奥田英朗のレビュー一覧
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交錯するオリンピックの光と影
初めて読む作家さん。昭和39年、オリンピック直前の東京。初めは古いタイプの推理小説かと思って
いたが、全然違っていた。
文章が読みやすく、飽きさせない。また、オリンピック開催の頃の当時の世相がよく書かれており、臨
場感もたっぷり。インターネットも携帯もない、もう50年以上も昔の話なのに、今、すぐそこで事件
が起こっているかのような新鮮さがある。同じ日の出来事を、警察側と犯人側の両方から描いているの
で、それぞれの立場からみた展開が面白かった。
東京に日本中の富が集中し、ハッピーライフを送る人間がいる一方で、疲弊した地方で生きる人々は貧
困にあえぎ、夢も希望もない。オリンピック景気に沸く東京では出稼ぎ労働者たちが奴隷のようにこき
使われ、情け容赦なく切り捨てられていく。時代は変わったが、今でもこの構図は全く同じだと思う。
世の中の不平等に怒り、オリンピックを虚栄の象徴とみなして一人立ち上がった島崎の気持ちはよくわ
かる。その一方で、戦後復興の象徴としてのオリンピックを何としてでも成功させたい捜査陣の熱意、
気概も痛いほど伝わってきた。捜査陣と島崎の追跡劇は、まさにハラハラドキドキの連続だった。
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購入済み
ナオミとカナコ
最後までハラハラドキドキで一気に読み終えました。
登場する脇役の中国人についての表現が、アクは強いけれど嫌味なく描かれていました。
この著者の作品は初めて読みましたが、他の作品も読んで見たくなりました。
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続編希望
昔文庫で読みましたが、また読みたくなって電子版を購入しました。精神的な悩みを抱えた患者たちをはちゃめちゃな伊良部先生がいつのまにか癒していく。読んでいると自分の悩みも解決できるのかもしれないと思えてきます。伊良部シリーズはもっと続編が出てほしいです。
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購入済み
たんたんと、そしてグイグイと
ブロガーマナブさんのオススメで読みました。淡々とした短めの文章で、グイグイ読ませる作品です。サスペンスとして、後半のほころびもエンタメ性が高く、久々に面白い本を読みました。
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Posted by ブクログ
奥田英朗の小説が読みたくてググったら出てきたアンソロジー。
日本の文芸界の最先端を駆ける5人の共演は、美しい交響曲のようだった。
「あなたが大好き」奥田英朗
自他友に認める平凡なOL・渡辺彩子、28歳。
結婚を真剣に考えている。
つきあって3年にもなる恋人香坂真二は、勝手に会社を辞めて放浪の旅に出てしまう。
親友に相談すると、さりげなく素敵な男性を紹介される。
誠実で堅実な彼に惹かれていくが、ある出来事をきっかけに自分の本当の気持ちに気がつく。
「銀紙色のアンタレス」窪美澄
夏と海が大好きな高校1年生の真(まこと)は、海沿いの祖母の家に泊まり込む。
そこに幼なじみの同級生・朝日が訪ねてくる。
もう、少女ではない朝日。美しくなった朝日を意識する真だが、思いはすこし複雑だった。
「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」荻原浩
21世紀のホスピスで向き合う老夫婦。
昭和44年アポロ11号の月面着陸生中継をみつめる中学生。
二つの舞台が交錯する時空を超えた愛の物語。
「ドライビング・ミス・アンジー」原田マハ
元会社専務のタクシードライバー善田雄二。
部下の不祥事の責任を取らされて会社を追われる。
妻の死に目にも会えなかったことから、既に嫁いだ一人娘との距離が出来てしまう。
英語が堪能な善田は、京都観光中に自転車にひっかけられて尻餅をついた彼女に声をかける。
そこから始まる小京都旅行。
二人の人生が、少しだけ動き出す。
「シャンプー」中江有里
両親が離婚して母と暮らす中2のミサト。
理容師の父とは月1回、父の「職場」で髪を切ってもらうだけのルール。
母のいきつけの美容室の新人美容師タケルと仲良くなったことで、ミサトはいじめにあってしまう。
タケルとミサトが考え抜いた、仰天のいじめの対策とは。 -
Posted by ブクログ
ロックが音楽ジャンルではなく、ムーブメントだった時代。ラジオにかじりつき、FM放送から流れる曲に息を止めてタイミング合わせ、録音ボタンを押していた。まさに同じ。本書に書かれている奥田少年の音楽体験は、最初から最後まで自分のそれとかなりの部分がぴったりシンクロし、当時の記憶を懐かしく思い起こしながら読んだ。
他人の音楽遍歴や評論は、いつもそれほど共感できなくてそれほど面白いと思ったことがないが、本書はどんぴしゃだった。しかし、ただそれだけではなく、ところどころ作者が短くぽろりともらす意見、考察が憎いぐらい気がきいていて、なるほどそうだと膝を叩きたくなるんですね。そこらへんは、さすが力のある人気作家、着眼点、表現力に感心させられ、本当にうまいと思う。
音楽のジャンルは生き物のように、誕生があり、ピークがあり、衰退があると思う。自分も今のポップミュージックは、80年代にあらゆることをやりつくしてしまって、以降、もちろん時々おお、っと思うようなヒット曲は出てくるものの、あらかたの楽曲はすでに原型があるものの再生産だと思う。
でも、エルビスやビートルズがある時いきなり誕生したように、そのうち、これまで誰も聴いたことのない、まったく新しい音楽が産まれるんだろうな、と漠然と思うし、ぜひ聴いてみたいなと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5。
内容(BOOKデーターベース)
父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか?それとも勇者?家族の絆、仲間の絆を描いた傑作長編。
だめだめ男のお父さんだが、懸命に働いて「誰のお陰でメシ食えてるんだ!」という父親よりも、いざというとき頼りになる。だから、元お嬢さんの奥さんは付いていくんだろうなぁ~過激すぎるのも怖いけどある意味人生を知り尽くしているので何ごとにも動じない姿はちょっと良かった。
子供同士のやり取りも少し大人が入るが、やっぱり子供というアンバランスさが出ていてホノボノとした。