうだと膝を叩きたくなるんですね。そこらへんは、さすが力のある人気作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5。
内容(BOOKデーターベース)
父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか?それとも勇者?家族の絆、仲間の絆を描いた傑作長編。
だめだめ男のお父さんだが、懸命に働いて「誰のお陰でメシ食えてるんだ!」という父親よりも、いざというとき頼りになる。だから、元お嬢さんの奥さんは付いていくんだろうなぁ~過激すぎるのも怖いけどある意味人生を知り尽くしているので何ごとにも動じない姿はちょっと良かった。
子供同